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安井章のアンプ _ いくら音が良くても日本人が設計したアンプは売れない
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/530.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 3 月 09 日 09:25:49: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: FM Acoustics のトランジスターアンプ 投稿者 中川隆 日時 2020 年 3 月 08 日 08:58:12)


安井章のアンプ _ いくら音が良くても日本人が設計したアンプは売れない

オーディオ専門誌「無線と実験」に掲載されていた「安井章」先生創案のアンプ

プリアンプ騒動記 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年01月19日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ecaf2d03bd4a6a73eabf5cf0fc5a8a42

「ラックスのプリアンプをオークションで落札したんですけど、お宅のアンプとスピーカーで試聴させてもらえませんか」と、近隣にお住いのオーディオ仲間「Y」さんからご連絡があったのは1週間ほど前のことだった。

「ハイ、もちろんいいですよ」と一つ返事。

何しろ「リチウムイオン電池」と、「200ボルト電源からの降圧トランス」という、オーディオの根源に関わる「電源対策」はYさん抜きでは語れないし、うかつに足を向けては寝られない存在だ(笑)。

さて、実はこの度Yさんが落札されたラックスのプリアンプ「CL35」についてはかねがね「どうしようか?」とご相談を受けていた。

ラックスには何の憾みもないが、ありのままに言わせてもらうと「ラックスのアンプはとかく評判が悪いですよ。ベテランの真空管アンプ工房さんによると使ってある部品の質が悪いそうです。音も総じて生ぬるい傾向だし、止めといた方がいいですよ」と反対してきた。

ところが、肝心のYさんはどうやら「見かけ」に幻惑されたご様子で(笑)、「実は自宅用ではなくて運営している老健施設の食堂のアンプ用です。パワーアンプが6550プッシュプルなので、セットで置くと見栄えが良さそうなので・・・。」

結局「即決」で落札されたアンプを、3連休の最後の13日(月)の午後になって、いそいそと持参されたので音出しを含めて「プリアンプの実験」となった。

「パワーアンプ転がし」や「球転がし」はこのブログの読者ならご存知のとおり数限りなくやってきたが「プリアンプ転がし」は、たしか初めてではないかな。

そもそも、デジタルの時代になって「プリアンプ不要論」が横行しているくらいその存在感は薄れるばかりである。

今のところ「質のいいプリアンプならあった方がいいし、そうでなければ無い方がいいしでケースバイケース」というのが結論だ。

そして、Yさんは部屋に入ってこられるなり開口一番「テスト機器のパワーアンプは「2A3シングル」を、スピーカーは「AXIOM80」でお願いします。」

「はい、わかりました」(笑)。

「AXIOM80」をテスト用のスピーカーに選ぶなんて、(アンプの)欠点を容赦なく暴き出すのでアンプが可哀そうだなあ・・・。


とりあえず用意したプリアンプは我が家の分が3台とラックスの「CL35」との計4台の勝負となった。

ちなみにその3台とは、

1 マッキントッシュ「C-22」型プリアンプ

2 マランツ「7」型プリアンプ

3 オーディオ専門誌「無線と実験」(2001.1月号)に掲載されていた「安井 章」先生創案のプリアンプ

まずは「ラックス」を鳴らしてみた。ちゃんと音が出てくれるかどうかが先決だ。

いきなり「どでかい音」が出てきて「AXIOM80」が破損すると「もう死んだほうがまし(笑)」なので、内心ヒヤヒヤしたが真空管が多いせいか、温まるまで時間がかかったもののようやく音が出てきてくれてホット一息。

相変わらずラックスらしいボンヤリした音だと内心思ったが「なかなかいいじゃないですか!長時間聴いても疲れそうにない音ですよ。」と、積極的に応援(?)してみたものの肝心のYさんはどうもご不満げな様子。

それから我が家のプリアンプを1,2,3と次々に試聴していった。

その結果を白日の下にさらすと、

「プリアンプで音があまりにも大きく変化するので驚きました。パワーアンプ以上の差が出てきますね。

ベスト1は3のプリアンプです。まったく非の打ち所がない音で感心しました。2と3はその次のレベルになりますが、ほぼ互角で実力伯仲といったところでしょう。ラックスとなると、もう最低最悪です。

音が生ぬるくて情報量がまったく不足しています。このままでは聴きたくないので3を製作したMさんに改造を頼めないですかね。」と、Yさん。

「それは頼んでみてもいいのですが、(ラックスは)ちゃんと鳴っているのにもったいないですね・・・」

さて、今回のテストで見事に栄冠に輝いた「安井型」アンプの特徴を製作者に伺ってみると、安井先生はその道ではたいへんな権威で信奉者が多く、このアンプは「定電圧回路」にこだわり電源部分に特に注力したとのこと。

プリもパワーもそうだけど、最後は「電源」部分の充実度がものをいうみたいですよ。そんなことは、とうの昔に分かっとるわいという方が多いでしょうが(笑)。

実は、このアンプは去る12月に来たばかりのまだ借り受け状態のままで、購入と決めたわけではなくどうしようかと迷っている真っ最中だった。使用されている真空管はありふれた「12AU7×4本」。

「購入する気になれば原材料費だけでいいよ」と、相変わらず「儲け心」が皆無な製作者だが、ビンボー人にとってはそれでも結構なお値段だしねえ(笑)。

しかし、自他ともに認める「NO.1」となれば買わずばなるまいなあ・・・。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ecaf2d03bd4a6a73eabf5cf0fc5a8a42


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安井式40WパワーアンプとAccuphaseのP-6100の対決
https://yurikamome.exblog.jp/24265944/

 パワーアンプの製作で、安井式の選択の成功だった。

 あるイベントで、パワーアンプのみ安井式にしてデモンストレーションを行った。多くがオーディオに興味がある人しか来なかったそのイベントでは、おおむね好評というレベルではなく、足を運んでくれた人は皆一様に予想以上のクオリティーに驚いていた。

 あるマニアが「そのアンプ、貸してくれませんか」というお話。その方のお宅で、アキュフェーズのアンプとタンノイの高級スピーカと組み合わせると言う機会を得た。

 ラインナップはパワーアンプがP-6100、プリアンプがC-2420。スピーカーはタンノイのカンタベリー。

 基本的にバランス伝送で接続されていて、スピーカーはバイワイヤリングで接続されている。

 今はハイエンドはバランス伝送が常識的な流行と言うことになっている。(実はバランス伝送というのは家庭用のケーブルが長くても数メートルというオーディオシステムでは、デメリットの方が大きいと言うことをあまり知られていないのは、ものを作る側で、しかも高いものを売りたい方としてはありがたいことだと思う)

 始めに聴いた印象で、このシステムのスケール感は快感を感じさせる。

 伸びやかなきめの細かい音も色気を感じたし、ピアノの共鳴による基音より低い音も雄大に響いていて、それでいて立ち上がりがよかった。でもハイエンドによくありがちな1枚ベールをかぶった印象はやはりここでもあった。

 そんなシステムのおよそ100万円のパワーアンプとの対決なのだけど、安井式のパワーアンプはアンバランス伝送なので、アキュフェーズのプリアンプのC-2420はアンバランスの出力も装備されているのでいるので、こちらを使って接続。

 カンタベリーは能率が8Ωで96dBもあるので、スピーカーから2〜3mのリスニングポジションで40Wの出力でもダイナミックレンジとしては生のオーケストラ以上の音が出せるので、全く出力としては問題なし。

 重さも大きさも全然違うこの対決は大変楽しみだったけど、結果は惨憺たるものだった。

 自宅ではスピーカーの外まで拡がっていた音場が全く拡がらないどころか奥にくすんでしまっていて、しかも詰まった印象。

 アキュフェーズできこえていたピアノのハンマーが弦を叩くその感じが全くしない。

 よくハイエンドにありがちな、スケール感はあるのだけど1枚ベールをかぶったそんな感じが更にひどくなったような印象だった。ホールトーンが自然に引かないどころか、きこえるべきホールトーンがない。

 明らかに自宅で鳴らすのとは、出張デモで鳴らすのとなり方が違う。

 実験用に用意していったコモンモードフィルターをプリとパワーの間に挿入したところ、大きな改善があったものの、それでもアキュフェーズの足下に及んだとは到底言いがたいのは変わらない。自宅で聴いたときのようなホールに包まれるような感じが全くしない。

 アンプを自宅に持ち帰りいつもの環境で試してみると、さすがにカンタベリーのスケール感にはかなわないのだけど、透明感と立ち上がりでは明らかに我が家の環境の方が勝っていると思う。

 安井先生にそのことを話してみたところ、「プリアンプも対応していないと、音は拡がりませんよ」とのこと。

 この経験は大きかった。音をよくする秘密が一つ解った気がした。

 なぜたった数メートルのケーブルに大金を投資しなければいけないのか、なぜ試聴したときと買ったときでは音が違うのか、その原因の大きなものを見つけた気がした。
 そして、それは後の実証実験でたぶん正しかった。
https://yurikamome.exblog.jp/24265944/  


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プリアンプの製作 その1
https://yurikamome.exblog.jp/24305490/
 先日、あるマニアが我が工房にお越しになり、安井式アンプと安井式のネットワークによるシステムを試聴された。

 「これは凄いっ!!」、その音が出た瞬間の表情が嬉しかった。

 聴き進むうちに「今まで聴いていた音は何なんだって感じ」ともおっしゃっていただいた。安井式アンプの雄大なスケール感と奥行きを感じる透明感、そして実在感を体験していただけたのはよかった。

 実は、パワーアンプの後プリアンプの安井式で組み上げている。

 パワーアンプの成功からすれば当然その延長でと言うことだし、安井先生の「プリアンプが対応していなければ音は拡がりませんよ」というお話もあり、更にその先を聴きたくなったというわけで、先だってのAccuphaseのP-6100の対決での収穫もあり、記事のオリジナルを更にブラッシュアップしたくなり、本格的プリアンプに先立ち、検証実験用にOP-AMPを使った実験機をバラックで組み立ててみた。

https://yurikamome.exblog.jp/iv/detail/?s=24305490&i=201506%2F24%2F59%2Fc0021859_15373971.jpg

