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カラバフ紛争でのロシアの選択肢(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/19/warb23/msg/258.html
投稿者 赤かぶ 日時 2020 年 10 月 05 日 20:01:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

カラバフ紛争でのロシアの選択肢
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2020/10/post-3b494e.html
2020年10月 5日 マスコミに載らない海外記事


2020年9月30日
The Saker

 大半人々の目がトランプ・バイデン討論に釘付けになっているので、ナゴルノ・カラバフ(NK)を巡るアゼルバイジャンとアルメニアの対立は、欧米では比較的小さな注目しか受けていない。それでも、これは潜在的に非常に危険な状況だ。これをお考え願いたい。アルメニアはアルメニア(NKではなく!)上空で、アルメニアのSu-25を撃墜したと言ってトルコを非難している。もしそれが本当なら、NATO加盟国がCSTO加盟国に対し侵略行為をしたことを意味するから、これは重大ニュースだと言う人々がいるはずだ。

 それは地球上、二つの最大軍事同盟間の戦争が避けられないことを意味するのか?

とんでもない。

 実際、CSTO、NATOのいずれも、この件に関与するのに、さほど熱意を持っていないように私には思われる。

 一歩離れて、いくつか基本的なことを挙げよう。

・2018年のソロスが支援した革命以来、アルメニアは反ロシア路線を進んでいる。
・アゼルバイジャンは、現在、他の国々と、政治や別の形で危機にある、トルコと明らかに同盟し、支援されている。
・エルドアンは、明らかに危険人物で、どんな状況下でも信頼できない。
・国際法上、ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの一部だ。この理由から、(トルコがシリア上空でロシアSu-24Mを撃墜し、ロシアに対するNATO支援を求めるエルドアンの嘆願が連合に拒絶されたのと全く同様)、アルメニアはCSTOに訴えることができない。
・軍事的に言って、アゼルバイジャンは、たとえアルメニアが多少の近代的兵器を持っているにせよ、アルメニアに対して、量的、更に質的にも有利だ。だが、いずれの側も近代的空軍を持っていないので、トルコが、大半旧式のアゼルバイジャン空軍に、アルメニアのSu-25に対処するのを支援するため、何機かF-16を送るのは不可能ではない。


エレバンの巨大なアメリカ大使館構内を確認し、自問願いたい。この連中は、日がな一日一体何をしているだろう?

イスラム教のアゼルバイジャンに対し、ロシアは、キリスト教徒アルメニア側につくだろうと想像する向きもあろうが、今回の場合、(とうとう!)ロシアが歴史から、特にロシア「正教」とされる、「兄弟」とされるものについて、若干の苦痛を伴う教訓を学んだ証拠がいくつかあるのだ。悲しい現実は、ルカシェンコ下のベラルーシ同様、アルメニアは、少なくとも2018年以来、ベラルーシと同じ種類の「多ベクトル」政治路線を推進していることだ。この政策を私はこう要約する。「ロシアからの支援を要求しながらの、反ロシア政治路線維持」。ロシアは、ベラルーシでも気に入らないのと同様、アルメニアのこれも好きではなかった。だが大きな相違はこれだ。ロシアはベラルーシを「失う」わけにはいかないが、ロシアは、特にロシアに敵対的なアルメニアは本当に必要ないのだ。

 だからといって、ロシアがアゼルバイジャンを支持すべきだと言うわけではない。なぜか? これは言語や宗教とは無関係で、現代アゼルバイジャンが、実際、最も危険な国で、政権の一つで、ロシアは、特に不快で気まぐれなマムシを扱うヘビ使いのように注意を払って対処しなければならない、エルドアンのトルコの政治的被保護者である事実に関係している。そう、ロシアは、トルコとアゼルバイジャン両国が(少なくとも地域的な意味で)強力で、ほとんど常に良からぬことをたくらんでいる国々、特にトルコに対処しなければならないのだ。

 それからこの全てに、アメリカの役割という問題がある。アメリカが、双方に、反ロシア路線を持続する限り、アメリカ政府の支援を受けられると話をしているのは、かなり確実だ。これには二つ問題がある。

