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無責任政治が「賃金底抜け」と「年金破綻」を助長する 力強さに欠ける国内景気と堅調な株価、先行きは 途切れた「火曜日の株高」、海外勢の買い一巡を不安視 安倍政権の後継者問題、政治の安定失えば日本株売
http://www.asyura2.com/19/hasan133/msg/679.html
投稿者 鰤 日時 2019 年 11 月 21 日 14:27:38: CYdJ4nBd/ys76 6dw
 

無責任政治が「賃金底抜け」と「年金破綻」を助長する
金子 勝:立教大学大学院特任教授・慶應義塾大学名誉教授

経済・政治 DOL特別レポート
2019.11.21 5:30
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無責任政治が「賃金底抜け」と「年金破綻」を助長する
Photo:PIXTA
 香典や運動員への過大な報酬など、公職選挙法違反が疑われる“ばらまき”で閣僚2人が相次いで辞任したのに続き、首相側近の萩生田光一文科相の「身の丈」発言で、民間英語試験の導入見直しを余儀なくされるなど、安倍改造政権は発足2ヵ月で早くも“末期症状”だ。

 税金でまかなわれる「桜を見る会」の招待に、首相自身の後援会事務所が関与していた“公私混同”が明らかになり、来春の見る会は中止となり、20日には首相自身が招待客の推薦に「関与」したことを認めた。

 政治家の無責任や弛緩は目を覆うばかりだが、深刻なのは、「無責任政治」によって、国民生活の基盤さえも崩れ始めていることだ。

厚労政務官の「口利き疑惑」
が物語る政治の“深刻”さ
 菅原一秀経産相と河井克行法相の辞任で、陰に隠れた形になったが、上野宏史・元厚労政務官の外国人労働者受け入れを巡る「口利き疑惑」と、年金財政検証の公表先送りは、その象徴だろう。

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外人労働者受け入れで“手数料”稼ぎ?
 上野衆議院議員が厚労政務官を辞任したのは、8月28日。その後も安倍政権の不祥事が続くなか人々の記憶から遠のき始めているが、辞任の引き金になった週刊誌が報じた疑惑は次のようなものだ。

 上野元政務官は、飲食店やドラッグストアなどに外国人労働者を派遣している人材派遣会社「ネオキャリア」の外国人労働者の在留資格申請について、出入国在留管理局に対して許可を早めるように働きかけることで、1人当たり2万円の「報酬」をネオキャリアから得ようとしたとされる。

 秘書との打ち合わせとされる録音テープが報じられ、秘書もテープは「本物」だと認めたようだ。

 その後も、ネオキャリアへの仲介者とされる女性経営者と上野議員のやりとりという新たな録音テープの存在も報じられた。その中で、上野元政務官は、1件につき「3でも5(万円)でも」「月に100万円に」なれば、とも語っている。

 一連の疑惑報道に対して、上野議員は全面的に否定をしたが、厚労政務官を辞任した。

 仮に報道が事実だとすれば、法律を厳正に運用すべき法務省が、政治の言いなりになり、口利きという斡旋利得罪の疑いの対象になる異常な事態だと言ってよい。

 外国人労働者受け入れ拡大を目指した改正入管難民法は、衆議院の審議時間はわずか17時間。衆参法務委員会でも審議は合わせてわずか33時間だった。

 審議過程で、低賃金や過酷な労働条件で働かされかねない外国人労働者の人権をどう守るかが問題にされたが、安倍首相は「あらゆる手段を尽くし悪質ブローカーを排除していく」(2018年12月6日)と答弁していた。

 しかし、口利きが行われたとしたら、内閣の担当政務官自身が外国人労働者の受け入れで“手数料”をかせぐ「悪質ブローカー」だったことになる。

現役世代は賃金低下
高齢者は年金不安に
 改正入管難民法がもたらす問題は、外国人労働者にとどまらず、賃金と雇用条件の底割れを作り出す点にある。

 90年代には労働者派遣法が改正され、低賃金・不安定の非正規雇用が拡大して、賃金と雇用を破壊した。

 今回の改正で、14の分野(外食、宿泊、介護、ビルクリーニング、農業、漁業、建設、造船・舶用工業など)で、「外国人技能労働」の受け入れが始まったが、非正規労働者に加え、低賃金の外国人労働者が増加することで、働く人全体の「賃下げ」をもたらす可能性が強い。