 カップリングコンデンサは1.5µFのよくOP-AMPのデータシートに載っている極々当たり前のOP-AMPのフラット増幅回路に安井式電源を組み合わせ、(とは言ってもオペアンプ周りのデカップリングは100µFの電解コンデンサを入れてあった)パーツは手持ちを使った関係で定数も手持ちのものになっている。トランスはジャンクのよくある青い小さなトロイダルを使った。この手のトランスは多くの場合恐ろしくレギュレーションが悪い。このトランスもご多分に漏れず、出力電圧が定格で35Vなんだけど、開放状態では67Vもある。不良品かと思ったけど、データシートを見てみたらそういうものだった。それだけ巻き線の直流抵抗が大きく、つまりレギュレーションが悪い。

 はさておき、先ずはそのまま誰でもやる、つまり安井式のフィルターなしの回路での実験。OP-AMPは手持ちであったもの幾つか差し替えたけど、個人的に好みだったバーブラウンのOPA2604で実験機とした。

 この時点での音は、OP-AMPによくありがちな、カチッとした堅めの音で、そしてこのOPA2604らしく活き活きとしたパンチのある音がしている。それでいて手応えを感じる中音域の厚みも、たとえば優等生的なナショナルセミコンダクタのLME49860よりもワイルドで、音楽的なリアリティーではこちらの方が好みではあるのです。そんなわけで、これはこれで悪くはないとも思う、アナログのトランジスタアンプ的な音と言いますか、色気のある音であった。

https://yurikamome.exblog.jp/iv/detail/?s=24305490&i=201506%2F24%2F59%2Fc0021859_15491372.jpg

 いよいよ安井式の検証。まず、回路図で目につく安井式の特徴のコイルによるフィルターを挿入すると音は一変する。奥行きを感じて低音の力強さが増す。

 次にカップリングコンデンサに10µFの電解コンデンサを並列に接続。これは効果が確認できるまで時間がかかった、音が曇るような印象を感じなくもない。エージング待ち。

 そしてデカップリングを安井式のオリジナル通り0.033µFに変更。これが素晴らしかった。前後感の再現力が格段に上がった。但し低音の力強さが後退したような気がしなくもない。

 そこで、整流後、電源回路以前の平滑コンデンサの容量を手持ちの関係で1500µFだったものを更に2000µF重ねて合計3500µFとしてみたところ、低音の力強さが改善された。

 そんな試行錯誤をしているうちにカップリングに並列した電解コンデンサもエージングが進み、並列した直後とは全く違う響きを聞かせてくれている。

 この響きはもはやOP-AMPとは思えないスケール感に柔らかさ、しなやかさ。

 この時点ではまだパーツ類のシールドはしていなかったのだけど、簡易のシールドを施してみたところやはり音のスケール感と決めの細やかさは更に増してきた。

 ここで、OP-AMPを新日本無線のMUSE-01に差し替えてみた。この非常識に高価なOP-AMPの実力はというと、スピーカーから流れてくる音の浪々をしたスケールにはOP-AMPの私の固定概念が全くの言いがかりのようなものだったと言うことを身をもって体験をした。このふくよかさ、艶やかさ、ダイナミックな力強さは真空管と言っても誰も不思議がらないと思う。でも実はマニアは敬遠するOP-AMP。

 回路図は、どこにコイルを挿入し、デカップリングの値などがわかるように添付しておく。これは安井先生御自身が記事にしたものとほぼ同じ。

 と言うことで、ここまでが安井式のオリジナル通りの構成でアンプを組んで、安井先生のノウハウがどういう効果があるのかを一つずつ検証してみた。

 コイルや抵抗のシールド、デカンプリングコンデンサにカップリングコンデンサ、それぞれに大きな効果があったのは事実と同時に、そうたいした出費にならないところがポイントで、大胆な回路に見えないので地味な印象ではあるのだけど、こう進めていくうちに音の善し悪しは、パーツやら回路やらで決まるのはもちろんだけど、なぜそれらが音の善し悪しに聴感上影響するのかはパーツや回路が良い悪いと言うことよりもそういう影響を出させる要因は何か別にあるような気がするのです。

https://yurikamome.exblog.jp/iv/detail/?s=24305490&i=201506%2F24%2F59%2Fc0021859_15183947.jpg

https://yurikamome.exblog.jp/24305490/



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プリアンプの製作 その2 使用する抵抗とボリュームコントロールに関して
https://yurikamome.exblog.jp/24309454/


 プリアンプの実験として、使用するパーツに関して、先ずは抵抗と次にボリューム。

ボリュームコントロールをアッテネーターにするか可変抵抗にするかは全く何の躊躇もなくアッテネータとしたい。可変抵抗は構造上理由だろうと思うけども、スイッチ式のアッテネーターに比べると透明感に劣る。これは仕方がないと言われている。これも先ずは実験。


 そこで、いくつか個人的にめぼしいと思う抵抗を選んで試してみる。

 1.TAKMAN REY50 金属皮膜抵抗
    堅めの聴いていてめざましい新鮮みはあるのだけどどちらかというと、
    金属的な肌触り。分解能が高めで定位感も良い。
    2週間エージング後にはそれらがすっかり印象を変えて、柔らかで、か
    つ分解能の高い、透明度のある音になった。

 2.理研電具 RMG 炭素皮膜抵抗
    生産は完了してしまっていて、流通している分だけしかもう手に入らな
    い。カーボン抵抗らしく、当初の音出しでは率直ではあるのだけど高域
    が詰まった感じのする音。やや定位が甘いのに加え、押し出しが弱い。
    2週間のエージング後ではその詰まった感じがとれて、高域のパンチも出
    てきた。とはいえ、金属皮膜のように輝かしい高域ではなく、まるで石
    膏の板の表面のように真っ白に輝くきめ細やかなもの。定位感がハッキ
    リしないのは相変わらずと思っていたら、そうではなく、上下左右前後
    の3次元の空間の再現力が良いせいで、録音会場の反射音がよくきこえる
    ために、アンビエンスの豊かさに包まれて定位を忘れがちになるだけだっ
    た。

 3.アムトランス AMRG 炭素皮膜抵抗
    0.75Wで試した。当初は中低域の張り出しが大きく、力強さは感じるが
    やや鈍い感じがしなくもない。定位感は良いのだけど、特定の楽器が前
    に出る感じ。

    2週間エージング後は滑らかで率直、そして高域のきめ細やかさには大
    変な魅力を感じる。リケノームのRMGの後継としてアムトランス独自
    に開発と言っていたけど、感じとしてはリケノームよりも繊細で力強い
    ように感じる。アンビエンスの再現力はRMGを超える。間違えなくイ
    チオシなのだけどサイズが大きいのでアッテネーターに使えないのは残
    念。

 4.タイヨーム FTR33S 炭素皮膜抵抗
    音出し当初はなかなか悪くないのだけど、2週間エージング後の音の変
    化が少なく、RMGやAMRGに比べると魅力は劣る。スピーカーの奥に
    ズラリと奏者が並ぶ感じ。但し、魅力に劣るというのは前のその3者に
    比べるとという話。悪くはない。

 5.アルファ FLCX アルミ箔抵抗
    値段は高い。無誘導の巻いていない、L分の少ない抵抗として大いに期
    待した。

    音出し当初、意外なことに濁って曇っていた。定位感は甘め。
    2週間のエージング後、スッキリとした繊細な感じになったが、やや押
    しが甘い気がしないでもない。定位感はハッキリしているがシャープで
    はない。空気感が豊か。やはり3次元に拡がるが線が細い。でもこれは
    これで魅力的と思う。

 6.ビシェイ VRS 金属箔抵抗
    アルファの倍くらい。音出し当初、繊細で高分解能で率直な印象で控え
    めな印象なので物足りなく感じるけども、よく聴くときこえるべき音が
    ちゃんと鳴っている。

    エージング後には空気感が更に増して、そして線が細いというか、押し
    出しが弱いと感じていたが、そうではなく立ち上がりの良さと、スパー
    ンと抜けるときの見事さはさすが。だけどいくら何でもアッテネーター
    に使うには現実的ではないのが残念。

 7.進工業 RE35Y プレート抵抗
    現在生産完了品。以前からこれも音が良いと評判のもの。たぶん無誘導。
    がしかし当初から曇った印象で、どうもそれはエージング後もさほど変
    わらず。評判ほどではなかった。

 8.ニッコーム RP-24C プレート抵抗
    これもたぶん無誘導。進よりは良かった。音足し直後の濁り感はやはりこ
    れもあり、そして空気感も定位感も今ひとつ。

    エージング後にはだいぶ改善されてきた。価格からするとお買い得の抵抗
    とは思う。空気感もあるし、音像の率直さも魅力ではある。が他のもっと
    良い抵抗と比べるといかにも魅力に乏しい。

 9.DALE NS-2B 巻き線抵抗
    これも定評のあるもの。音出し直後に「こ、これは、この音は・・・・・」
    まさにその音でした。調べてみるとその通り。私が個人的にこの抵抗を使
    うことはないでしょう。


 これらの結果は絶対とも言いがたいと思うのは、同様の実験で他の人は全然正反対の結果のものをネット上では見つけることができるから。

 そして、抵抗のエージングによりどの抵抗も一様に音の鮮度が増して、程度に差こそあれたった2週間で空間の再現力が見違えるように変化したものもある。

 よく言われるように、金属皮膜は音がシャープで堅め、炭素皮膜は音が厚く柔らかめで金属皮膜に比べるとややエッジが甘めという傾向はなくはないけども、エージングによってそれらの差はだんだんと埋まっていくような気がしなくもない。但しビシェイは別格。このクオリティーは値段に恥じない、というか値段以上の価値かも知れない。

