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西ナイルウイルス3年で全米に拡大 日本でも体制整備へ〔読売新聞〕 投稿者 柘植行人 日時 2002 年 10 月 29 日 17:39:12:

(回答先: 米で牙むく西ナイル熱 治療法なく死者150人以上〔朝日新聞〕 投稿者 柘植行人 日時 2002 年 10 月 27 日 00:20:34)

 お年寄りの症状に医師は首をかしげた。高熱に頭痛、筋肉痛をリンパ節の腫れ。「インフルエンザのようだが、今は真夏ではないか」。間もなく同じ症状の患者が相次ぎ、手足のまひや意識障害など脳炎を疑わせる事例も出てきた。患者の住居は半径数キロの範囲に集中していた。そして国立感染症研究所(感染研)は、患者の血液から西ナイルウイルス(WNV)を検出した――。ニューヨーク市で3年前の夏、米国初の患者が確認された時の状況を日本に置き換えるとこうなる。日本への上陸が心配される、WNの正体を追った。(佐藤 俊彰)

 WNVは一九三七年、東アフリカのウガンダで発見された。感染しても八割の人は自覚症状がない。残る二割の人はふつうは発熱や発しんが出た後、一週間ほどで回復する。だが、感染者の百五十人に一人が脳炎を発症する。ウイルス自体を撃退する治療法はなく、ステロイド剤の投与など脳炎を抑える対症療法が主体となる。
 WNVは鳥を宿主として増殖し、その鳥の血を吸った蚊が他の鳥や人間を刺して感染が広がる。しかし、人は感染しても血液中のウイルス量が比較的少ない。倉根一郎・感染研ウイルス第一部長は「通常、患者から吸血した蚊が、別の人を刺しても新たな感染は起きない」と話す。
 大きな脅威は鳥と蚊だ。鳥はカラス、スズメ、鶏といった身近な種から猛きん類や渡り鳥まで、多くが宿主になるとみられている。五〇年代以降、WNVは中東、欧州、西アジアなどでも確認されているが、ほとんどは渡り鳥の移動経路と一致する。
 しかし、米国ではこれらの地域と大西洋で隔てられ、渡り鳥が原因とは考えにくい。米国のWNVの遺伝情報はイスラエルのものと99.8%まで一致しており、飛行機に潜んだ蚊か、輸入された鳥が持ち込んだ可能性が高い。
 当初、真夏のニューヨーク市内で患者八人が集中的に発生した地区は、国際空港から数キロの距離にあった。患者の発生と前後して、カラスの大量死があった。
 同市は殺虫剤を散布したり、排水溝などボウフラがわく場所を消毒したり、蚊に総力戦を挑んだ。だが、WNVは三年間でほぼ全米に拡散し、今年の患者は三千三百人を超えた。使者は百八十人を上回る。
 日本は米本土から一日に五便前後の定期便が飛来し、厚生労働省の調査では機内から蚊が捕獲された。一方、農水省の統計では昨年、世界各地から三十三万羽余の鳥が検疫のないまま輸入された。WNVがいつ侵入しても不思議ではない状況だ。
 小林睦生・感染症昆虫医科学部長は「今の日本では、生物学的に近い日本脳炎やテング熱のウイルスと比べ、西ナイルウイルスのほうがやっかいだ」と説明する。
 日本には予防接種で効果を上げてきた日本脳炎ワクチンがあるが、WNVの予防効果にはあまり期待できないという声が強い。さらに、WNVは、アカイエカやチカイエカ、ヒトスジシマカという都市にも多い蚊が運び屋になる。これらの蚊の一部は成虫のまま越冬し、ビルや地下街で活動を続ける。
 国は(1)医師に患者発生時の報告を義務づけるための法整備(2)飛行機や空港の蚊のサンプル調査(3)カラスの異常死の監視――などに乗り出し、鳥の輸入検疫についても検討に入った。
 岡部信彦・感染研感染症情報センター長は「ウイルスの侵入自体を完全に防ぐことは難しい。重要なのは、早期に発見し、感染の拡大を確実に防ぐことだ」と指摘する。
 感染症対策の正否は、市民の協力に左右されることが多い。ベランダや庭に不用意に水たまりを作らないなど、身の回りで蚊を増やさないように注意も必要だ。(10月28日付夕刊より)

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