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首都圏の大病院に勤める看護師「四谷三丁目」さんの叫び 「最前線は地獄の底だ」(全文) 逃げて生きろ
http://www.asyura2.com/20/iryo6/msg/102.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2020 年 4 月 21 日 07:22:05: KqrEdYmDwf7cM gsSC8YKzgqKBaYKigWo
 

首都圏の大病院に勤める看護師「四谷三丁目」さんの叫び 「最前線は地獄の底だ」 
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/903.html
投稿者 魑魅魍魎男 日時 2020 年 4 月 20 日

https://note.com/yo_tsu_ya_3/n/na4fb2c05ff55
医療の現場から

四谷三丁目
2020/04/09 16:26

頭がおかしくなりそうなのでしたためておく。
私は医療職に従事している人間である。看護師だ。
専門職ではあるものの、この歴史に刻まれるであろう混乱の中で私の有する専門性や経験値など紙切れ以下の価値もない。現状、私は「たまたま医療職に従事している一般人」であり、これは専門性を有する人間からの警告などではなく、ただならぬ混乱に巻き込まれた一般人の雄叫びである。


そのように受け止めてほしい。

私が勤めているのは首都圏の「けっこう大きな病院」である。今回の新型コロナウイルス感染症騒動の初期も初期から感染症対応病床で患者を受け入れていた。まあ来るよね、としか思わなかった。2カ月半前、もう遠い昔のように思える。

その後も、どこかで集団感染が発覚する度にそこから患者が運び込まれてきた。そのことに関して誰も動じたりはしない。みんなそれなりに、「けっこう大きな病院」に努めている自負みたいなもんも持っていて、周囲に心配されたりすると「まあまあ、うちには来るでしょ」とか、なんかちょっと格好つけた返事をしていた。

当たり前ながら感染症対応をしている病棟は大変なようで、要請があればうちの部署からもヘルプを出していた。資材管理科からは「マスクの減りが早すぎるんだけど、盗んでる人いるでしょ?!?!」とお怒りのメールが届いた。「メルカリで転売してんのかな?」と笑いながら、みんなマスクは午前と午後で付け替えていた。

そんな状態が1カ月半ほどは続いただろうか。

3月半ば過ぎごろから、明らかに様子がおかしくなってきた。

手術前の精密検査のためにレントゲンを撮ったら肺炎像が写ったという患者がいた。
「新型コロナウイルス感染症の特徴には該当していない」そうで、PCR検査は対象外だと。

40代のスーパーの店員さんだ。

今!この時に!?レントゲンを撮ったらたまたま肺炎が見つかった人がなぜPCR検査対象外なのか、もう“一般人”の私には何が何だか分からないが「新型コロナウイルス感染症ではない」らしい。ちょっと一般人にはもうわけが分からないが、もうそういうことなので普通に対応するしかなかった。

さすがに感染症専門医師の診断なので、本当に「明らかにただの肺炎」なのかもしれない。私にその判断がつかないことは明記しておく。ただ、今この国で「肺炎像が出てるので念のためにPCR検査」はできないのだな、ということだけはよくよく分かった。PCR検査対象ではないらしいが、「念のために2週間程度仕事は休んでほしい」と説明したと医師のカルテ記載があった。

何が何なんだ??

この人はただでさえ大病を患い手術を控えている身で肺炎を発症し、詳しい検査もしてもらえず、「念のため」で仕事を半月休まざるを得ないのである。

医者だってできるものならPCR検査をして「ほら、大丈夫だった。症状がないなら働いていいよ」と太鼓判を押したいだろう。それができないのである。

おかしくないか??

