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「あっしら」考+β 投稿者 如往 日時 2002 年 10 月 01 日 07:36:39:

(回答先: 「共産主義国家」は「近代経済システム」の“最高発展形態” 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 30 日 21:41:34)

 あっしらさん、こんにちは。
 前回、後書きの設問にたいするご回答有難うございます。また、当方のレスポンスが遅れていますことを誠に申し訳なく思う次第です。


 ところで、【「共産主義国家」の破綻原因−所有形態や計画経済にあらず】には、青春時代の思考遍歴の想起と暫しそれへの回帰に誘ってしまったのかなと余計な想像をしてしまい、さらに【「共産主義国家」は「近代経済システム」の“最高発展形態”】では、永く抱懐していた問題意識にようやく答えを出そうとされているのだと見受けられました。

 60年代に入って間もない頃、戦後の高度経済成長社会が齎したモラトリアムの只中で、無論全ての人達ではありません、確かに私達は「自己疎外状況」に因む閉塞感を共有していたのです。私をはじめ周囲の学友の感性を捉え問題意識の中心部を構成した「自己疎外」という不条理、それに魅入られて私達はその周辺を漂い続けたのです。そうした多くの人達が例えば不自由性からの解放といった「自由」の定義にも表出されるように、マルクス主義哲学の色彩を幾分か帯びてしかもサルトル流の状況認識や西洋思想の洗礼を否応無しに受けてもいました。
 やがて、大雑把に云えばキルケゴール、ニーチェ、ハイデガー、サルトルと実存主義の系譜を辿ることで「自己疎外状況」を超克すべきContextを求めていく相対化→内化のプロセスと、マルクス主義的世界観に同伴することでそのdas Merkmalを求めていく相対化→外化のプロセスとに分流していくことになります。もちろん、今から思えば、一方で自身はあの時の熱気に魘されていたのだという気恥ずかしさも、反面当時の仲間の真摯な相貌にたいする畏敬にも似た感慨までを全く否定でき得ないのですが。

 斯様な私事はさておき、文脈からあっしら氏の問題意識の中核が何たるか、氏の問題意識の発祥に据えられているものが何かを穿とうと意図しない限り、読み手の人達は例えば「共産主義」にたいする憶念からも自由たり得ず、当然ながら片方の思考は表層を巡りいつまでも論理は深耕しないのではと推察されます。つまり、批判のためにも「共産主義」や「自由主義」に関して基礎的なレベルの知識はおさえるべきで、おそらく、そうした知識の習得過程においてさえ自身の問題意識がどこへ収斂していくか推量できるはずだと思われるのです。如何にしたら現代の人達と「自己疎外状況」を感性としてさえも共有できるか、しかし大変難しい問題ではあります。

 けれども、こうしている間にも「新たな奴隷化のシステム」によって「人間の家畜化」が進行しているのではと云う懸念を抱いています。何も特段のペシミストでなくてもそのくらいは推想できるのではないでしょうか。エンゲルスが当事者として意識しマルクスが提起した「自己疎外状況」からの解放というIssueは、大部分の共産主義社会というLaboratoryを喪失した今日も尚、より不透明な形相に変えて未決のまま世界をしかし当て所なく跳梁し続けているのです。
 勿論私は、「世界管理構造」現出のプロセスを経つつも、できれば「世界帝国」などは迂回して「世界運命共同体」の理想像ににじり寄ることを密かに希望するものであります。何故なら、それを探求することにこそ生類の宿命(存在理由)に内在する矛盾を克服する、すなわち人類の存在意義創造のMomentが存すると考えるからに外なりません。そして、人類は今やそれを可能にもする充分なTechnologyもEngineeringも獲得しているのではないでしょうか。

 また寄せさせていただきます。

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