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消費税の悪魔性 仕入れ税額控除の許されない実態 あまりにも複雑で一般に理解されていない消費税。リテラシーを高めない単なる金ヅルに(論座・朝日新聞)
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/635.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 10 月 21 日 23:20:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

消費税の悪魔性 仕入れ税額控除の許されない実態 あまりにも複雑で一般に理解されていない消費税。リテラシーを高めない単なる金ヅルに
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019102100001.html
2019年10月21日 斎藤貴男 ジャーナリスト 論座 朝日新聞


10%への消費増税を機にキャッシュレス決済で5%還元するポスターを掲示する写真店=2019年10月1日、大阪市住吉区


10月1日、消費税が8%10%に上がりました。長年、消費税のあり方を追及してきたジャーナリストの斎藤貴男さんが、消費税の根源的な問題について考えるシリーズ。今回は、簡素で明快であるべき税のあり方とは逆行する消費税の複雑で不公平な構造について、仕入れ税額控除を例に引いて論じます。(論座編集部)


 消費税率が10月1日、予定通りに引き上げられた。当然のことながら、その妥当性を疑う声はなお根強い。直後の10月5、6日の両日に共同通信社が実施した全国電話世論調査によると、増税後の日本経済について、回答者の70.9%が先行き「不安」か「ある程度の不安」を感じていると答えたという。

 増税反対、というより消費税そのものを“存在してはならない税制”だと考えている私には、「わが意を得たり」の結果だと言いたいが、そう単純なはなしでもない。回答者たちが(コンピューターに発生させた無作為の番号に電話をかけるRDD=ランダム・デジット・ダイヤリング法=で調査。有権者のいる世帯から514人、携帯電話で512人が答えている)消費税の仕組みをきちんと承知したうえでそう答えたのかどうかが、まったくわからないからである。

十分に理解されていない消費税という税制

 もちろん、世論調査とはそういうものだ。限りなく世の中総体の“ミニチュア”を目指す。

 とはいえ、消費税ほど一般に理解されていない税制も珍しい。そんなものについて問うのに、事前の説明もしないで答えさせた結果を、そもそも「世論」と呼んでよいものなのだろうか。圧倒的多数の人々が政府やマスコミの誘導を鵜呑(うの)みにし、消費者がすべて負担するのが消費税だと思い込まされているが、そもそもその根本からして間違っているのだから(どこがどう違うのかは前回の拙稿「結局、弱い者が負担を強いられる弱肉強食の消費税」を参照)。

 先の参院選における「れいわ新選組」旋風を通して、消費税の本質がある程度は知られるようになりはした。この税制そのものを争点化し、その問題点をわかりやすく伝えた山本太郎代表の功績は大きい。だが、まだまだだ。

 今のうちに消費税に対するリテラシーをよほど高めておかないと、言い方を換えると、意図的に刷り込まれてきた誤った認識をそのままにしておいたら、私たちは未来永劫、幾度も幾度も、税率の引き上げを強いられていく。彼らの単なる金ヅル、息をする財布としての生き方しかできなくされる運命を余儀なくされる。

 だから私は書く。今回は税の専門家や実務担当者以外にはほとんど知られていない「仕入れ税額控除」を取り上げよう。

税の累積を避けるためにつくられた仕入れ控除制度


消費増税に関して取材に応じる麻生太郎財務相兼金融相=2019年10月1日、首相官邸

 消費税は、納税義務者である年商1千万円超の事業者が、顧客に商品やサービスを販売する際、本体価格に税金分を上乗せ(転嫁)した金額を預かり、必要な計算を施して納める、という体裁とされている税制だ。だが、現実には顧客との力関係次第で転嫁できたり、できなかったり。できなければ実質的に自腹を切ってでも納税しなければ差し押さえを食う、弱い者いじめの化身のようなものであることは前回に指摘したので、本稿では割愛。