その患者さんに個室で面談を行った。いつもは締め切るドアは、申し訳ないが開け放っておいた。面談が終わったあとは念入りに手を洗い、部屋中を消毒し、マスクは即交換した。

「3月中には安定する見込み」とのお触れだったマスクの供給はまだ不安定なようだ。相変わらず減りが早すぎるということで、そこら中にあったマスクの箱は管理職のデスク横でまとめて管理されるようになっていた。「くれぐれも大事に使ってね」と、資材管理科からお達しがきた。

混乱が始まっていた。

3月末、某日。

突然「非常事態!マスクの使用制限!」と巨大フォントを使った院内メールとポスターが届いた。突然。あまりにも突然だった。

「使用制限3日間で1枚、対象は全職員」と記載してある。昨日まで午前と午後でマスクを取り換えていた御身分である。何が何だか分からない。

何が何だか分からないので憶測でしかないが、「1日1枚」の制限等も吹っ飛ばしての「3日に1枚」。これはアテにしていた供給がぶった切られでもしたんじゃないかと憶測している。何がどうしてそうなったのかも含めて、100%の憶測であることは明記しておくが。


何が何だか分からないが、その日から現在に至るまで、全職員マスクは3日に1枚である。
マスクを3日間ロッカーで取っておくなんて所業ができそうにもないガサツな外科医たちのマスクが日に日に毛羽立っていくので、「ちゃんと制限守ってるんだな…」と夢でも見るような気持で見つめている。


気づいたときには、混乱のただなかにいた。


交通事故で救急搬送されてきた患者のCTを取ったら「新型コロナウイルス肺炎像」が写っていた。即PCR検査を行ったが陰性だったので、感染管理部いわく通常通りの対応で、とのことだ。

麻酔科医師が何も言わずに陰圧換気手術室(感染症対応手術ができる部屋)をオーダーした。

N95マスクに防御シールドを身に着け完全防御態勢の麻酔科医師。
通常通りでいいと言われたので、通常通り入室する外科医。

どうしていいか分からず、とりあえずシールドだけ身に着けてみる看護師(N95は貴重)

これはまあ、「うちの職場の統率」の問題かもしれない。でもそもそもが、その辺で事故った人のCTに新型コロナウイルス感染症らしき肺炎像が写る、というレベルのなのだ。もうそういう状況だ。


そういう状況の中で報道された「全世帯に布マスク2枚配布」である。

四谷三丁目は激怒した。怒りで全身溶けそうだった。いや、過去形ではない。怒りで全身燃えて消し炭になりそうだ。まだ撤回されていない。何が何でも撤回されるまで怒り続けねばならない。この状況で!この状況で!何百億円もかけて!!!布マスク2枚配布!!!!

何に激怒するって、この状況下で200億?400億?かけて「一世帯に配られる布マスク2枚」が明らかに「気休めにしかならない」という点である。いや、個人的には気休めにもならないが。

国から布マスクが配布されて心の安寧を得られる人もいるんだろうとは思う。ただ、この状況で、「その辺で事故った人のCTに新型コロナウイルス肺炎像が写る」という状況下で、政府が肝入りでやることではない。絶対にない。

私は今この状況に対する専門知識など持たない一般人だが、「1世帯に2枚配られる布マスク2枚」に何の医学的エビデンスもないのは分かる。この状況下で何百億円も投じて、おそらくなんの医学的根拠もない「気休め」を行おうとしているのだ政府は。

ちなみにWHOが「この際、布マスクでもしないよりマシかも」と言い出したのはマスク2枚配るよ発表よりも後だからな!!!!死ぬほど結果論だ!!!!!!

あまりにもあまりにもお花畑な思考に激昂している。

何であろうとやらないよりもマシ???何を言っているのか私にはもう分からないが、「無駄金を投じる」ならやらない方がマシだ。私はそう思う。

200億だか、400億だか、まあ医療現場に十分なマスクを届けるには足りない額なんだろう。……え?本当に??400億だぞ??

……もしどうしても余っていて使い道がないというなら製薬会社にでも突っ込んでくれないだろうか。そんなことないと思うんだが。軽症患者の隔離施設を建てるのでもいい。布マスク2枚、届いてしまったらどうしようと色んな意味で震えながらこれを書いている。


本当に!!!!頼むから!!!!1ミリでも医学的に有用なことに使ってくれ!!!!!!

