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<EU離脱>一人ぼっちになったイギリスを待つ悪夢(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/243.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 1 月 16 日 23:12:35: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

【EU離脱】一人ぼっちになったイギリスを待つ悪夢
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/01/eu-155.php
2019年1月16日(水)17時55分 マイケル・ハーシュ、キース・ジョンソン ニューズウィーク


英国会議事堂の外で角突き合わせるブレグジットの反対派と支持派(2019年1月15日) Henry Nicholls -REUTERS


<離脱派のもともとの狙いは、EUを離れてより条件のよい貿易協定を世界各国と結ぶことだった。しかし孤立し人口も6500万人しかいないイギリスは、今やどの国にとっても優先度の低い相手になってしまった>

テリーザ・メイ英首相の失敗は確実になった。1月15日、メイがまとめたブレグジット(EU離脱)協定は英下院議会で432対202の大差で否決された。彼女は険しい顔で、宿敵ジェレミー・コービン労働党党首に対して首を横に振った。だがメイは心のどこかで、コービンが彼女に浴びせた悪口雑言はどれも正しいとわかっていたにちがいない。

230票という大差での否決は政府にとって「破滅的な」敗北であり、イギリス現代政治史において1920年代以来の最悪の結果だ。そして3年近く前に開始したブレグジットという骨の折れる仕事に対する保守党の対応は全体として、コービンの言葉どおり「まったくの無能」のレベルに達していた。

最悪なのは、イギリスにとって今回の騒動は、ブレグジットが引き起こす問題の始まりにすぎないということだ。そしてメイが以前警告したように、北アイルランドとスコットランドが独自の道を歩み、EUと手を組んだりしたら、国が分裂し、存亡の危機に陥る恐れさえある。だがこの危機は、簡単に終わりはしないし、乗り越える確実な方法も見えない。

■有利な協定は望めない

そのうえ、イギリスはいつのまにか世界の舞台で独りぼっちになっていた。現状のままであれば(次善の策の用意はない)、4月1日をもってイギリスはEUから離れ、それに伴って加盟時の権利をすべて失う。深刻なのは、無税でアクセスできる5億人規模の貿易圏(EU)を失うことだ。そしてイギリスを救うために、現状より有利な条件の貿易協定を提案してくれる国はない。特に昔なじみの「特別な」同盟国、アメリカにはまったくその気はない。

そもそもブレグジット推進派が最初に描いていた夢のひとつは、EUとのもつれた関係から解き放たれれば、アメリカやその他主要な貿易相手国ともっと有利な貿易協定を結ぶことができるというものだった。だがそんなことはすぐには実現しそうにないし、特にトランプ政権下では無理だ。

「イギリスがアメリカやその他の国と自由貿易協定を結ぶ道筋は、少なくとも今後10年間ははっきりしない」と、ジャーマン・マーシャルファンドの上級顧問マイケル・リーは言う。アメリカ、オーストラリア、インド、その他を問わず、貿易相手となりうるすべての国が、イギリスにはとても受け入れられない開かれた貿易政策を要求している。

最初からEU離脱派を後押ししてきたトランプの存在は、メイにとって災厄そのものだ。ただでさえ困難をきわめる今後のプロセスが、トランプのせいでさらに困難なものになっている。昨年、トランプはメイのEU離脱案を「EU側に有利な協定」と呼び、メイに不意打ちをくらわせた。そのうえで、メイの離脱案には21カ月の移行期間が必要となりそうだということもあって、イギリスとアメリカの独自の貿易協定の締結が妨げられる可能性があると懸念を表明した。

「トランプは、どんな取引でもアメリカを最優先することを明らかにした」と、リーは言う。「アメリカは、以前のTTIP(大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定)の交渉で浮上したすべての問題について、イギリスに妥協を迫ってくるだろう」

TTIP交渉は、バラク・オバマ元大統領のもとで開始し、他の多国籍貿易協定を望むトランプが反故にした。リーによれば、これまでの交渉で争点になっているのは、植物検疫の規制、鶏肉の塩素処理、牛肉中のホルモン、米医療サービス会社によるイギリスの国民健康保険へのアクセスなど。「これらの問題がすべて、蒸し返されることになる」

さらに言えば、孤立したイギリスは、どの国にとっても最優先の問題にはならない。たとえば、オーストラリアとニュージーランドは現在、EUと貿易協議を進めており、イギリスとの協議より優先しているとリーは言う。4億5000万人の市場は、6500万人の市場よりも重要だ。

■EUはイギリス抜きでやっていく

アジアに慰めを見いだすこともできない。インドはもっと多くのビザの発行を求めているが、ブレグジットしたイギリスには不可能な要求だ。そして、プリンストン大学の政治経済学者ハロルド・ジェームズによると、トランプの関税戦争のため四面楚歌状態とみられる中国の政権と新たに協定を結ぶことも「現時点ではとても難しい」。

