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21世紀家父長制の悪夢 新天皇家の発する家族メッセージ (朝日新聞社 論座)
http://www.asyura2.com/19/senkyo260/msg/143.html
投稿者 肝話窮題 日時 2019 年 4 月 25 日 20:16:55: PfxDcIHABfKGo isyYYouHkeg
 

 
牟田和恵 大阪大学大学院人間科学研究科教授
論座 2019年04月25日
 
 
 「代替わり」が迫っている。2016年夏に始まった現天皇の生前退位の報道から足掛け4年、この国はずいぶんとこのことに振り回されてきた。その最たるものが元号で、コンピュータのシステム担当者からカレンダー業者まで(前者はまさに現在進行形で、だろう)苦労している。こうした面以外にも、「平成最後の」のイベントや表現があちこちで花盛り、新元号になったらなったで、「〇〇初の」が喧伝されるのだろう。2019年4月30日と5月1日は、ほかのどの日にちとも変わらずつながっていくのだが、この国ではあたかも截然(せつぜん)と時代が画されるかのような幻想を与える。今回は生前退位により4年にもわたってそれをしているわけだ。暦を新たにする元号とはまさに、権力が時間を支配することの象徴だが、民主主義国家となって70余年経過した21世紀の現在、それをこうして目の当たりにさせられることに忸怩たる思いがする。

■「家」制度の維持と継続
 
 もう一つ、皇室が民主主義に違背しつつ称揚までされているのは、家父長制、言い換えれば女性差別だ。男系の継承しか認められていないこと自体、女性差別が歴然だが、女性天皇を認める法改正も議論されていたのが、2006年に秋篠宮家に男子が生まれたとたんにその論議がストップしたのはあまりにあからさまだった。現在も、女性宮家創設に関する議論があるが、それもこのままでは天皇を支える皇族が先細りだから、という「家」第一の発想でしかない。

 敗戦によってもたらされた憲法改正で男女平等や個人の自由に反するとして民法の「家」制度が廃止されたなか、天皇家についてだけは男子継承が維持された。もともと、歴史上では古代から江戸時代まで女性天皇は存在したのに、明治になって皇室典範によって男子のみの継承が制度化された。国民全体のレベルでみても、そもそも「家」制度は武士階級のもので、近代以前は地域や階層によって女性による家継承は珍しくなかったのが、明治民法により男子継承が定められて女性差別が制度化されていった。新憲法でそれが廃止されたにもかかわらず、天皇家にのみ残り続けているのだ。

 度重なる国連女性差別撤廃委員会からの是正勧告や世論の変化にもかかわらず夫婦同姓を強制する民法改正の勧告を日本政府は放置し続けているが、保守派の夫婦別姓への強力な反対も、かつての「家」制度から続く男性家長中心の家族秩序を壊すわけにはいかないという意志の表れだ。国民統合の象徴とされている天皇家が、近代に創造された男性至上主義を堂々と実践している限り、保守派は主張を変えることはないだろう。女性天皇の反対者たちは、「万世一系の伝統が崩れる」とかDNAがどうとか、さまざまな理屈を論拠とするが、それは実はロジックが逆なのではないか。

 つまり彼らは、女性天皇が実現すれば、彼らが振りまき続けたい「男」が尊く女の上に立つものであるというイデオロギーの根幹が揺らぎかねないことを恐れているのではないだろうか。

■皇室と家族イメージ
 
 そうした制度面だけでなく、「インフォーマル」に見える家族の在り方についても、天皇一家の影響は測り知れない。

 現在われわれはメディアの発達により、天皇や皇族の「家族」の姿をTVや雑誌、さらにはネット上でもよく目にするが、「家族の姿」を見せることは、近代ヨーロッパの王室や皇帝に始まる、国民統治戦略の一つだ。
 
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019041900003_2.jpg
図1 アニメ「原始家族フリントストーン」 THE FLINTSTONES and all related characters and elements are trademarks of and c Hanna-Barbera.
 