今現在わが身が危険に晒され、失なわれていく命を見つめるしかない立場からの叫びだ。
怒りで溶けそうになりながら色んな意見を拝見した。「一般市民には布マスクを使ってもらうことで医療用サージカルマスクを確保する」「政府は1500万枚の医療用サージカルマスクを確保している」という記事全文も勿論読んだ。


配ってから言ってくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今!!!現在!!!!!!現場には1枚も届いておりません!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「近日中には」はもう!!!!!!!!!!!!聞き飽きた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


正直めちゃめちゃ腹が立つので政府への批判に対して「医療の現場」を人質に取らないでほしい。同業者ならまだしも、門外漢なら尚更だ。

政府批判していたら「医療現場のため」と反論されて委縮してしまった方々、安心してほしい何も届いていない。


ねえねえ、うちのマスクが突然供給ぶった切られたのどういうことなんだろうか?(100%の憶測です)


4月初め。当院で最大80名の新型コロナウイルス感染症患者の受け入れが決定した。看護部長から、「戦中か?」みたいな激励メールが届いた。

空きベット確保のために患者の大移動を行った。無理やり色んな病棟に詰め込まれていく患者さんたち。手術の制限も始まっている。何カ月も待機して、やっと順番が来た患者さんたちの手術が次々延期されていく。

引き続き、全職員マスクは3日に1枚である。仕方がない。ないのだ。本当にないのだ。何十人患者を受け入れる病院であろうと、それが行政の指示であろうと、ないものはないのだ。


「自分の命が軽視されている」ことにようやく気付いた。なんだこれは、なんだこれは、と混乱し続けていたがそういうことなのだ。今、この国から、医療職は「死んでもしょうがない」と思われている。そういう扱いを受けている。

もちろん、医療職だけではないだろう。分かっている。何より、「新型コロナウイルス肺炎疑い」であるにも関わらずPCR検査も入院もさせてもらえない患者さんたち、彼らの危機と苦しみには比較しようもない。本当に心が痛む。


ただ私は、「自分の命が軽視される」という初めての体験の渦中で新鮮な動揺と怒りの中にいる。

自分の“医療従事者”としての核が、揺らぐのを感じる。

HIVだろうと、結核だろうと、どんな感染症も気を引き締めこそすれ怖くはなかった。私はそれを生意気にも「医療従事者としての自負」みたいなもんだと思っていたがどうやら違ったのだ。

あれは、医学的根拠に基づいた万全の対策がとれ、万が一のことがあれば迅速に処置を受けれられるという“安心”があってのものだった。

わが身が危険に晒され続ける状況で、初めてそれを悟った。こんな悟り一生いらんかった。

「片っ端からPCR検査をしたら医療現場が崩壊する」と言っていた皆さま、突然「1日2万件に増やそうかな」と言い始めた政府には「医療現場が崩壊するよ!」と反論するんでしょうか。

本当に、めちゃめちゃムカつくので勝手に「医療現場」を人質に取らないでくれ。

現場の声を聞く気もないくせに。

めちゃめちゃな怒りを込めて初めて丁寧に首相官邸にご意見メールを送った。推しアニメのイベント運営がぐだぐだ過ぎて公式にご意見メールを送った経験がこんなところで生きるとは思わなかった。こんなん一生いかしたくなかった(メールフォームはこちら!

https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html


先日、重鎮たちの会議後のホワイトボードに「●●メディカルから2300枚のマスクを確保」と書いてあった。当院、看護師だけで1000名である。笑えてくる。いまだに布マスク配る気満々らしい政府が、この次の波であろうN95やプラスチックガウンや手袋の不足に対応できる気は到底しない。すぐ隣の病院は、すでに「手袋の使用制限」が始まったそうだ。気が遠くなってくる。


怒りでほとんど消し炭になる中とび込んできた、「客室乗務員が防護服縫製」についてはあまりにも斜め上すぎて判断がつかない。現場の人間としては「適正な医療用製品」が一刻も早く届くなら、それで首を切られる人が減るということならもう何だっていいが。縫製…?縫製…?

