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消費増税方針支える「3つの通説」は本当か 薬の「費用対効果」、政府が新制度導入へ 高額薬に備え reuters
http://www.asyura2.com/19/senkyo257/msg/769.html
投稿者 うまき 日時 2019 年 2 月 21 日 18:19:18: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

為替フォーラム2019年2月21日 / 14:35 / 3時間前更新

消費増税方針支える「3つの通説」は本当か

鈴木明彦 研究主幹 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
4 分で読む

[21日 東京] - 2度にわたって10%への消費税率引き上げを先延ばしてきた安倍晋三首相だが、さすがに「3度目の正直」となる今年10月予定の増税については、実施する姿勢を崩していない。

その方針を支える安倍政権の筋立ては以下のようにまとめられよう。

1)前回8%への消費増税は想定以上のマイナス効果を個人消費、そして経済全体に与えた、2)10%への増税では、その過ちを繰り返さないように万全の対策で臨む、3)リーマンショックのような出来事がない限り、消費税率を10%に上げることは可能だ──。

結果として、世の中の議論もこの3点に収れんされ、消費税を上げた場合、どの程度、経済に影響があるのか、そして政府の増税対策はどの程度効果があるのか、などに焦点が当たっているようだ。

しかし、残念ながらこの3つの通説は的を射たものではない。

<前回増税のマイナス効果は想定通り>

まず、2014年4月に実施された前回の消費増税による個人消費の落ち込みは、十分想定できたことだ。

消費増税が消費に影響するルートは、物価上昇による実質所得の押し下げが中心となる。

前回増税時の状況を振り返ると、消費者物価は円安影響ですでに1%台半ばの上昇率だった。そこに消費増税による消費者物価の押し上げ効果2%が加わって、増税後の物価上昇率は3%台半ばとなった。

名目賃金は当時上がっていなかったので、実質賃金(所得)は3%台半ばの減少となる。これが個人消費に影響しないはずがない。個人消費は想定通りの落ち込みを示しただけだ。

これに対して、10%への税率引き上げが個人消費に与える影響はほとんどなさそうだ。

まず、物価上昇率はこれからさらに低くなる。昨年終わりからの原油価格下落の影響に加えて、今後予想される携帯通話料金の引き下げや幼児教育無償化の影響を考えると、10%税率を導入する際の消費者物価は前年比ゼロ%あるいはマイナスになっているかもしれない。

消費増税による物価押し上げ効果は、今回の増税幅がやや小幅で軽減税率が導入されることもあり、1%程度にとどまるだろう。

増税後の消費者物価上昇率は1%程度と想定できる。

一方、賃金統計に対する信頼度は低下しているが、名目賃金が1%程度上昇しているとすれば、消費者物価の上昇とほぼ同じである。結果として、実質所得は変化しないので、個人消費に与える影響は中立となる。

<政府の増税対策は必要なし、逆に混乱招く恐れ>

つまり、増税対策は必要ないと言えそうだ。

しかし、政府は、実質所得を上げることよりも、駆け込みとその反動を抑えることを目的に対策を講じようとしている。このミッションは、経済政策によって景気を刺激することよりもはるかに難しい。ほとんど達成不可能なのではないか。

場合によっては新たな駆け込みの山ができてしまい、その後の「崖」を防ぐために対策を延長する、あるいは新たな対策を考えることになりかねない。

しかも「キャッシュレス社会の推進」という全く別のミッションまで加わっている。

軽減税率の導入も、その区分の複雑さが現場で混乱をもたらす懸念があるが、キャッシュレスを推進するために、複雑なポイント還元策が検討されており、どこまでがポイント還元の対象になるのか、そのために必要な予算はどの程度なのか、といった点で混乱が生じる恐れがある。

実質所得の大幅な落ち込みを防ぐという観点からすると、対策は必要ないということになるのだが、駆け込みと反動をならす、あるいはキャッシュレス社会の実現という目的のために、さまざまな対策が取られることになった。これらがどの程度効果を持つのかは不明だが、実際に運用した時の現場の混乱が懸念される。

