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Re: 「テレビ・一億総白痴化時代」と言われていた時代のテレビでも、今のようにひどくはなかった 投稿者 ウッチャー 日時 2002 年 9 月 14 日 21:28:12:

(回答先: 「テレビ・一億総白痴化時代」と言われていた時代のテレビでも、今のようにひどくはなかった 投稿者 ウッチャー 日時 2002 年 9 月 14 日 21:04:43)

--政府を批判できないメディアを”味方”につけたジョージ・ブッシュ米大統領は、アメリカの正義の正当性と勝利を高らかに宣言したが、果たして本当にアメリカが正しかったと言い切れるのだろうか。
 第二次大戦中、軍国主義国家であった日本に向け、マハトマ・ガンディーは「かりにあなたがたが戦争に勝ったとしても、それは、あなたがたが正しかったことを立証するものではありません。それはただ、あなたがたの破壊力のほうがまさっていたことを示すだけです」と説いたが、ブッシュ大統領の主張は、この言葉に反駁できるだけの説得力を持たない。(「メディアのからくり」から)--

「メディアのからくり」 保岡裕之著 --ベスト新書・KKベストセラーズ--

 はじめに

 2001年9月に、読売新聞社が行なった「新聞の信頼度」に関する世論調査(複数回答)によれば、日本人の約9割が新聞(一般紙)を信頼し、約7割の人が「新聞は公平な報道をしている」と考えているという。また、同調査による「世の中の出来事を正確に知り、必要な知識を得るのに役立つメディア」という質問でも、83%の人が一般の新聞を挙げ、他のメディア(テレビ・ラジオ・スポーツ紙・夕刊紙・雑誌など)を抜いて、一般紙がもっとも「役立つメディア」とされている。
 1980年から実施されているこの読売新聞社の世論調査では、過去20年間の調査結果を見ても、新聞に対する信頼が、ほぼ8割後半から9割前半の高水準で安定しており、一般の新聞に対する信頼度が日本においては著しく高いことがわかる。また、「信頼できると思うメディア」としては、民放のテレビが34%と低い水準であるものの、一般の新聞が76%、NHKテレビが82%と、一般紙やNHKのような既存のマス・メディアは、おおむね信頼されているという結果が出ている。
 こうした世論調査の結果から、日本のマス・メディアは一般に広く信頼され、その役割を十分に果たしていると、肯定的に評価すべきなのかもしれない。しかし、逆に、日本人の情報やメディアに対する画一的なとらえ方、あるいは、日本人や日本社会の集団主義、権威主義的な性質が反映していると考えることもできるのではないだろうか。
 たとえば、この信頼度調査の結果では、「信頼できるメディア」「役立つメディア」という質問の上位を独占しているのは、一般の新聞やテレビのような影響力の大きい巨大マス・メディアで、他のメディア(夕刊紙、スポーツ紙、週刊誌、月刊誌など)の信頼度は、軒並み10%以下、発行部数の少ないメディアほどそれに比例して信頼度も低いという結果となっている。
 週刊誌やタブロイド紙(夕刊紙やスポーツ新聞などの大衆紙)には、低次元な芸能ネタやスキャンダル、誇張・歪曲された記事などが多く、人権に対する配慮も少ないなど、信頼度が低いのには、それなりの背景や理由もあるだろう。しかし、一般の新聞やテレビが、必ずしも信頼すべき情報ばかりを常に報道しているわけではないし(新聞・テレビの誤報や虚報は、一般に思われている以上に多い)、こうした巨大マス・メディアに優るとも劣らない良質な情報を提供している雑誌や書籍も少なからず存在する。最近では信頼できるインターネット情報も増加しているのに、一般の新聞やテレビのような既存のマス・メディアにのみ全幅の信頼を置き、大多数の日本人が同じ情報源に頼っているという状況は、異常であり、危険ですらある。
 世界有数の情報通信大国、メディア先進国である日本で、既存の大新聞とテレビの情報ばかりが唯一無二のごとく頼りにされているという光景は、「経済は一流、政治は三流」(いまや経済も二流だが)と揶揄されていた日本社会と重なり、「情報通信の技術は一流、メディアや情報の活用力は三流」と思えてくるのは、考え過ぎだろうか。
 それでは、日本以上の情報通信大国、メディア先進国であるアメリカはどうか。