 家族史や社会史の分野に「近代家族」という概念がある。夫・妻とその子が情愛で結ばれ外部からは独立したあたたかな「ホーム」を営む家族の在り方は、多くの人々が「自然」なものと思い込んでいるが、実は近代に至る社会経済構造の変化の中で生まれてきたものだ。人類史をはるかに遡る狩猟採集時代でも「男が狩りに出かけている間、女は洞窟で子を抱いて待つ」というイメージが疑いもなく信じられていたり、石器時代を舞台にした映画やアニメから「家族のために働くサラリーマンの父親、家で家事や育児をする妻、家にはペットがいる」といったストーリーが提供されていたりする(図1「原始家族フリントストーン」)が、これらは幻想にすぎない。後者はあくまでフィクション、とも思われようが、人類発祥から男女は前者のような役割分業をしていたという信念があるからこそこうしたフィクションが受け入れ可能なお話になるのだろう。しかしながら夫・妻・子の極小の単位で人類が生存しえたはずはなく、人はより広い共同体の中でこそ生きることが可能だった。それが、近代に至る産業化の中ではじめて「夫・妻・子」よりなる独立した単位としての「家族」を形成するようになったのだ。つまり私たちの自明とする家族は没歴史的なものでも「自然」なものでもないという認識から、「近代家族」と呼んでいる。

■「善き家族」の模範
 
 近代家族の登場の担い手となったのは、産業革命にいたる前後から勃興成長したブルジョワジー(有産市民階級)だ。ブルジョワは、日本語では(すでに死語に近い言葉になっているが)「金持ち階級」のようなニュアンスで使われるが、本来の意味は、出自は平民でありながら経済的に成功し立派な社会的地位を有する人々のことだ。ブルジョワジーは、生まれながらに「尊い」身分で(「ブルー・ブラッド」と言われるとおり「血」が異なる)莫大な土地や財産を有する王や貴族と違い、商工業に携わり、あるいは専門的な職業によって財を成し豊かな生活を築き上げた人々だ。したがって彼らにとって、自らの階層を再生産しその地位を維持するには、日々の勤勉努力、将来を見据えた計画的な生活態度、そして安定的な家族生活を維持し子供の教育を行っていくことが必須である。とりわけ女性は、そのために、子の教育に熱意を持ち健康にも配慮する、善き母でなければならないのだ。

 「勉強しなくては将来いい会社に入れない」と子供の成績や進学に腐心する現代の人々はまさにその末裔なのだが、近代に生まれたこうしたブルジョワ的価値観と家族の在り方は、その後、上下の階級に波及していく。
 
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019041900003_3.jpg
図2 「サンスーシ公園の皇帝一家」 1891年、ベルリン・ドイツ歴史博物館 c William Friedrich Georg Pape (1859?1920) [Public domain]
 
 王たちは、本来そうした「ブルジョワ」的価値観とは無縁で、贅沢や奢侈、性的放縦が許されていたのだが、絶対王政の時代が終わり、市民社会の時代がやってきたとき、次第にブルジョワの「道徳的に正しい」家族の在り方に倣う必要が出てくる。そしてやがて王室や皇帝一家が「善き家族」の模範を積極的に示して国民統治を図ろうとするのだ。彼らは、子供たちと妻を愛する善き夫(図2のドイツ皇帝)として、愛する夫との間に9人の子をなし続け愛情豊かな女王(イギリス・ビクトリア女王)として君臨した。とくにビクトリア女王は、イギリスが大英帝国として世界の覇権を握った時代の君主だが、善き妻・善き母として表象され、その「帝国の母」「慈愛」のイメージが大英帝国の維持・拡大の礎となったといわれている。
 
 こうした王家の家族の肖像は、数多く描かれ、国民に家族のモデルイメージを提供し続けた。そしてこうした家族像には、頑健で勇ましい男性(図2のように男は軍服や水兵服を身に着け)と優美でたおやかな女性(女は華やかではあるが清楚な白いドレスやワンピースをまとっている)という男女のありようを対称的・補完的に描くジェンダーステレオタイプが刻印されているのである(三成美保『ジェンダーの法史学―近代ドイツの家族とセクシュアリティ』勁草書房、2005年)。

■明治天皇の家族の表象
 
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019041900003_4.jpg
図3 「皇室御団欒御真影」 明治32年、岡道孝コレクション、川崎市市民ミュージアム蔵
 