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年金公表延期し「不都合な真実」隠蔽?
 日本は有効求人倍率がバブル期並みの1.8を超える「人手不足」にもかかわらず、実質賃金が持続的に下落、今年に入ってからは名目賃金も低下する「異常」な状況が一段と悪化しかねない。

 さらにこの問題は年金制度にも波及する。

 現役世代の賃金の低下は、高齢者の生活を直撃することにもなる。実質賃金が持続的に下落する状況が続けば、年金財政が成り立たなくなっていくのだ。

 年金に対する不安が強まっているなかで、安倍政権は、例年なら6月に公表する年金財政検証を8月の参議院選後まで先延ばしした。

「老後の貯蓄不足2000万円」問題が急浮上し、年金問題が参院選の争点になるのを恐れたからだが、年金担当の厚労政務官だった上野議員は、参院選前から、年金財政検証で概ね所得代替率は50%以上を確保できるかのような国会答弁をしてきた。

 選挙への影響を少なくするため、年金の「不都合な真実」を隠蔽したといってもいい。

 参院選でなんとか勝利し改造内閣を発足させた後の10月4日、安倍首相は所信表明演説で、「8割の方が65歳を超えて働きたい」と願っていると言い、「70歳までの就業機会を確保します」と強調した。

 この発言の根拠は、2014年度の「高齢者の日常生活に関する意識調査」とされるが、調査ではそんなことにはなっていない。

 調査によると、就労希望年齢を65歳以上としている人は「8割」ではなく全体の55.3%だ。一方で、65歳以上で「家計が苦しく、非常に心配である」と答えた人が60.2%を占めている。

 多くの人々が「働きたい」というのは、年金はじめ社会保障の削減が続き、老後に不安があるから働かざるを得なくなってきているということだろう。

年金制度は「維持」されても
給付削減で老後不安強まる
 この問題でも政治の責任は大きい。

 年金不安の第1の原因は、人口推計で、少子高齢化の予測を甘くしてきたことがある。

 国立社会保障・人口問題研究所の高位、中位、低位の3つの人口推計のうち、政府は常に中位の推計を選んできたが、少子化や高齢化の実際の数字はずっと中位の推計を下回ってきた。

 予想以上に、年金給付をもらう人が増えて、年金保険料を納める人が減っていけば、年金財政が悪化するのは当然だろう。

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深刻な母子家庭や非正規社員の老後
政府は今後、2004年に導入されたマクロ経済スライドをフルで発動しようとしている。マクロ経済スライドは、保険料を納める被保険者数の減少と平均余命の伸びに応じて年金給付水準を削減する仕掛けだ。

 その結果、今回の財政検証では、成長実現のケースでは、マクロ経済スライドが効いて、30年には給付が2割減になり、国民年金(基礎年金だけ)なら約3割も削減になる。

 経済成長が実現できないベースラインケースで見ると、国民年金なら約4割の削減になる。国民年金は現状で約6万5000円だが、30年にはいまの物価水準で考えると4万円前後になってしまう。

 マクロ経済スライドを適用することで、給付水準を削ることができて、結果として年金財政全体は維持できることになる。しかし制度が維持されたところで、給付水準が大幅に削減された年金では生活できなくなってしまう。

 とくに問題となるのは、ロストジェネレーション(ロスジェネ)や母子家庭である。

 一方で政府は制度維持の対策として、年金受給の開始年齢を引き上げることやパートや契約・派遣労働者の厚生年金適用を拡大していくことを掲げている。

 だが年金受給年齢を引き上げるといっても、年金をもらえるようになるまでの高齢者の雇用が簡単に確保できるとは思えない。厚生年金の適用拡大も、労賃コストの割合が高い小規模事業者などは、企業拠出金を負担できない可能性が高く、一定の限界がある。

シミュレーションとは言えない代物
ご都合主義の「中長期試算」
 年金不安の第2の原因は、年金財政検証の基礎になっている「中長期の財政経済に関する試算」(以下「中長期試算」)に無理があり、したがって年金財政検証のシミュレーションも現実にあり得ない無理な数値を前提としていることだ。

