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安倍政権の迷い込んだ「長期停滞」の罠  問題は「一国ケインズ主義」では解決できない 
http://www.asyura2.com/19/senkyo257/msg/376.html
投稿者 うまき 日時 2019 年 2 月 10 日 09:25:55: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

安倍政権の迷い込んだ「長期停滞」の罠
問題は「一国ケインズ主義」では解決できない

2019.2.8(金) 池田 信夫

グローバル化した経済では一国ケインズ主義は無力である(写真はイメージ)
 国会では野党が「毎月賃金統計調査の不正はアベノミクスの成果を偽装する陰謀だ」と騒いでいる。政治家が統計に介入することは不可能だが、安倍政権の弱点が賃金にあることは確かだ。「実感なき景気回復」といわれるのも、賃金が上がっていないことが原因だろう。

 こういう「長期停滞」は日本だけの現象ではなく、低成長・低インフレ・低金利の状態は先進国では2010年代にずっと続いている。当初これは世界金融危機からの回復にともなう一時的な現象と考えられていたが、最近はこれが「ニューノーマル」だという人も増えてきた。何が変わったのだろうか。

グローバル化が長期停滞を生む
 長期停滞の原因としてよく挙げられるのは、潜在成長率や生産性の低下だ。人口減少と高齢化の進む日本ではこれは当然だが、今の長期停滞はこういう供給不足だけでは説明できない。

 総需要と総供給の一致する水準で物価が決まるとすると、供給が減ったら物価は上がるはずだが、日本はここ20年、物価上昇率も金利もゼロに近い状態が続いてきた。この原因は需要不足と考えるしかないが、それを示す需給ギャップはゼロに近い。こういう状態で財政出動や金融緩和をやっても効果がない。

 それがアベノミクスの失敗だったが、教科書的なマクロ経済学では、今の日本のように完全雇用に近い状態で景気を刺激すると、景気が過熱してインフレになると想定している。ところが安倍政権が増税を延期し、日銀が大規模な量的緩和をやってもインフレが起こらない。

 それはなぜかというのは難しい問題だが、日銀の実験はそのヒントを提供している。次の図は第2次安倍政権になってからのコアCPI(日銀の指標とする物価指数)とエネルギー価格の上昇率をみたものだが、2014年以降ほぼパラレルに動いている。日本の物価指数を動かしたのはマネタリーベースではなく、原油価格だったのだ。

http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/6/d/600/img_6defb2748b6baeb1942042fa602068fd43190.png
コアCPIとエネルギー価格(右軸)の前年比上昇率(%)、総務省調べ

 原油と同じようにグローバルな価格が国内価格を決める現象は製造業全体に起こっているが、それは原油価格の低下のように悪いこととは限らない。日銀はグローバルな金利も物価も決めることができないので、金融政策は無効になる。

日本の賃金は中国に近づく
 世界的にみると新興国の供給過剰(貯蓄過剰)は世界のGDPの1%近く、これが世界的な低金利を生み出している大きな原因だ。このような貯蓄と投資の不均衡は金利で調節されるが、国際資本移動の自由になった今は、国内より先にグローバルな実質金利(長期金利−物価上昇率)が均等化する傾向が強い。

 同じことは物価にも起こり、たとえば中国で100円でつくれるTシャツを、日本で500円でつくる企業は成り立たないので、日本国内のTシャツの価格は中国に近づいてゆく。これが「デフレ」の正体である。

 こういうグローバルな価格均等化は理論的には予想できるが、現実にはそれほど進まなかった。しかし1990年代から新興国が世界市場に参入して、グローバルな市場が一体化し、世界全体で物価の下落が始まった。実質金利の低下もその一環である。

 2000年代に新興国(特に中国)が先進国に安い製品を輸出し、供給過剰と資金過剰が世界に広がり、2010年代には世界的にほぼ実質金利ゼロになった。これは世界史上にも前例のない現象である。

 ゼロ金利の原因が先進国と新興国の「グローバル・インバランス」だとすると、各国の中央銀行が是正することはできない。同様に日本の労働者(特に非正社員)の賃金が中国に近づくことも避けられない。それが日本の低賃金の根本的な原因である。

「一国ケインズ主義」の終わり
 政府が財政支出を増やして需要不足を補うケインズ政策は、1930年代の大恐慌では有効だったが、70年代には先進国でスタグフレーション(不況とインフレの併存)が起こり、ケインズ政策では対応できないことがわかった。

 長い論争の末に、景気循環の対策は財政政策ではなく金融政策でやるという政策が先進国のコンセンサスになったが、21世紀の状況は違う。2008年の金融危機のあとの主役は財政政策だった。金融危機のあともゼロ金利の「流動性の罠」が続いたため、金融政策のきかない状況が出現したのだ。