あのですね…ウイルスに対して医学的根拠のある製品じゃないと意味ないんですが、私だって身に着けたくないですが、そこは流石に分かってますよね…?
マジで「千人針」とかのレベルで話をしていないよね…??正直わけが分からな過ぎて何も言えない。

政府と航空会社さんでどういうお話をしたのかは私なんぞには憶測のしようもないですが、それを着て現場に立つのは私らなのである。できたらプロユースでお願いしたい。


ア゛ア゛―――――――――――――――――――もうア゛ア゛――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


なんなんだこれはぁ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ふざけんじゃねぇぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

怒れ怒れ怒れ怒れ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!みんな怒れ!!!!!!!!!!!!!!!!!マジで!!!!!!!!!!!!!!!!!気合を入れて怒ってくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
医療職だけじゃない!!!!!!!!!!!!!医療職だけじゃないだろう!!!!!!!!!!!!私には医療現場のことしか分からないが、今この国で愚弄され徒に危険に晒されている職が、集団が、人々が、至るとこにいるのは分かる。


怒ることができる人、怒ろう。頼むから。怒ってくれ。あなたの怒りを言葉にして教えてくれ。届けてくれ。おかしい。今この国で起こっているありとあらゆることが本当におかしいのだと、自分の命が軽視されてようやく気づいた人間からのお願いだ。
福祉国家に税金を納めているとそれでも信じていたのに。本当に「黙っていたら殺される」と真に恐怖を感じ始めている。

このままだと50年後、「新型コロナウイルス感染症の尊い犠牲者」として碑に祀られ首相が参拝しかねない。冗談じゃない。マジでマジで冗談じゃない。


布マスク代400億円が、この国に住む人々が生き残るために適正に使われるまで、私は怒り続ける。


最後に。
とても当たり前のことを書き記しておく。
「患者を救えない」のは、医療従事者にとってこれ以上ないほどのストレスです。苦しみです。高尚なことを言うつもりは全くないですが、私たちは少なからず「人を助けよう」という気持ちをもってこの職についている。

「手の施しようのない人」が増えるたびに苦しみは募っていく。

状況に全くついていけず、「肺を移植したら助かりますか?」と泣きながらすがる家族を目の前にするのも対応するのも、医療従事者である。


そういう意味でも、私たちはそろそろ本当に限界だ。

どうかどうか、声をあげてください。

命を守るために。


医療の現場より。

https://note.com/yo_tsu_ya_3/n/nd83fab39b68c
医療の現場からA

四谷三丁目
2020/04/19 23:12

気が狂いそうなのでしたためておく。

私は首都圏の「けっこう大きな病院」に勤める看護師だ。

今回の新型コロナウイルス感染症の蔓延を受け、行政からの要請を受けて最大80名の陽性患者を受け入れることが決定した。80床の空床確保のために入院患者の大移動、新規入院や手術の制限が始まったのが4月の初め。そこから2週間が経過した。

ちなみに3月末より現在まで、全職員マスクは3日に一枚の使用制限がかけられている。

4月の2週目。新型コロナウイルス感染症陽性患者の受け入れ拡大が決定してからの混乱は、収まってないがなんとなく慣れてきた。混乱していることに慣れてきた。

大騒動だった患者の大移動は完了し、3日間使いまわしたマスクの臭さに辟易しながらも通常業務は続く。

丸1日患者さんと喋り倒したあとのマスクを3日間保管するとあんなに臭うなんてことは一生知りたくなかったが、とにもかくにも2週間も同じ状態が続けばなんとか慣れようともがくようになった。昼飯をカレーにした翌日盛大に後悔して以来、もっぱら蕎麦を食べ続けている。

ちらほらと陽性疑いの患者が現れCTとPCR検査を実施することも“日常”となり、なんとなく、みんな「こんな調子が続くのかな」と思っている気配があった。

「怪しい」患者さんもPCR検査陰性1回で通常対応可になるのは未だに解せないが。解せないが2回3回やる余裕がないことは分かる。分かるので仕方がない…のだろうか。うん。

同じころ、上層部から「職員はなるべく公共交通機関を利用せずに通勤してほしい」とお達しがあった。「市民を守るためにも」という文言にけっこうビクッとする。そうか。「私たちが感染源になる」ことを懸念しないといけないのか。まあ、そうか。そうなのか。そうか……

