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Re:政治的に編集されたいわゆる「 キリスト教」。「予定論」の絶望を糊塗することから生まれた、近代人。 投稿者 行司 日時 2002 年 10 月 17 日 05:18:12:

(回答先: Re: キリスト教カルバン主義の観点から資本主義の動機を解明するのは限界がある。 投稿者 ジョン・スミス 日時 2002 年 10 月 11 日 11:04:26)

{「パウロの回心」ですが、ローマ人であったパウロの独創は、予言者イエスがエレミアの予言した救世主で
あり、人間の罪を肩代わりして無実の罪で十字架にかかった。従ってこのイエスに従う以外に贖罪は無い、
というのがキリスト教の核心だと理解していますが。}

これはキリスト教徒は何か、という定義にかかわるところです。歴史的人物としてのキリストと呼ばれているその人(そんなまえではないのですが)が言った直接の教えを核心としたものをキリスト教とよぶのか、4世紀のいわゆるニケーア公会議で公式編纂された聖書の価値を核心とするものをキリスト教と呼ぶのかであまりに違ってきます。この公会議では、キリストと呼ばれる人物の教えが相当に捨象されています。1947年ナイル側ほとりで、大量発掘されたいわゆるナグ=ハマディー文書(パピルス。コプト語)を、アメリカ連邦政府がアメリカキリスト教側のサポートも受けながら、大掛かりな学術チームを送りました。ハーバードの大学院の学生だったページェルという、非常に少ないコプト語(古代エジプト語)の専門家(女性)が20年以上かけて解読した結果、キリストと呼ばれる人物の死後直近の、フォロワーたちが理解している教義内容が明らかにされました。今日われわれが理解しているところのキリスト教とはおよそ劇的に内容がことなっていることが判明したのです。ハーバードの教授に就任して70年代に書いたその一般向け解説書は、非常によく売れ、同時にアメリカ図書館評議会推薦書の一つになったほどです。
  二ケーア公会議であくまで政治的に編纂されたのが、今日の聖書であり、その中心はパウロの手紙です。また、御存じの通りパウロはキリストという人物に直接あったことはない、後の時代の人であるばかりか、彼の理解力は非常に低いものでした。ハッキリいって、全然分かっちゃいない人物なのです。

{カルバン主義では神の絶対性を強調して、「神の計画は人知の及ばないところにある」「救済は予め予定され
ていて、人はこの計画を知ることはできない」といったものではなかったでしょうか。}

そのとおりです。カルバン主義は典型的に予定説にたっています。死後神に選ばれるか否かは神のミココロにのみあり、すでに決定されている、つまり決定論でもあります。つまり絶望論・運命論にたっています。また、神と一般人の間に媒介物を極小化することで神との関係を純化することを意図していました。その運命論・絶望論からなんとか精神的に逃げ出したい、というのがカルバン派の最大の動機です。で、どうしたか。結局、神の栄光を最大化するため世俗界でやみくもに働くしかないという考えにいたりました。要するに、救われるか救われないかは、まったくわからない、でもせめてて神のことを重い働くことで、暗くなりがちな気持ち、疑念の気持ちを最少化することを狙いました。働くずくめになることで、不安をごまかしたかったのです。結果としてお金がたまります。しかし、キリスト教での教えは、富は蓄積することはダメだ、と。自分が生きていく範囲で必要な分だけをもっていないさい、とのことですから、どうしたかといえば、発展的投資にまわしたわけです(利子目当ての貯蓄はいけないことと考えた)。これが資本主義の資本蓄積を基礎付けた、とウェーバーいいたいわけです。働き詰めが、しかし、やがて神のことを忘れさせることとなり(キリストが偽善者として徹底批判したパリサイ人のように合法的なら金もうけは悪くないとなった)、宗教教エトスが衰弱し、むしろ純粋な職業倫理のレベルへ解体あるいは還元されて、職業分科された近代人が登場したというのが彼の説明です。

{このことは心理的には進化論と同様な効果を及ぼすのかもしれません。進化論では、適者が生存するわけで
すが、何が適者なのか予め知ることはできない。つまり、”結果がすべて”ということになります。
ただ、ここにもパラドックスがあって、進化論の信奉者が適者だという保証はどこにもないし、”結果”と
いっても、これはあくまで”今日の結果”にすぎないわけです。}

進化論の核心は、競争原理といえます。アダムスミスの、市場原理(および市場参加者は利己心で行動するという措定)の中に、実は競争原理は既には一定るのですが、この面を教強調するために、打ち出されたのが進化論です。生物学の成就のためというより、社会政策の原理を正当化するために,ダーウィンが巻き込まれ、競争原理を基準としてデータを組み立てるという政治的作業をやってのけています。これを仕組んだのが、スペンサーという社会学者です。ダーウィンはもともとラマルクという同時代のフランスの生物学者のもののみかたに同意していました。彼の見方とは、生物界ではむしろ助け合っている、というものです。あなたのおっしゃる後段部分は不明です。

{たしかにウエーバーは資本主義にいい印象は持っていなかったようですね。}

そうですね。社会主義的確信や社会主義的希望をなくしてしまう手段はないと末尾部分でいってます。アメリカ先住民のほうが「文明」である、ともいいのこしていますからね。


当初予定していた位置から思わぬ展開となり(書記長さん・カレラさんのレフェリーで入ったつもりが、こんな方向に話がよもや進むとは)ずいぶん本筋から離れてしまいましたねえ、これ以上すすめますか(笑)?なんだかうっかりおいてけぼりなっちゃいましたねえ。

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