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中小零細を淘汰するインボイス制度 ありもせぬ「益税」やり玉に500万免税業者を搾る
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1284.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 11 月 14 日 15:46:00: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 自動車価格はこの20〜30年で1.5〜2倍に上がっているが、物価はほぼ同じ、賃金は下がっている 投稿者 中川隆 日時 2021 年 9 月 17 日 16:35:18)

中小零細を淘汰するインボイス制度 ありもせぬ「益税」やり玉に500万免税業者を搾る 
2021年11月13日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22080


 消費税をめぐり、2023(令和5)年10月1日にインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入される。年間の課税売上が1000万円以下のフリーランスや個人事業主、一人親方など、これまで消費税の納税を免除されてきた事業者も課税事業者にならなければ取引先を失う可能性が高く、課税業者になれば消費税の支払い義務が生じるため、どちらを選択しても経営は厳しくなる。10月から登録事業者の募集が始まっており、国税庁は登録事業者名を公表するサイトも立ち上げているが、現時点で「インボイス制度って何?」という事業者も少なくない。コロナ禍による経済的な影響が飲食店などから建設業や製造業へとじわじわと広がるなか、中小零細企業の後押しをするどころか、零細企業を淘汰する施策が実行されようとしている。

 10%に増税された消費税。最終的には消費者が負担するものだが、納税はあいだに立つ事業者がかわっておこなっている【図@参照】。A社から100円で商品を仕入れたB社はA社に10円の消費税を支払う。B社が消費者に200円で販売して20円の消費税を受けとった場合、B社が納税する消費税は、受けとった20円から仕入れのさいに支払った消費税10円を差し引いた10円だ。この支払った分を差し引きするのを「仕入税額控除」という。

 インボイス制度の導入は、この仕入税額控除の仕組みを大きく変更するもので、消費税導入以来、最大の改定ともいわれている。変更されるのは、仕入れ先から登録番号が記載された「適格請求書(インボイス)」を受けとらなければ、仕入税額控除ができなくなるという点だ。そして、適格請求書を発行できるのは税務署に登録した登録事業者(課税事業者)のみだ。かりにB社が免税事業者から仕入れをした場合、適格請求書が発行されないので、仕入れのさいに支払った10円を差し引くことができず、20円を納税しなければならなくなる。

 そうなった場合に想定されるのは、B社が「免税事業者から仕入れると納税額が大きくなるから、課税事業者から仕入れよう」と考え、取引先を適格請求書を発行できる課税事業者に変更する、もしくは課税事業者になるよう要求することだ。免税事業者のままでいると、取引の枠からはじき出される可能性は高まる。

 というのも、課税事業者にとって消費税はもともと大きな負担になっているからだ。年商約7000万円のある企業の場合、消費税の納税額は仕入税額控除があっても400万円をこえるという。約1カ月分の売上に相当する額だ。「“消費者から預かっている分だから、使わないでとっておくのが当然”というのは、経営を知らない人のいうきれいごと」「実際に法人化してみると、みんなが“消費税を残しておくなんて無理”といっていた意味がよくわかる」など、企業経営にたずさわる人々はみなが口をそろえていう。

 そんななかで、仕入税額控除ができないとなると、免税事業者から仕入れてわざわざ負担を大きくすることは考え難い。免税事業者が取引を継続するには、登録事業者(課税業者)となって消費税を納税するか、控除できない分、商品を値引きして販売するか、といった対応を迫られることが想定される。

幅広い業種に影響  取引停止の可能性も

 比較的規模の大きい法人(課税事業者)は、すでに登録番号を申請したり、取引先に免税事業者がいないかどうか(適格請求書の発行を受けられるかどうか)などを確認するなどの準備を始めているが、多くの事業者はインボイス制度の概要を確認している、もしくは制度導入を知らないままといった状況にある。制度そのものも、国が確定した外枠が示されているだけで、具体的な事例ごとにどのような対応がなされるかはあいまいな部分が多く、「税務署に問い合わせても、“国税庁のQ&Aを見てください”といわれるくらい」「これからだんだん具体的なケースについての対応が定まってくるような感じだ」と企業関係者の間では語られている。