・双方とも、アメリカが双方に話をしているのを知っている
・いよいよとなれば、アメリカの支援はほとんど本当に重要ではない

 双方の関係者に、紛争のどんな本格的エスカレーションであれ、アメリカは、たっぷり約束するが、実行が足りないのを証明するはずだと私は言っておきたい。極めて対照的に、トルコは実行する。そう、無謀に、そう、国際法に違反して、だが依然、トルコはやりとげる、彼らは、これを確認するのをためらわない。

 ベラルーシやウクライナの場合と全く同様、特に、クレムリンが軍事力を使うと決めれば、ロシアはこの対立を止められるだろうが、これは政治的な意味では悲惨で、ロシアは公然とは介入しないと私は確信している。理由の一つには、この戦争は、交渉による妥協の実現がほとんど不可能なゼロ・サムゲームの明確な例だからだ。

 しかも双方これを最後までやり遂げるつもりに見えるのに、ロシアがなぜ介入する必要があるだろう?

 当面、中立の仲裁人のままでいるのが最善で、それがロシアがするべきでことのように思われる。状況が落ち着いて、いずれかの側が、アメリカ政府は行動ではなく、口だけだと、すっかり悟った際、おそらくロシアは、再度、ひょっとするとイランを巻き込み、確実にアメリカを排除して、地域問題の解決をしようとすることができる。だがそれは先のことだ。

 今や、双方が自らを困難な状況に追い込み、双方が全面的軍事勝利のために尽力しているように思える。

 結論:この紛争で、ロシアには同盟国も友人もいない。今はアゼルバイジャンが勝っているように見えるが、もしアルメニアがイスカンデール・ミサイルを使用したり(今アルメニアがその両方ともすると脅している)NKの独立を認めたりすれば、これは醜悪になり、トルコ介入が可能になるだろう。アメリカが、エレバンを支援するため、どのように(それに、もし)何かをするのか考えよう。そうでなければ、良く知られている、アルメニアがロシアなしでは生き残ることができないという歴史的真実をアルメニアが再発見したら、一体何が起きるか見るのは興味深い。そして、たとえアルメニアがこの結論に来たととしても、ロシアが、紛争のどちらかの側を全力で支援する上で、(特に国際法上、アゼルバイジャン側が有利だから)非常に慎重にするよう私は勧めたい。

 言い換えれば、ロシアは、自身の戦略地政学的な関心だけで行動し、この地域全体に、アメリカ政府が、本当にどれだけ支援できるか見いださせるようお勧めする。特に、ロシアの国家安全保障の利益上、私は下記を提案したい。

1.トルコには、できる限り長期間、できる限り弱いままでいさせる
2.アメリカには、この地域全体で、できる限り弱いままでいさせる

 今、アメリカ支配による平和は、中東でと同様、コーカサスで良くない。これはロシアのために良いことで、ロシアはアメリカ政府を助けることは何もするべきではない。アメリカが、アルメニアを含め、この場面から消えた時に初めて、ロシアは二つの交戦国に和平合意への支援と支持を提供するべきだ。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/russian-options-in-the-karabakh-conflict/

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コメント
1. 赤かぶ[98309] kNSCqYLU 2020年10月05日 20:02:28 : Etqgkm55TU : RGtULnlHMS9YdlE=[28154] 報告

2. 2020年10月05日 21:34:38 : IyU3Fvmhok : OVRJalFVcGFITVE=[7] 報告
失礼ながら頭が変でないの。
見ている範囲でも真黒な腹の底が見える。
要するにヨーロッパNATOの落ち目の貴族連中がロシアとイランとを争いに引き込んでドンチャンやりたいだけだろう。
従って軽いノリでプーは動けない。
トルコの傭兵派遣にカラー革命の馬鹿に既に死んだはずと疑われているソロスと役者が揃えば誰でも様子見になる。
しかし何処でも首を突っ込むエルドアンは本当に大トルコ帝国の復活を夢見ているような阿保なんですね。
しかも傀儡政権の連中は銭だけで動くんですね。
自国民を殺すこの連中本当に人間なんだろうか。
3. 2020年10月06日 19:17:33 : eaIUlC9Ctw : T3drZ3FKNGphWnc=[505] 報告
食い繋げ 代理戦争 起こさせて
4. 2020年10月07日 17:53:05 : o1ttwOWQzM : RGlDYTc0bkc1TFk=[136] 報告
>>2
カルト脳はカルト板に帰るべきだろう。
非人が何様のつもりだろうか。
5. 2020年10月07日 18:10:19 : o1ttwOWQzM : RGlDYTc0bkc1TFk=[137] 報告
記事に関して。記事は概ねロシアメディアの論調に
沿ったものだ。出典が示せないのが申し訳ないが
紛争勃発〜一週間ほど記事を漁っていたところ
こういう記事が実に多かった。