 実験結果を踏まえ、プリアンプに使う抵抗はアムトランスのAMRGに決定。アッテネータに使うのはこの選択肢からだと音質と価格とサイズを考慮するとTAKMANのREY50と、アムトランスのAMRGなんだけど、アンプ基板がAMRGなので揃えたいけどもサイズの関係で無理なので、次善の策として同じような音の傾向で値さえそろえば理研電具のRMGとしたい。

 先達の方のご厚意もあり、なんとか希望通りRMGを揃え、そして完成。

音質比較と言うことで、次の3種類を実験してみた。

 1.アルプスのデテントボリューム
    たぶん実売価格2000円以下

 2.おそらくは中国製の格安ラダー型アッテネーター。
    よく6000円くらい方売っているもの。
    デールの抵抗を使っているというのがウリだそうです。
    写真は販売店の売り上げに影響するといけないので自粛。

 3.セイデン製のロータリースイッチを使った自作
    抵抗は理研電具のリケノームRMG1/2W使用
    スイッチも含め、材料費だけで30000万円超え

 大変期待したのは2番のもの、この値段で良い結果なら大変にコスパの良い話。

 基準としては、一般的というか、自分でもよく使っていたデテントとして聴き比べてみる。デールの抵抗を使ったラダー型は、なぜかスッキリせず、何かどうも聴いていて痒いところに手が届かないもどかしさというか、そしてメタリックな色付けも気になった。一聴してこれは明らかに鉄の音。実際磁石を付けてみたところ、やはり磁性体であった。

 デールというメーカーは、最近売っている抵抗で非磁性体のものあるのだろうか。

 セイデンのロータリースイッチを使ったアッテネーターは抵抗にも全てシールドを施した手間とお金をかけたもの。これは別格、比較すること自体もう意味がない。これほどまで音量調整で音が劣化していたわけだ。

 音場の拡がりも立ち上がりも粒立ちも、アンプそのものが1ランクも2ランクも上がったような印象を受けた。

 それにしても、アルプスのデテントはこの値段では大変にコスパの高い製品だと思った。3倍以上の値段のアッテネーターよりも断然音が良い。セイデン製のスイッチを使ったアッテネーターには当然かなわないのだけど、音の率直さ、そして透明感でも満足できるものだと思う。

 2のアッテネーターをなんとか良い結果が出ないものかと、たとえアッテネーター本体をシールドしてみたり、あるいは紐のような細い線を太いものに交換したり試してみたけども、磁性体は磁性体、何をやってもダメだった。

 今後、私はこのアッテネーターを使うことはないだろうと思う。そしてデールの抵抗も。

https://yurikamome.exblog.jp/iv/detail/?s=24309454&i=201506%2F25%2F59%2Fc0021859_1362461.jpg


https://yurikamome.exblog.jp/24309454/

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プリアンプの製作 その4 その他のチャレンジ
https://yurikamome.exblog.jp/24439209/


 OP-AMPによる試作アンプで様々試していて、電源周りの整流回路、安定化電源回路については、基本的に安井先生の回路がよかった。3端子レギュレターという便利なものもあるのだけど、音は安井先生が多用している単なるリップルフィルターの方が断然音の鮮度では勝っている。但しその際は電源の出力に付けるコンデンサの容量は注意が必要。

 そして整流回路から電源回路に至る所に入れるコイルと抵抗も、入れた事による効果も十分に検証できた。拡がりと低音域の力強さが一段と向上。

 あとは、ノイズ対策の一環として大胆な気がしたけども、試作プリアンプの入力端子にカットオフを50kHz位にしたCRによるハイカットフィルターを挿入。あわせてアースにはフェライトビースを入れてみた。これは大いに効果があった。音の堅さが取れてしなやかさが増してくる。

 それからアンプの出力にコモン・モード・ノイズフィルターを挿入し見たがこれも一定の効果が認められた。

 それから、整流用のダイオードのシールド、能動素子なので当然多くの電磁波を出すはずという理由で試みたところ、これもやはり変化が認められた。ノイズ感が減っている。

 と言うことは、電磁波を出すパーツといえばトランス。トロイダルトランスを手持ちの関係で使っていたんだけど、元々漏れ時速が少ないというトロイダルトランスをこれもシールドしてみたらやはり効果がある。
 
 この時点でたかがOP-AMPのバラックで組んだこのアンプはOP-AMPとは思えないスケール感と力強さを持った、それでいて高分解能のその録音場所の部屋のスケール感までおも再現できるものとなった。メンデルスゾーンの「スコッチ交響曲」の弦のしっとり水がしたたるような透明なウエット感、オーケストラのパースペクティヴはなかなかの再現力だと思う。

 ということで、安井式オリジナルにはないのだけども、プリアンプ部のハイカットフィルター、出力のコモンモードフィルター、それからダイオード等の能動素子のシールド、それからトロイダルといえども漏れ磁束対策は必要と言うこと、これらを盛り込むことにした。

 ケースは以前はよく使っていた鈴蘭堂はもうこの世にはなく、タカチが普通なんだけども、好みがなく、しかも値段も高くはないが安くもない。ということで、オリジナルに挑戦。オリジナルのサイズでアルミケースをタカチに発注して、それに合わせて前面のパネルを発注。それぞれ穴開け加工込みで依頼した。

 アンプの構成は、やはりイコライザーはどうしても入れたいので、プリアンプ部がMJ2015年03,04月号掲載のもの、イコライザーがMJ2011年03,04月号掲載のもので考えていて、それらの基板は安井先生のお世話になった。

 それらの基板のサイズとトランス、アッテネーターなどを配置する計画をして、しかも後々改造することを前提としているので、大きめのケースで45p×46p、高さが7.5pというもの。合計で1万5千円かからなかったように記憶している。

 これで大体揃うものが揃ったので組み立てをすると言うことになり、その際にトランスの結線とアースの引き回しにはまた頭を悩ませることになる。
https://yurikamome.exblog.jp/24439209/



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プリアンプの制作 その5 電源トランスの結線とアースラインの引き回し
https://yurikamome.exblog.jp/24468993/


 安井先生のアンプの回路では、というか基板のパターン制作の段階での話だけど、アースラインを信号ラインの流れに合わせてあるのはきちんと配慮されてのことなのはもちろんのことなのだけど、ということで、トランスを2台使い、左右両チャンネル独立させるというよくありがちなものではなく、安井先生提唱の1台のトランスの巻き線をそれぞれ左右両チャンネルに振り分けるという結線方法を先ずは試してみた。それが一つ目の図(Fig.1)。もちろんなんの問題もなく動作している。


https://yurikamome.exblog.jp/iv/detail/?s=24468993&i=201507%2F30%2F59%2Fc0021859_1438228.jpg


 安井先生の回路での一つの特色であるアースの取り方なのだけど、外部からのアースもケースのアースも高周波ノイズ遮断のコイルが入れてある。これの効果が絶大なのは先に実験したとおり。

 ところで、トランスを2台使うのが高級品での一つのステータスのように感じる向きもあるのだけども、実は1970年代から80年代のオーディオ・ブームの頃、メーカー各社もこのような方法を採用して、左右独立のモノーラル構成の2in1としてクロストークと混変調歪みを改善し、音質の向上を目指すというのはよく聞く話だったし、現在でも時折採用されているやの話はよく見るのだけど、私自身、いくつかのアンプを作成した中で左右独立が単独電源に勝った例はない。

 今回、そこで一つの実験として以下を試してみた。

@ 安井先生の結線(Fig.1)ちょっと変わった結線方法で、これだと巻き線は左右独立しているが、トランスの1次側は共通となってしまい、厳密には左右独立にはならない。

A 2台のトランスを各々1個ずつ左右に振り分けた、完全な左右独立型。

B 2台のトランスのうち、1台の結線を外し1台のみで両チャンネルへの供給としてみた。

C 2台のトランスを並列にして容量を増やしたのと同等にしてみた

D 2台のトランスを直列にしてトランスにかかる電圧を半分にして、両チャンネルへ供給としてみた。

 結論から言うとDのトランス直列が一番結果がよかった。一番劣ったのは予想されるとおりBで、その次に劣ったのがA。

 つまり結果はよい順にD>@>C>A>Bと言う結果。

 但し@とCに関しては僅差というか、音の傾向が違うというか、パンチと繊細さでは@、力強さではCと言った印象。

 なんだ、安井先生のトランスの使い方がまり意味はないではないかと言うことではない。2台のトランスを使い、完全に1台ずつで左右両チャンネルにわけるよりも、安井先生の結線方法の方が結果としては全然よい。その理由は先生ご自身で記事にされている。ただトランス2台を搭載する余地があって、経済的にもそれを許すなら、可能な限り大きなものを1台にした方が、右左を独立にするよりも結果がよいということはあるのではないか。

 実はこれ、プリアンプよりもパワーアンプの方がこの差は大きかったりするのは、経験上確かなことだと思う。

 トランスを左右独立にするというのは、実はレギュレーションという意味では実はデメリットの方が多いのではないのか?。

 ところで、Dが音がいい理由はリケージが減るからとかなんとか様々な理由を聞くけども、実際ノイズの量は明らかに減っているようだった。

 ということで、トランスの結線はDの方法に変更。となると、アースラインの引き回しに関しては若干の変更が必要になる。

 トランスの結線方法とアースの取り方を変更した結線図はもう一つの方。
 回路アースへはトランスの中点からに変更せざるを得ない。

 但し、ここでの音は深みのある低音と生々しいフレッシュな音楽が力強く響くようになった。
 
 その他、若干の補足も図上に記しておく。

https://yurikamome.exblog.jp/iv/detail/?s=24468993&i=201507%2F30%2F59%2Fc0021859_14392963.jpg

 これでプリアンプも一応完成。


https://yurikamome.exblog.jp/24468993/



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安井式アンプの試聴が横浜ベイサイドネットでできるとMJ誌9月号にあったので聴いてみる。 2015-08
https://yurikamome.exblog.jp/24577743/
横浜ベイサイドネット
http://www.baysidenet.jp/

