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「鳥の目」を持つウクライナ軍の榴弾砲、ロシア軍の戦車を狙い撃つ
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1593.html
投稿者 中川隆 日時 2022 年 5 月 17 日 12:49:01: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 戦局を変えた“ドローン” 投稿者 中川隆 日時 2022 年 5 月 03 日 16:41:23)

2カ月で劇的に向上、ロシア軍を苦しめるウクライナの正確無比な砲撃能力
「鳥の目」を持つウクライナ軍の榴弾砲、ロシア軍の戦車を狙い撃つ
2022.5.17木村 正人
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70137


[ロンドン発]英国防情報部は5月13日、「ウクライナ軍は東部ドンバスで試みられたロシア軍の渡河作戦を阻止した」とツイート。ルガンスク州の主要都市セベロドネツク西方でドネツ川を渡ろうとしたロシア軍は1個以上の大隊戦術群(BTG)の装甲機動部隊と、舟の上に板を敷いて渡る「舟橋」の装置を失ったと指摘した。

https://twitter.com/DefenceHQ/status/1524979878654840833

ロシア軍の渡河作戦を阻止
 筆者は4月27日に「英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)」で開かれた欧州大陸の渡河作戦に関する会議に終日参加したので、作戦の難しさが少しは理解できる。戦場全体に高性能センサーが普及し、精密な砲撃が可能になった今、橋頭堡や舟橋はこれまで以上に危険にさらされている。ロシア軍のウクライナ侵攻でその難しさが改めて浮き彫りになった。

 河川は国境を形作る自然の障壁だ。何世紀にもわたり渡河作戦の遂行能力が戦争の行方を決してきた。機械化戦争の時代に重視された渡河速度も主要国家間の戦争が激減したことで重要性が低下した。冷戦終結に伴い北大西洋条約機構(NATO)は渡河作戦の遂行能力を失い、水陸両用車の開発もほとんど行われなくなった。

 英国防情報部は「争いのある環境で渡河作戦を行うのは極めて危険であり、今回の失敗はロシア軍司令官がウクライナ東部での作戦を進展させるために受けている精神的な圧力を物語る」と分析する。SNS上では5月9日にすでに、ドネツ川を渡ろうとするロシア軍をウクライナ軍が攻撃し、舟橋やタグボート、戦車を破壊した衛星写真が投稿されている。


https://twitter.com/UAWeapons/status/1523752742820343808

この2カ月でウクライナ軍の砲撃能力は向上した
 5月13日にはウクライナ軍の旅団がフェイスブックに「戦車など装甲車両数十両と舟橋が破壊され、ロシア軍の渡河作戦は失敗した。彼らが残した無線局や擲弾発射器などの武器を接収した」と衛星写真を添えて報告している。米シンクタンク、米戦争研究所(ISW)はこの渡河作戦の失敗をこう総括している。

 ロシア陸軍の第74自動車化狙撃旅団は3月8日に北部チェルニーヒウ州のデスナ川で渡河作戦を実施したが、失敗しなかった。今回、同旅団の550人がドネツ川を渡ろうとしたのに対し、ウクライナ軍は5月11日、舟橋を破壊し、立ち往生する同旅団に集中砲火を浴びせた。戦車など装甲車両80両以上が破壊され、死者は485人を数えた。

https://twitter.com/Blue_Sauron/status/1524742847664173057

 ISWは「ロシア軍はこの2カ月でウクライナ軍の砲撃能力の向上がもたらす危険性を認識できなかったか、単に無能か、部隊を統制できなかった可能性がある」と指摘する。

 ロシアの軍事ブロガーはSNS上で数十万人のフォロワーに対し「悲劇的に戦術的センスを欠いている。ロシア軍指導部は戦争の経験から学ばなかった。プロパガンダが氾濫し、実際に何が起きたのか分からない」とボヤいてみせた。


 筆者は先のエントリー『露軍に銃口を向けられても飼い主失った動物と過ごす選択をしたウクライナの母』の取材で「ホストメリを占拠したロシア軍をウクライナ軍の砲撃が正確に狙い撃つ。ロシア兵たちは住民がウクライナ軍に位置を通報しているのではないかと疑った」という話を聞き、ウクライナ軍がどうしてそれだけ正確に砲撃できるのか疑問を持った。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70027?page=2