 現時点ではっきりしているのは、インボイス制度が関係するのは、事業者同士の取引の部分(個人消費者のみを対象に販売をしている小売業などへの影響はない)だということだ。免税事業者はおよそ500万といわれており、フリーランスを含む個人事業主の約75%を免税事業者が占めていると想定されている。国税庁はインボイス制度の導入によって法人も含めると370万人以上が課税事業者に移行すると試算しており、財務省は導入による税収増は2480億円にのぼると試算している。対象業種は、個人タクシー、演劇、映画、出版関連、イラストレーター、音楽・英語教室、生命・損害保険代理店、一人親方などさまざまな業種があげられている。

 具体的にどのような事業者に影響が出るのだろうか。税理士などに尋ねてみると、考えられるのは、たとえばスーパー(課税事業者)に直接魚を販売している漁師、建設業の一人親方(外注費や委託料には消費税がかかっている)、同じく鉄工所などに一人親方として入っている人にも影響が出るという。

 建設業の下請で考えた場合、元請から適格請求書の発行を求められることになる。免税事業者のままなんの対応もしなければ、下請からはずされる可能性がある。課税事業者になって消費税を納めるか、元請が控除できない分、値段を引き下げる(たとえば一日2万円+消費税2000円で受けていた仕事を2万円で受けるようにする)といった選択が迫られることになり、どの選択をしても減収は避けられない。建設業界や鉄工業界などでは、こうした一人親方が多数いるといわれている。建設業関係者は「年配の一人親方の場合、これを機に引退を考える人も出てくるのではないか」と指摘する。建設業界はただでさえ人手不足で、経験を持ったベテランの職人が引退していくことは業界にとっても痛手だ。

 また、タクシーや飲食店、文房具などの小売店の場合でも、取引先への手土産を買う、出張先でタクシーに乗る、居酒屋で忘年会をする、接待で居酒屋を利用する   といった会社の経費で支払いを受ける場合、「適格請求書を発行してほしい」といわれる場合が考えられるという。

例外はわずか5点 増加したフリーランスを直撃

 国税庁のQ&Aに例外としてあがっているのは、

@3万円未満の公共交通機関(船舶、バスまたは鉄道)による旅客の運送
A出荷者等が卸売り市場においておこなう生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売りの業務としておこなうものに限る)
B生産者が農業協同組合、漁業協同組合、森林組合などに委託しておこなう農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずにおこなうものに限る)
C3万円未満の自動販売機および自動サービス機によりおこなわれる商品の販売等
D郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る)


 以上の5点だ。個人事業主が大半の漁業者や農業者の場合、市場などに出荷する場合は例外として扱われるが、直接取引の部分ではインボイスへの対応が迫られる可能性は否めない。

 さらに深刻な問題となっているのが、「多様な働き方」として推奨されてきたフリーランスへの影響だ。プログラマーなどのITエンジニア系、Webデザイナーやグラフィックデザイナー、イラストレーター、音楽家、カメラマン、Webライターやフリーランスの編集者、ブロガー、接客系でもスポーツトレーナーやコンサルタントといった多種多様な業界でフリーランスで働く人が増加している。コロナ禍で拡大してきたウーバーイーツの配達パートナーもフリーランスの一つだ。ITエンジニアなどで一部に1000万円以上を稼ぎ出すフリーランスもいる一方で、大半のフリーランスは1000万円以下。平均年収が300万〜400万円といった業種も少なくない。

 大企業が雇用責任を負うことなく労働力を調達でき、不要になれば簡単に契約を打ち切られるフリーランスは、自民党政府が進めた働き方改革のなかで増加したが、失職しても休業手当がないなど社会補償が極めて薄い業態でもある。

消費税分を価格転嫁できぬ零細業者

 インボイス制度は2019年の消費税増税で軽減税率が導入されたことにともなって導入が決まった。しかし、その本当の狙いは、こうした零細の免税事業者からきっちりと消費税をとり立てることにほかならない。