 安井式の最新のアンプは7月から連載しているMOS-FETを使ったバイアスを除くとたった4石のパワーアンプ。出力は20Wと小ぶりのものを発表しておいでだった。

 それが横浜ベイサイドネットで視聴可能とのこと、MJ誌9月号の安井先生の記事中にあった。

 横浜の関内駅からも桜木町駅からもどちらからでも徒歩5分ほど。サリュートビルのエレベーターに乗りビルの7階に着いてエレベーターを降り静かな廊下に出ると、すぐのお店は、静かに音楽が鳴っている。

 お店では店長の西川さんがいつものように迎えてくれて、窓の向こうのみなとみらいの景色を眺めながらのオーディオ談義をしながら、お店は自作の好きな人にはお菓子のおうち的な面白そうなものがたくさんあって、その奥にはシステムが陳列してある。

 そこには、確かに製作記事にあったそのものが鎮座ましましていて、いくつかのスピーカーで視聴できる。

 プリアンプはベイサイドネット・オリジナルのキット化予定のプリアンプに接続されていて、聴けばこのアンプも安井テイストがたっぷりとのこと。

 純正ではないけどもかなり安井式のオリジナルに近い状態で視聴できる。

 スピーカーには、ユニットだけで10万円近くするAudio Technologyの20pウーハーに、これまた1本20万もするScan-speak Illuminatorのベリリウムツィーターのシステムや近々にキット化予定の小型スピーカー。

 それに加えて、Wavecorの11.8cmグラスファイバーコーン ウーファーにDayton AudioのAMT3-4という「エア・モーション ツィーター」と言っているけど、昔ESS出だしていた「ハイルドライバー」と同じツイーターを使い、安井式ネットワークを搭載したスピーカーでも試聴ができる。

 印象は記事中にあるとおりに3次元的な拡がりと響きの充実感は出色。20Wの出力のパワー不足は全く感じさせないどころか、力強さは20Wと言う印象から受ける以上の低音の力強さにパンチ力。

 安井式ネットワークを採用したスピーカーとの組み合わせでは、静寂の中から立ち上がる音の反応の早さと残響の豊かさ、まるでその場にいるみたい。

 演奏に加えたれた微妙なビブラートやタッチも結構感じられる。ピアノを聴くと、目の前でピアノの弦を叩くハンマーが目に見えるよう。それでいて空間のスケール感が凄いし、とにかくスピーカーを意識させないし音楽がうねっている。

 音のキレと透明感、録音会場の壁反射による会場のボリューム感がリアリティーあった。

 とにかくリアリティーが凄い。

 西川店長曰く、聴き疲れがしない音とのこと。たしかに聴き疲れしないリアリティー、プロの演奏者にこそ聴いてほしい演奏の微妙なニュアンスが聴き取れる。

 スピーカーは横浜ベイサイドネットオリジナル製品は、西川店長のアドバイス込みでオーダーメイドが可能。また、このパワーアンプ、横浜ベイサイドネットでキット化を検討中。でもそれまで待てない人は製作依頼もできるとのこと。

 写真のラックの最下段が記事中にあった安井式20Wパワーアンプ、そしてスピーカーの内側が安井式ネットワーク内蔵のスピーカー。その外側がユニットだけで方チャンネル30万のシステム。ラックのすぐ傍が小型スピーカー。

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https://yurikamome.exblog.jp/24577743/





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パワーアンプの製作 2015/06/03
https://yurikamome.exblog.jp/24204795/
 パワーアンプの製作を先ずは始めることにする。

 先の考察で、いにしえの回路であるクロスシャントを基にしたと思われる金田式アンプの回路がどうも私には対称とは思えず、しかも思ったよりも歪み率が低くない。アンプで歪み率を0.数パーセント下げることにこだわるつもりは全くないのだけど(そんなこと言えば、スピーカーの歪みやフォノ・カートリッジの桁違いの歪みなどどうするのかと)ただ、対称を謳っているのであれば通常の回路よりも歪みが低くなってよいはずなのになっていないことに若干の疑問の余地を個人的には残すわけだ。


https://yurikamome.exblog.jp/iv/detail/?s=24204795&i=201506%2F03%2F59%2Fc0021859_17511316.jpg
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 私は個人的見解として、斬新で独創的のように見えて、実はいにしえの回路をアンバランスでの転送に対応させるため、結果的に不完全になってしまったように感じなくもない。

 対して、構造上、全く完全なコンプリメンタリーの素子を造るのは不可能と言うことは承知の上で、動作点での特性を厳選したコンプリメンタリー素子を採用し、上下対称で全く無理のない中で、幾つかのノウハウがさり気なく盛り込まれている安井式に私としては惹かれる。(音でも、私が聴く限り安井式の方が立ち上がりが鋭く新鮮で、遙かに豪快で率直で透明なリアリティーを持って鳴っていた。金田式は豪快に鳴っていて、それはそれで説得力があったのだけど、ただ何か作為的なものがあるように感じた)

 そして、安井先生の回路がもうかれこれ数十年前から開回路特性の向上による音質に着目されていて、現在、それだけではなく、可聴帯域内の位相特性の向上に着目しておいでで、アンプの裸特性で20kHzでも位相のずれが十数度から数十度以内で収まっている。これの聴感上に及ぼす影響も体験してみたかったし、また電源まで含めてNON-NFBであることも興味があった。歪み率が若干なりとも金田式より劣って見えるのは、このNON-NFBであるが故というのはもちろん想像に難くないし、それでいてこの歪み率であれば、アンプそのものの素性は大変によく、NFBをかけて見れば見かけの諸特性はとても良くなることは明らかだと推察される。

 あとは出力がどれだけあれば良いかなのだけど、1m離れたピアノの演奏の音量が大体70〜100㏈と言われているので、リスニングポジションとスピーカーの距離が約2mくらいが普通ですか?。

 とすると家のスピーカーの能率が約1Wで90㏈/mということは、0.3W〜4W位と言うことになって、例えばクラシックのオーケストラの場合、最大で120㏈位ですか、ということは60W位必要で、実際のダイナミックレンジはもっと大きいでしょうからピークで100Wほしいと言うのもあながち闇雲な話ではないのだけど、市販のソースを聴く限りそんなものは存在しない。

 第一、都会のど真ん中の共同住宅の自分の部屋でそんな大音量はあり得ないので、20Wもあれば全く充分という計算になる。

 と言うわけで、安井式の制作に取りかかる事に決定。MJ2012年11月号、12月号掲載の40Wパワーアンプに決定。

 パーツや基盤などは安井先生のオリジナルでは、既に手に入りにくいものもあり、安井先生のご協力をいただき完成。

 中でも安井先生のアイディアで、パーツの方向性に言及するところがあり、その原因に抵抗のL分と電磁波の関係があり、その点の対策として抵抗などのパーツのシールドを勧めておいでで、正直言って、これにはシビれた。

 安井式アンプは理研電具のリケノームを使っておいでで、(炭素皮膜抵抗を発明したのが理研を作った大河内博士と言うことはあまり有名ではないけど、炭素皮膜抵抗の本家本元が理研であって、その理研電具がこの抵抗を作らなくなったというのが残念なことだと思う。)それを1本1本銅箔で巻き、それにアルミ箔を被せてまき、更に熱収縮チューブで被覆する。銅箔にはアース用の線を半田付けしておく。

 後で後悔するとイヤなので、一応信号が流れるだろうとおぼしきパーツは全てこのようにシールドし、しかも全部アースを落とした。確かにこれをやるとやらないでは大きな違いがあって、苦労は報われたのだけど、あまり楽しい作業ではなかった。


オリジナルと違うところは以下

1.電源トランスをオリジナルではEIコアであったのを、手持ちのトロイダルとカットコアに変更。
2.オリジナルで省略されていた電源フィルターを復活
3.信号系抵抗を全てシールド、アースに落とす
4.コンデンサを出力段を10000µFから手持ち全てを投入して22000µF×2=44000µFに増量
5.電源ケーブルをインレット使用
6.電源スイッチにサーキットブレーカを採用し、電源ヒューズを省略


 と言うわけで、とりあえず完成にこぎ着けて、音出し。
 こういう場合、直後の評価は全く当てにならないのだけど、低域は豊かになり伸びがある。

 これから2週間のエージングを経て大きく変化をしたのは当然なのだけど、それまでメインだったナショナルセミコンダクタのLM3886のBTLアンプに比較する。

 これは、音質の定評のあるこの素子を、できるだけ軽めの負帰還で動作させているもので、どうもこの3886は負帰還量によって大きく音が変化するようで、軽ければ軽いほど軽快かつ自然な、フレッシュな感じになる。通常の扱いやすいゲインにするための負帰還量では大人しめ活気のない音になってしまう。

 そんなわけで、このアンプの負帰還量はゲインをパワーアンプとしては大きめ(大きすぎ?)の30㏈以上に設定してある。

 このアンプと比較すると、音像のカチッとした感じは3886の方が感じるのだけど、いや、30分も聴いているとこの安井式アンプの方が音楽以外の(例えばホールトーンとか、会場のアンビエンスとか)がたくさんきこえるので、その中から音像をシャープに結ぶために控えめにきこえただけだった。

 そして力強い拍手のリアリティーは見事、各会場のボリューム感を出しつつ拍手に包まれる感じが会場のライヴ感を感じさせる。この音が不自然だったりホワイトノイズのようだったり、子供の手のようだったりしてはいけない。個人的には再生音の評価ではこの拍手の音にはこだわりたい。

 今回の安井式アンプは音像は確かに感じつつ、奥行きが全然違う。位相のずれを最小限にとどめた結果か。

 更にこちらは正真正銘完全対称の回路である(と言っても、金田式とは全然音が違いますけど)YAMAHAのA-S1000と比べると、YAMAHAの方が更にハイスピードではあるのだけど、自然さでは圧倒的に安井式。NON-NFBの効果も大きいのではないか。

 その音の違いの原因を探る事を、そして更にブラッシュアップをやってみたい。
https://yurikamome.exblog.jp/24204795/



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横浜 ベイサイドスクエア 2016.09.09
8月6日に安井章先生のアンプを使用した試聴会を行いました!
http://baysidenet.jugem.jp/?eid=249