未来の紛争を再定義するウクライナ戦争
 英シンクタンク報告書『作戦Z 帝国の妄想がもたらす断末魔の苦しみ』でも「対戦車ミサイルはロシア軍の動きを鈍らせたが、彼らを破壊したのはわれわれの大砲だ」(ウクライナ軍司令官顧問)と指摘されている。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69944?page=3

 カノン砲(平射で長距離の敵を狙う)と臼砲(曲射で短距離の敵を狙う)の中間の砲種として17世紀から普及した榴弾砲の着弾観測がどうしてそんなに「精密」にできるのか。

 5月12日、英BBC放送の報道番組「ニューズナイト」で「ウクライナ戦争は未来の紛争をどのように再定義するのか?」という衝撃的な報告があった。ロシア軍の戦車が次々とピンポイントで破壊されていく様子をとらえた映像に「エッ、なんでこんなに正確なの」とうめき声を上げた。

https://www.youtube.com/watch?v=sTQ5ZGHV9Zs

 1991年の湾岸戦争では全投下爆弾の約1割が精密誘導弾(PGM)だったが、2003年のイラク戦争で7割近くに達した。今回、ロシア軍の戦車の多くは実は注目を集めた対戦車ミサイルより地味な榴弾砲で破壊されている。


 射程40キロメートルのGPS(全地球測位システム)誘導弾も発射できる米国製「M777」155ミリメートル榴弾砲は4月下旬に欧州に到着したが、それ以前からウクライナ軍の精密な砲撃がロシア軍に致命傷を与えてきた。だからこそ首都キーウを死守できたのだ。


アメリカがウクライナに提供する155ミリ榴弾砲「M777」(提供:Cpl. Austin Fraley/U.S. Marine Corps/ロイター/アフロ)

立ち往生するロシア軍の戦車を狙い撃ちした大砲
 ウクライナ軍は緒戦、国境でロシア軍を迎え撃って領土の保持を目指すのではなく、意図的に自国領内の奥深くに誘い込んだ。自ら橋を落として洪水を起こし、ロシア軍が幹線道路を進まざるを得なくなるよう仕向けた。補給線が伸びたところを道路脇から対戦車ミサイルでたたく「モスキート戦略(ヒットエンドラン攻撃)」を展開、身動きできないようにした。

 立ち往生するロシア軍の戦車をウクライナ軍の大砲が正確に狙い撃った。しかし遠方から撃つ榴弾砲を戦車に命中させるのは極めて難しい。155ミリメートル榴弾砲の場合、約24キロメートルの距離で誤差は25メートルとされる。ウクライナ軍の主力はまだ米国製M777ではなく、122ミリメートルと152ミリメートルの無誘導弾だ。

 冒頭のドネツ川では、事前に河川を調査してロシア軍の渡河ポイントを想定し、榴弾砲やロケットランチャーを設置しておいて待ち伏せしたとみられている。南北戦争の時代は観測員が気球に乗って遠方にいる敵の位置と着弾地点を計測した。過去数十年間にわたり前線に観測員を送り込み、20キロメートル以上離れた砲手に無線で指示を送っていた。

 現代の戦争ではドローン(無人航空機)が気球や前線観測員の代わりを務める。ドローンに搭載したカメラやレーザーで着弾地点を観測し、大砲の狙いを正確に調整していく。


「レーザー誘導弾なら着弾の精度が格段に上がる」
 レーザー誘導弾とレーザー搭載ドローンの2つの技術を統合すると、小さな標的である戦車の狙い撃ちが可能になる。ウクライナ軍は4つの回転翼がついた市販のクワッドローターにビデオカメラとレーザーを取り付け、152ミリメートル・レーザー誘導弾と組み合わせてロシア軍の戦車へのピンポイント攻撃を可能にしているとみられている。

https://twitter.com/noclador/status/1509940743485497353

 日本の防衛省・自衛隊関係者は筆者に「砲撃は目標の探知、捕捉、追尾がカギだ。普通の弾なら、近くに観測員、今ならドローンを送って大砲の着弾地点を観測する。今回、レーザーで誘導できる弾をウクライナ軍が入手していたなら話は変わる。まさにゲームチェンジャーだ。レーザー誘導弾なら着弾の精度が格段に上がる」と指摘した。

