★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
Re: やはり、「世界同時デフレ不況」に向かうと予測します 投稿者 あっしら 日時 2002 年 7 月 01 日 23:24:30:

(回答先: Re: 【世界経済のゆくえ】20世紀「大恐慌」と21世紀「世界同時デフレ不況」 投稿者 Ddog 日時 2002 年 7 月 01 日 20:24:32)

Ddogさん、こんばんわ。レスありがとうございます。

まず、「恐慌」と「デフレ不況」は違うものだと考えており、予測しているのは「世界同時デフレ不況」です。


>私は、長期円安傾向論者です。

日本の当局が少しまともな政策を採れば「長期円高傾向」で、ぐんとまともな政策を採れば「円安傾向」で、このまま推移すれば、どちらにもそれほど振れないと考えています。

>今度こそ、米資本主義の終焉と騒ぐには、一寸早計のような気がします。

米国の虚構の繁栄は終焉を迎えますが、米資本主義が終焉を迎えるとは思っていません。

>ドル安を今の時点で、債務切り下げ効果の理由に求めるのも薄いような気がします。
>ドルが、売られるということは、円、ユーロ、豪ドル、CANドル、スイスフラン、G
>Bポンドの主要通貨へ置き換わっただけで、世界資産の総和変化していない。そのと
>おり。ドルから他通貨へ置き換わっただけです、市場メカニズムの一環としての現象
>と捉えたほうが、自然です。米国の対外債務や経常赤字の拡大を背景に米国への資金
>流入が鈍っている。国際資金フローの変化が一時的かどうか米国景気に対する市場の
>楽観論の修正と日欧の景気持ち直しのなかで短期的にドル安 に向かっている。これ
>までITブームなどを背景にドルが過大 評価されてきたなどとして、ドル資産ばなれ
>と称し中期的なドル高修正局面入りの可能性も理由とされてます。いずれにしても、
>今回のドル安は、米国世界経済戦略の論理の変化というより、市場の論理からじゃな
>いですかね。冒頭にも記しましたが、市場の論理はアッという間に変化します。


国際基軸通貨ドルを自国通貨であるという“役得”を手にしている米国当局は、基本的に、「ドル高」を志向していると考えています。
(外部国民経済から安く財を手に入れ、外部国民経済の資産を安く手に入れることができるからです)

国際的資金移動に関しては、「NY株安」が伴っていなければそれほど規模は大きくならないと考えていますが、「株安」と「低金利(対ユーロ)」のなかで起きている「ドル安」は資金移動を加速させると予測しています。

また、米国以外での資金移動は世界経済にそれほどの影響を与えませんが、9500億ドル(114兆円)の輸入額を誇り、経常収支が赤字である米国から資金が逃避すれば、世界経済に大きな影響を与えることになります。


>このサイト主要テーマ国家破産、国民金融資産を国家が狙って簒奪しようということ
>が、よく論議されていますけど、陰謀論的にはその1400兆円を米国も巻き上げようと
>している?話ですよね、それだったら巻き上げきっていないうちに意図的に円高へ振
>らせますか?
>確かに一時的に円高に振れるでしょうが、米経済が失速すれば、円安が前提の、企業
>業績V字回復は修正され、円が買われる理由も消滅します。その米国のデフォルトで
>もしないかぎり、ドルの暴落は杞憂ではないでしょうか?


個人金融資産は当面の狙いではありません。
個人金融資産が使われる企業や個人金融資産を預かる金融機関を手に入れることです。

それが実現できれば、個人金融資産はゆっくり吸い上げることができます。

ドル安は意図的だと思っていますが、93年から95年にかけてのように、円高を意図しているかどうかは何とも言えません。

言えることは、円高に向かえば、日本企業の収益が悪化し、製造拠点の海外移転も促進され、日本経済が悪化するということです。

日本経済の悪化は、優良資産や高い競争力を持つ企業や金融機関を手に入れやすい条件が生まれることを意味します。

米国当局の意志は、あくまでも相対的なドル高志向ですから、ドルが暴落するとは考えていません。


>あっしらさんもバンクホリデイ非現実的派ですよね。ドル デフォルトは、それ以上
>に今のところ非現実的と思います。もし将来ドルがデフォルトになるときは、それに
>代わる国地域通貨が出ない限り、地球上から文明社会が消失する時でしょう。(私見
>ですが、ユーロは、まだ役不足、中国元の可能性は将来的にまずない)意図的な世界
>恐慌しかり。