「中長期試算」は内閣府が半年ごとに改訂しているが、年金財政検証は、まずは最初の10年間は、「中長期試算」の成長実現ケースとベースラインケースのシミュレーションを前提にして、それ以降は6つのケースに分けて年金財政の状況を予測・分析している。

 ケースT〜Vは、「中長期試算」の成長実現ケースで労働参加が進むケースになる。ケースW〜Yはベースラインケースであり、そのうちWとXは労働参加が進むケースで、Yは労働参加が進まないケースになる。

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現実にはあり得ない数値の組み合わせ
この手の「試算」では、物価上昇率を低めにして名目GDP成長率がそれを上回るようにすれば、実質GDP成長率を上げていくことができる。
 同時に、財政赤字を膨らませないよう(プライマリーバランス=基礎的財政収支を黒字)にするには、名目GDP成長率が名目長期金利を上回っていくことが必要条件になる。
 だが、アベノミクスの効果が落ちているために、こうした条件を満たそうとすると、どんどん現実にはあり得ない数値の組み合わせになってしまう。とてもシミュレーションとはいえない代物になってしまっているのだ。
「中長期試算」のうち経済成長が最もうまくいくケースを見てみよう。
 第2次安倍政権が発足し日銀が異次元緩和を始めた4ヵ月後の2013年8月の「試算」と直近の2019年7月末の「試算」を比べてみると、行き詰まりがはっきりわかる。

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 図1は、2013年8月の「中長期試算」の経済再生ケースだ。2年で2%の物価上昇率が実現するという異次元緩和が成功した場合で、名目GDP成長率が急速に上昇するとともに、消費者物価上昇率も名目長期金利もそれにつれて上がっていくシナリオが描かれている。
 これに対して図2は、2019年7月の「中長期試算」の成長実現ケースだ。

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 これを見ると、2018年に名目GDP成長率が0.5%だったのに、19年1.7%、20年に2.0%、24年までに3.4%まで急上昇していく。これだけ急速な経済成長があるなら、物価上昇率も長期金利も上昇していくのが自然である。
 ところがそうはなっていない。

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実質賃金が不自然に上昇する年金検証

物価上昇率は3年間0.7%に止まり、20年に0.8%の後、急激に24年に目標の2%まで急上昇する。
 長期金利にいたっては、2017年から22年までずっと0%で、安倍政権の4期目が終わった後の23年から急速に上昇することになっている。
 しかも、それでもプライマリーバランスの達成時期を2025年から27年に先延ばしせざるを得なかった。
 つまり、経済成長がうまくいく一方で、東京オリンピックや安倍首相の自民党総裁任期(21年9月)が終わるまでは、本来なら成長率と連動して上がるはずの物価の上昇率は低く、長期金利も極端に低いゼロのままで推移するというわけだ。
 安倍首相の在任期間中は、そこそこの経済成長で財政赤字も大きくは膨らまないように見せ、首相の任期が終わった後から、物価や金利が急上昇するというのは、あまりにご都合主義すぎる。これでは「試算」自体を信頼できない。
実質賃金があまりに
不自然に上昇する
 今回の年金財政検証では、この「中長期試算」のうえに、20〜30年間の数値の仮定を設けてシミュレーションをしている。
 しかし、表1に示すように、その数値もまた非現実的なのである。

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 例えば、全てのケースで、実質賃金上昇率が実質GDP成長率を上回っている。
 とりわけ20〜30年間の長きにわたって、実質経済成長率がゼロからマイナス0.5%なのに、それでいて実質賃金がプラスになるとはとても考えにくい。
 この20年近くにわたって実質賃金はマイナス基調で、2019年も含めて安倍政権期に入っても、実質賃金がプラスだったのは2016年と2018年だけだ。
 しかも18年は厚労省による賃金統計改ざんの年で、実際はマイナスである。こんなあり得ない数値をならべてシミュレーションをしても、検証としてはほとんど意味をなしていない。