>>2
>自国民を殺すこの連中本当に人間なんだろうか。

それは全世界の国々に言ってやるべきだろう。
トルコもロシアもアゼルバイジャンも
アルメニアも碌でもない連中ばかりだろう。
ロシアはクリミア併合という前科もある。
現実的にはアルメニアがロシアに支援を
願うならばクリミアの承認をするべきだろうか。
もしくはアブハジア・南オセチア等も。

>しかも双方これを最後までやり遂げるつもりに
>見えるのに、ロシアがなぜ介入する必要があるだろう?

それはあまり関係ないだろう。アルメニアは
ロシアの同盟国でありアルメニアには
ロシア軍が駐屯している。アルメニアが
アルツァフと一心同体となり闘うならば
アルメニア領土にも火の粉が飛ぶので
ロシアとしては集団的自衛権を
発動しなければならない。
その際、アルメニアが近頃反ロ的であるとか
ロシアの利益にならないという理由は
一切理由にはならない。アルメニア的には
大きな賭けになるので挑戦するとは
思えないが個人的には挑戦してもらいたい。
ロシアがどう動くか。静観の構えを見せている
同盟国の血で血を争う紛争よりも
ベラルーシに注意が向いている連中に
どういう難題をぶつけるのか、見て見たい。

6. 2020年10月07日 18:21:42 : o1ttwOWQzM : RGlDYTc0bkc1TFk=[138] 報告
「アメリカがトルコの陰に存在する」等という
論調も結構見掛けた。評論家だけでなく
研究者ですら述べていた人も居たので
ロシアという国は日常的に陰謀論的な話が
好きなようだ。好きというより
陰謀論的話が巷に流れていた方が
都合が良いということだろうか。

>アメリカが、アルメニアを含め、この場面から
>消えた時に初めて、ロシアは二つの交戦国に
>和平合意への支援と支持を提供するべきだ。

ロシアが提供出来ることは何もない。
アルメニアの渇きを満たせばアゼルバイジャンが渇き
アゼルバイジャンの渇きを満たせばアルメニアが渇く。
ロシア的な最善のシナリオはアゼルバイジャンが引き
アルツァフ(アルメニア)の領土が確定することだ。
もしくはアルメニアが引きアルツァフが
アゼルバイジャン領として確定することだ。

7. 2020年10月07日 18:29:53 : o1ttwOWQzM : RGlDYTc0bkc1TFk=[139] 報告
だからといって、ロシアがアゼルバイジャンを支持すべきだと言うわけではない。なぜか? これは言語や宗教とは無関係で、現代アゼルバイジャンが、実際、最も危険な国で、政権の一つで、ロシアは、特に不快で気まぐれなマムシを扱うヘビ使いのように注意を払って対処しなければならない、エルドアンのトルコの政治的被保護者である事実に関係している。そう、ロシアは、トルコとアゼルバイジャン両国が(少なくとも地域的な意味で)強力で、ほとんど常に良からぬことをたくらんでいる国々、特にトルコに対処しなければならないのだ。

中略

双方の関係者に、紛争のどんな本格的エスカレーションであれ、アメリカは、たっぷり約束するが、実行が足りないのを証明するはずだと私は言っておきたい。極めて対照的に、トルコは実行する。そう、無謀に、そう、国際法に違反して、だが依然、トルコはやりとげる、彼らは、これを確認するのをためらわない。
___________________________________
よく言う。ロシアのクリミア併合もかなり無謀だったはずだ。
国際法的にも無効だろう。現に支持する国は極少数に留まり
どれも報道の自由度が低い上に汚職や犯罪率が高い
非民主国家とされる野蛮な三流国家。シリアで反体制派を
人柱に兵器実証していたのがロシア。そのプロモーションにより
買い手も出てきたようだ。全く世界はゴミで溢れている。