 日本は1980年代に世界史上まれな過剰債務を経験し、その反動で90年代以降は大幅な債務解消(デレバレッジ)を経験し、企業の貯蓄過剰(投資不足)が起こった。

 これは1998年の金融危機から始まったもので、初期には過剰債務を削減して企業を防衛するために行われたが、20年たった今も企業(非金融法人)が純貯蓄部門で、その貯蓄を政府部門の赤字が埋めるいびつな構造は変わらない。

 つまり企業が金を貸して政府が借りる状況なので、金融緩和しても企業の投資を高める効果はなく、財政ファイナンスになるしかない。長期停滞の構造は、1990年代の日本から始まったのだ。

 これは2010年代の欧米と似ているが、不幸なことに日本の過剰債務が終わらないうちに先進国が過剰債務に陥ったので、ゼロ金利が終わらない。

 世界的な資金過剰が低金利の原因だという見方は多くのエコノミストに共有されつつあるが、将来の見通しは一致していない。これが今後も続くという人と、債務解消が終わったら正常化するという人がいるが、日本では異常な状況が20年も続いている。

 どっちにしても、各国政府や中央銀行が世界全体の需給ギャップを調整することはできない。グローバル化した経済では一国ケインズ主義は無力であり、物価や金利を政府がコントロールしようとするのは無駄だ、というのがアベノミクスの挫折の教訓である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55436  

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コメント
1. 2019年2月10日 09:47:45 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[269] 報告

池田も以前は巨額緩和でハイパーインフレになると言っていたが、大分、学習したらしい


日本の長期停滞の原因は、

まず超少子高齢化による需要不足と労働供給の品質劣化、

そして、バブル崩壊に伴う企業過剰債務解消による投資不足

その結果としてのグローバルな高度産業での競争の敗北、

それにもかかわらず古い労働制度による賃金の価格硬直性による、さらなる企業の競争力の低下、

ダメ押しのリーマン後の世界金融危機における円高(日銀の緩和不足、民主党の改革放置)での空洞化加速

など複合要因による

異次元緩和(アベノミクス)自体は、過去の間違った緊縮政策による円高を、円安に巻き戻しただけであり、

結果として、外需主導で、国内雇用や賃金総額は、かなり改善に向かっているが、

社会保障改革や労働改革は、ほとんど進んでおらず、労働生産性や企業の全生産性の上昇加速が起こっているわけではなく、当然、実質賃金が急加速することなどあり得ない

さらなる効果的な制度改革が必要だが、他の先進国同様、日本でも難しいだろう

2. 2019年2月10日 16:16:06 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-11105] 報告
日本のデフレ進捗下を防ぐためには早い時期に中国から日本への輸入品に対して一時的にでも高関税を掛けるというような政策も必要だっただろうと思えるが記憶する限りそれを主張する政治家や政党は全くいなかった。アベノミクスにしても小沢氏に近い中村哲治という議員が考案したというデマみたいな情報もかつて流れていた。それだけ日本の政治のレベルが低く劣化しているということだろう。この投稿の内容に関してもまた然り。

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理
3. 2019年2月10日 19:34:24 : aPd8HhulI2 : llWc5WIRbxw[176] 報告
無駄重ね わざとゾンビに 利を与え
4. 佐助[6494] jbKPlQ 2019年2月10日 20:00:39 : z5Sx38n0Sg : _P5Uop5uQJo[67] 報告
池田信夫さんに指摘しても黙殺だろうが,怒りを我慢して教えてあげよう。

犯人は複合要因の積み重ねと歴史的周期です。政治家や経済学者と違う考察です。

●原因は世界の為替システムのキン返り/離れと通貨の交代とルールの破壊と日米軍国同盟と古い産業構造と政治とゼロ金利政策とキンを大量に保有する国の通貨が世界通貨であることは、それ自身矛盾し、信用の膨張,自壊が避けられない。

世界通貨の交代期に発生する信用縮小と金融混乱が政治・経済・文化を激震させ姿を変えた
バブルが破裂する。だが、バブルは姿を変えるために、その破裂を予知できない。

これは新機軸制(ドル一極集中から複数通貨制になる)になるまで沈静化しない,そして技術革新(今回はエンジンレスの産業革命)の大改革をしないと経済は回復しない。

●第二次世界金融大恐慌の妖怪の姿は、包括関税引き下げ交渉が行き詰まり,二国間交渉に中心が移ると,やっと第一次世界信用大恐慌前後と同じ状況に突入したことを意味する。この二国間交渉とTPP1で絶望の経済にしようと安倍政権は企んでいる。