 どのみち納税義務者が納税義務を免れる可能性はあり得ないのだが、首尾よく消費税を顧客に転嫁できても、できずに利益を削って帳簿の上でだけ転嫁できた形になった場合でも、その分の全額がイコール納税額ではない。顧客から預かった(か、預かった形になっている)消費税から仕入れ先に支払った(か、支払った形になっている)消費税をマイナスするという計算をして、その差額を税務署にくれてやる(治める)のだ。

 この計算式を「仕入れ税額控除」という。仕入れ代だけでなく、事業用資産や事務用品の購入、賃加工や運送等の役務提供を受けることなど、いわゆる必要経費のかなりの項目も、「仕入れ税額控除」の対象にすることができる。

 なにしろ消費税は、原則としてすべての商品・サービスのあらゆる流通段階に課せられる税である。そこで、「仕入れ税額控除」の仕組みを取り入れることで、税の上に税が何重にも累積してしまうことがないように設計されているわけだ。

 ヨーロッパでは同様の税制を「付加価値税」(value added tax)と呼んでいるのは、この「控除」の部分に着目してのことだ。噛み砕いて説明するのが難しい形容ではあるのだが、あたかも消費者だけが負担させられているかのような印象ばかりを残す「消費税」とは、比べものにならないほど誠実なネーミングではあるだろう。

輸出企業に認められた「輸出免税」の制度

 問題はここから先である。

 消費税はあくまで日本の税制だ。外国の顧客には――同じような税制があろうとなかろうと――関係がない。つまり、納税義務者が自社の製品やサービスを輸出しようとした時、消費税分の金額を転嫁することはできないし、したがって相手から預かることもできないのである。

 考えてみれば、たいがいの中小・零細企業が国内で直面している現実と似たようなものだ。ただし、輸出の場合は、輸出先との力関係で優位にある企業であっても、何が何でも転嫁は不可能という点が、決定的に異なる。

 そのため、政府は輸出については消費税を免除する「輸出免税」の制度を設けた。そうしないと、すなわち自腹を切って納税させられる、もうからないビジネス(くどいようだが、中小零細の国内商売とほぼ変わらない)ということになり、大企業が輸出を手控えるようになってしまえば、外貨が入ってこなくなることを恐れたわけだ。

実態は免税というより輸出戻し税


飲食スペースを設けているパン屋には、店内での飲食と持ち帰りで税率が異なることを知らせる貼り紙があった=2019年10月1日、東京都千代田区

 「輸出免税」では、 国内であれば顧客に転嫁されるべき消費税率に「ゼロ税率」を設定する。一方で、輸出企業は国内での仕入れや必要経費には消費税を支払っている(か、支払ったことになっている)。ゆえに「仕入れ税額控除」を活用する権利を維持しており、免税措置を受けるに当たって、「0」ー「仕入れないし必要経費に支払った(か、支払ったことになっている)消費税」という計算を行うことになる。

 すると、どうなるか?

 マイナスの消費税がかかるということは、支払った(か、支払ったことになっている)消費税が戻ってくる、還付されるということに他ならない。元静岡大学教授で税理士の湖東京至氏による有価証券報告書などを基とした試算によれば、2017年度決算(主として17年4月〜18年3月)のトヨタ自動車をはじめとする輸出大企業(製造業13社)の消費税の還付金額は、合計で約1兆428億円に達していた。

 上位から社名を並べると、トヨタ約3506億円、日産自動車約1509億円、本田技研工業約1216億円、マツダ約767億円、キヤノン約638億円……と続く。新日鐵住金約284億円、パニソニック約220億円、といった数字もあった。

 こうなると、単に「免税」というだけではおさまらない。立て替えた金が戻ってくるのだから「輸出戻し税」だ、と湖東氏は表現している。彼は例年、11月頃に前年度の還付金額推算をまとめるのが常だから、2018年度のデータも間もなく公表されるはずである。10%への増税がなされて以降の還付金はどう推移していくのだろう。

輸出戻し税は丸儲けの不労所得?

