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Re: 妄想の論理 投稿者 南青山 日時 2002 年 11 月 08 日 14:52:28:

(回答先: 大御所からコメントを戴き、恐縮です。 投稿者 朝日新聞は何を考えているのか。 日時 2002 年 11 月 08 日 11:17:19)

西尾氏独特の妄想的論理が充満していて、読み進めるのに困難を覚えましたが、こんなばかげた論理にも共感を寄せる人がいるようなので、一言言わせていただきます。
西尾氏の論理をまとめると次のようになります。
1)5人のら致被害者は日本に渡った瞬間に、北朝鮮に戻ることは迫害を受ける恐れがあってできない。
2)しかし、いつまでも離散家族化すると、マスコミがまずヒステリーを起こし、国民がそれに同調する恐れがある。
3)ら致被害者の親子切り離し帰国は北朝鮮の深謀遠慮の可能性がある。
4)ねらいは、米国の対イラク戦争による世界の足並みの乱れを背景に、日本の世論に働きかけ、日米分断を図るというものである。
5)ところが、朝日新聞の声(読者投稿)欄には、そうした北朝鮮の深謀遠慮を側面から支援するような当初が連日掲載されている。
6)これは明らかに朝日新聞の意図である。
7)このような当初を連日掲載し続ければやがて世論が揺れ始める。世論が割れたところで、社説として北朝鮮政府を同情的に理解する主張を展開するつもりだ。
8)朝日新聞はなにかというと日本の植民地時代の罪を持ち出し、ら致の犯罪性を薄めようとしている。
9)日本がとるべき政策は、「金正日体制に経済協力をせず、拉致問題と核問題を解決することで、国交正常化をすることそれ自体ではない。経済協力はポスト金正日体制へ向けてなされる戦略を立てる必要がある。」
10)朝日新聞の作為的な言論は日本国内の対北朝鮮感を混乱させ、金体制への経済支援を加速させる。
11)日本の援助で米国に届く長距離ミサイルが開発されたら、在日在韓の米軍基地は無力化し、日本は北朝鮮の意志に翻弄される丸裸の国になる。
12)そうなれば、日米関係は破局に至り、対中従属国家に陥る。朝日新聞はそれを狙っている(かもしれない)。

北朝鮮の今回のら致被害者帰国の戦略については、深謀遠慮かどうかは知りませんが、4)の「日米分断」的な側面もあるでしょう。
しかし、現在のマスコミおよび国民は、西尾氏が心配している集団ヒステリー状態にすでに陥っていると思います。連日のワイドショーおよびニュース番組には必ずら致家族の今日の出来事的な報道がなされています。現状では、日朝問題および核問題について検証されるべきでしょう。
こうした現在すでに発生している集団ヒステリー状態をひっくり返すのに、2)〜3)および5)〜8)で展開されているような西尾氏の論理、すなわち朝日新聞の声欄の恣意的な投書の連日掲載だけで果たして可能かどうか、そんなことは小学生でもわかるでしょう。ここがまず西尾氏の第一の妄想です。
9)の日本のとるべき政策は、小生もほぼ賛成というか、ごくごく常識的で当たり前の論理です。
10)でも、声欄の投書が金体制への経済支援を加速するという妄想が語られています。
それでも、朝日新聞の声欄に掲載されるされないにかかわらず、日本が北朝鮮に何らかの形で経済支援する可能性が残されています(小生は金正日体制を早いところ崩壊させる派なので、原則的に現状での経済支援はいっさい反対です。しかし、ら致被害者の家族の帰還と絡められたらどうすべきか、判断に困りますね)。
日本の経済支援が即核兵器や長距離ミサイルの開発につながらないにしても、金正日体制を延命し、それがそうした兵器の開発につながる可能性はあります。
しかし、11)の米国に届く長距離ミサイルが開発されたら、在日在韓の米軍基地が無力化することはないでしょう。逆に、重要性はますます高まるでしょう。日本は北朝鮮の意志に翻弄される丸裸の国になると同時に、米国の意志にも翻弄されるようになるでしょう。
したがって、12)にあるような日米関係は破局になることもないし、対中従属国家に陥ることもないでしょう。
というわけで、10〜12)も、西尾氏の妄想の産物としか言いようがない代物です。
西尾氏の文章は、結局のところ、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い式の幼児的論理で、南京虐殺問題、従軍慰安婦問題、自虐史観問題、教科書問題などで常日ごろ憎々しく思っている朝日新聞に対して、これ幸とちんぴらの言いがかり的いちゃもんをつけているようにしか見えません。
小生は対中従属国家になることもご免ですが、対米従属国家になることもご免です。西尾氏の常日ごろの言動はどう見ても対米従属国家になることを容認しているようにしか見えません。小生から見ると、西尾氏も日本をアメリカに売り渡す深謀遠慮を持つ国賊にしか見えないのですが。

日ごろ愛読させていただいているあっしら氏が、こうした妄論にもきちんと応えられているのでびっくりしましたが、「西尾氏は「朝日新聞」ではなく小泉政権を非難すべき」というのは正鵠と思います。
たぶん、最大の問題は、対イラク戦後の米国の対北戦略をどう読むか、そして紆余曲折はあるでしょうが、金正日体制崩壊前後および中長期スパンの対韓国、対中国、対台湾、対米国の戦略をどう立てるかでしょう。
こうした政治、経済、軍事、外交的戦略と今回のら致被害者問題とは切り離して考えるべきと思います。もちろん、ら致被害家族の救出を第一義に考えるということで、外交および世論操作の道具にしてはいけないということです。

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