通勤中にソシャゲができなくなることに葛藤したが、しょうがないので車通勤に切り替えた。これも医療従事者の務めかな、と思うくらいの調子は取り戻していた。

渋滞を覚悟していた職場最寄りのインターは、自粛要請のためかびっくりするくらい空いていて、想定よりもかなり早めに着いた。

看護師駐車場の片隅で、泣いている子がいた。

目が合ってしまい、うろたえつつ、じろじろ見るのも悪いだろうかと思ってそそくさと脇を通過した。4月に入職したばかりの子だろうか。たった2週間で泣かせるなんて恐ろしい病棟だなぁ……どこだろう……なんて考えながら職場につくと先輩がいたので、思わず話題に出した。

「ああ多分ね、A病棟の看護師じゃないかな……。みんな毎日泣いてるんだって」

驚きを通り越して肝が潰れた。

40床全てが新型コロナウイルス感染症陽性患者で埋まる予定のA病棟は、今年新卒入職者は配属されなかった。当たり前だが、新人を受け入れられる状況ではない。元々いた2年目以上のスタッフと、新卒者の不足分を補うために中堅やベテランスタッフが何人か異動したと聞いていた。

泣きながら仕事をしているとは????

いや、その通りだ。泣きながら仕事をしているそうだ。みんな泣いているらしい。私が見たわけではないが。事実、みんな泣いているらしい。

みんな泣いているとは??????

文字通りだよ。みんな泣いているらしい。過酷な業務に耐えかねて泣きながら出勤し、いつまでも終わらない業務を泣きながらこなしているらしい。こなす、こなすとはなんだろう。泣きながら???それはこなせてないんじゃないか???

考えれば当たり前だ。レスピ(人工呼吸器)付きの患者なんて、1病棟に一人いるだけで業務は逼迫する。呼吸器の管理、頻繁かつ気を遣う吸痰に、2時間ごとの体位交換、全介助の清潔ケア。点滴タワーはシリンジポンプまみれだろう。それが何人?しかも全員新型ウイルスの陽性患者だ。

「来週の私たちかもね」

先輩がポツリと零した。肝がつぶれた。私はまだまだまだまだ甘かった。この期に及んで甘かった。

「新型の感染症が世界中に蔓延するフィクション」の中で、対応する看護師が泣きながら仕事している描写があったら、私は「医療現場の描写にリアリティがないな〜」とか言うかもしれない。「看護師=女=すぐメソメソする、みたいなイメージで書いてない?現実の看護師なんてメンタルゴリラばっかりですけどw」とか調子よくこき下ろす自分が想像に容易い。

現実が、私の想像できる「リアリティ」を超えている。

次の陽性患者受け入れ病棟がB病棟に決まった。当然ながら収容予定は80床なので、2病棟分必要になる。

エレベーターのA病棟とB病棟の階数ボタンは、ビニールテープで×が貼られ押せなくなった。ちょっと前までは他病棟からヘルプに行くこともあったが、もうそれもない。完全な隔離病棟だ。

受け入れが始まるとすぐに、「B病棟のスタッフも泣き始めたって……」と聞くようになった。

かき集められた精鋭部隊ではない。たまたま配属されていた職場に白羽の矢が立ってしまっただけのスタッフたちだ。たまたま配属されただけの職場が、ある日突然地獄になる。理不尽だとすら思う。いや理不尽だろうこれは。

他病棟だってA,B病棟から転棟してきた患者の対応でいっぱいいっぱいで、易々と人手を回せる状態じゃない。A,B病棟全体を隔離する規模になってしまったので、手が空いたからと一時的なヘルプをするのも感染制御の観点から不可能だ。どん詰まっている。

医師たちが、「最終的には100床受け入れるってね」「そうなるよな」「そのうち2割が重症者か…」と立ち話しているのを聞いてしまった。

80床のはずでは????20床、ICUまるまる一つ分だ。誤差の範囲じゃないぞ。何が何がどうなってるんだ。次、地獄に落ちるのはどこだ。来週の私たち。先輩の言葉を思い出し胃が冷える。

テレビで我が県の知事が、「感染症指定病院に要請し、受け入れを拡大予定」と話している。突然20床増えた意味が分かった。当然それを責めるわけではない。いくら増やしても足りないくらいじゃないだろうか。責めはしないが、受け入れるのは我々である。ただただ事実として、地獄が広がっていく。