 先月の8月6日(土曜日)に、『MJ無線と実験』誌でおなじみの安井章先生にご来店いただき、先生のアンプを使用したミニ試聴会を行いました。
 
 真夏の暑さの中なので心配しましたが、80歳を超えるご高齢にもかかわらず、オーディオにかける情熱は未だに衰えることなく持ち続けておられるようで、いろいろと、貴重なお話を聴かせていただきました。

 当ショップには『ラジオ技術』誌で有名な高橋和正先生にも、時々、ご来店いただき、オーディオ(スピーカー制作)に関するお話を聴かせていただいていますが、我々若いもん(?)も、先生たちのオーディオにかける『いきざま』に負けずに、まだまだ、頑張らなければならないと、改めて自覚させられます。

 上の画像は、その安井先生のアンプに魅せられ、長い間、先生の愛弟子(?)としてお付き合いを続けている 佐藤さんで、先生に替わって、プレゼンター役を務めていただきました。ちなみに、右端に座っておられるのが安井先生です。

 当ショップの『YBAプレミアクラブ』会員でもある佐藤さんは、数年前に、一大決心をして、本業である一級建築士の仕事を辞めて、小さなオーディオ工房を始め、当ショップとコラボレーションをしながら、アンプ製作などに頑張っておられる方で、オーディオにかける情熱は、先生方に負けないものが有りますね。

 現在、当ショップとのコラボレーションで、先生のアンプのキット化を検討していますので、そのうち『安井式アンプキット』が発売されるかもしれませんよ。
http://baysidenet.jugem.jp/?eid=249



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プリアンプの製作 その3 使用するコンデンサに関して
https://yurikamome.exblog.jp/24361076/
 コンデンサの選定については、容量の大きいものに関しては電解コンデンサを使わざるを得ないのだけど、ブロック形の大容量のものは選定の自由度がないので、基板上の縦型の電解コンデンサで、いくつか聴いた感触でニチコンのMUSE-KZとしたのは一番シャープな感じがするからで、MUSE-FGは中域の押し出しがよいという話もあり、聴いてみたところ、低域の量感もなかなかよろしく、滑らかでシルキーな中高域はそれはそれで魅力的。あと、シルミックも好かったけども透明感と奥行き感の再現性など個人的好みでKZとした。

 ただ、正直言って電解コンデンサのエージングは半月くらいではまだまだのようで、これからその後にどう音が変わるかは、実際に搭載したMUSE-KZ以外はよくわからない。

でも現在MUSE-KZは低音の締まりと高域の透明感、パンチ力と空間再現力では大変に満足をしているのは事実です。

 それからフィルムコンデンサは、特にカップリング用の10µFは売っているものだとASCとか、WIMAのMKS位しか手に入りにくく、あとは安井式純正のシーメンスのMKMを絹糸で締めたヤツ。

以下、聴き比べの結果。シーメンスのMKMは現在手に入るのが6.8µFが最高なので、これで試してみる。


ASC X335 200V 10µF
 雰囲気もよくでていてカチッとした音、エージング後には透明感が向上。

WIMA MKS 63V 10µF
 こちらの方がASCよりも更にスッキリした印象で、音が前後に拡がる。音像もシャープで好感が持てる。
 エージング後は更に空気感を感じるようになった。

糸締めシーメンスMKM 250V 6.8µF
 これがもう大変で、何がって作るのが。電極の大きさよりもやや小さく切り抜いたグラスエポキシ樹脂でコンデンサを挟み込み、プライヤーで握りしめながら絹糸を200回巻く。プライヤーを握る左手がだんだん感覚が麻痺してくるほど大変。

 記事中にどれくらい巻いたらいいのか、どれくらいの聴力で巻いたらいいのかハッキリなかったので、とにかく力任せでガンガンやって、できあがったコンデンサは、写真で判るとおり真ん中が多少凹むくらいになったが、これをエポキシ樹脂で固める。

 1日2個作ったらもうたくさん。
で。その結果はといえば、中域の実在感がないというか、ピアノタッチのアタックや弦のピチカート、シンバルやドラムのパンチはやたらと強く感じるのだけど高域も中域も何か前に出る力強さがない、かといって低域もドスンと来ない。

 が、10分も聴いているうちにそうではなく、全体に歪み感がなくなったせいで、分解能が格段に上がり、そして音域の強調がなくなったせいで今まで張り出していた中域がナチュラルになっただけ。なんと言っても音場感の出方は目覚ましい。低域は締まりがあって、バスドラムの張り具合やダブルベースのピチカートなんかもピシャリと決まる。量感がないのではなく今まで聴いていて「ドスン」は何か余計なものがあったような気がする。音の決めの細やかさとしなやかさ、そして柔らかさは断然こっち。

 これを聴いてしまうとWIMAのMKSはずいぶん荒っぽく音が濁ってきこえる。ASCは更に詰まった雰囲気。

 ただ、あくまで糸締めシーメンスMKMに比較しての話。

 ていうことで、もうこれに決定。容量の不足分は2パラにし13.6µFにすることで解決。

 それにしても、このコンデンサを作るのは大変。でもそれは報われる。

 ちなみに値に関しては、安井式オリジナルが10µFなのだけど、値を変えたらどうなのかと言うことで、徐々に2µFまで減らしてみた。これで大体カットオフが安井式の470kΩとすると0.18Hzなので全然問題ない。

 が、しかし音の様相はずいぶん変化してくる。糸締めシーメンスMKMで可能な6.8µFにすると、身体に感じる音圧感が全然変わってしまう。2µFにしたら、これはもう店先でよく聞くようなあの音場。カチッとしているけど臨場感では6.8µFに全然劣る。10µFでは包み込まれるような雰囲気が素晴らしい。

 今度はどんどん増やしたらどうなるかと言うことで、50µFまで大体10µFづつWIMAのMKSで試してみたその感じの改善は大体30µF位までは改善の変化が認められたけども、それ以上になるとあまり感じられなかった。

 カップリングコンデンサはやはりない方がよい、DCアンプ(つまり直流まで増幅できるアンプという意味で、たとえばサーボをかけるなどと言った手法でカップリングコンデンサを排除するとか言う意味ではないし、金田式という意味では全くない)の優位性はここにあったワケなんだと再認識。

 ちなみに、信号ラインというものを勘違いしている話をよく聞くので、ちょっとここでの考え方をハッキリさせておくと、負荷に並列になった部分に関しては、その並列部分の先はたとえばアースに落ちるので、音としては影響はないと思っている話をよく聞くのだけどそうではない。並列分の差分として直列分にはその歪みが影響するので、結局は直列部分に挿入したのと同じ影響があると言うこと。たとえばサーボをかけるとドリフトを初段に戻すの事になるのだけども、そのドリフト分はローパスフィルターによる。そのローパスフィルターは音質に影響すると言うことを認識しておく必要がある。
https://yurikamome.exblog.jp/24361076/



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趣味の自作半導体アンプ
http://myaudio.sakura.ne.jp/

2008年11月、昔から愛用していたメーカー製アンプの衰えが見え始めた為、30年(四半世紀!以上)ぶりにオーディオ雑誌「MJ 無線と実験」の2008年12月号を購入。落合萠氏のMOS−FETパワーアンプの作製を手始めに、金田氏のDCアンプ、安井氏のアンプの作成と継続してアンプ作りに取り組んでいる。

最新レポート

■電流伝送プリアンプへのMixing IVCの追加(2020年1月13日更新)←PDF
「MJ 無線と実験」誌の2017年2月号、3月号に掲載された金田氏発表のDCアンプNo.251超多機能プリアンプを作成しましたが、Mixing IVCを搭載していなかったので対応します。(2020年1月12日)

■コネクタVICの改良(2020年1月2日掲載)←(PDF)
2014年にカートリッジVICに変わるVICとしてコネクターVICを作成しましたが、断線が発生して使用できなくなったので、新たに欠点を改善するコネクターVICを作成しました。(2020年1月2日)

■電流伝送プリアンプの端子追加(2020年1月2日掲載)←(PDF)
「MJ 無線と実験」誌の2017年2月号、3月号に掲載された金田氏発表のDCアンプNo.251超多機能プリアンプを作成しましたが、DAC入力用の端子を付けていなかったので追加しました。(2020年1月1日)

■パワーアンプ⇔スピーカー切替器(2019年11月29日掲載)←(PDF)
1台のスピーカーと複数台のパワーアンプの切替器を作成しました。
3,500円ほどかかりましたが、ネットで調べたら、数万円から高いものは10万円台のものも。

■スミマセン。真空管アンプ作っちゃいました(2019年11月23日更新)←(PDF)
 タイトルに反して、MJ無線と実験の2018年9月号に掲載された岩村氏発表のC3gドライブ300Bシングルパワーアンプを作っちゃいました。

■Mixing IVC 搭載、プリアンプ、パワーアンプ切替IVC(2019年10月26日更新)←(PDF)
 電圧伝送と電流伝送のプリアンプの入力切替、電圧伝送と電流伝送のパワーアンプ、ヘッドフォンへの出力の切替を行うMixing IVCを搭載したIVCの製作を行います。(2019年6月20日)

■NutubeバッテリードライブハイブリッドパワーIVC MK2(2019年9月29日更新)←(PDF)
 「MJ 無線と実験」誌の2018年12月号、2019年1月号に掲載された金田氏発表のDCアンプNo.262 NutubeバッテリードライブハイブリッドパワーIVC MK2 ミドルパワー版をメインシステム用に作成します。
2019年9月までに一通り検討し、主要部品の入手までを完了させる事を第一目標とします。
(2019年6月20日)
 一通り検討が終わり、部品も揃ったので製作に入ります。(2019,年8月11日)

■NutubeバッテリードライブハイブリッドパワーIVC(2019年6月17日更新)←(PDF)
 「MJ 無線と実験」誌の2017年6月号、7月号に掲載された金田氏発表のDCアンプNo.253 NutubeバッテリードライブハイブリッドパワーIVCを作成します。(2019年2月3日)