8. 2020年10月08日 21:12:26 : jXbiWWJBCA : Rm5WWGpiTzAwU2c=[493] 報告

ロシアにとっては、古い武器の在庫一掃セールで大儲けといったところだな


https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62429 
ナゴルノ・カラバフ紛争激化 アゼルバイジャンはなぜ、停戦に合意しないのか?
2020.10.8(木)
杉浦 敏広
世界情勢 ロシア 政治
BTCパイプライン建設現場(筆者撮影)
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プロローグ
ナゴルノ・カラバフ紛争激化
 筆者は本誌JBpressに今年9月30日、アゼルバイジャン共和国とアルメニア共和国間の「ナゴルノ・カラバフ紛争再燃(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62306)」と題するリポートを発表しました。

 現地での戦闘開始は9月27日朝5時前後。双方が双方を「相手国から最初に攻撃を受けた」と非難しており真相は藪の中です。

 しかし、筆者は状況から判断して、今回はアゼルバイジャン軍がトルコ軍事顧問団の支援を受けて、満を持して侵攻開始したものと推測しております。

 原稿を執筆した9月29日にはナゴルノ・カラバフに関する国連安保理が開催されることになっており、この場で何らかの紛争解決の糸口が見つかるものと期待していたのですが、成果はゼロ。

 10月1日には米・露・仏の3大統領が即時停戦を呼びかける3国共同声明を発表しましたが、これも単なる口先介入のみで終わりました。

10月7日現在の戦況
 10月7日現在、アルメニア軍とナゴルノ・カラバフ共和国軍の劣勢は明白となり、アゼルバイジャン側はアルメニア軍に占領されていた土地の奪還に成功しつつあります。

 トルコ軍事顧問団がアゼルバイジャン軍の軍事行動に協力しているとの未確認情報もあります。トルコ語もアゼルバイジャン語もほぼ同じなので、意思疎通に問題はありません。

 前回の大規模紛争は2016年4月2日に戦端が開かれ、4日間で停戦したので、筆者は今回も短期間で停戦合意に達すると予測していました。

 ところが豈図らんや、アゼルバイジャン側は失地奪還を目指すべく、戦闘継続の意思を明確に表明。10月7日現在、現地では激戦が続き、民間人の被害も拡大しています。

 アゼルバイジャン大本営発表によれば、アルメニア軍はBTC原油パイプラインの輸送インフラを攻撃しようとしているとのことですが、筆者はアルメニア軍が石油・ガス関連施設を意図的に攻撃することはないと考えております。

 本稿では、9月27日から10月7日までの戦況を概観し、現地では今なにが起こっているのか、なぜ今回の戦闘はまだ継続しているのか、双方の武器はどこから供給されているのか、なぜアゼルバイジャン側は停戦交渉を拒否しているのか、戦闘終結の見通しはあるのかどうかなどを分析したいと思います。

紛争激化:2つの新しい要因…
紛争激化:2つの新しい要因
 筆者は9月30日に発表したリポート冒頭にて、以下のように記述しました。

「今回の前兆は、今年7月のトルコ・アゼルバイジャン軍の共同軍事演習です」

「コロナ対策でロシアや欧州の動きが鈍っている間隙を縫って、トルコの後押しを受け、満を持して侵攻したものと筆者は推測します」

「トルコからは義勇軍(傭兵)も派遣されていると報じられています」

 上記はトルコ要因ですが、では2つの要因とは何でしょうか?

 結論を先に述べます。今回のナゴルノ・カラバフ紛争激化とアゼルバイジャン側強気の背景には、内的要因と外的要因の2つの要因があると筆者は考えます。

 内的要因とはアゼルコスモスの軍事衛星です。筆者はこの要因には考えが及ばず、コーカサス地域の碩学(慶應義塾大学廣瀬陽子教授)よりご教示戴きました。

 アゼルコスモスは軍事衛星を所有しており、ナゴルノ・カラバフの衛星写真をアゼルバイジャン軍が分析して、敵陣地の配置や兵站補給施設を把握しているものと理解されます。

 どうりで正確なピンポイント爆撃が可能なはずです。

 もう一つは、上記のトルコの存在です。10月6日付露コメルサント紙は、ロシア対外諜報庁のS.ナルィシュキン長官が10月6日、「今回のナゴルノ・カラバフ紛争の新しい外的要因はトルコの登場である」と、具体的にトルコが陰の主役であることを指摘したと報じております。