ブレグジットの成り行きがどうなるにせよ、EUで、アメリカで、そして世界中で、イギリスに対する信頼性は大きく損なわれたと、アナリストらは言う。EUがメイと交渉を重ねて作り上げた離脱協定が、EU脱退後はイギリスの発言権が奪われるような内容で、その結果メイが破滅することになる内容であったことからすると、EU本部はもはや、イギリスを引き留める気はないのかもしれない。

「ある意味では、ヨーロッパはすでにイギリス抜きでやっていく準備をしている」とジェームズは言う。欧州議会選挙を5月に控え、EU本部はヨーロッパの反EU派を勢いづかせるようなことはしたがらない。たとえイギリス政府がブレグジットへの賛否について2度目の国民投票を行うことを決心したとしても(その可能性はないわけではない)、ヨーロッパの主要国は懐疑的だろう。

「新たな国民投票の効果については、かなり疑わしい」とジェームズは言う。 「もう一度やったら、またもう一度、さらにもう一度とならないだろうか?」

ここで学ぶべき重要な教訓は、EUのような巨大な貿易圏から立ち去ることは、不可能ではないにしても非常に難しいということだ。イギリスと大陸ヨーロッパは愛と憎しみの入り混じった複雑な関係にあり、要するに結婚と離婚を繰り返したエリザベス・テイラーとリチャード・バートンのようなものだ、とジェームズは冗談めいて言う。

「地理的な状況は変えることができない。イギリスはフランスからわずか数キロのところにある」と、ペンシルベニア大学ウォートンビジネススクールの貿易専門家、マウロ・ギレンはいう。「過去50年の間、イギリスはヨーロッパと近い関係にあった。そしてヨーロッパは世界最大の市場だ」

WTO(世界貿易機関)加盟国として、イギリスは他のWTO加盟国とオープン貿易体制を維持する必要がある。それでも、銀行や航空会社などのイギリスの主要産業が将来も現在の強さと世界中へのアクセスを維持できるかどうかは、疑問視されているとギレンは言う。たとえば、ヨーロッパ系ではないイージージェットのような航空会社は、ヨーロッパ全域への就航を続けるために慌てて許可をとろうとしている。

■反EU派にとっての警告

結局のところ、自ら招いた悪夢に直面するイギリスの姿は、欧州内の反EU派に対する警告となるだろう。

「今、イギリスはEUの内部からの改革に批判的な人々を後押しようとするだろう」とジェームズは言い、イタリアの極右政党を率いるマッテオ・サルヴィー副首相がポーランドのEU懐疑派で保守系与党のヤロスワフ・カチンスキ党首に接近、EU内で懐疑派の同盟を結ぼうとしたことを指摘した。

「どちらの側も、ノーというだろう。イギリスの二の舞になるようなことはしないほうがいい」

(翻訳:栗原紀子)





















 

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コメント
1. ぢっとみる[513] gsCCwYLGgt2C6Q 2019年1月17日 08:22:14 : LLC16YRhF6 : 2yUQTAqpjc8[513] 報告
> 一人ぼっちになったイギリス

って、元々友達なんて居ないっしょ。
ニホンもだけど。

2. 2019年1月17日 11:54:39 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-10987] 報告
2019年1月17日(木)

EU離脱案 大差で否決

英下院 労働党は内閣不信任案

 【ロンドン=伊藤寿庸】英下院は15日、メイ政権が欧州連合(EU)と合意したEU離脱協定案を反対432、賛成202の圧倒的大差で否決しました。野党労働党のコービン党首は、直ちに内閣不信任案を提出。不信任案の審議・採決は16日に行われます。

 協定案の採決では、保守党議員の3分の1以上の118人が反対。閣外協力する北アイルランドの地方政党・民主統一党(DUP)も反対しました。英メディアは首相提案がこれほどの大差で否決されたのは1924年以来と報じました。

 コービン氏は、メイ政権は、経済界や労働組合の意見を無視し、野党との対話を拒否してきたと批判。同政権がEUとの新たな交渉を行うことは認められないと述べました。

 保守党内で協定案に反対した強硬離脱派やDUPは、労働党左派のコービン氏による政権奪取につながりかねない総選挙を避けるため、メイ首相支持を表明。スコットランド民族党(SNP)は不信任を支持するとしています。

 メイ首相は、議会が受け入れ可能な離脱協定について、与野党の枠を超えて有力議員と協議し、その合意をもとにEUと協議すると述べました。首相は下院での決議に基づき3日以内に代案を議会に提示しなければならず、21日に代案の提示を行うとしています。

 労働党は、離脱期限の3月29日の「合意なし」離脱を回避するとともに、EUとの恒久的な関税同盟、人権保障などの継続を盛り込んだ協定にすべきだと提案しています。EU側は、協定案の修正には応じられないとする立場を崩していません。事態打開の展望は見えておらず、EUとの取り決めのない「合意なき離脱」が現実味を帯びてきました。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2019-01-17/2019011701_03_1.html

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

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