■電流伝送プリアンプ(2019年1月25日更新)←(PDF)
 「MJ 無線と実験」誌の2017年2月号、3月号に掲載された金田氏発表のDCアンプNo.251超多機能プリアンプを作成します。(2018年12月12日)

■15W無帰還パワーアンプ(2018年12月2日更新)←(PDF)
 「MJ 無線と実験」誌の2016年4月、5月、6月に掲載された安井章氏発表の15W無帰還パワーアンプの作成を開始しました。(2018年6月23日)

  40年以上前のタンゴのトランジスタ用トランスのカタログ←(PDF)

■バッテリー電源BOX(2018年10月28日更新)←(PDF)
 バッテリードライブ用の電源BOXと充電器の作成レポートをします。(2018年9月8日)

■NuTube電流伝送D/Aコンバーター(2019年11月3日更新)←(PDF)

 XMOS XU208 D/Dコンバータ ←(PDF)

  D/Aコンバータ、D/Dコンバータとも完成しました。(2018年6 月16日)
  2017年12月と2018年1月の「MJ 無線と実験」誌に掲載されたDACの作成を開始しました。
  (2018年1月20日)

■USBクリーン給電器(2017年4月15日) ← (PDF)
アクセサリーの作製
■パススルー用バッテリーアダプターの作製レポート(2016年1月9日更新) ← (PDF)
※バッテリー電源の何パターンかの電圧仕様に応じて電池ボックスを作成しなくてよいように、単三電池の形状のパススルー・アダプターを作製しました。(2016年1月9日)
1.D/Aコンバータの作製←クリック
■金田氏設計DCアンプNo.213 超多機能デジタル再生システムの作製レポート(2011年10月4日更新) ← (PDF)
※ミューティングを改良しました。「ボツ!」が「プチ!」になりました。(2011年11月12日)←(PDF)
※電源ON/OFF時のショックノイズを回避するためにPhoto MOSSリレーを使ったミューティング回路を組み込んで完成としました。ただ、OFF時のノイズ除去がまだ完璧ではありません。(2011年10月4日)
■金田氏設計DCアンプNo.196 D/AコンバーターへのBGA&CM回路の組み込みレポート(2011年8月7日更新)←(PDF)
※BGA&CMの組み込み成功です!(2011年8月7日)。大幅に音質が向上しました。

■金田氏設計DCアンプNo.196 D/AコンバーターへのNo.199真空管D/AコンバータおよびみNo.206多機能デジタル再生システムのBZC回路の組み込みレポート(2011年5月8日更新) ← (PDF)
※完成しました。素晴らしい迫力と分解能です。(2011年5月8日) 現在は、MJ無線と実験2011年4月号と5月号で発表されたDCアンプシリーズNo.213「超多機能アナログ&デジタル再生システム」で採用されたBGA&CM回路の組み込みを検討しています。
■金田氏設計DCアンプNo.206「D/Aコンバータ+ヘッドフォン兼用ラインアンプ内蔵,バッテリードライブ 多機能デジタル再生システム」の作成レポート(2011年2月28日更新) ← (掲載終了)
昨今、テレビがデジタル化され一般の人でもデジタルの恩恵を受ける時代になった。CDでなくとも、DVDやTV放送からそれられのソースが多量に供給されている。この音をいい音で聴きたい。こう思い立ち、D/Aコンバータを作製することにしました。(2010/10)
2.プリアンプ/ラインアンプの作成
■安井氏設計無帰還CR型イコライザー搭載ブリアンプの作製(2018/1/1)←(PDF)
MJ無線と実験の2017年6月号、7月号に掲載された安井章氏発表のCR型イコライザーの作製レポートです。(作製開始2017年6月25日 完成2018年1月1日)。
■安井氏設計無帰還CR型イコライザー搭載ブリアンプの作製(2010年)
MJ無線と実験の2009年3月号に掲載された安井章氏発表のプリアンプの作製レポートです。(作製開始2010年6月5日 完成2010年10月3日)。イコライザーのゲインアップ対応(2014年1月11日)

3.パワーアンプの作成
■落合氏設計 全段定電圧電源対応MOS-FETの作成(2013年10月26日)←(PDF)
現システムの主力のパワーアンプはMJ無線と実験の2008 年12 月号及び2009 年1 月号に掲載された落合萠氏のMOS−FETパワーアンプだ。金田氏のアンプもいいが、このアンプ、素晴らしいクオリティであるし、愛着がある。ただ、保護回路が付いていない。このアンプにこれから保護回路を組み込むのも大変なので、MJ無線と実験の2011年2月号から2012年4月号まで計9回の連載(第1回2011年2月号、第2回3月号、第3回4月号、第4回5月号、第5回11月号、第6回2012年1月号、第7回年2月号、第8回2012年3月号、第9回2012年4月号)で掲載された落合 萠氏のMOS-FETアンプをベースに新たに作成することにした。また、1年以上かかるかな。(2012年9月9日)
■バッテリードライブDCアンプ用AC電源−(2013年5月4日)←(掲載終20140502)
電源供給部分+No.209パワーアンプの組み込みを計画していましたが電源供給部分のみ完成しました。本機は、No.209パワーアンプとの電源連動を実現しています。なお、この筐体へのNo.209パワーアンプの組み込みは後回しにすることにしました。これからは、手がつけられなかった落合氏のMOS-FETの作製に注力しようと思います。
■金田氏設計DCアンプNo.209バッテリードライブDCパワーアンプの作成−トランス式−(2012年12月5日)←(PDF)
レタリングを入れ完成としました。(2012年9月30日) サーミスタ回路の定数変更しました(2012/12/5)

金田氏設計DCアンプNo.209バッテリードライブDCパワーアンプ:修理 (2017年6月3日更新)←(PDF)

問題は解決しました。サーミスタの回路の調整を行い完成としました。(2012年10月8日)
Ioの測定をしました。筐体フロントの加工も終わり、ヒューズをはずして配線を整え完成と思ったのですが、問題発生です。(2012年9月9日)
古い高価な石を集めても特性がなかなか揃わない。それより、なるべく新しい安価な石を選別して特性を揃えて作成した方が良いアンプができるのではないかと思うようになってきた(2012年5月6日)
遅ればせながら、MJ無線と実験2010年8月号、9月号に連載されたNo.209 バッテリードライブDCパワーアンプの作成検討を開始しました。(2011年11月12日)
■落合氏設計MOS-FETパワーアンプの作成(2010年5月24日) 電源のCRDの向きの訂正を反映(2012/3/25)
※本アンプは、2009年4月より作成開始。MJ無線と実験の購入時から1年半後の2010年5月に完成しました。30年ぶりのアンプづくりでしたが、無事完成させることができました。(2010年5月24日)

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■システム構成(2019/11/4掲載)←PDF

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☆金田アンプ作成に多用されているアラルダイトが販売中止になっていました。
 こちら→ニチバン企業ニュースリリース 2018年6月27l
      エポキシ系接着剤 アラルダイト® 販売中止のお知らせ(PDF:193KB
   (2019年1月)

☆息子がiPhoneを機種変更したといって古いiPhone6Sをくれた。といっても私が買い与えたものだが。新しいiPhoneに刺さっているSIMカードを一時借用してiPne6Sに挿し、SIMカードを挿した状態で端末を初期化すると、電話系の機能は利用できない、SIMコードがありませんと表示されるなどの制約があるものの、Wi-fi含めたその他のすべての機能が利用できる。電話会社のメールや電話回線経由のインターネットが利用できないので、外出先でいつでもどこでもというわけにはいかないが、PCのインターネットプロバイダーのメールが設定・利用できるので、Wi-Fiで自宅利用に限定すれば全く問題ない。DACの入力がPCだと空冷ファンの音が気になるのでこのiPhoneを使ってみたが、なぜだろう、PCで再生した方が音が良い。ちょっと期待外れ。
下記のミニバナナプラグは、秋葉原で売られているところを見つけた。とても分かりづらい場所に陳列されている。おそらく在庫限りだろう。φ2.5mmだとスカスカで頼りない。φ3mmの方がきつめに装着できてよい。皆が購入できるように大人買いせず、必要数だけ購入。
(2018年9月)
☆金田アンプのリチウムイオン電池に使用するプラグが秋葉原で探していたのだが長い間見つからずにいた。ネットで「φ2.5mm ミニミニバナナプラグ」としたら、検索出来た。台湾製で、取り扱っているのは関西の販売店1社だけのよう。どおりで秋葉原で見つからないはずだ。
この他にサトーパーツでTJ-22G,TJ-33Gという製品が存在していたようだが、現在はカタログに載っていないので既に廃止されたようだ。こういった少し売れ筋から外れた製品が製造されず、出回らなくなるというのは、国力が衰えている証拠かな〜。
(2018年7月)
☆下の息子が大学に行きはじめ、やっと、落ち着いてオーディオに専念できるようになってきた。今まで、暫くポチポチとアンプ作りを行ってきたがやっと本腰入れてできそう。そう思って、ここの所、ネットばかりで買い物をしていたが、ゴールデンウイークでもあり「秋葉原に部品のの買い出しに行くか!」そう思い立ち、秋葉原の外れ、地下鉄末広町前のいつもネットで部品購入していたとあるお店へ。
あれっ?。シャッターが閉まっている?。連休中お休みだっけ?。仕方なく、ちょっとあまり行きたくないが、フィギアのお店ばかりになってしまった駅前のラジオ会館の店舗の方へ。「こっちも休みかな?」大丈夫。営業していた。部品をいくつか購入して帰宅。
ネットで調べたら、なんと、末広町のお店は2016年1月末で閉店!。え〜うそでしょ。通販のホームページには何も書かれていなかったので気づかなかったけど。既に廃止になったトランジスタなどがいつでも購入できるお店はここぐらいしかない。少し前は、「電子立国日本」なんて番組をNHKで放送していたこともあったが、三洋はパナソニックに買収されるは、シャープは外国の企業の傘下に入るはで、電子立国は衰退の一途。「半導体は産業のコメ」なんて言われていた時もあったが、今では、ほとんどの企業が撤退してしまっている。どうなっちゃう日本。どうなっちゃう半導体の自作アンプ。(2016年4月末)
☆2014年6月にPCの外付けで付けていたハードディスクが壊れ、データが殆ど全てなくなってしまいました。復旧ソフトでも救えず、僅かに残っていた印刷物やPDFから再度、元のファイルをボチボチ再作成し、1年が過ぎてしまいました。同じメーカのTV用ディスクも8月に壊れました。もう絶対、このメーカのディスクは買わないぞ。(2015年9月)
☆Fostexのスピーカーを購入しました(2013年7月17日)
う〜ん。ティンパニーが聞こえない。ボリュームを上げると中高域ばかり大きくなる。スピーカーでこうも違うのか。そこで、試しにパソコンから接続してiTuneのイコライザー機能で低域を持ち上げたら大変身。全く大型スピーカと遜色ない音になった。スピーカにネットワーク回路を付けるか今まで省略してきたトーンコントロール回路(アンプ)作るかどうするかな〜。(2013/10/26)