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いずれ国民生活の底が抜ける日が来る

 もし、これまでと同じく実質賃金がマイナスの場合はどういったことが起きるだろうか。
 実質賃金が下がった分だけ、保険料水準も年金給付額も目減りしていく。その一方で、実質賃金がマイナスだと、マクロ経済スライドが効かなくなる。
 年金給付も下がりながら、年金財政も悪化してしまう。つまり、今回の年金財政検証からは現実に起こり得る「最悪のケース」が外されているのだ。
失敗した成長戦略
国民生活の底が抜ける
 こうした成長率や実質賃金などの無理を前提による「粉飾」が行われてしまうのは、内閣府や厚生労働省のせいというより、安倍政権の成長戦略が失敗しているためなのだが、「安倍一強」の長期政権のもとで、失敗や法律違反に痛痒を感じなくなっている政治や官僚のモラルダウンが影を落としていると言わざるを得ない。
 放漫財政と異常な金融緩和によって“景気拡大”を演出し、政権を維持してきたが、日本はイノベーションがなく産業の衰退が著しいがゆえに、金融緩和による円安とともに、雇用制度の改悪による賃下げに頼って、既存の製品の輸出で稼いでいるだけである。
 産業政策の失敗で次世代先端産業を育てきれない中、このままではじわじわと格差と貧困が拡大していく。現役世代の賃金だけでなく、退職世代の年金給付も削減が続き、国民の生活の底が抜ける日が来る。
(立教大学大学院特任教授・慶應義塾大学名誉教授 金子 勝)
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力強さに欠ける国内景気と堅調な株価、先行きはどうなるか
鹿野達史:三菱UFJ モルガン・スタンレー証券 景気循環研究所 副所長
政策・マーケット DOL特別レポート
2019.11.21 5:02
写真はイメージです Photo:PIXTA
国内景気は力強さを欠く一方で
先行き懸念が弱まる世界景気
 11月に入り日経平均株価が昨年10月以来の高値を付けるなど、株価は堅調な推移が続いている。国内の景気指標は、力強さを欠くものが多く、加えて、19年10月の消費税率引き上げの影響も見極めがついていない。一方で、世界経済の先行きに対する懸念が弱まり、企業収益の回復への期待が高まっており、株価の上昇の背景となっている。
 世界経済の先行き懸念の弱まりは、10月に米中貿易協議が再開され、交渉の進展で米中摩擦の激化に歯止めがかかるとの観測が大きいが、足元で減速が続いてきた世界経済に持ち直しの兆しが現れていることもある。
 世界経済の動向を示す指標としてよく用いられるのが、企業の景況感を示す製造業景況指数(PMI)だ。世界全体の製造業PMIは、19年8月に1年4ヵ月ぶりに前月比で上昇し、その後、9、10月も水準を切り上げている。
半導体部門は世界的に復調
来年も増勢が続く見込み
 製造業PMIの持ち直しの背景として、半導体部門の世界的な復調がある。データセンター投資が回復傾向にあり、次世代通信規格5Gの関連需要も予想以上に拡大している。人工知能(AI)の深層学習の利用が拡大し、データセンターが高機能化しているほか、韓国や米国では5Gの商用化が始まっており、半導体需要に下げ止まりの動きが出ている。
 米国半導体工業会(SIA)が毎月発表する世界半導体売上高(3ヵ月移動平均)は、19年4月を底に増加に転じている。同売上高は、毎年この時期に増加する傾向にあり、季節要因も大きいが、筆者が推計する季節調整値でも、19年に入り前月比減少幅の縮小が続き、10月には前月比年率で13%増と急増している。世界の半導体売上高は、季節要因を除いても増加に転じた可能性がある。

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世界経済は持ち直しが続く公算

 もちろん、ひと月だけの動きでは判断しにくいが、別の指標も半導体需要の強まりを示している。台湾の半導体メーカー販売額は、世界の半導体の需要動向に敏感に反応し、世界半導体売上高に先行して動く傾向にあるが、この販売額も回復している。
 半導体生産の一大拠点である台湾の受託製造(ファンドリー)の2大企業である台湾積体電路製造(TSMC)と聯華電子(UMC)の合計販売額(台湾2大半導体メーカー販売額)は、19年2月を底に増加基調に転じており、10月はボトムである2月に比べ21%弱増加している(筆者推計の季節調整値)。
 さらに、世界半導体売上高に先行する台湾の電子・情報通信機器の輸出受注も急回復している。同輸出受注額は、台湾2大半導体メーカー販売額と同じように19年2月を底に増加基調となり、最新値である9月は、2月比で2割近く増加しており、増勢が加速している(図1参照)。過去、同輸出受注額は、世界半導体売上高に、3〜6ヵ月程度、先行しているケースが多い。足元の同輸出受注額の急回復から判断すると、世界半導体売上高の増加は、2020年にかけて続く公算が大きいといえる。

