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Re: いくつかの補足説明 投稿者 あっしら 日時 2002 年 5 月 01 日 14:01:37:

(回答先: 中国に対する政治的圧力の意味は分かったのですが・・・ 投稿者 I-MAC 日時 2002 年 4 月 27 日 23:55:41)


I−MACさん、こんばんわ。
見逃していたので、レスが遅くなり申し訳ありません。


>>「イスラムを精神的な拠り所にするだけで国家統治は“近代法”に基づくもの」
>>は、建前は民主主義政治体制であっても、本音は金融=経済支配

>そういうことですか。ということはもし仮にイランがこのまま、イスラム的な民主主
>義政治体制になったとしてもアメリカは敵対行動を続けるということですね? 

欧米の金融資本の進出やメディアの進出を認めないものであれば、“本当の民主主義”ではないとかといった難癖を付けて敵対行動を続けます。

79年に倒されたパーレビ国王は、米国からじゃぶじゃぶ武器を購入し国民生活を疲弊させ、秘密警察による反対派の締め付けをしましたが、“近代主義”を掲げていたので米英から支持されていました。
イラン革命も、近代主義=反イスラムの国王に対する反旗として起きたものです。

米英は、金融資本の自由な活動を許すのなら、北朝鮮のような統治形態でもかまわないのです。


>>英米資本・・・パイプラインの敷設が始まり部分的な開通
>知りませんでした。どのルートを通っているのですか?

フランスF2ニュースで部分開通の式典を報道していましたが、ヨーロッパまでの正式なルートは、アブハジアやチェチェンなど紛争地があるので詳細は未定のようです。

>>中国は、シンチアンウイグル自治区のタリム盆地で開発を進め、
>>沿岸部まで3千Kmのパイプラインを引こうとしています。
>ラシッドもこの点を指摘していました。素人考えなのですが、これは中国におけるマ
>ラッカ海峡の重要度の低下、つまりエネルギー的に自立することで、欧米の影響から
>抜け出すことを睨んだものなのでしょうか。

中国は、経済発展のためにより需要が増す天然資源をできるだけ自前で確保したいと考えています。
欧米の影響から抜け出すというより、エネルギー確保を、軍事力と並んで、国家としての自存自衛の基盤と考えているようです。

そのような脈略でロシアとの関係強化もみるべきだと思っています。


>>華人に経済を支配されている現実
>>シンガポールも、90年代に入ってからは積極的な対中投資
>>台湾も、中国なくしては経済が成り立たない状況
>確かにハンチントンもその点を重視していたようですし、華僑ネットワークは重要な
>存在だと思いますが、ぼくはアイデンティティ・ポリティクスの方を重視します。東
>南アジア諸国内の多様なポリティはそうやすやすと中国につくことを許さないと思い
>ます。

東南アジア諸国の国民が経済を支配している華人に敵意や憎悪を抱いていることは間違いありませんが、中国経済が順調に発展すれば、東南アジア諸国の統治者は、米国に依存したように中国になびくと思います。
国民レベルの対華人観を変えることは難しいことですが、経済を支配していれば、統治者の政策を変えることはそれほど難しいことではありません。

中国の統治者は自由貿易圏創設を急いでいますが、自国の利益にしがみつくのではなく、加盟国にどれだけ経済的利益を還元できるかがその成否を分けると思っています。


>>韓国は微妙
>そうでしょうか、韓国の次期戦闘機選定ではF15Kが選ばれました。韓国内ではアメリ
>カの外圧だということで物議をかもしたようですが、この選定は要するに韓国はこれ
>からもアメリカについていくというサインじゃないでしょうか?

韓国は、経済で、今のところ中国よりも米国をはじめとする「文明諸国」に依存しています。
選定で疑惑も上がっているF15も、経済的取引の側面が強いと見ています。
同等額の財政支出であれば、欧州(フランス)よりも米国政府の顔を立てるということです。

中国につくということはないと思いますが、自国に火の粉が降りかかる可能性がある問題については回避をはかると思います。
(政治的に米国を支持しながらも、軍事衝突を避ける外交活動をするでしょう)

>>改憲が必要
>ぼくはもう攻めてくる国なんてない、もしあったとしても「低強度紛争」かミサイル
>が飛んでくるぐらいのものだから、「低強度紛争」の場合はまあ海上保安庁をもうす
>こし強力にして、対ゲリラ部隊をつくるぐらいで(ミサイルが飛んできたときは、も
>うどうしようもないからあきらめる)自衛隊なんていらないって思ってますけどね。

