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独裁者のどこが悪い?トランプ流の問題解決法に学ぶ 全文和訳ムラー報告 米司法長官 ロシア疑惑捜査、“灰色”決着か
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投稿者 うまき 日時 2019 年 3 月 25 日 14:35:08: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

トランプを読み解く

独裁者のどこが悪い?トランプ流の問題解決法に学ぶ

2019/03/23

立花 聡 (エリス・コンサルティング代表・法学博士)


写真:ロイター/アフロ
 ここのところ、私の企業マネージャー研修カリキュラムには、「トランプ流の問題解決法」が事例学習としてよく取り入れられている。トランプ氏はビジネスマン出身だけに、大統領になっても経営者感覚で国の運営や外交に当たっている感が否めない。

 企業経営も国家運営も原理的に相通ずるものがあるが、本質的な違いは独裁と民主の体制基盤にある。資本主義制度下の企業は株主の所有物であり、その経営の権限を経営者に付与した以上、不正を牽制する監査機能があっても、経営上の意思決定は経営者の独裁ベースで行われるようになっている。

 トランプ氏はこの経営者スタイルを政治の場に持ち込んでいるので、メディアや学者など多方面から反感を買うのも無理はない。さらに経営者には、その独裁的立場からして、古来の「帝王学」あるいは独裁を前提とする統治技術にあたる「君主の政治学」を学ぶ必要が生じる。これは戦後の日本人経営者に欠落している部分でもある。

分断統治の手法
「Divide and Conquer」、日本語にすると「分割統治」という。これは「ヒト」と「コト」という2つの意味に分けて考察したほうが分かりやすいかもしれない。

 まず、「ヒト」。少数の支配者が大多数の被支配者に統治を行うにあたり、被支配者を異なる利益集団に分断することで、統治を容易にする手法である。被支配者同士を争わせれば、支配者に矛先が向かわなくなる。

 帝王学の「必修科目」である。ここでは「分割」よりも「分断」がより適切なので、私は「分断統治」という言葉を使っている。「分断統治」の起源は、デカルトの法則まで遡ることができる。一体化された集合体を、容易に問題解決ができるように、あえてできる限り細かなグループに分断(分割)する法則である。

 被支配者の連帯は力量の集結によって、支配者の地位を脅かす存在になり得る。古代ローマ帝国は、支配下に置かれた都市相互の連帯を禁じ、都市毎に応じて処遇に格差をつけ、このような「分断統治」によって、征服した都市からの反乱を抑えることに成功したのであった。19世紀以降の欧米の植民地経営もまた然り、この原理を応用した。

 逆方向の反統治側においても、「分断」の概念が用いられる。マルクス主義の唯物史観は、労働者階級と資本家階級の分断による階級闘争を中核として打ち立てられた理論だ。これはまさに、支配階級の打倒を目指す反対方向の「分断」であって、「分断」による「反分断」である。

 マルクス主義の良き実践者である毛沢東も、農民に対し「地主・富農・中農・貧農」と細かく階層を設け、対立・分断を図った。しかし、毛沢東はいざ政権を掌握し、被支配者から支配者に転じた途端、被支配者となる広義的人民(労働者階級)に対して分断統治をはじめた。彼はでっち上げられた「人民内部矛盾」という概念を拡大解釈し、異見を唱える層を敵対勢力と見なし、その対立を「敵我矛盾」と位置付け、人民の力を動員して打倒に乗り出す手法を使った。文化大革命はその好例だった。

「分断」という概念は今日において、善悪のどちらかというと、悪に分類されるほうだが、その原初的意味、つまり「帝王学」における統治技術論の1つとして捉えられた場合は、むしろ中性的なもの、あるいは「必要悪」ないし「相対善」と位置付けられていた。

「トランプは米国民を分断させようとした!」。このような批判が世間を賑わせたところで、あえて「分断統治」を説く帝王学次元の冷徹な視線で見れば、善悪を分別する余地がないことが分かる。

ボールを国民に投げる
 トランプ氏の大統領就任演説。そのエッセンスは次の1節に凝縮されている。各メディアでは「国民に権力を取り戻す」などと訳されていたが、原文を吟味して私は独自に訳してみた――。