 トルコにとり、アゼルバイジャンは重要な原油・天然ガス供給源であり盟友です。

 トルコの軍事支援を受けて、アゼルバイジャンのI.アリエフ大統領は強気になっているものと推測します。

“黒い1月事件” ソ連軍、バクー侵攻(1…
“黒い1月事件”
ソ連軍、バクー侵攻(1990年1月20日)
 最初にナゴルノ・カラバフ紛争の背景に言及したいと思います。

 前回ご報告どおり、旧ソ連邦は15の民族名を冠する連邦構成共和国から成る共和国連邦で、正式名称は「ソビエト社会主義共和国連邦」です。

 ソ連邦は1922年12月に誕生し、1991年12月に解体されたので、ちょうど69年間、この地球上に存在したことになります。

 旧ソ連邦には160以上の民族が登録されており、表面上民族問題は存在(発生)していませんでした。

 ところが1985年3月にM.ゴルバチョフ書記長(当時54歳)が登場すると、彼は情報公開政策(グラースノスチ)を推進し、民族問題に関するパンドラの箱が開き、アゼル人とアルメニア人の民族対立問題も表面化してきました。

 旧ソ連邦末期になると各地で民族独立運動の気運が高まり、ソ連軍は1990年1月20日、アゼルバイジャン・ソビエト社会主義連邦共和国の独立運動を鎮圧すべく、アゼル人とアルメニア人の民族対立激化を口実としてバクーに軍事侵攻、大勢の市民が死亡しました。

 これが「黒い1月事件」です。

 バクーの一等地にロシア大使館があり、その裏側にゾルゲ公園があります。筆者の勤務していた駐在員事務所の近くであったため、筆者はよくこの公園を散歩したものです。

 ゾルゲ公園とはその名の通り、(日本ではスパイ・ゾルゲで有名な)リヒャルト・ゾルゲを顕彰した記念公園で、日曜日ともなると大勢の親子が散歩していました。

 ゾルゲはバクー生まれで、父親は石油技師のドイツ人、母親はアゼル系ロシア人で3歳までバクーで育ちました。

“ナゴルノ・カラバフ自治州”と “ナゴル…
 この公園に縦3×横5メートルの大きな顔のゾルゲ像があり、像には沢山の弾痕が残っています。

 この弾痕は1990年1月20日のソ連軍侵攻の際、市民がソルゲ像の後ろに隠れた際、道路側からソ連軍の装甲車が機関銃で銃撃した弾痕です。かなり大きな穴もありますが、それは砲弾です。

“ナゴルノ・カラバフ自治州”と
“ナゴルノ・カラバフ共和国”は違う?
 9月27日のナゴルノ・カラバフ紛争再燃以降、筆者は様々な照会を受けました。読者の皆様にも、ご参考までに幾つかの照会事例を列挙したいと思います。

 まず、「“ナゴルノ・カラバフ自治州”と“ナゴルノ・カラバフ共和国”は同じか違うのか」という質問をいただきました。

 最近は日系各紙にほぼ毎日のようにナゴルノ・カラバフ紛争が載るようになりました。

 記事の中では、“ナゴルノ・カラバフ自治州”と“ナゴルノ・カラバフ共和国”という言葉が漫然とでてきますが、恐らくこの2つの言葉の違いを意識しながら記事を書いている記者はほぼ皆無と思われます。

 M.ゴルバチョフ書記長の情報公開政策により、旧ソ連邦を構成するアゼルバイジャン・社会主義連邦共和国内部のナゴルノ・カラバフ自治州の民族問題が顕在化しました。

 同自治州は昔からアルメニア人が多く住む自治州で、この自治州はまだソ連邦時代の1990年9月2日、アゼルバイジャン・ソビエト社会主義連邦共和国から独立宣言しました。

 これが“自称”ナゴルノ・カラバフ共和国(以後、“NK共和国”)です。

 1991年12月25日のソ連邦崩壊後もこのNK共和国と周辺地域を巡り、アゼルバイジャン軍とアルメニア軍の内戦状態が続き、ロシアの仲介により1994年、停戦が実現しました。