ドル紙幣自体のデフォルトも視野に入っていると思っていますが、当面は「米国政府債務のデフォルト」が問題です。

日本のバンクホリディは近い将来に現実化することはないと思っていますが、米国政府債務のデフォルトは、近い将来に起きると予測しています。

資金流入が減少し、不況が進めば、税収も落ちます。
そうなれば、年間4,000億ドル(約48兆円)にも上る利払いは過大な負担になります。「対テロ戦争」を言い訳にしたデフォルト(利払い停止)はそう遠くないうちに実施されると考えています。

新国際通貨構想はすでに出来上がっていると考えています。
その時には、非米国経済主体が保有しているドル紙幣及びドル債権がデフォルトされる可能性もあると予測しています。
当面は、国際取引で使われるのみで、国民経済は従来の通貨を使うことになると思っています。
国際通貨の価値担保は世界中央銀行に集められる金で、供出した金に応じて各国(地域)中央銀行に国際通貨の供給が行われ、それ以上の金額は、各国(地域)中央銀行への貸し付けになると予想しています。


>支配層と呼ばれる方々が、米国株を高く売って安く買戻す?中産階級からの資本の転
>移がおきる?世界各国の優良企業を破格値で買い取る?との予見で、質問疑問です
>が、それでは、最終的、いや十年後にはいったい支配層の資産構成はどうなっている
>とお思いですか?

10年後という具体的な年限はさておき、これからしばらくかけて、現金資産が、株式・資源採掘権利・不動産・金といった実物資産ならびに実物資産を支配する権利に置き換えられていくと考えています。

実物への資産組み替えが完了すれば、経済支配層は、所有する実物資産の価値を高めるためにインフレを志向するようになります。
労働成果財を生み出す資産を保有していれば、インフレ率を先取りするかたちで商品価格を上昇させて、利益を拡大していくことができます。

そして、インフレ率と可処分所得(需要)増加率の乖離から、再び不況に転じることになります。

経済支配層は、不況に転じる前に、実物資産及び実物資産支配権を高値で売却し、次の実物資産及び実物資産支配権を安値で買え、前回よりもより多く手に入れられる機会を待ちます。

このサイクルは、これまでの近代史の繰り返しでもあります。


>支配層が、米国国債から、すでに手を引いているのなら、現在その人たちの金融資産
>は、どの通貨で株、債券、預金の何れになっているのでしょうか?ちなみに円になっ
>ているのでしたら、日本株式は急騰しそうですね。スイス銀行の秘密口座では、
>ちょっと・・・説得力に欠けます。

外国為替市場には厖大な現金資産が投じられていると思っています。
株式市場にも、空売り買い清算で大量に投じられていると思っています。

日本株式を下げたいと思っている彼らは、円に転換しても、「ちなみに円になっているのでしたら、日本株式は急騰しそうですね」というかたちでは資金を投入しません。

現段階は、実物資産及び実物資産支配権を安値で大量に獲得するために、現金資産を最大化する取引を繰り返していると考えています。


>米国は、深刻なデフレ不況にはならないような気がします。間違っていたら指摘して
>ください。デフレとは、物が売れなくて、物価が下落することです。先月ハワイへ旅
>行した時感じたのですが、米国の消費は依然高水準で推移するのでは?不況だと言う
>のですが、印象として、消費に陰りは感じませんでした。