「今日の式典は、単なる政権交替でもなければ、政党交替でもない。権力の移行であり、権力を首都ワシントンからアメリカ国民に返すときであります。……長い間、国民がコストを負担しながら、政府関連の一握りの連中が甘い汁を吸ってきました。……」

 ボールを国民に投げる。国民はこれまでコストを負担しながら、一握りのいわゆるエリート集団が代わりに政策を決定し、その利益を独占してきた。ならば、コストを負担する国民が自ら政策を決定すればよい。このために決定権を国民に移行する。これによって、ボールをキャッチした側には、権力とリスクが双子として生まれる。代議制民主主義の下で政治家が取るべきリスクを、トランプ大統領は密かに国民に転嫁したのだった。

 TPPの離脱、メキシコ国境における「万里の長城」の構築、反グローバル的な保護主義。いずれもトランプ大統領の乱暴な愚策だと、エリート集団もメディアも一斉に批判しているが、この愚策の源は有権者の自己利益(個々の私利)の総和に過ぎないと、トランプ氏はそう解釈しているようにも見える。

 米国民の分断を危惧する声も多かった。いや、もともと分断されていた。そもそも異なる利益集団の存在が「分断」の証左だったのではないか。分断など消えたことは一度もない。さらに言ってしまえば、一定の分断を生かして被支配者を支配することは、帝王学の基本でもあると、トランプ氏はひそかにそう考えていたかもしれない。

分割による問題解決
「分割統治」の「コト」版とは、そのままで解決できない大きな問題をいくつかの小さな問題に分割し、一つひとつ解決していき、最終的に問題全体を解決する、という手法である。

 政治家が打ち出す公約。いってみれば、問題の集合体でもある。これらの公約を、実施の難易度や問題の性質に基づいていくつかの問題グループに分割し、解決していく。

 前提は民意から大きく乖離しないこと。たとえその民意がどんなに馬鹿げたものであっても基本的にそれをフォローすることだ。保護主義や孤立主義に傾く民意は問題のある民意かもしれないが、それでもトランプ氏はストレートに受け入れ、その民意を公約に反映させようとした。いくら民主主義制度の下で選ばれたトップといえども、理性的な政治家ではなかなかできないことだ。

 結果からいうと、トランプ氏は大統領に就任してからの2年間で、選挙時に掲げた公約の大半を達成した。非常に優秀な成績と言わざるを得ない。経営者としての問題解決力は評価されても良さそうだ。

 問題の分割解決にあたっては、その問題の分割方法と解決の優先順位が非常に重要である。問題と問題の間に関連性があったりなかったりするからだ。問題Aを解決したことによって、問題Bの解決に有利な条件を提供し、問題Bを連鎖的に解決できることがある。逆に最初から問題Bに着手した場合、大変苦労したり、あるいは問題Bを解決したにもかかわらず、問題Aに関連性が薄い故に、問題Aの解決になお多大な労力がかかったりすることもある。

 問題の本質とかかる諸要素の関連性を見抜く力が必要だ。たとえば、米朝交渉の席から立ち去る姿勢を見せ、それによって米中交渉における主導権と優位性を確立し、さらに米中交渉の妥結を安易に目的とせず、米中貿易戦争の最終的戦勝にパースペクティブ的な視点を据えるというアプローチ・チェーンを見る限り、トランプ氏はその能力に長けているようにも思える。(参照:米朝決裂をどう見るべきか?不敗の交渉と深遠な謀略)

TPPよりも2国間交渉を好む理由
 トランプ氏は躊躇なく、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の離脱を決断し、その代りに2国間交渉を好んだ。その理由も「分断」「分割」の原理に通じている。12カ国も一括して交渉するよりも、各国と個別交渉し、いわゆる「各個撃破」の手法を取ったほうが有利だとトランプ氏が考えたのだろう。

 経営者は一般的に労働組合との団体交渉よりも、労働者との個別交渉を好む。なぜならば、個別交渉の場合会社がより強い立場に立てるからだ。逆に労働者は経営者に対して、対等の立場で労働条件の維持・改善を主張するために、労働組合による団体交渉を好むのも同じ原理に基づく。