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世界経済は持ち直しが続く公算
国内半導体生産も堅調に推移する見込み
 経済協力開発機構(OECD)が作成・発表している景気先行指数も、世界経済の持ち直しが続くことを示唆している。OECD加盟国にOECD未加盟の主要6ヵ国(BRICs諸国であるブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカとインドネシア)を加えた景気先行指数の前月比は、世界全体の製造業PMIに先行して動くケースが多いが、前月比の持ち直しが19年9月まで続いている。10ヵ月前後のタイムラグを考えると、世界全体の製造業PMI は2020年夏頃まで上昇基調が続く可能性がある。
 日本企業の半導体関連の生産も持ち直している。電子部品・デバイスの生産は、19年4月を底に増加基調に転じ、四半期ベースでは7−9月期に前期比で3.5%増加している。さらに、半導体需要の回復期待から半導体製造装置の需要も増加している。日本半導体製造装置協会発表の日本製半導体製造装置の販売高(3ヵ月移動平均・筆者推計の季節調整値)は、6月を底に急増し、10月は6月比で21%強増加しており、6ヵ月比でみた伸び率も大幅に上昇している(図2実線参照)。
 過去、半導体製造装置の販売高や生産は、半導体需要の変動に遅れて動くことが多く、先行き、堅調な推移が続くことが見込まれる(図2参照)。世界的な半導体需要の復調を受け、今後、国内の半導体関連部門の生産が堅調に推移することが見込まれ、景気の下支えが期待できる。

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期待される経済対策の大規模化

期待される経済対策の大規模化
株価の堅調地合いが続く期待
 足元では、10月の消費税率引き上げなどの影響で、個人消費を中心とした景気の落ち込みが確認されつつあるが、駆け込み需要は14年4月の引き上げ時に比べ小さく、ネットの増税額も相対的には小規模でマイナス効果は小幅とみられている。
 一方で、政府は新たな経済対策の策定の方針を示しており、自民党からは10兆円規模との見方も出ている。世界的な半導体部門の復調、世界経済の回復に加え、景気の持ち直しと企業収益の回復が日本で確認されることで、2020年春にかけて株価は堅調な推移が続くことが十分に考えられる。
(三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所副所長 鹿野達史)
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クアルコム、7-9月期決算は予想上回る 状況の好転を示唆
The Wall Street Journal

デフレ脱却の熱意が冷めてきたアベノミクスの行方
鈴木明彦

日本景気にリスクは見えるか?悪化する製造業と好調な非製造業
鹿野達史

消費増税直前に検証、景気下振れリスクと求められる政府の対応
鹿野達史

https://diamond.jp/articles/-/221221?page=3

 


ビジネス2019年11月21日 / 13:20 / 9分前更新
アングル:途切れた「火曜日の株高」、海外勢の買い一巡を不安視
水野文也
1 分で読む

[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場では日経平均.N225が大幅続落し、11月1日以来となる2万3000円割れとなった。米中対立がさらに激化するとの懸念に加えて、「火曜日の株高」が途切れたことで海外勢の買いが一巡したのではないかとの見方が出ている。

財務省が21日発表した11月10─16日の対内株式投資 (指定報告機関ベース)は1103億円の買い越しとなった。買い越しは続いたものの、それまでの5000億円ペースから規模は縮小した。

大和証券のチーフテクニカルアナリスト、木野内栄治氏は、株価は8月以降、毎週火曜日の上昇が続いていたが、それが今週途切れたことを指摘する。

木野内氏によると、海外勢がリバランスを行うのが週明けで、それを日本株に反映させるのは火曜日になるため、海外勢の姿勢が変わった可能性があるという。その上で「今週に入って売り越しに転じた可能性もあり、これもきょうの株安に拍車をかけた」とみる。

