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ファーウェイの戦い、矢面に立つ創業者の娘(ダイヤモンド・オンライン)
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投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 1 月 22 日 15:36:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ファーウェイの戦い、矢面に立つ創業者の娘
https://diamond.jp/articles/-/191532
2019.1.22 The Wall Street Journal  ダイヤモンド・オンライン


Photo:Reuters


 過去10年以上にわたり、孟晩舟氏(46)は華為技術(ファーウェイ)を世界最大の通信機器メーカーへと変貌させるため、少なくとも7つのパスポートを使い分け世界中を縦横に動き回ってきた。同時に、投資家や銀行家、各国政府に対し、ファーウェイが信頼できる企業であるとの安心感を与えようと努めてきた。

 しかし、ファーウェイの最高財務責任者(CFO)であり、人前に姿を見せない同社創業者の娘である孟氏は、12月1日にバンクーバー空港に降り立った瞬間から、世界を舞台に展開される苦しい戦いの矢面に立つ人物となった。

 孟氏は、香港発のキャセイパシフィック航空便から降り立った直後に、米当局の依頼を受けたカナダ当局によって逮捕された。保釈後、同氏はバンクーバーにある高級な2軒の自宅のうちの1軒で生活している。常に監視下に置かれ、午後11時から午前6時までの外出を禁止された状態にあり、米国への引き渡しを待っている。引き渡し手続きは遅々としたものになるとみられている。米国では対イラン制裁にファーウェイが違反したとして、銀行をだました疑いで裁判にかけられる見通しだ。同氏はこれらの容疑を否認している。

 孟氏の逮捕後、ファーウェイに対する世界の圧力は強まっている。ファーウェイは以前から、米国で厳しい監視の目にさらされていた。米当局は、ファーウェイの通信機器が米国民に対するスパイ行為に使われる可能性があるとの懸念から、自国の主要ネットワークへのファーウェイ製品の使用を実質的に禁止している。ファーウェイ側はこうした疑念を強く否定している。

 ルーター、ネットワークスイッチなどからスマートフォンまで多様な製品を手掛けるファーウェイに対しては、ここ数週間で欧米諸国からの監視の目が強まっている。

 16日には、ファーウェイが米国の提携企業から企業秘密を盗んだとして、連邦検察当局が捜査を進めているとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は報じた。その翌日には、ドイツがファーウェイ製品の同国通信基盤への使用を禁じる方法を検討していることを、同国政府当局者が明らかにした。

 ポーランド政府は、同国内のファーウェイ元社員がスパイ行為を行っていたと非難。ファーウェイはこの社員との関係を断った。オーストラリア、ニュージーランド、英国などは、次世代通信規格「5G」ネットワークの展開に向けて、ファーウェイの関わりに懸念を示している。

 孟氏の逮捕によって、ファーウェイは世界中の主要金融機関との関係を築いてきたキーパーソンだった人物を失った。同氏はファーウェイの行動の秘密めいたベールをはがし、同社の透明性、独立性を世界に示す上で、重要な役割を果たしてきた。

 孟氏は、マダガスカルからミャンマーにいたるまで、ファーウェイが急速に事業を拡大した各地を日常的に訪問していた。バンクーバーで逮捕された際も、メキシコ、コスタリカ、アルゼンチン、フランスを回り、中国へ戻る予定となっていた出張の途中だった。しかし同氏は、米国へ立ち寄ることは避けた。米検察当局によれば、それは同氏が2017年に捜査について知ったからだという。同氏は、この件に関するインタビューの求めに応じていない。

 ファーウェイの創業者である任正非氏にとって、娘の逮捕は個人的にも、また企業経営面でも打撃となった。元人民解放軍のエンジニアで巨大ハイテク企業のファーウェイを生み出した任氏は、めったにマスコミに登場しないが、先週沈黙を破り、娘に会えず「非常に」寂しいと語った。任氏は、ファーウェイの深圳オフィスの豪華な会議室で会見し、軍での経歴と、その後のファーウェイ立ち上げに要した年月によって、孟氏を含めた子供たちと長い間離れて暮らすことになったと振り返った。

 任氏は孟氏との関係について、「彼女が子供だったころは、それほど親密ではなかった。その後は、ファーウェイを創業したことで、私はファーウェイの生き残りのための戦いを強いられた」と語った。1日に16時間を職場で過ごしていたとも話した。

 任氏は15日、後継者候補に関する質問への直接的回答を避け「誰が私の後継者になるか正確には知らない」「私が指名するわけではない。私はキングではない」と語った。

 しかし、ファーウェイ内部の多くの人々は、孟氏を後継候補の一人とみなしている。社内では彼女は「マダム」の敬称で呼ばれている。彼女は昨年、4人の副会長のうちの1人に指名され、権力を強固にした。その際の取締役会再編では、任氏の右腕役を長年務めた有力者で、社内で「ファーウェイの女王」として知られていた孫亜芳董事長(会長)が退任した。