 欧米の先進国に並ぶ文明国となることを至上命題とした日本で、時を同じくして位についた明治天皇家も、こうしたヨーロッパの王室に見倣う必要からか、明治32(1899)年に「皇室御団欒御真影」(岡道孝コレクション・川崎市市民ミュージアム蔵)が描かれている(図3)。明治天皇・皇后(美子)と、皇太子(のちの大正天皇)および妃(節子)の若夫婦と子供たちが居並ぶ家族肖像図なのだが、男は軍服、女は華やかなドレス(さすがに女児にワンピースは着せていないが)というところは共通しているものの、実はこれらの人物の親子関係は複雑だ。子供たち7人のうち節子妃に抱かれている赤ん坊含め3人の男児(前列中央がのちの昭和天皇)は皇太子と妃の実子だが、同じくらいの年齢の少女4人は、明治天皇の子であり皇太子のきょうだいなのだ。つまりこれら幼い4人の女児たちは男児たちの叔母なのだ。
 
 このように年の離れたきょうだいはかつての多産の時代には珍しくはなかったが(サザエさんの母フネは多産ではないが、ワカメちゃんはフネさんの子で、サザエさんの子であるタラちゃんの叔母である)、皇太子と内親王たちの実母は異なる。明治天皇には5人の側室がいたが、図の女児たちの実母は明治天皇の最後(5番目)の権典侍(ごんのてんじ)(側室)であった園祥子(さちこ)であり、皇太子の実母は3番目の側室であった柳原愛子(なるこ)である。つまりこの「皇室御団欒御真影」で「母」として存在している美子皇后の実子は誰一人いないのだ。
 
 現在の感覚から言えば、「ドロドロ」とでも形容できそうな家族関係だが、 ・・・ログインして読む
(残り:約4044文字/本文:約7877文字)

https://webronza.asahi.com/journalism/articles/2019041900003.html?page=1  

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コメント
1. 2019年4月25日 22:53:11 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[696] 報告
とことん共産党「ジェンダー平等のための社会・政治へ」
.
日本共産党
2 時間前にライブ配信
日時 4月25日(木)午後8時〜
ゲスト 三浦まりさん(上智大学教授)
MC・司会 小池晃書記局長、朝岡晶子さん
https://www.youtube.com/watch?v=eZGJ8377gS0
2. 罵愚[7378] lGyL8A 2019年4月26日 06:11:58 : uz7lDD2pDc : N2NMZUNTbUh2M0U=[193] 報告
 家族制度は時代とともに変わっているのだろうが、夫婦や親子や兄弟の情愛は、時代を超えて不動だよ。その家族の情愛に、国家の統治理念を写した日本の天皇制は、日本がつくった最高の統治理念だと思うよ。
3. 2019年4月26日 12:48:42 : Ygkzw26rj6 : NExxd3h1TGlpUEU=[28] 報告
牟田和恵;

白雪姫とか眠り姫とかの「王子様のキスでお姫様が長い眠りから目覚めた」おとぎ話、あれも、冷静に考えると、意識のない相手に性的行為をする準強制わいせつ罪です。「そんなの夢が無い」との反応あるかと思いますが、逆にこんなおとぎ話が性暴力を許している、

昭和40年代のウ−マンリブの焼き直し。焦げちゃうよ。食えない。


当時もバカな女がいたよ。中ピ連の榎本美沙子 の焼き直しじゃとても食えない。

「中ピ連(中絶禁止法に反対し、ピルの全面解禁を要求する女性解放連合)」は、1972年6月に結成。代表は、榎美沙子。代表をおかないことが多いリブグループの中では、代表を明確に定めている数少ないグループであった。

4. 2019年4月26日 13:02:16 : Ygkzw26rj6 : NExxd3h1TGlpUEU=[29] 報告
2chより

じゃあやっぱり人工呼吸もできないな
怖い怖い

じゃあいつまでも死んでろよ (白雪姫死んだままでおしまい)
馬鹿らしい


ほんとファミニストってキチガイしかいないな


目覚めさせるためにやってるんだから、人工呼吸の例が当てはまるんじゃね

この教授の言い分だったら、救命行為でも同意がなければ準強制わいせつになるはずだろ

5. 2019年4月26日 14:48:02 : nuFElU31SM : eTJSNmNQN0hWc2s=[51] 報告
救命しようとしたとウソをついて睡眠中の女性に猥褻行為を働きたいお前らは、異性を救命しなくていい。
どうせできやしないしな。
ああ、異性でも老人は別だ。
大いに救命するが良いが、賭けてもいい。
お前らはやらないね。