また、21日の東京株式市場では、米中対立への懸念も強まった。

ホワイトハウスに近い関係者などは20日、米中通商協議の「第1段階」の合意が来年にずれ込む可能性があると明らかにした。 両国が対立姿勢を強めている香港情勢に関連しても、米上院に続き下院で「香港人権・民主主義法案」が可決されトランプ大統領が署名する見通し で、中国のさらなる反発が予想される。

市場では「株高の前提となっていた米中通商協議の進展期待が後退したことで一気に不安が広がった」(キャピタル・パートナーズ証券・チーフマーケットアナリストの倉持宏朗氏)とされ、海外勢などから売りが強まったとみられている。

一方、需給面は来週以降、改善するとの見方もある。「11月30日を挟む週は2000年から1度しか下げていないアノマリーがある。これは配当金の株式再投資と密接に関係がありそうだ」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)という。

今回の3月期企業の中間期配当金は、市場推定で約4兆3000億円。このうち少なからず株式に再投資されると想定されており、「これで需給面が改善されれば、下げも限定的になるのではないか」(木野内氏)との予想も出ている。

編集・グラフ作成:田中志保
https://jp.reuters.com/article/stock-market-nikkei-idJPKBN1XV0D4?il=0


 

ビジネス2019年11月21日 / 08:05 / 35分前更新
アングル:安倍政権の後継者問題、政治の安定失えば日本株売りも
伊賀大記
3 分で読む

[東京 21日 ロイター] - 金融市場で「ポスト安倍」への警戒感が強まり始めた。安倍晋三首相続投の可能性が低下したとの見方が広まる中、次の本命候補が一向に浮上してこないためだ。政治の安定は日本市場の数少ない長所だけに、「後継者問題」がうまく解決されなければ、日本株売りの材料にされかねないと不安視されている。

<「蜜月」の終わりを意識>

第2次安倍政権が始まった2012年12月以来、日経平均株価は2.3倍に上昇した。投資家にとって安倍首相は歴代首相のなかでも「最も儲けさせてくれたうちの1人」だ。経済や物価はあまり伸びなかったが、株高を背景に支持率も安定、マーケットとの「蜜月」時代が続いてきた。

そのマーケットポジティブな政権の終わりを市場は意識し始めている。安倍首相の通算在任期間が歴代最長となり「記録」を樹立。念願の憲法改正にめどは立っていないが、来年の東京オリンピック・パラリンピックを終えた後に、引退すれば美しい花道となる。

安倍首相の自民党総裁任期は2021年9月。現在三選中であり、自民党党則では四選は禁止されている。四選を果たすためには、党大会で党則を変える必要があるが、来年3月8日に決まった党大会まで時間は乏しい。早期の解散・総選挙でもない限り、四選は難しいとの見方が強くなっている。

しかし、後継者の本命候補は依然見えない。「日本に詳しいポートフォリオマネージャーほど安倍首相の後に有力な後継者がいないとみている。誰になっても日本株のショートを考えると話す海外勢が多い」と、海外投資家動向に詳しい外資系証券の営業担当者は指摘する。

<「政治の安定」を失う懸念>

アベノミクスへの期待感は後退している。「次の時代を担う産業、企業が育てられなかったのが最大の失敗」(ニッセイ基礎研究所のチーフエコノミスト、矢嶋康次氏)というのが、マーケットの一般的な見方だ。政策継続への期待感が強いわけではない。

市場が警戒するのは、政治の安定が失われることだ。政治が不安定化すれば、政策の予見可能性が低下する。投資家は不透明感を嫌う。アベノミクスの評価が下がりながら、株高を保ってこられたのは、政治が安定していたことが大きい。

安倍政権は第2次から現在の第4次まで12月で7年に及ぶ。世界を見渡しても、先進国で数少ない長期政権だ。日本の首相は毎年変わると言われていたころとは様変わりで、現在の日本株に乗る数少ないプレミアムとなっている。

海外勢の日本株投資は現物と先物を合わせて12年11月のアベノミクス相場スタートから、累計で一時25兆円近く買い越したが、今年8月には売り越しに転じた。足下は買い越しているが、ほぼニュートラルに戻ったとみていいだろう。しかし、政治が不安定化すれば日本株ショートの可能性が強まる。

