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元CIA工作員が占う2020年の世界――危険な「伝統回帰」が戦後秩序を崩壊させる(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/19/kokusai28/msg/203.html
投稿者 赤かぶ 日時 2020 年 1 月 19 日 21:02:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

元CIA工作員が占う2020年の世界――危険な「伝統回帰」が戦後秩序を崩壊させる
https://www.newsweekjapan.jp/glenn/2020/01/2020.php
2020年01月17日(金)18時30分  CIAが視る世界 グレン・カール ニューズウィーク


シリアの内戦は温暖化 と人口増が原因(首都 ダマスカス近郊) AMMAR AL BUSHYーANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES


<人の移動と技術の進歩と温顔化が促す「血と土と紙」信奉で、政治経済のバランスが崩れ始めた――本誌年末合併号「ISSUES 2020」特集より>

あの時は気付かなかったが、筆者は1987年に未来の世界と遭遇していた。

 

パリの路地裏の目立たない食堂で、ある情報源の男と接触していた時のこと。男は極右の有力政治家で、機械と外国人がヨーロッパの魂を破壊していると熱く語った。

こいつを止めるには、よそ者を追い出し、ヨーロッパを再び純化して「血と土と神」でつながる民族意識を高めるしかない。彼はそう言った。

いや、そういう思想は第二次大戦で犠牲になった8000万の命が否定したはずだと反論しても、彼は頑として譲らなかった。

しかしその後の歳月を通じて、私は気付かされた。およそ共通点などありそうもない多くの男たちが同じような信念を抱き、同じような行動に走っている事実に。

テロリストのウサマ・ビンラディンもナショナリストのウラジーミル・プーチンも、ハンガリー首相で隠れファシストのオルバン・ビクトルもそう。「アメリカ第一主義」のドナルド・トランプや、毛沢東より歴代の皇帝に似てきた習近平(シー・チンピン)もそうだ。

彼らの思想と行動を形成してきた過去30年の歴史を振り返れば、2020年以降に私たちが生きねばならない世界がどうなるか、およその見当はつく。西洋社会の「リベラル」な経済的・社会的・政治的価値観は20年以降、かつてないほど強力な挑戦を受けることになる。

ルールに基づく秩序を敵視する傾向が強まった背景には、国境を超えた3つの大きなトレンドがあり、それぞれがもたらす3つの大きな変化がある。そして今のところ、この「変化の6騎士」に太刀打ちできる国家は出現していない。

■人口・技術・温暖化の流れ

国の人口は、国力と国際的な影響力を左右する。中国は生産性も富も日本よりはるかに低いが、人口は10倍を超えている。だからあの国は、世界が避けて通れない怪物だ。ただし政治、社会、経済の動向を見極める上で重要なのは人口動態だ。

中国では既に労働人口が減りつつある。11年にピークに達した後は急速に高齢化も進んでいる。ヨーロッパはもっと切実だ。既に死亡率が出生率を上回っており、世界の人口に占める割合は60年代から半減の6.9%。

中東欧ではソ連崩壊以降、人口流出もあり人口減少が深刻な問題だ。逆に、欧州とアジアをつなぐ中東地域では、国家も経済も破綻しているのに人口だけは増える。35年までに35%ほど増えるだろう。

その他の地域でも、人口動態のストレスが国民国家と既存の国際秩序を脅かしている。大規模な人の移動は20年以降も中東から欧州へ、中米から北米へ、アフリカから欧州へ、中国の内陸部から沿海部の大都市へという具合に続く。世界中が人口の大移動に振り回される。

人口大国の中国は、この先も何十年か、化石燃料を燃やし続けるしかない。だからこそ中東に軍事拠点を築いている(17年にはジブチに初の国外基地を設けた)。アフリカ大陸の東海岸に中国海軍の艦艇が出没するのは、1405年に明の武将の鄭和が「南洋遠征」をして以来の事態だ。一方で中東におけるアメリカの軍事的存在感は薄れつつある。

私は車に乗ると、よく先祖の人が私の年頃だった当時の景色を想像しながらハンドルを握る。例えば、祖父なら1948年ごろだ。周りの景色を眺め、当時は存在しなかったはずのものを視界から消してみる。当然、ほとんどが消し去られる。祖父の時代には、近代的な建物も道路も電線もハイテク製品もなかった。

技術革新の加速度的な進展は現代の栄光のしるしだ。地球の反対側にいる配偶者と毎日無料でビデオ電話ができる。パリであの排外主義者と会った80年代当時、私は年に1度だけアメリカにいる家族と話したものだ。郵便局の行列に1時間並んで、1分の通話に5ドルほどかかった。今では途上国でも住民の3分の2以上がスマホを持っていたりする。

しかし先進諸国の社会は技術革新のせいで大混乱に陥っている。人工知能(AI)により、事務系の仕事は今後15年で半分に減る可能性がある。アメリカには、過去30年の技術革新とグローバル化で町の産業が丸ごと崩壊した例がいくつもある。技術革新は何十年も前から肉体労働者を痛めつけてきた。これからは頭脳労働者がやられる番だ。


オーストラリアの山火事 GENA DRAYーREUTERS

人口の増加と技術の進歩が重なったところに生じた実存的な問題。それが地球温暖化だ。20年ほど前、筆者を含むCIAの要員とNASAや米海洋大気局(NOAA)の科学者は、地球温暖化の脅威について政府に繰り返し警告した。

しかし当時のジョージ・W・ブッシュ政権は、私たちが地球温暖化に言及することを禁じた。科学的な知見に基づく私たちの警告も、彼らには左翼的偏向と映ったのだろう。温暖化の否定は共和党の伝統であり、トランプ政権はそれを忠実に受け継いでいる。

