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私はこう考えます。 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 7 月 28 日 04:42:38:

(回答先: “微温的政策”は「デフレ不況」克服の出発点だと考えています 投稿者 あっしら 日時 2002 年 7 月 27 日 17:59:52)

貴殿の反論を拝見致しました。
>断言しますが、米国や発展途上国のような通貨不足に陥ってはいない日本経済は、政策的に打つ手があります。
>通貨事象から言えば、95年から00年にかけて本来ならば資本化されるべき通貨が40兆円も“不胎化”されていることが、国民経済に「デフレ不況」をもたらしているのです。
これだけが理由ではありませんが、ご指摘の点はその通りだと思います。では、なぜ"不胎化”してしまうのでしょうか。
日本国内に有効な投資機会が存在しないからに他なりません。 なぜ、投資機会がないのか。個人消費の水準が相対的に低いためです。なぜ消費水準がどんどん高まらないのか。各所得階層によって回答は異なるでしょうが、大まかにいうと国民全般が豊かになったためです。「豊かさの逆理」とも言えます。生活必需物資が行き渡り、消費に回すよりも貯蓄に回す個人が多いためです(「貯蓄は将来への消費の先延ばし」という理屈が我が国で成り立たないのは高齢者層の貯蓄率の高さを見れば分かります。理論では説明のつかない行動原理です。)

貴殿のサプライサイド寄りの経済の捉え方はおおむね賛同できるものですが、それに留まらず上記のような需要側の事情にも目配りがあってしかるべきでしょう(セイの法則は価格メカニズムを絶対視し過ぎです。もしこれが本当なら、デフレギャップなど存在しえません。)
端的に言えば、「高い貯蓄率を低落させ消費に向かわせるにはどうすれば良いか」という問題です。貴殿の挙げられた
アイデアでは、(1)税の累進性強化を行う、(2)生産性(労働価値?)の増大により勤労者の実質所得引き上げを行う
の二つが確認できました。(1)は既に申し上げた通り国民が是認しうる範囲の税率改定では効果が薄いと指摘しました。
(2)は、企業の行動原理からして、最初に来る事はあり得ません。魅力的な投資機会があり、投資が成功して企業収益
が上がる結果、勤労者の賃金増の決定を行うのであって、その逆ではありません。

>金融システムに関しては、「銀行の信用創造機能が崩壊の危機に瀕している」というレベルを超えて、“銀行の自立的存続自体が危機に瀕している”と考えています。
>現在の経済状況が続く限り、銀行は、自己の存続維持を図るのが精一杯で、信用創造機能の回復を図ることはできません。

ご懸念の点は理解できます。しかし我が国があくまでも自由主義経済の国である以上、過度かつ恣意的な経営への
介入は極力避けるべきと考えます。我々の見通しが正しければ、整理・統合を含む既存の道具だてで何とか凌げると
考えています。勿論、経済は生き物ですから、不測の事態になれば適切かつ迅速に手を打つ必要がありますし、そうするつもりです。
公的資金の投入には国民の納得を得るためのそれなりの客観的情勢が必要だと言う制約条件も厳然として存在します。
また、金融機関の自律的再生には時間がかかることも指摘しておきたいと思います。柳沢長官が不良債権処理に
7年かかると”正直な”見通しを発表したところ、「7年もかかるとは何事だ。」と蜂の巣をつついたような騒ぎになり、
発言を撤回せざるを得なくなったのは記憶に新しいところです。7年はやや楽観的な見通しです。
今後の経済情勢によっては10年以上かかるかも知れません。

>微温的な政策提示にとどめたのは、財政状況や80年代以降に定着していった経済価値観、そして、10年間も政策当局や通貨当局がもがき続けながらも克服できなかったことで醸成されている政策に対する不信から、国民多数派がなんとか了解でき「民主主義国家体制下における法案成立の難しさ」を乗り越えられるぎりぎりの政策とは何かを考慮した結果です。

このような現実的な姿勢は政策立案を行う立場の者から見て大変好ましいものです。
反面、効果がどうしても限定的になり、何もしないのと殆ど変わらないことになりがちなことも
見落とせません。90年代のビホウ策の連続も十分な効果はありませんでした。今後はさらに
使える政策メニューが制限されてきます。

今後の政策実施の方向性として、大きくは次の3つが考えられます。
1.日本経済を再活性化するために、極端な財政支出拡大と極端な金融の量的緩和を行い、起死回生に賭ける。
2.現在の体力で実行可能な政策項目を全て実施する。
3.税制を始めとするあらゆる制度や組織を官民ともにラディカルに改革する。

ギャンブルは小渕政権で終わりました。もう一度やると本当に国を破滅させます。従って1.は選択肢たりえません。
貴殿のお立場は2.と思われます。私の立場は、2.をも採り込みつつ、軸足は3.に置くというものです。
なぜ、2.ではダメなのか。ヒトコトで言うと、有効性に乏しく、良くてもせいぜい現状の先送りにしかならないためです。
大いなる確率で、2.を行っても経済はさらに悪化してゆきます。残念ながら、それが我々の置かれた現状なのです。
過去のツケを先延ばしにすることなく、少しづつ払ってゆく以外に日本に残された道はありません。

以下、貴殿の挙げられた具体的な政策についてコメントしたいと思います。
● 税制政策:「中低所得者減税」とその減税金額に対応した「高所得者増税」
これについては既述の通りです。悪い政策ではありません。しかし、80年代から連綿と続くこれまでの税制に関する思潮は転換して行く必要があります。

● 金融政策:公的資金による返済不要の増資による銀行の“実質的”一時国有化
日本が独裁国家で、私が為政者ならすぐにこれを実施します。現実には世論が納得する客観情勢が訪れるまで不可能です。

● 通貨政策:緩やかな公定歩合の引き上げと通貨の量的緩和政策の継続による実質マイナス金利の実現
景気が回復しないと公定歩合は引き上げられませんので、この政策は実は何も言っていないのと同じことです。

● 財政政策:財政支出目的の優先度を人的活動力への対価支払いに移行
賛成です。これが、日本の就業構造を変えて行く起爆剤になるでしょう。

● 税制政策:設備及び就業者の追加的投資に対応した「法人税」減税
「政策意図」は分かりますが、法人税制の見直しには日本の都合だけを考えるわけには行きません。

"● 資産価格:株価及び地価の公的買い支え政策の放棄
(株式や土地は、経済合理性のレベルまで下落すれば否応なく安定し、インフレが進行すれば価格は上昇に転ずる)

"
賛成です。私が主張する方向でも決してデフレ・スパイラルにはならない、という論拠もここに繋がっています。

● それぞれの政策を実施する理論的根拠を政権が明確に説明する。
この種の「教育的効果」が発揮されれば素晴らしいことですが、大衆はえてして耳を貸しません。

● 企業が抱える余剰人員については、その整理をできるだけ先延ばしするよう要請し、そのために必要な借り入れができるよう金融機関を指導する。
● 製造拠点の海外移転とりわけ“対日輸出拠点”目的での海外移転を抑制するよう経済界に要請する。(利益と販売を確保したいという企業の気持ちはわかるが、供給のないところに需要はないので、ますます販売不振と価格下落に陥る)
この種の行政指導が通用するのは、70年代まででした。

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