<米中の狭間で求められる外交手腕>

「ポスト安倍」に求められているのは、ゆがみも目立ってきた国内経済への対応はもちろんだが、外交手腕の重要性がさらに増すとみられている。

BNPパリバ香港・アジア地域機関投資家営業統括責任者の岡澤恭弥氏は「中国が経済圏、軍事圏を広げていくの避けられない。米国との対立は今後も続く。こうした中、地政学的に米中の中間に位置する日本は、米中間をうまく渡っていければ、メリットを受けることができる」と指摘する。

マーケットがみる「ポスト安倍」の筆頭候補は、岸田文雄自民党政調会長と菅義偉官房長官だ。

菅官房長官は、国内向け政治手腕には定評があり、知名度も「令和おじさん」としてアップした。しかし、「外交経験が乏しい」(外資系投信)と市場は懸念する。

その点、外務大臣を務めた岸田政調会長は、外交に一定の経験がある。さらに岸田派の領袖であり、安倍首相との関係からみて「禅譲」の可能性が一番高いとみられている。しかし、こちらは「国内をまとめ切れるか未知数」(シンクタンク系エコノミスト)との不安が市場にはある。

<「再々登板」のシナリオ>

そこで、市場でささやかれているのが、安倍首相が一度辞めて、それから復帰するという再々登板のシナリオだ。自民党党則では「1期3年、連続3期まで」となっているので、一度辞めれば、四選禁止を避けられる。

また実際に復帰する必要はない。もしかすると再登板するかもしれないという見方を維持できれば、影響力を保つことが可能だ。安倍首相が「院政」を敷いて、にらみを効かせば、新首相のバックアップになる。アベノミクスが継承されれば、市場との良好な関係も続く。

しかし、長い目で見て日本にとってそれが良いことかは別だ。「安倍政権が若い世代を中心に高い支持率を保ってきたのは、痛みをともなう改革を避けてきたからだ。経済や企業にゆがみも目立ってきた。次期首相にはアベノミクスの後始末が求められる」とピクテ投信投資顧問のシニア・フェロー、市川眞一氏は指摘する。

残された時間はあまりない。何かのきっかけでインフレが進めば、いまの金融・財政政策は立ちいかなくなる。マーケットを味方につけながら、外交で器用に立ち回り、国内の雇用改革や成長戦略を進めることができるか。後継者の担う課題は安倍時代よりもさらに重くなることだけは間違いない。

編集:青山敦子
https://jp.reuters.com/article/abe-market-japan-idJPKBN1XU2UO
 

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コメント
1. 2019年11月21日 14:37:41 : OO6Zlan35k : L3FGSWVCZWxFS3c=[274] 報告

金子の致命的に愚かな点は、政府が産業政策をまともに行えると未だに信じている化石的な社会主義思考だろう

そんなものは妄想に過ぎず

今の愚民国家では、政府に期待できるのは、せいぜい、余計な規制で起業や企業活動のジャマをしないこと

以前の民主党のような不況での愚かな緊縮増税をせず

外交や治安維持で致命的な失敗をしないこと

そして金融緩和による実質資産課税で、財政破綻を先延ばしにすることくらいだ

つまり安倍政権は、愚民であふれる世界の現状では、比較的、かなり上手くやってきたと言える


しかし、それもそろそろ限界ではあるが、まともな対案を出せる代替勢力がいないのが

まさに今の致命的な日本の欠陥であり、

それが利己的で愚かで怠惰な大衆からなる愚民ポピュリズム国家の必然でもある


つまり、改革を怠った結果、生活の底が抜けるとしても完全に自業自得ということだ


>放漫財政と異常な金融緩和によって“景気拡大”を演出
>産業政策の失敗で次世代先端産業を育てきれない中、このままではじわじわと格差と貧困が拡大
>現役世代の賃金だけでなく、退職世代の年金給付も削減が続き、国民の生活の底が抜ける

2. 2019年11月21日 15:45:15 : fCZ83cf8p2 : YzI0bTRWZmk2Mms=[930] 報告
き; QEで  支えておいて  堅調とは   ;停滞を底堅いと言うがゴトシ
(人生イロイロ、言イ方モ  ヨリ)
3. 2019年11月21日 20:24:50 : mTnFYWaoAU : dmJwSTZmNWQ4RXM=[153] 報告
ブラック化 後押しさせる 無責任

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