 当初は“ナゴルノ・カラバフ自治州”が“ナゴルノ・カラバフ共和国”に名称変更されたのですが、NK共和国に困った問題が生じました。

 ナゴルノ・カラバフ自治州はアゼルバイジャン共和国の内陸部なので、NK共和国は周囲をアゼルバイジャン共和国に包囲される形になりました。

アルメニアと軍事同盟を締結したロシア な…
そこで、アルメニア軍はNK共和国とアルメニア本土間のアゼルバイジャン領土も軍事占領してしまいました。

 ですから現在のNK共和国とは、ナゴルノ・カラバフ自治州とアルメニア間の占領地を併せて、NK共和国と自称するようになりました。

 国際法によれば、国家承認の3要件は @国土(領域)が存在することA国民(住民)が存在することB正当な政府(実効的支配機構)が存在することです。

 しかしNK共和国の領土は係争地帯であり、どこが境界線かも判然としません。

 ですからNK共和国は未承認国家であり、アルメニアでさえ国家承認していません(できないのです)。

アルメニアと軍事同盟を締結したロシア
なぜ軍事介入しないのか?
 現在の戦闘地域はNK共和国です。すなわち、ナゴルノ・カラバフ自治州と周辺のアルメニアによる占領地帯(本来アゼルバイジャン領土)に限定されており、アゼルバイジャン側からすれば、失地奪還軍事行動になります。

 ロシアとアルメニアは1997年に軍事同盟を締結。

 この軍事同盟に従い、アルメニア国内には首都エレバンとギュムリに2つのロシア軍駐屯基地があり、計4千人のロシア軍が駐屯しています。

 この軍事同盟は2010年に2044年まで延長されました。

 一方、ロシアとアゼルバイジャンは2003年、武器供給・兵員訓練などに関する軍事協力協定を締結しています。

 上記のごとく、ロシアは両国と軍事協力協定を締結しているので、アゼルバイジャン軍がアルメニア本土を攻撃して、徒にロシアを刺激することはないと考えます。

 仮にアゼル軍がアルメニア本土を攻撃して、ロシア軍が被弾すれば、軍事同盟発動の口実を与えかねず、アルメニアに駐留しているロシア軍が軍事介入するかもしれません。

 仮にロシア軍とアゼル軍が本格的に戦火を交えることにでもなれば(そんなことはあり得ませんが)、アゼル軍はロシア軍に対しては“蟷螂の斧”になりましょう。

 上記より、アゼル軍がアルメニア本土を意図的に攻撃することはないと筆者は確信しております。

アゼルバイジャン軍もアルメニア軍も
ロシア製兵器で戦っているのでは?

 現在戦闘中の両国の軍隊は旧ソ連邦諸国であり、両軍ともロシア製兵器で戦っているのではないかとの質問を受けました。その通りです。

 ロシアの日刊紙コメルサントは毎日、戦況報告を掲載しています。双方の大本営発表を対比して客観的に報じていますので、筆者は毎朝この戦況報告を読んでいます。

 参考までに、本日10月7日に配信されたコメルサント紙(電子版)の10月6日現在の戦況報告は以下の通りです。

(10月6日現在の戦況報告)

アゼルバイジャン本営発表:

アルメニア側からアゼルバイジャンのイェブラッハ・グランボイ・ベイラカン地区攻撃

アゼル民間人計27名死亡、141人負傷、376戸破壊。

トラック搭載多連装ロケットランチャー “グラード”2基破壊(口径122mmロケット弾)

アゼル軍は断固たる反撃を展開中

アルメニア大本営発表/アゼル軍の損害:

NK共和国ステパナケルトに対する攻撃継続

アゼル軍、ナゴルノ・カラバフ南部に全面的・本格的侵攻開始
アルメニア側戦死者累計240人(うち、10月6日戦死者21人)

アルメニア民間人 累計19人死亡、80人負傷
アゼル軍戦死者累計3454人(註:これは誇大数字と思います)

アゼル軍のドローン126機、軍用ヘリ16機、軍用機17機撃墜
トラック搭載多連装ロケットランチャー“スメーチ”(“竜巻”)4基破壊(口径300mm)

誰がアゼルバイジャン軍とアルメニア軍に兵器を供給しているのか?
 上記のトラック搭載多連装ロケットランチャー“グラード”や“スメーチ”はともにロシア製兵器ですが、今回アゼル軍が多用しているドローンはイスラエル製と言われています。