ISO(TANGO)の廃業をMJの2013年8月号で知った。注文は6月28日までとの事で、時既に遅し・・・。
☆今週(2012年11月20日)会社が残業するなというので、久しぶりに秋葉原駅前のラジオ会館の2Fにある販売店に行ったら、お店が半分に縮小しており、フィギアのお店の準備が進んでいた。また、先月40年ぶりに長野県の上諏訪に行く用事があったので行ってみたら、駅前のデパートが閉店していて全く活気のない街になっていた。どこもかしこも景気が衰退しているのを肌身に感じる。海外のギリシャやスペインだけではない。日本も経済がおしくなっているのが目に見えてわかる。あー。サンハヤトのレタリングシートももう在庫が無いみたい。

☆私が真空管アンプを作らないのは、部品の単品価格が高いから。真空管、トランスと1つ数万円もする部品をおいそれとは買えない。トータル金額は同じでも、1回の買い物は数千円まで。トランジスタは、数十円から数百円で買える。毎週、毎月、部品を買いながら集めてゆくのが楽しい。毎回、最後に値が張るケースとトランスを買って、作製を開始する。

http://myaudio.sakura.ne.jp/



▲△▽▼

2008年11月08日
金田式 VS 安井式、雑感(13年前の書込)
https://ja1cty.at.webry.info/200811/article_3.html


真空管アンプ
ネットサーフィンをしていて、古い知人に巡り会いました。彼は、昔、流行ったパケット通信の書込み内容を保存していてWebに公開しています。その中に私が13年前に書き込んだ記事がありましたので以下に再掲します。

---------------------------------------------------------------
To: AUDIO @JPN
Subject: 金田式 VS 安井式、雑感
From: JA2DHC
Date: 15-Aug 95 11:01:00
Message-Type: B
---------------------------------------------------------------
金田式DCアンプの話題で盛り上がっていますが、私は同じ頃、雑誌によく書いていた安井章氏の記事の方が好きでした。 この二人は意見が衝突し、誌上討論会なども行なわれました。 私としては回路理論では圧倒的に安井氏が優れていたと今でも思っております。 ただ、安井式は、基板製作から行なう必要があるため蛇の目基板を使う金田式の方が自作する人が多く、評判は良かったようです。

私は安井式A級15Wx2アンプを始めて鳴らしたとき、これで真空管アンプの時代も終わりだなと思いました。 ただし、この時は211のアンプを持っていなかったのです。 その後211のアンプを作り、辛うじて真空管アンプの優位性を保ったのでした。

安井式もDCアンプ構成ですが、金田氏が「DCアンプ」の名前を使うのにクレームをつけたので使わなくなったのが実情です。 当時のMJを全部読んでみればわかります。

安井氏が提唱したTP歪み(Transient Phase歪み)理論はそれまでにないユニークなものでした。 氏は言及していませんでしたが、私がこれを読んだ時、真空管アンプが音がいいと言われるのはTP歪みが少ないせいだと、直感しました。 最近このフィールドで真空管と半導体の違いは電流が真空中と個体中を流れる違いだけと言う意見がありました。 私はそれだけとは思いません。 半導体は電極電圧の変化に伴って電極間容量が変化しますが、真空管はほぼ一定です。 この特性によりTP歪みが出にくくなります。

以上、25年くらい前を思い出しながら書いていますが、最後に印象に残っている記事のライタを以下に示します。 皆さんそれぞれ思い入れがあることでしょう。

真空管の部
武末数馬 : 言わずもがなの真空管アンプの大御所

辰口 肇 : 本当のアマチュアらしく、原稿料かせぎでなく、自分のための最良のアンプを追及した人

落合 萌 : シンプルな回路でFBな音のアンプを数多く発表した

森川忠勇 : 膨大な数の記事を残した。 駄作も多かったが有効な記事も多かった。 日本で真空管アンプがこれほど生き延びたのは 氏の記事の影響が大きいと思う

藤本伸一 : 数年前にパケットに出てこられたようです

半導体の部
前記 2名(安井氏、金田氏)
窪田氏(名前を忘れました): 終段無帰還アンプなどメーカー製にない 独自の回路を研究
桝谷氏(名前を忘れました): 論評を控えます

’73 de JA2DHC/1 大橋、(JL1ZNDシスオペ)

[End of Message #63308 - from JA2DHC]

https://ja1cty.at.webry.info/200811/article_3.html

 

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コメント
1. 2020年9月03日 10:40:06 : jvGCu7fHGg : Lmp2RC5rUmZuMjI=[8] 報告
2020年07月06日
安井章氏が亡くなっているようだ


OCLアンプ、2SC1000使用のプリアンプなんてのでお仲間と、徒党を組んで競い合っていた頃の、雑誌で見るリーダー格だった。 

物言いがうっとおしい金田氏の登場で、益々面白くはなったが、回路理論で論理に破綻を来しがちだった金田氏を疎ましく思ったものだ。

真空管アンプの素晴らしさを知り、無線で混変調の理論的裏付けもあったことから高次成分が多い半導体を忌避することになり、仰ぎ見る先輩は浅野勇氏になっていった。 

2A3 AB1級PPで2A3が疲弊していく様を見、また、非力な71A A級PPに完全に負ける経験を経て、A級PP動作に落ち着き、オーディオ再開後、独立点火に舵を切った。 

とまれ、過渡応答特性に切り込んだセンス抜群の安井章氏は忘れがたい恩師であり、逝去の報に接し寂しさを拭えない。 すぐじゃ困るけど、そのうち、会いに行きますって。
https://smcb.jp/diaries/8292659

2. 2020年9月03日 10:43:07 : jvGCu7fHGg : Lmp2RC5rUmZuMjI=[9] 報告
2020 年 6 月 14 日
コロナウィルス騒ぎで自宅で過ごす時間が増え、アンプ作りより音楽を聞くことに比重を移して日々過ごしていたが、MJ 無線と実験2020年7月号で安井章氏の訃報を知り、安井氏が発表された何かを作ろうと思い立った。

遺作は 35W パワーアンプだと思うが、近年 15W パワーアンプを製作したので 2018
年 11 月号、12 月号で発表された無帰還ディスクリートコントロールアンプを作成することにした。


無帰還ディスクリートコントロールアンプ作成レポート(2020年8月15日更新)
http://myaudio.sakura.ne.jp/CR%E5%9E%8BEQ+Control%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%97.pdf

趣味の自作半導体アンプ
http://myaudio.sakura.ne.jp/

3. 2021年3月20日 12:57:30 : LRGR9xOt0w : SElKY3RQejZJUFE=[24] 報告
株式会社若松通商 / products_view
オーディオ・組立キット > TR&FETメインアンプKit
https://wakamatsu.co.jp/biz/user_data/products_view.php?cate_id=4912


9120003 MJ 6月号1000号記念安井先生設計 Powerアンプ (30Wx2) 
BTL部品一式/FETPow基板、SP保護牙基板 ,トランス、ケース、放熱板、コンデンサー部品一式
\110814


49120004 Powerアンプ基板  30Wx2 1組 PowTR/PowFET付き
MJ 6月号1000号記念安井先生設計 BTL
2SK1529/2SJ200 2SC5198/2SA1941 各2組付
\45630


49120005 保護回路基板 2枚   1組
MJ 1000号記念安井先生設計 BTL 
\9625


49120006 電源基板出力用
MJ 1000号記念安井先生設計 BTL 
改良のため回路及び部品の変更がございますご了承ください
\3422


49120007 電源基板、前段用
MJ 1000号記念安井先生設計 BTL 
改良のため回路及び部品の変更がございますご了承ください
\5668

49120008 トランス PT6070
MJ 1000号記念安井先生設計 BTL 
改良のため回路及び部品の変更がございますご了承ください

4. 中川隆[-5652] koaQ7Jey 2021年4月16日 13:14:25 : mV2k7WRgio : MGYvb2xWOERxY0k=[22] 報告
Date: 1月 25th, 2021
日本のオーディオ、これまで(技術の植民地)
http://audiosharing.com/blog/?p=34008


昔もいまもそうなのだが、多くのオーディオマニアは、
日本製のスピーカーよりも海外製スピーカーをありがたがる傾向がある。

こんなことを書いている私自身もそうである。
そうであっても、トータルの音ではなく、
これまで日本のオーディオメーカーがスピーカー開発にかけてきた技術力は、
そうとうなものだった、と思っている。

スピーカーユニットの振動板の素材開発にしてもそうだし、
ユニットの構造もさまざまなものが登場してきた。

測定技術においてもそうだった。

いま海外メーカーが、技術的メリットを謳っていることの多くは、
ずっと以前に日本のメーカーが実現していたことだった。

なのに、そんなことをすっぽり忘れてしまっているオーディオマニアがいる。
若い世代のオーディオマニアならば、
そういった日本のスピーカー技術をよく知らないだろうからしかたないが、
私と同世代、上の世代においても、忘れてしまっているのか、
もともと興味がなくて調べることすらしなかったのか、
どちらにしても、その人が好きな海外メーカーのブランド名をあげて、
ここはすごい、といっている。