今の世界は温暖化の影響で水に漬かり、あるいは山火事で焼き払われつつある。20年前に予測した最悪のシナリオよりも深刻だ。2020年以降はどうなるのか。アメリカの情報機関は、シリアの混乱を招いた大きな要因として地球温暖化による干ばつの長期化を指摘している。

あの国では、さらに人口の増加に起因する社会的・政治的なストレスに隣国イラクでの戦争が重なり、国内で地方部から都市部への大規模な人口移動が起き、社会の崩壊と内戦を招いた。人口のほぼ半数が難民化し、中東の近隣諸国を圧迫し、膨大な数の国民がヨーロッパに流入した。

2020年には人口と環境の変化がもたらすストレスが、機能不全寸前の国々(イエメンやスーダン、マリ、中米の一部など)を直撃するだろう。技術革新はそれなりの恩恵をもたらすが、一方で先進諸国に社会的なストレスをもたらす。アメリカの伝統的な工業地帯は経済の衰退に見舞われ、中国沿海部の大都市は人口減と技術面の壁にぶつかり、ベネチアは水位の上昇に、南欧諸国は移民の流入に苦しみ続ける。

■経済・ポピュリズム・伝統回帰

人口と技術、そして温暖化という3つのトレンドは今後も世界中の経済に深刻な影響を及ぼす。アメリカ経済は堅調に見えるが、過去30年間の変化に対応できていない。

労働者の賃金はほとんど増えず、雇用が増えない理由の80%は(他国との競争ではなく)技術革新の影響とされる。そして人口のストレスは日本に「失われた10年」をもたらし、温暖化によるストレスは世界各地に洪水や山火事の被害をもたらしている。

その結果として、政治の世界では手に負えないポピュリズムが台頭した。文化的な変化を嫌い、異民族を排除したがるこうした論理は、第二次大戦に直結する1930年代の政治状況と酷似している。そこから生まれたのがアメリカのトランプ政権であり、イギリスにおけるEU離脱派の勝利であり、ハンガリーやポーランド、オーストリアにおける極右政党の進出だ。

これは「伝統回帰」なのかもしれない。社会の変化や技術の進歩に対する本能的な敵意は、100年以上の間に保守的なイスラム主義や反米主義を育て、近代的な社会・経済の変化への反発を生み出してきた。

皮肉なものでこうした流れが、およそ無関係に思える勢力(ムスリム同胞団やロシアのナショナリスト、今日の反グローバリズム運動など)を結束させ、現代の技術・経済・社会の変化の大半を拒み、過去200年以上にわたって欧米とその進歩を特徴付けてきたリベラルな価値観の破壊に向かわせている。

最近、驚くことがあった。聡明な中国人留学生と話していると、30年前にパリで会った極右政治家の話に似ていることに気付いたのだ。この留学生は言った。中国もアジア諸国も、変化しつつある自国の社会と新たな国際秩序を形成する上で、アジア主義を唱えた「北一輝」に注目すべきだと。私は呆然とした。

北一輝が植民地主義に抱いた敵意は、端的に言えば強烈な人種(民族)主義に基づくものだ。急激な経済成長や、異国の文化を持ち込んで自国のアイデンティティーを傷つける外国人への怒り。調和と社会の一体性への希求。

これらは第二次大戦の恐ろしい教訓があるにもかかわらず、1人のヨーロッパ人を極右に走らせ、その30年後、進取の気性に富む中国人留学生を北一輝(日本の軍国主義に加担した人物だ)に向かわせた。

こうした気持ちは、トランプの唱える「移民排斥」の主張や、異国の影響を排除したいイギリスの頑迷なEU離脱派、習近平の全体主義的民族主義と大差ない。

2020年に政治や経済に何が起きるにせよ、中国の台頭や世界の人口増加、高齢化、大規模な人口移動、急速に進む技術変化と経済発展、そして環境への負荷は、ポピュリスト大統領であるトランプが譲らない孤立主義と相まって、第二次大戦後の規範となってきた世界と経済の秩序を侵食し続けるだろう。

1945年以降で最も危険な変化の時代が私たちを待っている。

<2019年12月31日/2020年1月7日号掲載>


 

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コメント
1. 赤かぶ[52602] kNSCqYLU 2020年1月19日 21:03:32 : LSw33cvQOo : MmV2aDVmVG9pMi4=[3884] 報告


2. 赤かぶ[52603] kNSCqYLU 2020年1月19日 21:04:12 : LSw33cvQOo : MmV2aDVmVG9pMi4=[3885] 報告


3. 赤かぶ[52604] kNSCqYLU 2020年1月19日 21:04:36 : LSw33cvQOo : MmV2aDVmVG9pMi4=[3886] 報告


4. 赤かぶ[52605] kNSCqYLU 2020年1月19日 21:05:24 : LSw33cvQOo : MmV2aDVmVG9pMi4=[3887] 報告


5. 赤かぶ[52606] kNSCqYLU 2020年1月19日 21:05:50 : LSw33cvQOo : MmV2aDVmVG9pMi4=[3888] 報告


6. 赤かぶ[52607] kNSCqYLU 2020年1月19日 21:06:15 : LSw33cvQOo : MmV2aDVmVG9pMi4=[3889] 報告


7. 赤かぶ[52608] kNSCqYLU 2020年1月19日 21:06:51 : LSw33cvQOo : MmV2aDVmVG9pMi4=[3890] 報告


8. 2020年1月19日 21:56:22 : tchiYOpIiQ : eWg5VzJZY2ZybUE=[37] 報告
内戦を 起こさせ稼ぐ 侵略者

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