俺の見たところ、フェミニズムにはまる女は実にブスばかりだが、フェミニストを毛嫌いする男はハゲチビデブのブ男ばかりだ。
面白いことにな。
結局、異性に対する敵意というのは醜い容貌から生じている。

ところで統一教会の現在の名称を知っているか?
家庭連合だ。
何で家族だの家庭だのを強調しようとしているのか、何か皇室に取り憑いているのか、これでわかるだろ。

6. 2019年4月26日 19:26:45 : ETdbtmk0KA : cmkxbHh5YVM0a0U=[235] 報告
酔わせよう 模範イメージ 植えつけて
7. 乳良〜くTIMES[1026] k_uXx4Fggq1USU1FUw 2019年4月26日 22:57:53 : heRQdcmK8A : ZDhTL1ExcjQ3ejI=[11] 報告
ウヨは皇室を「理想の家族像」という認識なの?

だとすれば、女帝を認めないのはやっぱり、一般国民にも「男尊女卑の容認」をするように圧力を掛けていることになるのは当然だと思いますが?

以上、小林よしのり氏も再三述べている事の受け売りでした。

8. 罵愚[7380] lGyL8A 2019年4月27日 04:32:20 : uz7lDD2pDc : N2NMZUNTbUh2M0U=[195] 報告
>>7 乳良〜くさん
>ウヨは皇室を「理想の家族像」という認識なの?

 ちょっと、それはピント外れで、いまの…あるいは代々の皇室が理想の家族か、否かではなく、国の統治理念を家族に求めているのです。
 昔の人だって“忠孝”のはざまのなかで、選択に迷ったように、親に孝行するのか、国に忠節を尽くすのか、迷ったことは、いまも昔も、日本にも外国にも、あったことで、すっぱりと割り切って、国家に奉仕するのが全体主義ですね。そこでは、個人は全体のために存在する、代替可能なパーツです。全体主義、軍国主義、社会主義、共産主義の思想です。いまでも共産支那や北朝鮮の政治理念のなかで生きています。
 反対に、個人の自由に価値をおいたら、組織は成立しません。弱肉強食の野獣社会になってしまいます。組織と個人の対立概念のなかで思索したら、解答は得られないのが、欧米の一神教社会の数千年の歴史の結論だと思います。

 個人としての人間が、安心と安全のなかで生活できる環境の最も“すぐれもの”が家庭だと気づいたのが、日本でした。幼い子供は両親や年上の家族に守られて、やがて、成長して保護する役目を担う。夫婦や親子の無償の愛情を社会や国家にまで延長したのが、伝統的な日本人社会の理想で、天皇制だったと思います。家族愛を国家の統治理念に取り入れた“疑似家族社会”と呼んでいいと思います。
 アタマから全否定するのではなく、欧米の民主主義と日本の天皇制と、比較検討してみたら、いかがでしょうか、

9. 2019年4月27日 07:05:44 : T1dNJN5qJM : MFI0Wjc1YjdkN0k=[21] 報告
皇室の男子には皇籍離脱権がなく他国に亡命しなければ運命から逃れることはできない。女子は合法的に皇籍離脱ができるのだから皇位継承権なんか欲しくないだろう。当人たちにとっては余計なお世話だろう。皇位が欲しい女子がいれば認めればいいが。人権を憲法で認められていない皇族は自分たちの自由意思ではなにもできない。国家の奴隷だろう。
10. 罵愚[7383] lGyL8A 2019年4月27日 10:48:20 : uz7lDD2pDc : N2NMZUNTbUh2M0U=[198] 報告
↑ 自由、人権、平等、権利、なんてものに価値観をおいて考えれば、そのとおりなんでしょうね。
 母親や父親が、我が子を愛して育てるのが、あるいは、子供が両親のもとで育つのが、そんなものとは無関係だと気づけば、近代民主主義なんてものの限界が理解してもらえると思います。

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