 TPPからの離脱も一種の「分断」である。自ら分断を受け入れ、他の11カ国にある種の「痛み」を作る。そこで、いざ復帰交渉になれば、米国がより有利な立場に立てる。したたかなトランプ氏はそう考えていたかもしれない。2018年4月16日、トランプ氏は離脱を決めたTPPについて、オバマ前政権下で合意した条件より「大幅に良くなる場合」には復帰を検討しても良いと表明した。もちろん、彼は老獪な交渉家であるから、すぐには実務交渉に持ち込もうとしなかった。「分断」状態を意図的になるべく長く引き延ばそうとした。

連載:トランプを読み解く
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15527
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15725


 


全文和訳 ムラー報告について米司法長官が議会に送った書簡

2019/03/25

BBC News


2016年米大統領選におけるロシア介入とトランプ陣営による結託の疑惑、ドナルド・トランプ大統領による司法妨害の疑惑などを調べていたロバート・ムラー特別検察官の捜査報告書について、ウィリアム・バー司法長官は24日、トランプ氏やトランプ陣営がロシアと共謀した証拠はないと連邦議会に報告した。司法妨害については判断を示していない。民主党は、ムラー報告書の全文提出を求めている。

バー司法長官が上下両院司法委員会の委員長および筆頭委員に宛てた手紙の全文(英文)はこちら。ここでは全文を和訳した――。

拝啓 

グレアム委員長、ナドラー委員長、ファインスタイン筆頭委員、コリンズ筆頭委員、

2019年3月22日(金曜日)に提出した通知への補足として、ロバート・S・ムラー3世特別検察官が到達した主要な結論について、そして検察官が用意した報告書を受け取り私がまず点検した結果、今どのような状況になっているかお知らせするため、この手紙を書いています。

特別検察官の報告書

特別検察官は金曜日、「起訴もしくは不起訴の判断について説明する、非公開の報告書」を、連邦規則集28編第600.8条c項にもとづき提出しました。この報告書は「2016年大統領選挙へのロシア介入に対する捜査に関する報告」と題されています。私は今も内容を点検中ですが、報告書を説明し、特別検察官が達した主な結論と捜査の結果を要約することは、国民の利益にかなうことだと考えます。

報告書では、2016年米大統領選挙に介入しようとするロシア政府と、ドナルド・J・トランプの大統領選対策本部とその関係者が共謀した、もしくは関連する連邦捜査を妨害しようとしたという疑いについて、特別検察官とスタッフが徹底的に捜査したことが書かれています。報告書で特別検察官は、捜査を完遂するにあたり、弁護士19人を雇い、約40人の連邦捜査局(FBI)捜査官、インテリジェンス分析官、法廷会計業務の専門家、その他の分野の専門スタッフからなるチームの補佐を受けたと説明しています。特別検察官は2800本の召喚令状を発し、約500本の捜索令状を執行し、通信記録押収の裁判所命令を230件以上獲得し、通話相手の記録機の使用を50回以上許可し、外国政府に13回証拠提出を要請し、約500人の証人を事情聴取しました。

特別検察官は捜査に関連し、個人・法人に対する複数の正式起訴と有罪判決を獲得し、いずれも内容を公表しています。捜査の過程で特別検察官はいくつかの案件について、他の事務所に対応の継続を委託しています。報告書は、追加の起訴を勧告せず、特別検察官が未公表で非公開の起訴状を取得した事実もありません。特別検察官報告書の主要な結論を、下記で要約します。

2016年米大統領選へのロシア介入

特別検察官の報告書は2部に分かれています。第1部は、2016年米大統領選挙へのロシア介入について捜査結果を説明したものです。ロシアがどのように選挙結果に影響を与えようとしたか概要を示し、それに関連してロシア政府につながりのある人物たちがどのような犯罪を犯したかを記録しています。報告書はさらに、トランプ陣営に関わる人物を含むアメリカ人が連邦法に違反し、大統領選を左右しようとするロシアの謀略に参加したのかどうかについて、特別検察官が何より注目していたと説明しています。特別検察官の捜査は、トランプ選対およびそれに関係する何者かが、2016年米大統領選を左右しようとするロシアと共謀もしくは連携したという事実を見つけませんでした。報告書には「捜査は、トランプ陣営の関係者が、ロシアの選挙介入活動と共謀もしくは連携したという事実を、確定しなかった」と書かれています。