 この輸出戻し税の現実をどう見るか。論じる者の立場によって、見方はまるで違ってくる。

 法律的には正当でも、消費税を転嫁できない中小零細事業と比べて優遇され過ぎている。そういう議論は当然あるだろう。

 ヨーロッパの付加価値税にも同様の仕組みがある。一種の輸出補助金として位置づけられているとされ、であれば日本も追随しないと競争に負けてしまう、という政府のスタンスに同調する意見もある。それは、それで、いい。

 ただし、その場合、建前がきちんと守られている限りにおいて、という大前提が必要だ。要するに、それらの輸出大企業が、仕入れ先や必要経費となる商品やサービスの購入先に、消費税を実質的に支払っているのか、否かということだ。

 そうではなくて、力関係を利用して本体価格を値引きさせ、実質的には消費税を支払っていないのであれば、にもかかわらず戻ってくる還付金は、丸儲(もう)けの不労所得になってしまう。人道的、倫理的に許容されてよいものでは到底なく、ひいてはそのような実態を導いた法律自体の違憲性が追及されなければならない。

 ヨーロッパの輸出大企業が、どこまで公正であるのかはつまびらかでない。二重構造の根深さが指摘されがちな日本の経済システムだが、だからといって、中小企業は常に大企業に搾取されていると断じてよい根拠になるわけはないのは当然だ。いずれの地域、社会であれ、消費税ないし付加価値税の還付金が不労所得であるのかどうかは、個々の取引一つひとつを精査してみなければわからない。


soi7studio/shutterstock.com

知らされていない仕組みがいっぱい

 「仕入れ税額控除」のイロハも、「輸出戻し税」の話も、書いていてつくづく難しい。どこまで読者にわかっていただけたものか、と思う。

 しかし、私は叫びたいのである。ここまで複雑で、ほとんどの人が知らない、あるいは知らされてもいない仕組みでいっぱいの税制が、どうしてこうも簡単に、しかも“社会保障の充実”だなどという大嘘を理由に、増税されてしまうのか、と。

 次回も「仕入れ税額控除」にもう少し付き合っていただきたい。消費税の悪魔性を、さらに掘り下げてお伝えしよう。




 

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コメント
1. 赤かぶ[35944] kNSCqYLU 2019年10月21日 23:21:15 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[26017] 報告


2. 赤かぶ[35945] kNSCqYLU 2019年10月21日 23:21:41 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[26018] 報告


3. 2019年10月22日 07:44:59 : myJmO9sK9c : QnZLQmppeUlwMDI=[829] 報告

 分離課税となって「不公平性」が増したよね〜〜〜

 8%の新聞などは その最大のものだ        by   分離課税は悪政だ
  

4. 2019年10月22日 08:40:55 : bCmXUtJugA : MDI1dkdvYjJOMW8=[267] 報告
複雑な社会だから複雑なシステムになったわけではなく
複雑にさせるとある人間・組織にとって
有利に働くから複雑化させたのだよな。

複雑にさせゴチャゴチャさせれば
畑違いの人間は口出し出来ないし
それ即ち「分断」の成功を意味する。

人間が何処まで腐った存在なのかというのを
証明してくれている。

5. 2019年10月22日 08:43:21 : bCmXUtJugA : MDI1dkdvYjJOMW8=[268] 報告
もう傷付く人が出ないように消費税廃止ならぬ
いっそのこと全人類が絶滅してくれた方が良いだろう。
変えよう、ではなく、止めようこんな人間社会。
6. 楽老[1382] inmYVg 2019年10月22日 09:56:10 : T8JrIOrw0g : R3M0dXdZcXBHWm8=[232] 報告
消費税とは消費者に課せられた税ではなく、事業者に課せられたコストである。
生鮮食品は軽減税率で8%というが
農家は肥料も種子も農機具も、農作業に係わるすべてに10%の税のコストがかかる。
しかし、売るときには8%

従業員を正規に募集して正社員にすると何ら税金の恩典は無いが
竹中パソナなどの人身売買組織(公的には人材派遣会社という)を通すと
組織には手数料が入り
顧客企業は非正規低賃金と仕入れ税額控除が入る。
斎藤貴男によると一社で100億を超える消費節税している企業もあるらしい
だから、猫も杓子も人材派遣会社を子会社として乱立させた。
まさに国内のハゲタカ組織だ。