4月3週目。当然のごとくN95の在庫が切れた。分かってた。もう分かってました。イタリアでもアメリカでもどこでもかしこでも尽きていたN95が当然のごとく尽きた。
何もかもが、「前例」通りに突き進んでいく。2か月前のイタリアに右へ倣えだ。
右へ倣えだ。この国の医療現場は、他国が2か月前に通っていた道を丁寧になぞって地獄へ突き進んでいく。

N95は滅菌室で再滅菌して使いまわすことになった。書いていて発狂しそうだ。陽性患者対応に使用したウイルスたっぷりのN95を、滅菌室に運んで常駐の滅菌委託業者さんが滅菌する。使い捨てのマスクを。

「絶対に入ってこないで!!!」と滅菌室から全部署に連絡があった。そうですよね。ウイルスたっぷりのマスクを滅菌中なので。気が狂いそうだ。滅菌室のスタッフが可哀そうでならない。

滅菌のプロフェッショナルたちも、新型の感染症陽性患者に使った使い捨てマスクを再滅菌する未来なんて想像してなかっただろう。なんなんだこれは。

再滅菌したマスクは該当の病棟に返っていく。たまたまそこに配属されていたスタッフ
が、使い捨てのマスクを延々と使用し、未知の感染症患者に対応していく。泣きながら。


その彼らにポリ袋がかぶせられる日も近いんだろうきっと。ねえ。


気が狂いそうだよ。


私は陽性患者100名を収容予定の感染症指定病院に勤務していて、毎朝緊張しながら体温測定をしていて、サージカルマスクは3日間使いまわしていて、コロコロ変わる手術予定に振りまわされていて、疑陰性なんじゃないかとヒヤヒヤしながら患者対応をしていて、自分が感染源になる可能性にビビって車通勤に切り替えて、昼食にカレーは控えるようになって、でも、

まだまだまだまだ全く「大丈夫」な看護師だ。私がいるのは地獄じゃない。こんなもんじゃない。こんなもんじゃなかった。こんなもんじゃないんだよ。


考えるだけで気が狂いそうだよ!!!!!!!!!!!!!!

死人が出るよ。患者さんのことじゃない。院内感染の話でもない。自殺者が出るよ。

知ってください。お願いです。知ってください。最前線は地獄の底だ。

駐車場で泣いていた子。新卒と間違えるほど若い子だった。人目につくところで泣いていたのはSOSだったんじゃないか。思い切って話しかけるべきだったんじゃないか。後悔し続けている。毎朝駐車場で探してしまうが、あれ以来見かけたことはない。

怖くて仕方がない。

うちはまだ院内感染が起きていない。どう考えても時間の問題だとしか思えないが、とりあえず最大の爆弾はまだ爆発していない。それでこれなのだ。すでに院内感染が発生している病院はどれほどの苦境にいるのだろう。想像するだけでキツい。怖い。


言葉にするだけで気が狂いそうだ。この国のどこかで、すでに命を絶った医療従事者がいるかもしれない。最前線はそういう状況だった。とっくのとうに地獄の窯の底だった。
4/18。NHKで新型コロナウイルスの特集をしていた。右上に出ている見出しには「差し迫る医療崩壊!」とある。


とっくに崩壊してんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


見て分からないのか?!?!?!?!?!?!?!


NHKに限らない。メディアさんたち、いつまで「差し迫った」だの「どう防ぐ」だの「瀬戸際」だの言うつもりだ???1か月くらい前からずーーーーーーっと迫り続けてない???今どの辺まで迫ってるの???瀬戸際の瀬戸際の瀬戸際くらい????来週は瀬戸際の瀬戸際の瀬戸際の瀬戸際か???????


「ついに訪れた医療崩壊」くらいのさ!!!!!見出しをつけるくらいのさ!!!!!!

そんくらいの気骨を見せてよ!!!!!!!!伝えてくれよ!!!!!!!!!!

視聴率とれるぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

医療現場は崩壊してます。

毎日泣きながら働く最前線スタッフの苦しみと、底が尽き果てた医療資材と、ベッドを増やしても増やしても溢れ続ける患者と、もう防ぎようのない院内感染と、何をとっても崩壊しきっているとしか思えない。意地でもそれを認められないらしいメディアさんのおかげで、最近テレビそのものが苦痛でしかたない。

どうして????何なの??「これもう崩壊してるよね」って言ったらどっかから怒られるの???ここは北朝鮮か??????