<低くない税率10%のハードル>

消費税対策に問題点があるとしても、そもそも消費税増税の影響が無視できる程度であり、10月までにリーマンショックのような事態が発生しないならば、今回の消費税率引き上げはすんなり実現しそうに見える。しかし、税率10%へのハードルは低くない。

まず、戦後最長の景気拡大などと言われているが、すでに景気は下を向いている。輸出、生産、景気動向指数の推移を見れば、2018年初めから中国をはじめとする世界経済の減速に連れて、日本景気も回復が一服している。

昨年末に向けては米中貿易戦争の影響も現れているようで、これから出てくる経済指標は一段と厳しいものになるのではないか。リーマンショック並みとまではいかないとしても、過去2回消費増税を先延ばしした時点に比べて、今の景気の方がしっかりしているとは言えなくなる。

また、前述したように物価上昇率は特別な要因も影響して、マイナスに転じる可能性すらある。これ自体は消費税率引き上げの環境としては改善を意味するのだが、デフレ脱却を目指す安倍政権の下では、デフレに逆戻りしそうな時に消費増税を行うべきではないという批判が広がるかもしれない。

<本当に必要な増税政策とは>

消費税に限らず増税を歓迎する国民などいない。消費税を上げれば、実質所得は目減りし、個人消費、そして日本経済にマイナスの影響が出てくるのは避けられない。たとえ財政支出を増やして消費税対策を打っても、その効果は一時的なものにとどまる。

そもそも、お金が足りないから増税するのであれば、一時的な効果しか見込めない増税対策のために、財政支出を増やして欲しくない、というのが正直な思いだ。そんな対策を打つぐらいなら、そもそも増税をやめるか、せめて増税幅を狭めてもらいたい。

最も必要な消費増税対策とは、なぜ消費税を上げなければいけないのか、消費税収は借金返済も含めてどのように使わるのか、といったことを国民に正直に説明して納得してもらうことだ。納得するとは、実質所得が減ることも含めてだ。

国民がそうした痛みを受け入れざるを得ないと納得すれば、今行われようとしているような消費税対策は必要なくなる。

2012年の三党合意では社会保障と税の一体改革についての合意があり、そこでは2015年10月には消費税率が10%に上がることになっていた。それが今になっても実現していないのはなぜか。最も必要な消費税対策を政治の世界が怠ってきたからではないだろうか。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

鈴木明彦氏 研究主幹 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(写真は筆者提供)
*鈴木明彦氏は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの研究主幹。1981年に早稲田大学政治経済学部を卒業し、日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行。1987年ハーバード大学ケネディー行政大学院卒業。1999年に三和総合研究所(現・三菱UFJリサーチ&コンサルティング)入社。2009年に内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)、2011年に三菱UFJリサーチ&コンサルティング、調査部長。2018年1月より現職。著書に「デフレ脱却・円高阻止よりも大切こと」(中央経済社)など。筆者のツイッターアカウントはこちら。
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-suzuki-akihiko-idJPKCN1QA0EO

 

ビジネス2019年2月21日 / 16:45 / 39分前更新 焦点:
薬の「費用対効果」、政府が新制度導入へ 高額薬に備え
Reuters Staff
3 分で読む

[東京 21日 ロイター] - 政府は今年4月、薬の費用対効果を評価する新たな制度を導入する。高齢化の進展やさらなる高額薬の承認が見込まれる中、膨張する医療費を抑制するのが狙いだ。だが、社会保障制度の維持を大義に、政府が薬剤費を狙い撃ちにすることへの業界の反発は根強い。企業の開発意欲を損なわず、国全体の経済成長につなげる好循環を構築できるかが課題となる。

<高齢者に高額薬>

国立がん研究センター中央病院に勤める後藤悌医師には、80歳代の患者にがん免疫薬のオプジーボを投与した経験がある。オプジーボは小野薬品(4528.T)と米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY.N)が共同開発した薬剤で、その効果とともに価格の高さでも話題を呼んだ。保険適用された当初、患者1人当たりの金額は年間3000万円超とされていた。

