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中国のディストピア化(全体主義国家)を追いかける世界/副島隆彦
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投稿者 仁王像 日時 2020 年 3 月 03 日 09:33:28: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

中国のディストピア化(全体主義国家)を追いかける世界/副島隆彦
 
≪まえがき≫
 中国は国民の生活を監視している国になってしまっている。もうすぐ監視カメラが中国全土に6億台取り付けられるというそうだ。14億人の二人に1台の割合だ。まさか家の中までは取り付けられないだろうが、それだって分からない。中国のすべての都市の街路には、既に付いている。
 中国だけが国民を徹底的に監視しようとしている国家なのではない。米、欧日の先進国も監視国家だ。それに続く新興国も…。
 これからの人類がたどるのは、ディストピア(幻滅の国、絶望郷、監視国家)への道である。中国の悪口を言っていればいいのではない。

第一章 中国のディストピア化を追いかける世界
≪中国は巨大生長したという事実は否定できない≫
≪世界の知識人が描いたディストピア像≫
 全体主義という言葉は、そのまま共産主義と置き換えても構わない。共産主義が大嫌いという保守系の人びとにとっては、その燃えるような反共の情熱で、自分の信念をずっと支えている。
 この全体主義国家の別名がディストピア(dystopia)である。
ユートピアの反対語である。人類が向かっている方向は、どうもディストピアであるようだ。「絶望郷」である。
 このディストピア(絶望郷)の思想を唱えた先駆者で、先進的なヨーロッパの知識人たちがいる。実際の私たちは、息苦しい監視と統制のなかで生きている。中国が先駆している。私たちは後から付いて行く。
 このディストピア思想を作った最も有名な知識人は、イギリス人のオルダス・ハクスレーである。ハクスレーが書いた『素晴らしき新世界』は、現在も重要な絶望的な収容所国家の実態を描いている。この中で、主人公が、未来社会の平和で、人々が統制され尽くした牢獄国家で生きている様子が描かれる。
 次にディストピア文学で、日本人にも最も知られているのは、同じイギリスの作家で独立派左翼のジョージ・オーウェルである。彼が1949年に書いた『1984年』は、明らかにソ連を強く批判した本である。
 当時の欧米社会は、今の日本人が考えているよりも、ずっと多くのリベラル派や、左翼で満ち溢れていた。これが一気に反共産主義に急変したのは、朝鮮戦争の勃発からだ。

 欧米世界で、(朝鮮戦争が始まった)1950年代から“反共主義のバイブル”は次の3冊とされる。
 1冊目は、『1984年』と『動物農場』。
 2冊目は、フリードリヒ・ハイエクというオーストリア人の経済学者が書いた『隷従への道』である。
 3冊目は、アーサー・ケストラーというポーランド人の左翼知識人が書いた『真昼の暗黒』である。ソ連が「収容所国家」であることを、歴史上初めて書いた左翼知識人はA・ケストラーである。だから、反共のバイブル3冊のうちで一番早く共産主義がどんなに恐ろしい体制かを西側世界に報告したのは、A・ケストラーである。
 1950年までのヨーロッパで最高級の有名知識人たちは、ソ連で人類の理想の社会が実現しつつあると信じ込んでいた。それは仏のアンドレ。ジッドやロマン・ロラン、英のバーナード・ショーやケンブリッジ大学の左翼教授だったE・H・カーたちである。
 あの仏のジャン・ポール・サルトルでさえ、1960年代になっても「資本主義社会の悪に比べて、ソ連の悪を批判することはできない」という態度だった。独では、フルンクルト学派の代表ユルゲン・ハーバーマスがずっと親ソ連的な学者であった。

≪左右どっちからも嫌われるのが一番いい≫
 なぜ私がこういうことを書くかというと、現在においてもな、地球上で最も優れた知識人はディストピア思想および全体主義批判を行う人びとであるからだ。
≪全体主義中国を徹底的に叩く≫
 私は、この本でも、中国はまだまだ巨大な成長をこれからも続けていくと書く。…だが私は、中国の巨大化を、ただ礼賛しているのではない。これは人類が避けて通れない大きな道筋だ。百年単位で見たときの、人類史(世界史)がたどってきた道だ。
 今の中国の体制が推し進めている現実を遠くから観察して検討していると、それはまさにハクスレーが描いた「恐るべき未来社会」の通りなのだある。
 人類は、ますます中国化していく、その途中で生きている。

第四章 中国にすり寄る韓国、北朝鮮と台湾のつばぜり合い
≪中国は民主化するか?≫
 私の近未来予測では、中国は2020年からデモクラシー(民主政体)に移行していく。習近平の3期目の次の5年が2020年(第20回党大会)から始まる。この任期中の2027年までに、中国は、普通選挙制度と複数政党制を実現する。この二つが揃うとデモクラシーだ。
 これを実現しないと、世界中の国々が中国を立派な国として尊重しない。中国の指導者たちも分っている。それと中国国内の各階層の民衆、国民が、このままでは我慢しない。「原論の自由と報道、思想の自由を与えよ!」ではなく「よこせ!」という動きに出ようとしている。これは、むすぐ沸点に達するところまで来ている。習近平たちは中国民衆に平身低頭しているのだ。

【出展】
「全体主義の中国がアメリカを打ち倒す〜ディストピアに向かう世界」副島隆彦/ビジネス社’20年
 

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