(4/20 サンデージャポンで「ついに崩壊か?!」という見出しを確認。サンジャポにいいね!する日がくるとは)


4月16日。日本看護協会が厚労省へ要望書を出した。
https://www.nurse.or.jp/up_pdf/20200416173648_f.pdf
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200417/k10012391731000.html

とても失礼ながら、こんな強く声を上げる団体だと思っていなかった。毎年給料から年会費2万円を強制徴収する団体という認識しかなかった。表参道のエルメス(ヴィトンだったかもしれない)の隣に立つビルを見るたびに、「私たちの年会費で建てたビル」「埼玉に引っ越せ」と野次っていてすまん。びっくりした。

危機に際して、所属する団体のトップが自分たちを守ろうと毅然と声を上げてくれることが、現場の声をくみ取って動いてくれることが、こんなに安心感を与えるものだと思わなかった。体験したことがなかったので。ねえ内閣総理大臣。

要望書を見た友人が心配してLINEをくれた。医療職ではない人が見てもギョッとするくらい、逼迫するものを感じたのだろう。

「お願いだから、自分の身を最優先にしてね」の言葉にちょっと泣いた。私も本当に、本当にそう思う。
これを読むかもしれない看護師さんに伝えたい。医師にもコメディカルにも、委託業者さんにも、クラークさんにも、助手さんにも伝えたい。声を上げる気力もないほど追い詰められている崩壊しきった医療現場のあなたに、どうかどうか届いてほしい。

逃げていい。逃げましょう。

絶対に身を粗末にしないでほしい。死なないでほしい。お願いだから。

心が潰れそうな思いでいる。同僚が、友人が、私の大切な人が、誰かの大切な人が、地獄の底にいるかもしれない。医療資材が次々に底を尽きる現場で泣きながら働き続けて、心身を壊してしまうかもしれない。命を絶ってしまうかもしれない。気が狂いそうだ。

本当にお願いだから、絶対に死 なないでほしい。誰も死なないでほしい。逃げてほしい。

あなたも私も、生活の糧に医療職を選んだだけのごく普通の人間だ。専門職としてのプライドも信念も、たぶん奉仕精神みたいなもんも持っているけども、それは生業の範疇の話であって、食べていくために必要だから身に着けたのであって、言うなれば職業人としてのプライドだ。

絶対に殉じるようなものじゃない。


ポリ袋かぶせられる前に逃げて何が悪いんだよ!!!!!!!!!!!!


何でこんな目に合わないといけないんだ?!?!?!

私はまだ地獄には落ちていない。まだ怒ることができる。声を上げる気力がある。その私でも、怒りよりも絶望感に心を浸され始めている。

なんでそのまんまイタリアと同じことになってるんだ?

この世界難を前に、2カ月間何をしていたの?

オリンピック開催に躍起になり、サージカルマスクを自分のパーティーで何百枚も配り、横流しし、466億円をかけて不良品入りの布マスクを配ってました。あと犬を撫でてる動画を公開した。そうですか。ハイ。

あんたらがポリ袋被ってくれ!!!!!!!!!!!!!!!

「先手先手」の意味知ってるか?????????? 


そしてマジで気を失いそうなんだけど不良品の話は本当なの???

もうねさすがにデマであってほしいと願うレベルだよ!!!!!!!

不良品が事実だとして!!!!!どこで作ってんだそのマスク!!!!!!!!ねえまさか新型コロナウイルス付いてないよね?????本当に冗談じゃないんだけど?????
ここが最底辺だろうと思うたびに、「最低」の底が軽々とブチ抜かれていく。本当に怖いよこの国が。現政府が。おかしいだろ。普通に考えて何もかもおかしいだろ。

466億円かけて虫付きの布マスク配る国だぞ!!!!!!!!!


正気でいられないよ!!!!!!!!!!!!


