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Re: 秋新作さん、あなたの主張では一方だけではなく両方がダメになります 投稿者 あっしら 日時 2002 年 6 月 20 日 14:49:01:

(回答先: 責任の取れる決断を税制論議に求めるのは無理?(MSNマネー) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 6 月 20 日 12:01:52)

秋新作さんの内容にレスするのは『秋新作氏は批判対象のX氏“未満”レベルの「エコノミスト」』( http://www.asyura.com/2002/hasan9/msg/827.html )に続き2度目になるが、彼?にレスするのは、それなりに説得力があり、それなりの了解も得られるものだと思うからである。

村田英雄氏絡みの部分は別として、


>答申の翌日、ある経済系新聞は、1面でサッカー・ワールドカップでの日本の決勝
>トーナメント進出を喜び、社説で政府税調の姿勢を「減税なくして経済活性化なし」
>と批判した。彼らの主張を簡単にまとめれば「減税で経済を活性化しなくてはいけな
>いのに、増税するとはけしからん」といったところ。彼らはまず日本経済の回復が最
>優先と主張している。
>さてここで同じ新聞の6月1日の社説をみてみよう。タイトルには「国債の格下げを警
>鐘と受け止めよ」とある。5月31日に米国格付け会社ムーディーズは日本国債の格付
>けを二段階引き下げた。彼らの社説では、日本政府はムーディーズの格下げを警鐘と
>受け止め、財政赤字などの問題に正面から取り組むべきだとしている。先ほどと異な
>り、ここでは財政再建に取り組めとある。いったいどちらが彼らの主張なのだろうか?

秋氏は、引用した論理で「経済系新聞」の社説を「いったいどちらが彼らの主張なのだろうか?」と非難しているが、どちらも彼らの主張として成り立つものである。

「経済系新聞」は、減税について、法人税・贈与税・相続税・不動産及び証券取引関連などを主として主張しており、国民全体の減税を主張しているわけではない。直間比率のさらなる間接税志向も主張しているので、70%くらいの勤労者が増税になることも容認している。
財政再建については、その必要性を以前より主張している。

ここまでの展開では、秋氏が言うような「いったいどちらが彼らの主張なのだろうか?」という批判は成立しない。


>日本政府や財務省だけでなく、日本企業、そして日本国民にとっても公的債務残高の
>圧縮は望ましいことだろう。しかし悲しいかな、現在の日本の財政事情を考えれば、
>債務残高の圧縮には歳出カットだけでなく、歳入の増加つまり増税が不可欠であるの
>も事実である。
>増税をすれば公的債務残高の圧縮は進み、財政事情も改善することだろう。しかし増
>税は個人消費、設備投資の減少につながりかねない。一方、減税をすれば個人消費、
>設備投資の増加が期待できるが、景気が長続きしなかった場合、財政事情はさらに悪
>化し、公的債務残高は今まで以上のペースで拡大する。


秋氏の現実認識で欠けている一つが、「増税は必ずしも税の増収につながるわけではない」というものである。(参照書き込み:『【国債問題への定量的アプローチ】その5:「構造改革」的税制変更は税収増大をもたらすか?』 http://www.asyura.com/2002/hasan10/msg/584.html

「増税が、税の減収をもたらし、国民経済の低落をもたらす」こともあり、「合理的な税負担変更(増減税なし)が、税の増収をもたらし、国民経済も少しは改善させる」ことさえあるという認識がないように思われる。


>こうした二者択一の状況では、(二つともほしい気持ちはあったとしても)どちらか
>一方を選び、もう片方を諦めなくてはならない。ここには、どちらを選ぶか考え、実
>行に移す「決断」が必要であり、選択しなかったものを諦めたために生ずるデメリッ
>トを甘受する「責任」も必要だ。「財政再建+景気回復」といった都合の良い方法な
>どないことを我々は十分に知っている。今はまさに二者択一の状況だと割り切って考
>えなくてはならない。

誤った認識と論理から、「こうした二者択一の状況」とあきらめて結論につなげていくのは危険である。

「「財政再建+景気回復」といった都合の良い方法などないことを我々は十分に知っている」とみんなを引きずり込むのも勘弁して欲しいが、秋氏がそう思っているのは、思考停止を宣言しているようなものだ。


「デフレ不況」から脱却しそこそこの経済状況をつくり出さない限り、財政再建どころか、“財政危機”からの脱却もできない。(「財政再建」はそれこそ“国家100年の計”になっているのである)

秋氏はどちらを選択するとは語っていないが、増税で「財政再建」を目指したら、財政も国民経済も両方ともおかしくなったということが十分すぎるほどあり得るのだから、「選択しなかったものを諦めたために生ずるデメリットを甘受する「責任」も必要だ」では済まない災厄が襲う可能性がある。


「デフレ不況」の脱却と「財政危機」の脱却にともに少しでも貢献する政策を考えるのが、政治家・官僚・エコノミストの役目である。

「デフレ不況」と「財政危機」の一方だけ解消というのは、一時的な方向としてはあり得ても、長期的にはあり得ないのであり、一方だけダメということで、長期的には両方ともダメになるのである。

財政(税収)は国民経済活動に負っているという現実から逃れることはできないのだから...。


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