その技術は、ダイヤトーンがとっくに実現していましたよ、と返しても、
知らない、という。自分の知らないことは事実ではないような顔をする人もいた。

そんな人がえらそうことを若い世代に対して語ったりするのか。
そんなことも思うのだが、そんな人のことは実はどうでもいい。

欧米のオーディオメーカー、特にヨーロッパのメーカーがうまい、と感じるのは、
そんなふうに日本のオーディオメーカーが開発した技術を、
こなれたころになってうまく利用しているところにある。

1970年代から1990年代にかけての日本のオーディオメーカーは、
その意味では海外のオーディオメーカーにとっての技術の植民地といえるのではないか。
http://audiosharing.com/blog/?p=34008

5. 2022年2月21日 02:39:55 : M6aJ9KpIjE : eUlLN3VCdG5YSFE=[6] 報告
安井式電源フィルターのお話
http://nontroppo2010.web.fc2.com/etc_tips.htm


安井章さんがMJ誌上で何度か取り上げられている電源フィルターが作りやすい上に音が良いように思い、常用しています。(私の自作品のほとんどに使っています。)

安井式電源フィルター図 安井式電源フィルターの図

作り方を知りたいという方がいらっしゃいましたので、ここで取り上げることにします。 
材料:
    コア:    アミドンのFT-114-#43
    配線材:   テフロン被覆銀メッキ線 (線径0.8mm)
    コンデンサ: 0.1uFのフィルムコンデンサ
    抵抗:    12〜16オーム 1W以上?
    基板:    適当

 抵抗は、いろいろ試してみましたが、わりと安いのでも良いんじゃないかと思います。 抵抗値は、最初13オームだったと思いますが、発表のたびに徐々に増えて、手元にある記事の中では16オームになっていますから、厳密でなくとも良いのではないかと思います。耐圧も1Wでトラブッたことはないですが、何となく2〜3W位を使ってます。 コンデンサもあまりこだわってません。 材料はすべて秋葉原の東京ラジオデパートおよびその周辺で調達しています。
 図のように、コアに左右対称になるようにテフロン被覆線を14回巻きます。 ACラインの2本の線のそれぞれがコイルにつながりコイルの出力側に抵抗とコンデンサを直列にしたフィルタが入ります。
 私はこのフィルターをSWとヒューズの後、トランスの前に入れています。 トランスを複数に分ける場合、それぞれのトランスの前に入れた方がより効果的かもしれませんが比較したことないです。


続いて青木式シャント電源のお話

 私が多用しているためか、回路図を教えてほしいと御要望の声があります。 青木さんはこの回路の著作権を放棄されてはいないと思いますので、それをお断りした上で、私の理解している範囲でご紹介したいと思います。
 この回路は、シャントレギュレータによる定電圧回路に供給する電源をFETによって定電流化するというものです。 基本形はこうなります。

基本形:正出力図 基本形:正出力

 出力電圧は、Vout = 2.5x(1+R1/R2) で求まります。 例えば、5Vが欲しければ、R1 = R2 = 1KΩ、3.3Vが欲しければ、R1 = 240Ω、R2 = 750Ωとなります。
 実際には、部品による誤差もありますから作ってみて、抵抗値を調整することもあります。 ここでコンデンサの値は適当・・・ 耐圧が許されるなら、私はセラミックコンデンサの10μF位を使うのが好きですが、通常のケミコンでもフィルムコンでも悪くはありません。 抵抗値をどのくらいにするかも、適当です。 私は何となくR1を750Ωにして計算することが多く、それでちょうどいい相方がないときには、1KΩとしています。 Vinとして与える電圧はVoutより3V以上高い値としますが、やみくもに高い値だと効率が悪いし発熱するしで大変です。
 また、FETを使う理由は定電流ダイオードよりノイズ的に有利だからで、ローノイズタイプのJFETなら2SK170でなくとも構いません。 ただし、Voutの電流は、当然このFETに流れる電流より大きくはとれない訳で、この図の例だと2SK170BLの6-10mA程度ということになります。 これでは、必要な電流に足りないという場合、FETをパラに接続します。

パラレル:正出力図 パラレル接続:正出力

 FETを無限に繋げばいくらでも電流が増やせる訳でなくシャントレギュレータの電流耐圧は守らなければなりません。 TL431の定格は100mAとなってますが、私は安全を見て、50mA位を限界としています。 このくらい電流が取れればデジタルチップの多くは十分です。 デジタル回路の電源はハイスピードであるにこしたことはないので、この方法が理想だと思いますが、当然アナログ回路、特にアンプ等ではこんな小電流では足りません。 そこで、この定電圧回路でリップルフィルターを駆動することにより大電流を供給することも可能となります。

リップルフィルタ:正出力図 リップルフィルター駆動:正出力

 トランジスタのベースに入っている100Ωは発振防止用で厳密な値ではありません。あまり大きくしすぎなければ大丈夫だと思います。 VoutはトランジスタのVBE分電圧降下があるので、シャントレギュレータの出力電圧は0.5-0.6V位高い値とします。 例えば5V出力を狙うなら、R1 = 1.1KΩ、R2 = 1KΩ。 ただし、出力段のトランジスタによりVBEは違いますから作ってみて調整します。
 さて、負電源ですが、基本的には正電源の回路を逆さにして使います。 基本形はこうです。

基本形:負出力図 基本形:負出力

 実際に作る時あわててFETの接続法を逆にしないように注意が必要です。 私はよく逆に繋いでしばらく悩むことがあります。
 そして、リップルフィルタ接続はこうなります。

リップルフィルタ:負出力図 リップルフィルター駆動:負出力

 以上、ご参考になれば幸いです。

 なお、出川式電源についてのお問い合わせもありますが、あれは特許も取られ、商業化されていますので、この場で解説するのははばかられます。  プラクトサウンドシステムさんのHPに出川先生の発表論文が掲載されており、実験してみるのに必要な情報は載っていますので、そちらを参考にしてください。

http://nontroppo2010.web.fc2.com/etc_tips.htm

6. 2022年6月15日 14:14:50 : XnEFT48qKI : SWI4NmlPeThSMEE=[1] 報告

「音楽&オーディオ」の小部屋
「安井式プリアンプ」にまつわるお話
2022年06月15日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/a1da1007746f008a24a7ad0e29a87690


前回のブログ「我が家のベストサウンド」で「安井式プリアンプ」を取り上げたところ、さっそくメル友のMさん(関西)からお問い合わせがあった。(無断掲載お許しください)

「度々登場する安井式(惜しくも一昨年永眠されてしまいましたね!)プリアンプの件で教えてください。
このプリアンプはCR型イコライザー搭載6球プリアンプと題されたものでしょうか? このフラットアンプ部分だけでしょうか?

掲載は、無線と実験の2001年1月号でしょうか?
○○さんのお気に入りのプリアンプなので、真似したいです。
出来ましたら、内部の写真なども参考にさせていただきたいのです。MJ誌のコピーでなく電源部がかなりこだわって造り込んでいるのではと想像しております。では、よろしくお願いいたします。」

そこで、さっそく「安井式プリアンプ」の製作者Mさん(大分市)に問い合わせてみた。

「はい、確かに参考にしたのは無線と実験の2001年1月号です。まだ持ってますよ。あまりにも素晴らしい音質だったので、今でも愛用しています。あなたにお譲りしたのは(レコード再生部分を除いた)フラットアンプ部分だけを製作したうえで電源部の補強などをしています。

あれは、たしか退職する直前でしたか東京出張の機会があったので安井さんのご自宅に一度お伺いしたことがあります。とても清貧な佇まいでしたが、実に気さくな方で2時間ほど懇切丁寧に応対していただきました。

さすがにアンプ製作者だけあってとても几帳面で緻密な方という印象を受けましたよ。当時の記事の中に、ご訪問を受け付けますとあったので、ダメ元で日程調整のメールを出したところ、意外にもOKの返事がありました。90歳で永眠されましたね。残念です」

で、この件を踏まえてMさん(関西)に送信したところ次のメールが入ってきた。

「安井氏にお会いできたとは良かったですね!安井氏はノウハウを個人がメールしても包み隠さず答えていただいた方でした。」

「安井式プリアンプ」については、半年ほど前にもどなたかからメールで「製作依頼してもらえないでしょうか」と、問い合わせがあったばかり。

どうやらいまだに人気衰えずといったところだが、たしかに我が家のプリアンプ3台のうちでも図抜けた存在で、つい最近手に入れた真空管「13D3」(英国BRIMAR=STC)を「12AU7」(2本)と入れ替えたところ、さらに音に磨きがかかってまったく不満のない状態が続いている。

お人柄がアンプの音質に反映されているのかな(笑)。

で、Mさん(関西)のご要望に応えてプリアンプ内部の写真は次のとおりです。

電源部の補強、さらには絶縁度の向上を図るため「マイカコンデンサー」をパラっており、ボリュームは「東京光音」製に変更しています。

それにしても、真空管アンプの製作者はどちらかといえば細かいノウハウを秘密にしたがる方が多いように見受けられる。

まあ、営業上の秘密ということで「墓場まで持っていく」ということなら仕方がないが、別に商売をしていない方なら気軽にオープンして関係者を喜ばせてあげればいいのにと思ってしまうが「ノウハウなんて簡単に喋ったり文章化できるものではない」というのが本質でしょうかね(笑)。

「肝心なことは目に見えないんだよ!」(「星の王子さま」サン=テグジュベリ)

最後に、遅ればせながらこの機会を通じて真空管オーディオの発展に寄与された「安井」氏のご冥福を心から祈ります。私も貴重な遺産に恵まれて大助かりです。

合掌

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/a1da1007746f008a24a7ad0e29a87690

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