特別検察官の捜査の結果、ロシアは主に2つの形で2016年選挙を左右しようとしたと確認されました。まずひとつは、ロシアの組織「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」を通じて、究極的には選挙介入を目的に、アメリカ社会に不和をもたらすため、情報かく乱とソーシャルメディア活動を展開したこと。上記のように特別検察官は、いかなるアメリカ人についても、そしてトランプ陣営幹部や関係者についても、IRAの取り組みに共謀したり意図的に連携した事実を見つけませんでした。ただし特別検察官は、こうした活動に関連して複数のロシア国民や組織を起訴しています。

もうひとつ、ロシア政府は選挙を左右する目的で情報を収集し拡散するため、コンピューター・ハッキング作戦を展開しようとしました。特別検察官は、ロシア政府の工作員がクリントン陣営や民主党組織の関係者のコンピューター侵入に成功し、メールを取得し、そうして得た内容をウィキリークスを含む様々な仲介者を通じて世間に拡散したことを、捜査によって発見しました。こうした活動をもとに、特別検察官は複数のロシア軍将校を、選挙を左右する目的でアメリカのコンピューターに侵入しようと共謀した罪で起訴しました。しかし、上述したように特別検察官は、複数のロシア関係者がトランプ陣営に支援を繰り返し申し出たにも関わらず、トランプ陣営やその関係者が、こうした活動でロシア政府と共謀もしくは連携したという事実を見つけませんでした。

1) 共謀罪での起訴に相当するか判断するにあたり、特別検察官はトランプ陣営関係者がロシアの選挙介入活動と「連携」したかについても検討した。特別検察官は「連携」を、「選挙介入についてロシア政府とトランプ陣営の間の、暗黙のもしくは明示的な、合意」を意味するものと定義している。

司法妨害
報告書の第2部は、大統領による複数の行動についてです。行動のほとんどは一般に報道されたもので、特別検察官は司法妨害が懸念され得るとして、捜査の対象にしました。「事実関係を徹底的に捜査」した結果、特別検察官は起訴・不起訴に関する司法省基準に則り、その行動を判断するか検討したものの、最終的には従来の起訴・不起訴の判断をしないことにしました。つまり特別検察官は、精査した行動が司法妨害にあたるかどうか、どちらとも結論を下しませんでした。代わりに、捜査した個別の行動について、報告書は問題の両側から証拠を提示し、大統領の行動と意図を司法妨害とみなすことができるかという、特別検察官が法と事実の「困難な問題」だと捉える内容について、結論を出していません。特別検察官は、「この報告書は大統領が犯罪を犯したという結論は出していないものの、無罪を認定するわけではない」と述べています。

特別検察官が司法妨害捜査の事実関係を説明しながら法的判断に至らなかったため、報告書内の行動が犯罪を構成するかどうかを判断するのは司法長官になります。捜査を通じて特別検察官事務所は、一部の司法省関係者と協議し、特別検察官の司法妨害捜査にまつわる多くの法的内容および事実関係について話し合いました。こうした事案に対する特別検察官の最終報告を検討し、法律顧問局を含む省内関係者と協議し、我々の訴追判断の指針となる連邦政府による起訴の原則を適用し、ロッド・ローゼンスタイン司法副長官と私は、特別検察官の捜査で得られた証拠は、大統領が司法妨害の罪を犯したと断定するには不十分だと結論しました。我々の判断は、現職大統領を正式起訴し刑事罰を追及することに関する憲法上の議論とは無関係で、それをもとにしたものではありません。

この決定をするにあたり我々は、特別検察官が、「ロシアの選挙介入に関する大本の犯罪に大統領が関わっていたと裏づける証拠はない」と判断していることに留意しました。さらに、決定的ではないものの、こうした証拠の不在は、司法妨害に関する大統領の意図にも影響すると判断しました。一般論として、司法妨害罪で確定的な有罪判決を得るためには、政府はある人物が悪意をもって、予定もしくは検討している展開に十分関連し得る妨害的行動をとったと、合理的疑いの余地がないほど、立証しなくてはなりません。報告書は、そのほとんどが国民の目の前で行われた大統領の行動を列挙していますが、そのいずれについても、司法妨害的で、予定もしくは検討している展開に十分関連し得るもので、悪意による行動だったと、我々が判断できるものではありませんでした。そしていずれも、連邦法にもとづく司法省の起訴指針にもとづき、司法妨害罪を構成すると、合理的疑いの余地がないほど立証しなくてはありません。