日本では、患者の自己負担は1─3割で、同じ月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合には、一定程度が払い戻される制度もある。厚生労働省によると、2016年度の医療費は患者負担が全体の11.5%で、残りの約9割が保険料と公費で賄われている。

「高齢の方にオプジーボを使うメリットがあるかどうか。世間の人に聞けば、恐らくほとんどの人が無いと言うだろうが、患者さんやその家族はみんな使いたいと言う。それを私たちが断る権利は無い」と後藤医師は話す。

日本の医療費は増加の一途をたどる。高齢化に加え、医療の高度化に伴って薬や医療機器の価格が上昇していることが背景にある。政府が昨年示した試算では、2040年度は68.5兆円と、18年度比で約75%増える見通しとなっている。

医療保険財政への負荷を踏まえ、政府は来年度から新薬の費用対効果を測る制度を導入する。「増分費用効果比」(ICER)は、英国などでも用いられている手法。健康な1年を生きるのに、既存薬と比べてどの程度の追加費用がかかるかを測定し、分析結果によって薬価を上下に調整する。

だが、こうした分析に詳しい米国研究製薬工業協会のケビン・ハニンジャー氏は、ICERそのものの欠点を指摘する。「例えば、私が関節リウマチを患って、物を書いたり、タイピングもできなくなったりしていたところ、ある薬によって症状が改善したとする。その結果、仕事に復帰し、税金を納め、家族の面倒を見ることができるようになっても、こうしたベネフィットはICERでは捕捉できない」と語る。

<薬価下げに依存する政府>

費用対効果評価は、あくまで新薬が保険適用された後に用いることにしている。ただ、昨年12月の経済財政諮問会議で示された「改革工程表」では、保険適用を判断する際にこの分析の活用を検討することが盛り込まれ、一部の業界関係者を驚かせた。

現在は、安全性や有効性が確認されれば、その薬は原則として保険適用されることになるが、「費用対効果が低い」ことを理由に保険適用されないことになれば、薬へのアクセス制限にもつながる。

日本希少がん患者会ネットワークの真島喜幸理事長は「将来的に保険適用するところで評価分析が使われるようになれば、がん患者会としては本当に勘弁して欲しい事態だ」と主張する。

政府に対する製薬業界の警戒感も強い。安倍晋三政権は2016─18年にかけて、社会保障費の伸びを5000億円に抑える目標を掲げたが、3年間のうち薬価改定の年に当たる16年と18年は、抑制に必要な額の大半を薬価引き下げに頼った。

一方で、医師の技術料を含む「診療報酬本体」は引き上げたことから、製薬業界からは不公平を訴える声も出た。それでも、製薬会社にとって「医師は顧客のようなもので、強く不満を言いにくい」(国内製薬大手)のが実情だ。

<高額薬の定義>

厚労省の審議会は20日、スイス製薬大手ノバルティス(NOVN.S)の白血病治療薬「キムリア」の製造・販売を了承した。この治療法は、免疫反応の司令塔となるT細胞を患者の血液から取り出し、がん細胞を攻撃しやすくなるよう遺伝子を改変した上で体内に戻す「CAR─T細胞療法」と呼ばれる。

米国では47万5000ドル(約5200万円)の価格が付いた。日本でも「それに近いものになるのではないか」(政府関係者)とみられ、価格への注目が集まっている。

ただ、単価が高いものだけが「高額薬」とは言えない。安くても患者数が多ければ、財政への影響は大きくなるからだ。キムリアの対象患者は国内で250人程度とみられ、財政にかかる負担は限定的との見方もある。

冒頭の後藤医師は「例えばインフルエンザの薬は、熱が1日早く下がるだけで、子どもや妊婦さんなどを除けば人の命を救うわけではない。費用対効果の話をする時に、単価の高い薬だけを対象にするのは矛盾しており、他の薬でも議論すべきだ」と指摘する。

梅川崇
https://jp.reuters.com/article/drug-cost-idJPKCN1QA0QM  

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