 紛争におけるドローン使用に詳しい欧州外交評議会(ECFR)のウルリケ・フランケ上級政策研究員は米NBCニュースに「ウクライナ軍は敵対するロシア軍よりもドローン技術を軍事に統合する上で大きな革新性を示している。大砲とドローンを一緒に使うのは革新的で本当にインパクトがある」と話している。

 英国防情報部は15日のツイートで「ロシア軍は2月に投入した地上戦闘力の3分の1の損失を被った可能性が高い。継続的な士気や戦闘能力の低下により、作戦に引き続き支障をきたすと思われる」と指摘した


 東部戦線は大砲を使った長期戦に突入している。米軍がM777をウクライナに投入したのはそれに備えるためだが、レーザー誘導弾とレーザー搭載ドローンを巧みに組み合わせるウクライナ軍は東部ドンバスからロシア軍を駆逐できるだろうか。

イーロン・マスク提供の「スターリンク」とドローンの結合が戦場にもたらした革新
 砲撃におけるドローン活用について、ドローン・ソリューション会社ドローンUA(本社・キーウ)の創業者ヴァレリー・イアコベンコ氏を直撃した。


ヴァレリー・イアコベンコ氏(本人提供)
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――ウクライナ軍は偵察用に推定6000機以上のドローンを運用しており、米実業家イーロン・マスク氏のスターリンク衛星システムとリンクして画像や映像をアップロードできると説明されていますね。こうした仕組みはどのように機能するのですか。

「空中諜報活動で得られるデータには、いくつかの種類があります。ジオタグ(位置情報)付きの写真や、空中や地上で撮影されるビデオです。ビデオデータは飛行中に分析でき、砲撃作業の修正をリアルタイムで提供できます。さらに敵軍の位置を示す座標は、ウクライナ国防省が管理する安全なメッセンジャーボットを介してウクライナ軍参謀本部に送ることができます」

「ドローンが空撮した映像や写真のデータは漏洩を防ぐために、クラウドや安全な場所にアップロードされ、もともとのデータは消去されます。インターネットに接続して行うこれらの作業は、スターリンクシステムの助けを借りることで可能になります。安全性が確保されたチャンネルと最前線のどこでもオンラインで結ぶことができるようになるのです」

――こうしたドローンはウクライナ軍の大砲やレーザー誘導弾と連動しているのでしょうか。


「レーザー誘導弾の技術とドローンの併用についてはレーザー誘導による正確な攻撃が可能なトルコ製中高度長時間滞空型無人戦闘航空機バイラクタルTB2を除き、確認されたデータはありません」

――ドローンを活用した精密な砲撃はウクライナ戦争に影響を与えるのでしょうか。

「ドローンはすでに効果を発揮しています。ロボット工学と空中監視装置の利用がこのような高みに達するのは初めてのことです。これは、すべての手順とすべての情報が収集され、ほぼ即座に共有される、ほぼ完全なオンライン形式の戦争なのです。ドローン、スターリンクシステム、そして新しい種類の空中情報部隊はこうした現代戦の一部です」

――この変革にどのような意味があるのでしょう。

「ウクライナ軍は自国の領土を守っています。インフラストラクチャーへの被害をできるだけ少なくし、民間人の巻き添えをなんとしても回避して戦争に勝たなければなりません。ドローンは外科医のような精度で正確に作業する可能性を提供します」

「ロシア軍は“ザーグ(技術や戦略に頼らず圧倒的な数で勝利を得る低レベル・ゲーマー集団を指す俗語)戦術”を用い、旧ソ連時代の全兵器の兵力と数量でウクライナの防衛軍を圧倒しようとしています。ウクライナ人は最先端の技術を駆使して、数の多い敵から賢く国土を防衛しなければなりません」

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70137?page=6  

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