司法省の検討状況

特別検察官の報告書は司法長官への「非公開報告書」になると、関連規則は定めています(連邦官報37,038, 37,040-41(1999年7月9日)、特別検察官事務所細則参照)。しかし私は従前の発言のとおり、本件に対する国民の関心は認識しています。そのため、私は関連法や規則や司法省方針に沿った形で出来る限り、特別検察官の報告書を公表したいと考えています。

特別検察官との協議、および私の当初の検討の結果、報告書には「大陪審が審理する事案」に関連する情報の使用および公開を規制する、連邦刑事訴訟規則第6条e項の対照になり得るのは明らかです(連邦刑事訴訟規則6(e)(2)(B))。この規則は一般的に、刑事捜査と起訴に関する大陪審情報の公開を制限するものです(同)。規則が定める厳格な制限を超えて第6条e項の対象内容を公表するのは、場合によっては犯罪になりえます(参照例・合衆国法典18編)。

合衆国法典18編第401条3項は、大陪審審理の公正性を守り、大陪審の特有で貴重な捜査権限が本来意図される刑事司法機能のためにのみ行使されることを保証しています。

こうした制限をかんがみると、報告書の点検スケジュールは、法的に公表できない6条e項対象の内容を、司法省がいかに速やかに特定できるかに寄ります。私は、報告書内の6条e項情報をできるだけ速やかに特定するため、特別検察官の支援を要請しました。さらにこれとは別に私は、特別検察官が他の捜査当局に委託した継続案件に影響し得る情報を、特定しなくてはなりません。この作業が終わり次第、私は該当する法律や規則や司法省方針に照らして、何を公表できるか速やかに判断できるようになります。

冒頭で書いたように、特別検察官規則によると、「司法長官は議会各委員会への通知の公表」が国民の利益にかなうと判断することができるとあります(連邦規則集28編第600.8条c項)。私はそのように判断しましたので、各位に送付した後、この手紙を公表いたします。

敬具

ウィリアム・P・バー

司法長官

(英語記事 Mueller report: Read William Barr's summary sent to Congress)

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-47689406
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/15743


WEDGE REPORT

ロシア疑惑捜査、“灰色”決着か、モラー報告書、新たな訴追なし

2019/03/24

佐々木伸 (星槎大学大学院教授)

 2年近くに及んだモラー特別検察官のロシアゲート捜査が22日終了、報告書が司法省に提出された。内容はまだ不明だが、新たな訴追の勧告はないとされており、「大統領選挙でロシアと共謀した」という疑惑は“灰色”のまま終わりそう。ただ、事件のもみ消しを図ったという司法妨害については「大統領の犯罪」に言及している可能性もあり、報告書の公表に全米の関心が集まっている。


(AP/AFLO)
容疑に蓋し逃げ切りか
 モラー特別検察官の捜査は主に、大統領選挙でロシアとトランプ陣営との共謀があったのか、捜査をやめさせようという司法妨害があったのか、の2点が中心。報告書が提出された段階で判明しているのは「新たな訴追の勧告は盛り込まれていなかった」(司法省当局者)ということと、「ロシア共謀疑惑」で起訴された者は誰もいなかったということだ。

 捜査では起訴された者が34人。うち6人はトランプ陣営の幹部らだった。ポール・マナフォート元選対本部長、リック・ゲーツ元選対副本部長、マイケル・フリン大統領補佐官、マイケル・コーエン元個人弁護士、大統領の友人のロジャー・ストーン氏、ジョージ・パパドポロス元外交顧問だ。

 しかし、6人はロシアとの共謀という本筋を問われたのではなく、議会や捜査当局への虚偽証言や脱税、資金洗浄などのいわば別件容疑だ。マナフォート氏は詐欺罪などの容疑で7年半の禁錮刑を受け、コーエン氏も3年の刑で5月から収監される予定だ。6人以外の残りはロシアの情報関係者や軍人らである。

 問題はトランプ大統領の疑惑だ。選挙期間中、トランプ氏がロシア側と直接的に秘密接触していた可能性は薄いと見られており、大統領が長男のジュニア氏も含め、部下に接触を指示していたことが報告書に記されているかが1つの焦点だ。明記されていれば、罪には問われなくても、大統領の道義的、政治的な責任があらためて追及されることになるだろう。