簡単にいうと
1929〜32 年に姿を現した第一次世界金融大恐慌は世界通貨のポンドからドルへの移行が根因。

2007〜10 年にスタートした第二次世界金融大恐慌は、ドル一極からユーロ・円三極への移行が根因。


●蜃気楼化した経済指数と不正統計
そこで安倍総理は不正統計指数により,戦後最大のいざなぎ景気を越えた、と主張しているが,これは蜃気楼化した経済指数と不正統計データ3分の1セイ。これを安倍政権は平気でやった。

●消費者の購買力を縮小させたまま、金融商品と原材料の値上がりを放置しながら、消費者の所得は増やさないまま、生産工場を海外に移転すれば、どうなるか? その答えは、国内市場が縮小するため、消費者物価のインフレは発生することができない。そして、輸出の好調のセイで、3年半ごとの景気循環さえ見えなくしている。


●経済指数の落ち込みを先送りさせ増幅させた要因
それは「貧乏人には我慢、金持ちには借金棒引きでは、バブルの発生は避けらないし、回復する時間を長期化する」すなわち第二次世界信用・金融大恐慌の二番底・三番底が先送りされて,被害が増幅することになる。これも安倍政権はやっちゃった。

(注;金持ちの借金棒引きとは、破産は再生機構に移し借金を棒引きし、政府保証で担保なし融資、企業と金持ちの減税,還付金などである。貧乏人の我慢とは、自己破産のハードルを高くし、生活保護を減額し、消費税増税することである。)

消費税は,貧乏人は自己責任だから救済しないために、世界信用恐慌発生の日付は、1998年から2008年から二番底2019年以降に先送りされたのです。


だが、日本を除く国は、それぞれの経済政策の舵を切換え、そのドン底の経済指数を、2020年迄には回復させることが可能だ。

●ではナゼ、日本だけが、90年代に経験した失われた10年間の苦痛を、再び10年以上も経験しなければならないのか? 今度の苦痛は、いざなぎ景気越えの見かけの景気をともなわない。なぜなら、見かけのいざなぎ景気越えは、国内市場の縮小を海外市場の拡大によってカバーされた、蜃気楼化された経済指数と不正統計指数が正体だからだ。

この経済蜃気楼を、日本の指導者とエコノミストたちは、現実だと錯覚した。そのため、第二次世界的スーパーバブルの到来に対して、全く無防備である。そして、このスーパーバブルの原因が、ニクソンのドルとキンの交換停止にあることを知らない。

それは、ドルのキン離れによる世界の信用膨張で、最も恩恵を受けた国が日本だからだ。そのため、日本は、最大の打撃をこうむる。

●だから、慣習期の商品にあぐらをかき、市場拡大のインパクトのある商品を開発できなかった企業は、縮小&倒産は避けられない。各産業のトップ企業を入れ替え、次の時代をリードする企業を誕生させ急成長させます。

●財閥系の大企業の消失だけでなく,信用恐慌の早期脱出のためのマニフェストの実行が遅れているので、地方銀行の取り付け騒ぎや倒産が避けられなくなる。そして、予告どおり全国の銀行のモラトリアムが世界中で発生する。


次に
1929年の第一次世界金融恐慌について

ポンドのキン離れによる世界の信用膨張により、第一次世界大戦ブームで経済成長した米国は、1929年の最高の経済指数を、三分の一以下に縮小させるスーパーバブルに直撃された。それは十年を経過しても、生産・販売・株式・雇用・投資・貿易の指数を回復できなかった。この恐怖の体験を日本は避けられないのか!

ナチスドイツと軍国日本が、第一次世界金融恐慌から早く脱出できた決定的で、普遍的な要因は、世界の金融システムから隔離された「経済鎖国」のセイである。「経済鎖国」とは何か? それは、貿易と外国からの投資を制限することだ。

1929年の米国政府は、輸入商品に高関税をかけ規制した。外国投資流入は規制しなかった。いや、外国投資の利益を防衛するため、高関税政策を採用していたのだ。

この米国の高関税政策に対する各国の報復関税が世界に普及したために、世界貿易が三分の一になり、第一次世界信用収縮恐慌は発生したのだ、と経済学は総括した。

しかしこの高関税政策によって米国は第一次世界金融恐慌から脱出したのだ。

だから今日、日本と世界のエコノミストは全員、超関税自由貿易主義者なのである。つまり、関税をゼロにし、自国の農業や中小企業を壊滅させても、世界信用収縮恐慌の再発は絶対に防止すべきだと信じているのだ。

そのために、世界信用収縮恐慌を発生させる世界機軸通貨の交代は見えない。そして、迫りくるバブル崩壊のインジケーターの足音が振り切れるタイミングも予知できない。

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