昨年末のクリスマス商戦も30年来の大苦戦で、デフレも対前年比1%強で今なお進んでいます。
観光地はその性格から消費性向が強い場所柄ですから、ハワイはあまり参考にならないと思います。(ハワイに行く人たちは、現在のところ、不況の煽りを喰らっていない人たちです)

深刻なのは、米国本土の地方地域です。全米50州のうち40州以上が税収減少で財政赤字に陥っています。
(地方の町に何十年も製造拠点を置いていた衣服メーカーやキャンディーメーカーといった企業までが、外国に製造拠点を移しています。そうなった町は経済的に壊滅状態に陥っています)

また、中低所得者層では、ブッシュ減税を上回る健康保険料負担が生じています。

あとは、ご存じのように、大手企業が千名単位のレイオフを実施したり、計画しています。

もちろん、金融資産のうち34%が投じられている株式の「株価下落」は、日本以上に個人消費を減退させる要因です。


米国の経済実態が報道されなさすぎる現状が大きな問題です。


>また、ウァーマートのように止め処もなく消費を誘引することに成功しているノウハウ
>がある。中国の輸出による影響は、日本から中国に工場が変わっただけで、日本よ
>り、影響が少ない。失業問題は・・・・(これからきびしいカモ。)

いかに消費誘引策に長けていても、消費(需要)を拡大させることは長期的にはできません。(シェアを拡大するか、クレジットで買わせるかという話になります。貯蓄率が0%と考えられる米国は、巧みに消費を誘引してしても、ない袖は振れないということになります。クレジットでの消費誘引は遠からずその人の破綻につながり、その数が増えれば、カード手数料が引き上げられることになります)


>アメリカは、自由主義を国是とした民主主義国家ですから、Wブッシュが、どう決意
>しようとも、ドルのデフォルトを行い、中産階級の資産を簒奪して、権力を維持し続
>けることは、無理ではないでしょうか。9.11をどう上手く利用しても、デフォルトし
>たら米国の覇権は、終焉するのは必然でしょう。依然、米国は長期的に国際資本の流
>入を促す政策の方が得策と思います。

1930年代にも中産階級の資産を大掛かりに簒奪しました。
戦後も、80年から現在に至るまで、中産階級の資産を簒奪し続けています。

それでも、米国の2大政党が政権を維持し続けています。米国民は、民主党と共和党のほかに選択肢はないと考えているようです。

経済支配層にとっては、米国の覇権が終焉してもいっこうにかまいません。
米国の経済覇権も歴史的なものだと考えていますし、米国がそれでも維持するはずの軍事的覇権さえうまく使えればいいのです。

米国が経済覇権を維持したければ、おっしゃられるように、「米国は長期的に国際資本の流入を促す政策の方が得策」です。


>結論、米国は、公式にドル高政策の変更を、宣言できない。今回のドル安は、再度ド
>ル債に資本を取り込む為のテクニック?かもしれません。もしWブッシュが、金融政
>策を変更し、世界恐慌を迎えると重大な決意したならば、あんなノー天気なサミット
>を開催するでしょうか?(それとも、意図的にノー天気なふりをしたのかナ?)世界
>同時デフレ不況について思うことははまた数日後、質問させてください。

「NY株安問題」が解消できない限り、米国が資金を取り込める規模は限られます。

「もしWブッシュが、金融政策を変更し、世界恐慌を迎えると重大な決意したならば、あんなノー天気なサミットを開催するでしょうか?」については、W.ブッシュ大統領は、たんなるシャッポですから何も決意する必要はないし、経済支配層もそういう自主的な判断をして欲しいとも思っていません。


>追伸、金を買っても利息がとれません、金と豪ドルは、この20年ほぼ、連動して動い
>ています。先進国では、もっとも高金利です。

金については、値上がり益のみです。
100%の利息が得られても、110%のインフレ率であれば、損をしたことになります。
デフレのなかで1%しか利息が得られないのに、値上がり益が10%得られれば大きな得をしたことになります。

一般論で、別に、金投資の確実性や収益性を主張しているわけではありません。

 次へ  前へ



フォローアップ:



 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。