 孟氏はトップに駆け上がるなかで、ファーウェイの一秘書から同社を背負う世界の顔に変わった。同氏はファーウェイを近代的な企業に作り替えるという父のビジョンの実現を目指した。

 この記事は数十人に上る現・元従業員とのインタビューや取引先、同社および裁判の記録、社内メモや社内ネットワークへの投稿に基づいている。

 全ては、米国のビザ(査証)発給を拒否されたことから始まった。

 孟氏は1992年に大学を卒業してから1年後、米国への留学を計画したが、英語力が不十分だとして、移民当局に拒否された。このため、創業6年の父の新興企業(ファーウェイ)に入社した。

 同氏は会計・財務の部署で、出世の道を駆け上がった。当時同氏と一緒に働いていた人たちは、同氏が準備を怠らないプロフェッショナルで、厳格な父よりソフトなスタイルを持つ人物だと振り返った。

 2005年には、IBMとの提携のかじ取りをし、頻繁にIBMの本社を訪問して、同社幹部らからファーウェイを世界的な企業にするための手法を学んだ。この提携は、ファーウェイを通信機器の模倣品メーカーから一流の国際的な企業に変える後押しとなった。孟氏は2010年までの間にCFOに昇進し、同社取締役の一人になった。

 ほどなくして、ファーウェイの成長が始まった。2011年には、自社ブランドの端末事業を立ち上げた。翌年には、任氏が3人のCEOを起用すると発表し、3人が交代で日々の経営にあたることになった。

 ファーウェイが米国での事業拡大を模索するなか暗雲が垂れ込め始めた。それは、同社機器が安全保障上のリスクを生じさせる恐れがあるという米当局者の懸念によるものだった。2012年には米議会の報告書で、同社が国家安全保障上の脅威だと名指しされた。決定的な証拠は示されていなかったものの、同社は事実上、米国市場から排除された。同社は米国での好機をうかがいながら、世界進出を加速させた。

 孟氏は、ファーウェイを近代化させる取り組みにおいて中心的な存在だった。同氏は財務に関する活動拠点をロンドンに移し、国際基準に合うように税務体制を刷新した。同僚たちによると、同氏は会議が始まる前までに報告書の全ページに目を通すような人物だった。同氏はまた、ファーウェイが非公開企業として買収を模索したり、米国での新規株式公開(IPO)について協議したりしていた際に、ウォール街の銀行家たちと連絡を取り合っていた同社幹部の一人だった。

 同氏は、ファーウェイが顧客や海外の銀行との関係を構築するために創設した年次金融フォーラムを主宰していた。これはメキシコのカンクンやニューヨークなどで開催され、過去には米連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務めたアラン・グリーンスパン、ベン・バーナンキ両氏のほか、元オバマ政権当局者のローレンス・サマーズ氏が講演したこともあった。

 2014年にはモスクワでロシアのウラジーミル・プーチン大統領とともに壇上に立つと、同社が初の海外オフィスをロシアに設けて以降、いかにして170以上の国々に進出し、同社ネットワークが世界の人口の3分の1にサービスを提供するまでになったかについて講演した。中国の習近平国家主席は2015年に英国を公式訪問した際、同社ロンドンオフィスの一つを視察した。このとき、孟氏は深紅のドレスを身に付け、青いスーツを着た父と習主席の横に並んだ。スタッフは「The Sons of China」という歌を歌った。この歌には、「全ての国は教えを請いたいとわが国にやって来るだろう。わが国は天に寵愛(ちょうあい)される国であり、誰も止めることはできない」という歌詞がある。

 任氏はファーウェイ内で、決して自らの後継計画を明かさなかった。同氏は2013年のスピーチで、ファーウェイで自分の後継者になれるほどのビジョン、性格や決意を持つ人物が家族内に一人もいないと主張していた。

 しかし、娘については、出産の2日前まで働き、産後2週間で仕事に復帰した家族がいると褒めたたえたことがあった。ファーウェイには、任氏の兄弟や息子などの親族がいるが、最も目立っていたのは孟氏だった。孟氏は目立たないように行動し、社内のカフェテリアで社員と並んで食事することが多いが、同社従業員は孟氏が働いている建物を「プリンセスのビル」と呼んでいた。

 同氏は社内での地位が高まるなか、父と違った経営アプローチを持ち込んだ。同氏の父は軍隊的なトップダウンのアプローチを取り、いわゆる「オオカミ文化」を築き上げていた。

 孟氏はしばしば会話にユーモアを盛り込んだが、同僚たちによれば、これは同氏の持つ資産の一つで、欧米人の社員と事業提携相手との間の文化的違いを埋めるのに役立ったという。同僚の一人は、ある会合の際、鼻っ柱の強い英国人部下に対し孟氏が「感情的知性(EQ)」が低いことをからかい、その場の緊張を和らげる場面があったと話した。