 では、具体的に誰(どの国)がどの程度、アゼルバイジャンとアルメニアに武器を輸出しているのか概観したいと思います。

 10月3日付露コメルサント紙が武器輸出に関する貴重な数字を掲載していますので、ご報告します。

 同紙に拠れば(出典はストックホルム国際平和研究所)、過去10年間(2010〜2019年)にロシアがアルメニア軍とアゼルバイジャン軍に供給した武器の割合は以下の通りです。

(アルメニア軍)93.3% ロシア製兵器/1.6% ウクライナ製 他

(アゼル軍)63.8% ロシア製兵器/24.6% イスラエル製/4.5% ベラルーシ製ほか

 上記のごとく、過去10年間では両軍ともロシア製兵器で武装されていますが、過去5年間では異なる姿になります。

大動脈の原油・天然ガスパイプライン…
 アゼル軍に武器供給した国のトップはイスラエルの60%、ロシアは2位の31%に後退しました。

 すなわち、現在のナゴルノ・カラバフ紛争では、ロシア軍の兵器とイスラエル製最新兵器が戦っている構造が透けて見えてきます。

 アゼル軍がイスラエル製最新ドローンを運営できるとは考えられず、イスラエルが背後で軍事作戦に協力していることも推測されます。

 イスラエルの原油輸入の約4割がアゼル産原油と言われています。イスラエルにとりアゼルバイジャンは原油を輸入して、武器を輸出する重要なパートナーになります。

 アゼルバイジャンのI.アリエフ大統領はトルコとイスラエルの支援を受け、「国土の統一(失地回復)まで停戦しない」と強気の姿勢を堅持しています。

大動脈の原油・天然ガスパイプライン
 9月30日の拙稿にて、カスピ海沿岸のアゼルバイジャン共和国の首都バクー近郊に位置するサンガチャル陸上処理施設(起点)から、ジョージア経由トルコまで、現在では計3本の原油・天然ガス幹線パイプライン(口径42インチ/1070mm、以後“P/L”)が稼働しているとご報告しました。

 最初にBTC原油P/Lが建設され、並行してSCP(南コーカサス天然ガスパイプライン)が建設されました。

 その後更に並行してSGC(南ガス回廊)用天然ガスP/Lが建設されましたので、アゼルバイジャン領内ではトルコ向けに計3本の幹線P/Lが敷設されています(全線埋設)。

 この3本のトルコ向け幹線パイプライン以外、バクーから黒海沿岸のグルジア(現ジョージア)スプサまで口径530oの原油P/Lも稼働しています。

 すなわち、アゼルバイジャン国内では計4本の幹線P/L(2本の原油P/L+2本の天然ガスP/L)が稼働しており、ほぼ並行して建設されました(全線埋設)。

 アゼルバイジャンは北側に大コーカサス山脈、南側に小コーカサス山脈が走っているので、平地は同国の中央部になります。ですから、鉄道・幹線道路・幹線P/L等は同国中央部を東西に走っています。

 幹線P/Lは紛争地から20km以上離れたルートに建設され、サンガチャル基地(起点)から443kmの地点がアゼルバイジャン・グルジア(現ジョージア)国境になります。

大動脈のBTC原油パイプライン…
 私事に亘り恐縮ながら、筆者は現場でこのBTCパイプライン建設に従事していました。
 幹線P/Lは口径の2倍の深さで穴を掘り、P/L埋設後に穴を埋めます。
 ですから、埋設後はどこにP/Lが敷設されているのか分からなくなりますので、1kmごとに標識を立てます。
 この標識にはKP xxxと表示され、KP0(ゼロ)が起点のサンガチャル基地、KP443 がアゼルバイジャン・グルジア国境になります。
 ちなみにKPとは“Kilometer Point”の略で、幹線道路から目を凝らすと、この標識が見える場所もあります。
大動脈のBTC原油パイプライン
 アゼルバイジャン領海カスピ海の海洋鉱区から生産される軽質油(アゼリ・ライト)をトルコの地中海沿岸まで輸送する原油P/LがBバクー・Tトビリシ・Cジェイハン原油P/Lにて、頭文字をとりBTCパイプラインと呼ばれています。
 全長1768km、年間原油輸送能力5千万トン(=100万バレル/日量)です。
 サンガチャル基地にて2005年5月25日にラインフィル(P/Lに原油を注入する記念式典)を行い、2006年5月に原油P/Lは全面稼働に入りました。
 ご参考までに、BTCパイプライン地図は以下の通りです。