 免税事業者は、消費税を支払う義務はないが、商品を販売するさいに消費税分をかけた代金を受けとることが認められている。これが「益税だ」と非難される部分だ。だが、税なしで取引している事業者もいるし、課税事業者は仕入れにかかった消費税が売上の消費税額より大きい場合は還付を受けられるが、免税事業者はその場合自腹で支出せざるを得ない。そもそも零細である免税事業者は消費税分を価格に転嫁できていないケースも多々あるのが現実だ。そんなあるかないかわからないような「益税」を目の敵にしてとり立てようというのだ。

 消費税が大企業の法人税の減税、高額所得者の所得税の減税に充てられてきたのは周知の事実だ。過去最大の内部留保をため込み続けてきた大企業は放置したまま、零細事業者のなけなしの売上からとり立てるのがインボイス制度であり、このまま導入されれば、大企業の末端を支える零細事業者がバタバタと倒れかねないものとなっている。  

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コメント
1. 2021年11月21日 16:08:30 : DfWLM8FXvA : a3duYW1jOVYzc2c=[25] 報告

免税事業者に「益税」あるのか? 詐欺的なインボイス導入理由 「預かり金」ではなく「対価の一部」
2021年11月20日
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22125

鉄工所で働く一人親方もインボイス制度の対象となる

 自民党政府が2023年10月から導入しようとしている「インボイス制度」(事業者が仕入れ等のさいに取引先から適格請求書を受けとらないと仕入税額控除が受けとれず、消費税の納税額が増す制度)について、政府与党は年間売上1000万円以下の免税事業者が消費者や取引先から消費税分のお金を受けとりながら納税義務がないことを「益税」としてやり玉の対象にあげ、これを是正するためのインボイス制度であると説明している。実際に「益税」なるものが存在するのか? について見てみた。

 インボイスを推進する政府側の主張については、「維新の会」の生みの親である橋下徹元大阪市長が、衆院選の開票日(10月31日)のテレビ特番で、同制度に反対するれいわ新選組代表の山本太郎(現衆議院議員)に対して放った言葉が代弁している。

 橋下徹は「事業者の皆さんは本来納税しなきゃいけないのに、いま実質(年間売上)1000万(円以下)の方々は免税となっている。消費者、サラリーマンの方は源泉徴収で一銭たりとも税金をもらすことは許されない。そういうサラリーマンの方々が事業者に預けている消費税をインボイス制度で納税するのは当たり前」「税金の不公正を正すのが政治の役割だ。預かっている税金をある意味ポケットに入れてもいい、一生懸命インボイス廃止だなんていうことは、多くのサラリーマン、納税者をバカにしている」などと批判した。

 これに対して山本太郎は、「間違った誘導はやめるべきだ。年間売上1000万円以下というのは小規模事業者、零細企業だ。フリーランス、一人親方の人々だ。500万免税事業者の方々が、自分たちの生活を圧迫しながら生きているなかで、そこに消費税まで乗せたらどうなるのか」「(売上)1000万未満の方々に消費税を乗せたら、価格として消費税を乗せられない人もいっぱいいる。小規模の事業者たちは自分たちで背負っている」と返した。

 橋下の主張は、政府が「複数税率制度の下で適正な課税を確保するための仕組み」とするインボイスの導入理由を具体的に説明したものだ。

 だが、免税事業者が受けとっている消費税分は、本当に消費者からの「預かり金」なのか?

 年間売上1000万円以下の中小零細事業者に対する免税措置は、消費税を導入するさい、国が中小零細事業者の反発を抑えるためにもうけた「事業者免税点制度」によるもので、国税庁は「小規模事業者の納税事務負担等に配慮」したものと規定している。

 かつてこれを「免税事業者によるピンハネ」などとして起こされた裁判で、東京地裁は「消費者が事業者に対して支払う消費税分はあくまで商品や役務の提供に対する対価の一部としての性格しか有しない」とし、「事業者が、当該消費税分につき過不足なく国庫に納付する義務を、消費者との関係で負うものではない」との判決(1990年3月26日・確定)を下している。

