どこの国も例外がなくなり、国債の金利はゼロになり、これからは米国の国債を買うことに意味がなくなる。

ただし、今、米国債を持っている者には、彼らの保有する国債の金利は保証され、約束通りの金利で利子を受け取れる。

もう、これから発行される国債は財産として流通することはないし、金利収入も生み出すことはない。こうすることが正しい経済政策の基本だ。

世界のドル金融を米国債の金利と米国債による政府の資金調達と無関係してしまう基盤のもとで、ようやく、日本や世界の人々が商売を通じて獲得したドルマネーが米国債以外の有効な実物投資に向かうようになる。

他の通貨と比べて、ドル通貨は最も下がりやすい通貨だが、金融危機は通貨の価値が下がる国で起こるとは限らない。コロナショックによる経済の停滞によって、EUも中国も日本も、米国と同じように、民間の個人や企業の過剰な債務の再編を避けられなくなる。債務問題の解消を断行できる条件は、民間の金融と切り離された無利子の国債の存在だけだ。

人類はようやく、経済政策の基本にたどり着いたのである。

アメリカ帝国の経済は大赤字と大借金でボロボロだが、世界一の軍事力（暴力）という担保があるので、それでもそう簡単には崩れない。日本を中心に、世界各国の政府や企業を脅し挙げて、お金を貢がせつづける。日本が"紙切れになるまで絶対に償還される事がない"米国債を買わされているのも、そうだ。役立たずの米国兵器をクソ高いお金で買わされているのも、そうだ。

米国の崩壊は、中国との実力との比較で、劣化が目に見えてヒドくなった時に、一気に来そうだ。ただし、今すぐというわけではないと思う。追い詰められた米国が、中国・ロシアに大戦争を吹っかけなければ、の話だが。