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あっしら経済学批判 投稿者 せいがく 日時 2002 年 11 月 06 日 07:17:35:

あっしらさん、こんにちは。
自身の身のほども知らずあっしらさんに胸をお借りしたいと思います。

私の理解によれば、あっしら経済学の出発点は供給=需要と措定するところにある。供給が先にありき、と。供給とは何かと言えば、商品を提供することに他ならない。商品を提供するためには、原材料や燃料を購入したり、人件費を払い出さねばならない。これらの行為は(生産者による)需要に他ならない。そして、出来上がった商品は最終的には全て消費されてゆく(即ち、需要に等しくなる)。かくして、供給という概念(価格x数量という金額で表示される)は需要額に等しくなる。

その上で、あっしら氏は次のように主張する。経済がスムーズに拡大してゆけないのは、供給側に問題があるからである。本来、供給に全て注ぎ込まれるべき貨幣が退蔵され、供給(額)になっていない。このため、供給と等式で結ばれるところの需要も拡大し得ない。この矛盾を解消するためには、供給額を増大させる必要がある。しかるに、供給(量)そのものは過剰だから、量を増やすのではなく、単位当たりの価格を上げることによって供給(額)を増大させれば良い。端的に言えば、従業員の給与を増大させ、それが消費として需要に流れ込むようにしてやれば良いのだ。

あっしら氏の考えを煎じ詰めると、企業活動によって産み出される付加価値の内、利益に回るポーションは限りなくゼロに近づけ、賃金や原材料などに多くの貨幣を費消するのが望ましい、それなくして経済を正常化することは不可能である、という主張である。

上記の理解が正しいとして、これに対する批判は次の通りである。あっしら氏の経済観、経済論理は私有財産制と資本主義社会の原理に真っ向から対立するやや暴論に近い議論だとは言えまいか。

資本主義下における企業は何のために存在するか。私的に所有される財産をその活動によって拡大するためである。そのことを是認する社会が資本主義社会である。即ち、企業が産み出す付加価値の内、できるだけ利益(私有財産の増加部分)を極大化し、原材料や人件費などのコストは抑えようとするのがその基本原理である。勿論、原材料にも労働力にも市場が存在しているので、経営者の好きなだけ下げられるわけではない。諸制約に基づいて利益を極大化するゲームが資本主義である。

あっしら氏は時として大企業経営者に一企業経営の視点を超え、総合の誤謬の解消を求め(端的には従業員給与の増加を求め)批判を加える。しかし、これは木に魚を求めているようなものである。彼らは資本主義の原理に基づいて利益極大化のための最適な行動を取っているに過ぎない。別の言葉で言うと、資本主義を認め、現行体制を革命的に変えるつもりがないならば、大企業家達の行動は批判できないということであり、もっと言えば、あっしら氏は率直に資本主義批判をするべきなのではないか、ということである。

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