 そもそも消費税は、たばこ税や酒税等と同じく、消費者は納税義務者ではなく、事業者も徴収義務者ではない。納税義務者は事業者であり、「間接税」という建前とは裏腹に、実質は事業者に対する直接税という性質のものだ。そのため国税庁自身も「法的な観点からは、消費者からの預かり金というような性格を有しているものではなく、その実質は、単なる商品・役務の対価の一部であるというべき」との見解を示している。

 ところが、実際に取引や事業をおこなうときには、売上や経費、最終損益自体もすべて税込み額でなければならず、それをベースにして法人税や所得税等の課税額が計算される。国の指導にもとづき、免税事業者であっても課税取引である以上、取引価格(商品やサービスの対価)のうちの10%は否応なく「消費税」として表記することが求められる。対価に消費税を上乗せして請求しているのではなく、対価の一部が帳簿上、消費税分として計算されているだけに過ぎないのだ。

 「預かり金」でもなく、会計上、対価の一部を「消費税分」として処理することが求められるために生まれる誤解を既成事実化し、「益税」などといってインボイス導入の理由にしていること自体が詐欺的といえる。政府がインボイスについての公式な答弁書で「益税」などとはいわず「適正な課税を確保するため」としかいわないのはそのためだ。

 取引価格はあくまで需要と供給、取引先との力関係で決まるものであり、価格決定権を持たない多くの中小零細事業者は、どれだけ消費税が上がっても消費税分を価格転嫁(値上げ)できない。2019年に中小企業家同友会が実施したアンケート調査では、3400社のうち半数超が消費税増税分を価格に「上乗せできない」と答えている。免税事業者であっても材料や設備などの仕入れでは消費税分も支払っており、売上からは消費税納税義務はないものの仕入税額控除もなく、仕入額が売上を上回った場合の還付も受けられないため、消費税が上がるたびに身を削りながら商売をしているのが実態なのだ。

 さらに消費税は実質上、事業者の付加価値(社会保険料を含む人件費+利益)に対してかかってくる税であるため、多くの業者が人件費を抑制するために労働者を直接雇用せず、仕入れと同じく税額控除が受けられる外注(一人親方やフリーランス、派遣業者への委託)にすることで利益を確保しようとする。それを促すために政治主導による「働き方改革」や派遣法の緩和がおこなわれ、より低賃金で社会保障の薄い労働形態が増えてきたにもかかわらず、そこからさらに搾り取るというのがインボイス制度にほかならない。

国税滞納の4割占める消費税 廃止こそが解決策

 インボイス制度導入後は、事業者間で取引する場合、税務署に申請して取得する登録番号付きの「適格請求書(インボイス)」が発行されなければ、取引企業はこれまでのように消費税の仕入税額控除を受けられなくなるため、免税事業者との取引を続けることは負担が増す。

 適格請求書は課税事業者しか発行できないため、建設業や鉄工所などの一人親方、近年増加したフリーランスなど年間売上1000万円以下の免税事業者は、課税業者となって消費税を納めるか、あるいは商品やサービスの価格を消費税分下げなければ取引ができなくなる可能性が強まる。それは経済的にも事務的にも膨大な負担を強いることになるのは必至で、全国的に中小零細事業者を淘汰する政策以外の何物でもない。

 消費税は課税業者にとっても重いものとなっている。税滞納のなかで消費税は最優先で徴収されるものであるにもかかわらず、国税庁が発表した2020年度末の国税滞納残高(8286億円)のうち4割が消費税の滞納(3245億円)となっている。そのこと自体、税制としての破たんを物語っている。

 さらに消費税の滞納残高には年率8・9%の延滞税が課され、雪だるま式に借金が増えていく仕組みであり、これらの税滞納があると銀行からの融資も受けづらくなる。そのため、事業が黒字でも消費税が払えないために倒産するといったケースが後を絶たない。

 輸出に頼る大企業は膨大な消費税の還付を受けられるが、あいつぐ消費税の増税で国内消費は落ち込み、売上も所得も減り、25年間のデフレ不況が続く元凶となってきた。日本社会の屋台骨を支えてきた中小零細を軒並み淘汰するインボイスを含む消費税そのものを廃止することこそが唯一の解決策といえる。

https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22125

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