 任氏が昨年、ファーウェイのオフィスを改修しようとした際、孟氏はフェイスブックやグーグルの例を挙げてより大きなデスク、シンクロナイズド・ワークフロー(同時並行的な仕事作業の流れ)とするようアドバイスした。

 孟氏は社内の掲示欄に自身が受けた養育環境と旅行について記載したことがあった。それによれば、CFOになる前は仏プロバンスの花畑を裸足で駆け回ることもあったが、(CFO就任後の)リオデジャネイロへの出張ではあまりにも仕事が多く、わずか数歩離れた観光名所コパカバーナ海岸へ出掛けるのも見送ったほどだったという。

 孟氏は1972年に中国四川省の成都で生まれ、16歳の時、母方の姓を名乗ることを決めた。彼女はキャシーとサブリナという英語名を持っている。

 任氏は1987年に深圳で2万1000元(当時のレートで5600米ドル)の資金でファーウェイを設立する数年前、娘の孟氏と息子の任平を故郷である南西部の貴州省で教師をしている両親の元に送った。

 任氏は15日、かつて子供たちにもっと多くの時間を一緒に過ごしてくれる父親と、「子供たちが成長するための基礎」を築いてくれる父親のどちらがいいか尋ねたことがあると語った。任氏によれば、子供たちは自分たちの将来のための基礎づくりの方を選択したという。

 カナダの裁判所に提出された文書によれば、孟氏は2007年までの結婚で3人の息子をもうけている。現在の夫である劉曉棕氏との間には娘が1人いる。劉氏はファーウェイのメキシコ事業を立ち上げた際の役員だったが、2006年に同社を退社している。

 孟氏と劉氏は2007年に(婚姻登記所のある)香港大会堂で結婚した。結婚の立会人にはファーウェイの取締役が含まれていたが、この人物は香港企業スカイコムを経営していた。孟氏はかつて同社の役員を務めていたが、米検察当局はファーウェイによる対イラン制裁違反容疑事件においてスカイコムがイランでファーウェイの隠れみのとなっていたと主張している。夫妻は2009年にカナダのバンクーバーにある住宅を購入したが、孟氏は現在、保釈時の条件により事実上、同住宅にとどまることが義務付けられている。

 中国において孟氏の逮捕は一部市民の目には、世界2大経済大国による貿易紛争や悪化する中国・カナダ間の外交関係を背景に身代わりで非難を受ける対象として映っており、殉教者のようにみられている。深圳にあるファーウェイ本社では紙コップに灯台の絵と孟氏の帰国を全社を挙げて願うことを意味する文字が描かれている。

 裁判所に提出された複数の性格証人の証言に関する文書によれば、孟氏は堅実、誠実、真面目で、愛情深く思いやりのある母、仕事に熱心に打ち込む企業人とされる。裁判所に提出された家族写真は夫、子供たちと撮影されたものだが、その多くで孟氏は髪を後ろに束ね、トレーニングウエア姿で納まっている。

 孟氏は保釈後の数週間、劉氏とともにほとんどバンクーバーの自宅から外出することはない。自宅は丸く刈り込まれた常緑樹と葉の落ちた低木に囲まれている。保釈に関する聴聞会の際、孟氏の弁護士は同氏から裁判所あてのメッセージを明らかにしたが、それによれば、(米国への)引き渡しまでに長期間かかる場合、ブリティッシュコロンビア大学の大学院ソウダー・ビジネス・スクールの博士課程で学ぶことを申請するという。

 孟氏は「私は25年にわたり懸命に仕事をしてきた。もし釈放されるのであれば、私の目標は夫と娘といることだ」と述べ、「ここ何年も1冊の小説も読んでいない」と付け加えた。

(The Wall Street Journal/Natasha Khan, Dan Strumpf and Wenxin Fan)




















 

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コメント
1. 2019年1月23日 08:37:48 : GgP1QYuazb : t4j0Ko9BkZY[5] 報告

どうでもいい中身の文章だが、今後の予想される日程を考えてみたい。

 US−中国の貿易交渉において、交渉はUSが望む方向には行ってないとみている。孟女史のUSへの引き渡しをカナダ政府に要請したとの報道を見る限りは、そのように解釈せねばなるまい。
 
 中国政府としては、このような進行を読み切った段階で、アンフェタミンの密輸を企てたカナダ人を再裁判にて死刑を宣告している。この再裁判という行動がメッセージとなっている。

 USへの引き渡しにはカナダ国内での裁判が必要であるが、この裁判中に同時進行的に中国にて拘束中の元カナダ外交官への裁判が始まるのだろう。

 引き渡し裁判の進行によっては、密輸人への死刑の執行と元外交官への死刑を含む重罰の求刑が予想される。

 何!どちらも、こんなもんは裁判なんてえもんじゃぁねえ。

 
 

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