こんな政府のせいで死にたくない。医療現場だけでなく、と言う余裕はもうなくなってしまった。建前は吹き飛んだ。

私は我が身の安全と、同じ医療現場で苦しんでいる仲間のことしか考えられない。あなたのことが心配だ。お願いだから、命を絶たないで。

サージカルマスクもプラスチックガウンもN95も、何も間に合わないし、金がもらえたとしても先の話だろう。

4/17に発表された新型コロナウイルス診療への診療報酬倍増は、久々にブチ切れないニュースだった。だけども、残念ながらこれはスタッフの手に渡る金ではない。具体的に、どこの部分が何点上がるのか発表されないことには、病院に入る利益だってどんなもんか分からない。

今まで散々、お金を取りやすいところから、手がかかりやすいところから、狙い撃ちするように診療報酬を削り取られ続けてきたので、信用ができない。これはまた、別の怒りが噴き出してしまうからやめておくが。

看護協会が「危険手当て」と明言したのはここだろう。地獄の底で苦しんでいるスタッフ全員の手元に行き渡る報いが欲しい。「命がけ」が文字通りである現実に、国や行政からの具体的な報いがほしい。エールはもういい。


逃げような。


朝起きて、「無理だ」と思ったらすぐ逃げてほしい。

スマホの電源を切って、鞄にパンツと歯ブラシだけ詰めて、堂々と公共交通機関を使って、安らげる場所に逃げてほしい。できれば、友人とか家族とか恋人とか、あなたを大切にしている誰かの元に。

真面目な方ほど、患者さん思いで真摯で誠実な“医療従事者”ほど勇気がいるだろう。患者さんや他のスタッフの顔が浮かんでしまうだろう。よくよく分かる。でも勇気を出して、逃げてほしい。心からのお願いだ。


私はそうするつもりだ。叩くなら叩けばいい。知ったことか。


身近に医療従事者、および病院スタッフがいる方。ちょっとでも不安があったら、連絡をとってみてください。できれば電話をして、声を届けてください。思いもよらぬところで、全く予期せず地獄に落ちているスタッフがたくさんいる。

「心配しすぎだよ」と笑われるくらいならそれでいい。取り返しのつかない悔恨が生まれてほしくない。


これは私が目にしているそのままの現実だ。書き記す気力があるうちに、見たものを、この感情を残さねばと思い書いている。

感情の中でも特に「怒り」は、抜きんでて鮮度が命だから。フレッシュな怒りを持ち続けるのは不可能だ。だけど、言葉を使って真空パックしておくことはできる。

この渦中における感情をそのまま書き写した言葉は、きっと後々自分の中で価値あるものになる。忘れてなるものか。

まだ気力がある方たち。「自分がこんな苦境に立たされている」と言葉にしてほしい。声を上げて、残しておいてほしい。

「もっと大変な人がいる」とか、建前なんか立てなくていい。矛先が鈍るだけだ。
他でもない“あなた”が苦しめられていることに怒っていい。声を上げていい。当たり前のことだと思う。自分のために声を上げるということが、「わがまま」とか「欲張り」と混同されて委縮していくのが、見ていてとても辛い。


みんな自分を大切にして。第一にして。

「もう無理」と思ったら、着の身着のままで逃げよう。

そんで国から貰えるお金をぜーーーーんぶ貰って生き残ろう。お金が足りなかったら、「足りない!」とまた声を上げよう。声を上げて、もらえたらラッキーだ。とりあえず声を上げたらいい。それでいい。「今ここにいる人」なら、誰でもみんなその権利がある。人権ってやつが。

諦めずに、うるさく、しつこく、声を上げよう。

そして生き残ってほしい。お願いだから。

駐車場で泣いていたあの子の姿が目に焼き付いて離れない。どうしたの?と一言、声をかければよかった。後悔し続けている。

あなたに届いてほしい。その一心で、今、これを書いています。

地獄のお隣、医療の現場より。  

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コメント
1. 2020年6月29日 15:07:19 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[5988] 報告
若返りを可能にするホログラフィック医療ポッド(医療用ベッド)癌、病気、疾患の終わり
.
友冨 新政経
2020/06/27 に公開
https://www.youtube.com/watch?v=1uLX0DiCymM

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