「民主主義の根幹は自由な言論活動にある」という伝統があり、こうした認識が日本よりも広く浸透しているアメリカでは、政府も国民も、日本とは比較にならないほど新聞やテレビのような報道機関を非常に重要視する傾向にある(詳細は本書のなかで随時述べる)。
 ところが、読売新聞と同様の世論調査を行なうと、アメリカでは日本のように極端にマス・メディアからの情報を信頼するような結果が出ないのである。
 大手の世論調査機関であるギャラップやハリス・インタラクティヴなどが行なった過去10年間の世論調査などを総合してみると、アメリカ人が信頼するのは、新聞やテレビではなく、教会、病院、裁判所や司法システム、学校や教育の現場などで、まず自分の属する身近な社会環境を第一に考える傾向がある。
 調査機関や時期によって多少異なるが、新聞やテレビなどのメディア信頼度は、ほぼ平均して20%以下で、5位や6位以下(時には10位圏外)にランクされていることがほとんどである。
 二国間の世論のちがいなどを比較検討する場合、信頼できる調査機関が厳密に同じ調査方法で、同時期に行なった結果でなければ正確な論評はできないが、巨大メディアからの情報ばかりに絶大な信用を寄せる”中央集権的な”日本人と、メディアを重要視することとその信頼度が直結せず、地域や個人的緊密さで信頼する対象を考える”個人主義的な”アメリカ人という、興味深い傾向が見受けられる。このような日米のメディアに対する国民意識の差は、国民性や文化などのちがいもあるが、メディアのシステム自体のちがいに由来するところも大きい。
 9割以上が宅配システムで、『読売新聞』や『朝日新聞』などの全国紙を中心に購読している日本と、基本的には地方紙を中心に『ニューヨーク・タイムズ』や『ワシントン・ポスト』のような高級紙、あるいは『USAトゥデイ』(タブロイド的な全国紙)などを併用して読む習慣のあるアメリカとでは、国民の新聞に対する見方や新聞からの情報の受け止め方がおのずとちがってくる。テレビにしても、民放とNHKの在京6局の地上波テレビ
が中心である日本と、ケーブルテレビや衛星テレビによるマルチ・チャンネル(数十から100以上の多チャンネル)がすでに一般化しているアメリカとでは、当然、テレビやテレビ情報に対する認識や接し方も異なる。
 こうした二国間のメディアのシステムによる差異やメディアに対する信頼度のちがいだけで、その社会自体の是非や優劣などは論じられない。しかし、「マス・メディアとは、その国の国民の声を代表し、社会を反映するものである」という”通説”どおり、国民性や文化、政治や社会システムの動向が、メディアやその情報から垣間見えてくることはたしかであるし、少なくとも、「真に自由で民主的な社会とは、より多くの声をすくい上げ、多種多様な言論が自由に交わされる社会である」という点に関して言えば、多様性に富んでいるアメリカのほうが”健全”であるといえるのではないだろうか。
 ところが、世界中を震撼させた9・11の「同時多発型”無差別自爆”テロ事件」が起きてから、多様性に富んでいたアメリカのメディアは「愛国心」という名のもとに画一化してしまった。
 権力と適切な距離を保ち、ベトナム戦争では痛烈な政府批判を展開したかつての報道姿勢、個人主義と市民生活、多様性と自由を重んじてきたアメリカのメディアの姿は、いまや微塵も感じられなくなった。
 一体、アメリカのメディアには何が起こっているのだろうか。
 本書は、こうした9・11テロ事件以降のメディアの変化や国際社会の動向などを考慮しながら、日米メディアを中心に”メディアの読み方”を考え、さらに、21世紀のボーダレス化する国際社会・高度情報通信化時代における”メディアのあり方”について模索するものである。
 具体的に本書で扱う範囲は、戦前の日本の言論統制から9.11テロ事件、オリンピック報道からメディア・リテラシーなど、非常に多岐にわたるのだが、ジャーナリズム入門やメディア論を目的としたものではなく、あくまでも現在のメディアの問題点を考え、21世紀の未来型メディアを展望するという趣旨で一般向けに書き下ろしたという点をあらかじめお断りをしておきたい。

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