日本は輸出大国というが実は輸出小国である。
国家としての輸出能力を国民一人当たりでみると、輸出額は44位、G7国家群で最下位
安倍晋三やネトウヨが忌み嫌う韓国24位の遥か後塵を拝している。
輸出実態はごく少数の大企業によるものである。
この大企業に輸出戻し税という莫大な補助金(マイナス消費税)を出している。
結果として
豊田税務署の徴税額は莫大な消費税赤字となっている。
輸出大企業を抱える多くの税務署が消費税赤字に
一方零細事業者に対しては
従業員の給与まで、経営者に無断で銀行に手を回し差し押さえるあくどい徴税をする。

これのどこが公平な税なのか

    

7. 2019年10月22日 10:30:49 : xve8aFyI9y : bzdZcXJNVldzcWc=[8] 報告
民主党が三党合意を破棄しないと何も始まらない。
「今だけ金だけ自分だけ」の空気が日本中を覆ってる。
日本企業が次々と外資の傘下になっても自分の生活は守れると考えてる呑気なのが多いから脱力してしまう。
8. 2019年10月22日 11:12:11 : xw5c3r17xk : S1V3eDFPb2ZiUEk=[15] 報告
そう書いてるクセに、朝日は朝刊で、「消費増税納得5割」なんて1面に堂々と出しやがった。

だからウソヒ新聞っていうんだ!ボケカスゴミが!

9. 2019年10月22日 12:51:31 : VKBo5zaqVI : VC9QUkJHQThpSnM=[2] 報告
税務署は堂々と税金を取るし、公共料金は消費税上がりましたからね、と言って堂々と料金に上乗せしてくる。

だけど民間の小売業者は利益の上に税金載せて「はい、消費税分、これだけいただきます」とは、買ってくれるお客になかなか言えないのさ。

だから結局、自分の利益を削っていく。
そして実質、もらってはいない消費税をお国に納めてきた。

(売り上げの少ない「免税業者」だって、「自分とこの利益分に応じた消費税を税務署に払いに行かなくていい」というだけで、問屋には消費税分をはらっているわけだ。しかし、その分をお客からは、なかなか取れないので、結局、利益を削っているのだが、自分で事業やったことのない人にはそこがわからなくて誤解される)

そんなのは近年、モノを売る仕事をしたことのある人間なら、みな、わかると思うが。

ましてや、ホームセンターとか大手スーパーとか、ユニ●●とかの大型安売り店に側に出られた零細小売りはとても太刀打ちできない。

そもそも相手は大量発注したり、独自ブランドで作らせたりで仕入れ値から違うのに、利益の上に消費税など載せて売って勝てるわけがないから。

だからとっくにあきらめて廃業したりしてるよ。

うちの近所にもう、個人商店はない。
あるのは大型スーバーとホームセンターとユニ●●や、しま●●だけだ。

だからキャッシュレスにしてもポイント還元はないのだが、スーバーは独自の戦略で自社のボイントカードの点数を今月だけ三倍出してるよ。

そんなことだ。

「輸出戻し税」はトランプにも文句言われたんだそうだ。でも欧米じゃあ、農産物には堂々と輸出補助金つけてるらしいから、言われる筋もないとは思うが、国内的にはとても理不尽だ。

なぜなら、その金は元はと言えば、輸出大企業に部品納めたりしている下請けの町工場なんかが命を削るようして納めた金だから。

大手メーカーに材料、部品を納める業者ともなると売り上げ自体は結構あるから、当然、免税業者にはなれない。

で、そこから材料費人件費光熱費燃料費運搬費、その他諸々を差し引いた残りの、けして多くはない利益を削って消費税を納めている。もちろん納入先の大企業から値下げの圧力も常にある。

人死にも出るわけだ。

10. 2019年10月22日 19:18:21 : bLbVVSfKBo : Q0txSzNoeHg1TG8=[187] 報告
増税の 陰で企業は 税逃れ

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