ギャラリーページへ
 全長1768kmのBTCパイプラインの起点がバクー郊外のサンガチャル基地(陸上処理施設)、終点がトルコ地中海沿岸ジェイハン出荷基地になり、1768kmの内訳はアゼルバイジャン領内443km、ジョージア249km、トルコ1076kmです。
エピローグ ナゴルノ・カラバフ問題は解決…
 原油P/Lにはポンプ・ステーション(PS)が必要です。アゼルバイジャンにはPS2か所(サンガチャル基地とイェブラッハ)、ジョージアも2か所、トルコに4か所、計8か所のPSがあります。
 アゼルバイジャンの2か所目のポンプステーションは中部のイェブラッハにあります。
 10月7日、気になる情報が飛び込んできました。2か所目のPS付近が攻撃され、BTCパイプライン沿線も爆撃されたという情報です。
 10月7日現在ではP/L輸送インフラが被弾したとの確認情報は入っておりませんが、もし本当であれば、P/L輸送を直ちに停止する必要があります。
 筆者は誤報であることを願っています。
 アルメニア側が意図的に民間輸送インフラを攻撃することはないと考えますが、命中精度が低いと軍事目標を外れ、民間施設が誤爆される恐れもあります。筆者はこの点を心配しています。
 現状ではこのP/Lは紛争の影響を受けていないと思われますが、アルメニア側が窮鼠猫を噛む行為に及ぶことも懸念されますので、早急に停戦してほしいものです。
エピローグ
ナゴルノ・カラバフ問題は解決するのか?
 10月7日現在、アゼルバイジャン側には停戦の気配はなく、「アルメニア軍がナゴルノ・カラバフ地域から全面撤退して、失地奪還するまで戦闘行為を停止しない」とアゼルバイジャンのアリエフ大統領が言明しています。
 このアゼルバイジャン側の強気な態度を支援しているのがトルコであり、現状はさながら、トルコ・アゼル連合軍の様相を呈しています。
 トルコにとりアルメニアは仇敵、アルメニアの敵はアゼルバイジャン。ゆえにトルコはアゼルバイジャンを断固支援しており、トルコのエルドアン大統領はオスマン帝国再興の夢をみているのでしょうか。
 この10日間で双方既に計400人以上の戦死者が出ていることは確実と思われ、もはや小規模地域戦闘ではなく、本格的な大規模戦闘の様相を呈しています。
 傭兵も投入されています。
 今後、トルコ軍やロシア軍の正規部隊が投入されれば、本当の全面戦争になってしまいます。
 10月6日付け露コメルサント紙(電子版)は、アルメニアのN.パシニャン首相が「アゼルバイジャン側が(停戦交渉の席につく)用意があれば、アルメニア側はナゴルノ・カラバフ問題に於いて譲歩の用意あり」と述べました。
 この発言からしても、アルメニア側が軍事的劣勢であることが窺えます。
 今回のナゴルノ・カラバフ紛争再燃に関し、筆者は当初からトルコ関与を指摘してきましたが、今ではトルコが陰の主役どころか、表舞台に出てきた感じです。
 欧米・ロシアはトルコに対して断固たる圧力をかける必要があると考えます。さもなくば、戦闘はさらに泥沼化し、アルメニア側が山岳ゲリラ戦に入るかもしれません。
 戦闘・戦争の犠牲者はいつの時代でも、どこの場所でも一般市民です。
 現在求められていること、それは即時停戦です。筆者は一日でも早い即時停戦を願ってやみません。
もっと知りたい!続けてお読みください

ナゴルノ・カラバフ紛争再燃

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62429

9. 2020年10月08日 21:17:55 : jXbiWWJBCA : Rm5WWGpiTzAwU2c=[494] 報告

>ロシアには同盟国も友人もいない

相変わらずの間抜な記事だが

反米情報を機械的に流しているだけだから

こういうことにもなる

10. 2020年10月10日 20:33:40 : 6ehXY73SGM : YXZwVUdVS2NKRkE=[10] 報告
忘れた頃に反ロ系の記事を必死に貼る所は滑稽だな。
ユダヤアングロサクソンはそんなに信用できるのか?!

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