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株価1万割れ目前で再び大手行に“危機”〜もうけ増やせず、公的資金再注入か〔株ZAKZAK〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 6 月 26 日 16:59:35:

大手銀行に再び、金融危機の影が忍び寄ってきた。政府による人為的な株価上昇で「3月危機」を回避したが、最近の株価急落で完全に元の木阿弥。むしろ、3月期決算での巨額の不良債権処理で余力が尽き果て、最悪の事態なのだ。貸出金利を引き上げたくても、みずほフィナンシャルグループのシステム障害による信頼失墜が大きなネック。株価下落のたびに繰り返される危機の構図が解消されない限り、景気回復はない。銀行と政府一体の不良債権処理の“先送り”こそが、大不況の元凶なのだ。
東京株式市場の平均株価は、25日の終値が1万496円と1万円の大台割れが視野に入っている。株価下落は、大手銀の後のない切羽詰まった状況をいや応なくあぶり出すことになる。
「デフレ対策に盛り込まれた株の空売り規制と公的資金によるPKO(株価維持政策)のおかげで、3月期末の株価は1万1024円まで回復した。大台割れしていたら、決算を組めず、パニックに陥っていたはずだ」(金融アナリスト)
株価次第で天国にも上れば、地獄にも落ちる。これが大手銀の置かれた現状なのである。
体力をむしばむ最大要因は、ドロ沼状態の巨額の不良債権処理だ。
今年3月期末の大手13行の不良債権残高は約27兆円に上り、1年前に比べ約9兆円も激増した。金融庁が実施した特別検査で貸し出し債権が厳格に査定し直され、正常債権が次々と不良債権に転落したためだ。
この結果、各行は将来の回収不能に備えた引当金の大幅な積み増しを迫られ、不良債権処理に伴う損失は計約7兆7000億円に達した。
ただ、不良債権の残高が増えることは単純に悪い話ではない。大手銀広報マンが語る。
「前広げで処理を進めた結果であり、隠れ不良債権を表に出したという側面もある。増額に対応してきちんと引当金を積んであり、処理に伴う損失は今決算がピーク。残高も今後は減少する」
銀行経営者や柳沢伯夫金融担当相がこぞって不良債権処理の「山越え」を宣言したのも、同じ論拠である。本当に山を越えたのか。
今年度の大手13行の不良債権処理損の見込み額は、計約2兆5000億円。昨年度の7兆7000億円から激減すると予想するが、処理損がこれで済むとは信じられない。
「特別検査で抜本処理したというが、問題の先送りは誰の目にも明らか。ターニングポイントは2月のダイエー再建。法的整理(倒産)で最終処理すべきだったのに、私的整理(借金棒引き)で救済した。これで流れが決まり、後は私的整理のオンパレードだ」
明治大学の高木勝教授は厳しく批判する。
ダイエー再建をめぐっては、ドライな新生銀行が三井住友銀行などメーン3行に融資の肩代わりを迫っているが、肩代わりすれば3行には追加の処理損が必要になる。
私的整理した問題企業の再建が信用不安などでとん挫すると、その都度、追加負担が発生する。倒産でもしたら、あっという間に巨額の処理損が必要になる。
「先送りを続ける限り、永遠に不良債権の呪縛(じゅばく)からは逃れられない。忘れてならないのは、中小企業向け融資の大量焦げ付きという重大な懸念材料が残っていることだ」(金融アナリスト)
特別検査の対象は、融資残高が100億円以上の大口企業であり、大手銀の融資の半分を占める中小企業は対象外だった。
中小企業の倒産は猛スピードで増え、平成不況のもと、中小企業向け融資の不良債権化が加速するのは確実である。
だが、処理損が想定外に膨らんだ場合、大手銀にはそれに対応できる余力は残されていない。
大手銀の純粋なもうけである実質業務純益(引当金繰り入れ前ベース)は昨年度が計約3兆9000億円で、不良債権処理損の半分しかない。
処理損がもうけを大きく上回る状況は、バブル崩壊に伴い、実に9年連続なのである。
「決算の度ごとに大手銀は体力をむしばまれてきた。剰余金や株式含み益は底を付き、今決算では法的準備金の取り崩しに追いこまれた銀行もある。これ以上の自己資本の毀損は致命傷だ」(前出の金融アナリスト)
それが嫌なら、もうけを増やすしかない。
大手銀が一斉に「貸出金利を引き上げ、利ザヤを拡大し収益を改善する」と言い出したのもこのためだ。だが、利上げは一筋縄ではいかない。
「経営悪化でリスクの高い融資先が利上げ対象となるが、向こうも生死がかかっているから必死。利上げに成功しても、その結果、融資先が倒産してしまえば、今度は不良債権が増え、自分で自分の首を絞めることになる」(大手銀幹部)
ここへきて、みずほフィナンシャルグループのシステム障害が利上げの大きなネックになっていると声も出ている。
「利上げ交渉は、1行だけが抜け駆けしてできるものではない。各行が足並みを揃えて要求して初めて効果がある。ところが、システム障害で信頼を失ったみずほだけが、利上げを切り出せないケースがある。みずほが大手銀全体の収益改善の足を引っ張りかねない」(同)というのだ。
もうけが増やせないのなら、後は自己資本を増やすしかない。公的資金の再注入である。
前出の高木教授が厳しい調子で指摘する。
「公的資金の注入は不可避だ。それも10兆円規模が必要。今度はただ注入するだけではダメ。みずほのシステム障害で明らかなように、銀行は当事者能力を失っている。資本主義経済では本来、あってはならないことだが、政府が経営に介入し、国家管理で不良債権処理を進めるしかない」
銀行の尻拭いはもうこりごりなのだが…。

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