 より可能性があるのは「司法妨害疑惑」だ。大統領は17年2月、コミー連邦捜査局(FBI)長官に対し、フリン大統領補佐官への捜査をやめるよう求めた疑いがかかっており、事実であれば、司法妨害に相当する。報告書がこの点についてどのように判断しているのかが最大の注目点だ。

 だが、報告書に限って言えば、大統領が逃げ切った可能性もある。第一に司法省の指針によると、現職の大統領は訴追されないことになっている。またモラー特別検察官が捜査で大きく依存した大陪審の規則は、実際に当事者が起訴されない限り、大陪審を通して入手した情報の公表を禁じており、大統領が起訴されないのであれば、大統領に関する情報の公開は蓋をされる恐れがある。

ボールはバー司法長官に
 捜査報告書は今後、バー司法長官からその要約が議会へ送られ、事実上公表されることになる。同長官は22日、議会指導者への書簡で、数日内に報告書の要約を送るとし「できる限り透明性を確保する」と述べた。議会下院は先に、報告書の全文を公表するよう求める決議を満場一致で可決している。

 しかし、特別検察官規則によると、報告書の内容をどの程度、要約に盛り込むかは司法長官の裁量に委ねられており、捜査の情報源や方法などの極秘情報が漏洩しないよう、また大陪審での証言が漏れないように配慮することになっている。

 民主党はかつて、長官がトランプ大統領の主張に沿うようなメモを書いていたことなどを念頭に、要約にホワイトハウスの意向が反映されるのではないかと懸念している。民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は共同声明を発表、「公表前に報告書をホワイトハウスに密かに見せないよう」司法長官に警告した。米紙によると、ホワイトハウスは報告書の不都合な部分については、大統領特権を行使して、公表させないことも検討しているようだ。

 大統領弾劾の手続き上の出発点になる下院司法委員会のナドラー委員長(民主党)は、現職の大統領が訴追されないという指針を犯罪のもみ消しに使われかねないと指摘、司法長官とホワイトハウスをけん制した。しかし、ペロシ下院議長は勢いづく大統領弾劾論に距離を置き、「トランプ氏は弾劾に値しない」と慎重姿勢を示しており、弾劾をめぐる動きは流動的といえるだろう。

際立つ強気
 週末をフロリダの別荘で過ごしているトランプ大統領は、ロシア疑惑で起訴される者が誰もいないことを予想していたのか、強気ぶりを際立たせている。報告書が提出される前、モラー氏の捜査を「魔女狩り」「政治的なでっち上げ」と非難する一方で、「国民は報告書の内容を知りたがっている。公表されるべきだ。共謀など何もなかったことが分かる」と胸を張った。

 報告書がロシア疑惑で明確な犯罪性を指摘できなければ、トランプ大統領は自らの無実を正当化する動きに拍車を掛けるだろう。しかし、一連の捜査でトランプ氏や側近らのロシアとのうさんくさい関係が浮き彫りになったのは紛れもない事実。その目的は大統領選挙で勝利するため、対立候補のクリントン氏に不利な情報を入手しようとしたことだった。ロシアと接触した側近らは18人、頻度は100回以上に及んだことは決して見過ごされないだろう。

 モラー氏の捜査がロシアゲートを立件はできないにせよ、大統領の不倫口止め料支払いなど、捜査の過程で浮かび上がったさまざまな疑惑は今後、議会や州の司法当局の調査でさらに追及されることとなる。「捜査の終わりではなく、始まりだ」(アナリスト)という声が強まる中、報告書の公表が待たれる。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15731  

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コメント
1. 2019年3月25日 15:19:12 : 5iUVvUYbBw : UUwuaDh6MTlsZ2M=[1] 報告
陸山会事件を思い出すな。

「限りなく黒に近いグレー」だっけ。ははは。

ただの言いがかりだったろが、ヴォケ!!!!

2. 2019年3月25日 18:10:30 : VwUMSttYuw : WkJ0Y0Q5WlFXQVU=[1] 報告
Not guilty
無罪ってこと。
そうでなければ被疑者に無罪であることの挙証責任をもとめるという投稿者のような狂気の沙汰がまかり通る。
3. 2019年3月25日 20:33:24 : OKkFObARtM : dDZ2TS9XZDBOQW8=[46] 報告
副作用 無理に抑えて 上手くいき

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