私も、攻めてくる国はないと思っています。
本土を含む軍事的な緊張があるとしたら、米国が日本に対して軍事的な恫喝に行ったときだと考えています。

世界戦略を遂行するための軍事力を保有している米国に対抗できる軍事力を持つ必要はありませんが、安易に軍事的恫喝を仕掛けられない程度の軍事力は保持しておくべきだと考えています。

もちろん、敗戦→占領で国が良くなったと考えている人もいますから、攻撃されたらすぐ手を挙げるというのも国策として考慮されるべきだと思っています。


>>竹島・尖閣諸島
>尖閣はどういう経緯なのかは知りませんが、竹島は韓国の領土だと思います。

尖閣列島は、あいまいな領有(所有)状態が続いたようですが、日清戦争後の台湾割譲と同時に明確な日本領になったと記憶しています。


>>餌は新しい魚を釣るために使うもの
>そうでしょうか、少なくとも日米安保はアメリカの世界戦略で重要な地位を占める限
>り、存在し続けると思うのですが。

既に手中に収めた国にコストはかけないということで、戦後〜90年までのように、日本に経済成長ができるような環境を与えないという意味です。
日本は刈り取り対象であり、中国は生育対象になっています。


日本は、逆に、米国の指示で餌を撒かされる存在です。

年間7千億円を超える“思いやり”予算もその一つです。周辺事態法もそうですが、今回の武力行使事態法も、在日米軍とその指示で動く自衛隊をスムーズに展開させるためのものです。
今後、戦費負担をさらに増大させ、部隊の派遣もより求められると考えています。


>>19世紀の清と英国の関係

>それを現在の中国とアメリカの関係に置き換えてみるのはどうかと思います。
>19世紀といえば植民地主義ばりばりの時代で、イギリスはあわよくば清を植民地に
>しようと狙っていたでしょう。今のアメリカと中国では、そこまで露骨な関係には成
>らないでしょう。
>たとえば日本はインドネシアでとんでもない工場を建てて汚染物質を流しまくりまし
>たけど、そんなに大きな問題になりませんでした。

「19世紀の清と英国の関係」を持ち出したのは、ある特定の国家や商人と交易を行うべきかどうかでさえ軋轢が生じるのだから、金融支配が目に見えるようになると同じような軋轢が生じるという意味合いです。

19世紀から20世紀初めの英国は、関税権や鉄道利権を軍事力を背景に清から奪い、インドと同じように植民地としての支配を目指し、米国は、門戸開放と機会均等を主張していました。
これを、米英のシンクロと見ることもできるし、英国流直接支配と米国流間接支配という流儀の違いとして見ることもできます。

直接支配はそのコストと経済権益が見合わないと認識されていますが、間接支配も、対象経済社会に対する侵食という面では変わらないものです。


インドネシアは、スハルト開発独裁権力の力がそのような日本企業の問題に蓋をしていました。経済開発が国民生活の生活向上につながるという期待(現実にもそれなりの向上がありました)が裏切られるなかで、諸問題が噴出したと思っています。


>ただ
>>第二義的には米国自身を含む「文明諸国民」に中国敵視意識を持たせること
>>自国の軍事力強化=軍事産業(金融)活性化
>>必要であれば行う政治的介入や部分的な軍事介入の正当化ができる土壌
>っていう内向きの論理は、また元に戻ってしまうのですが、中国の警戒心を強めるだ
>けのような気がするのです。下手をすると、経済的な侵入もとめられてしまい、本末
>転倒してしまう恐れもあるのではないでしょうか。
>価値観の全面的な衝突を招く恐れがあるもの
>であるからこそ、ぼくのような一般市民ですら見えてしまうような露骨な圧力は逆効
>果ではないかと思うのです。

中国が警戒心の現実化として軍備力を強化しなければ、米国政府も、軍事力を強化する名目を失いかねません。
冗談ですが、中国が軍門に下ったら、日本・韓国・台湾のように、中国も米国軍需産業から武器を購入して欲しいと考えるでしょう。

中国政府が“経済成長至上主義”に陥っていることを巧妙に利用すれば、少々挑発しても、「経済的な侵入もとめられてしま」うことはないでしょう。

ご指摘のように、中国国民のあいだで起きる反米感情には十分な配慮を払わなければ、本末転倒になる可能性があります。
中国が経済成長を続け、中国政府も経済成長を利用した経済格差縮小策を採れば、米国経済に依存していると認識している中国国民も、政府に反米的行動をあまり求めないでしょう。
逆に、それに失敗すると、反米感情が反米行動の要求に結びつくと考えます。


>>西欧的近代価値観とイスラム的価値観の対決という構図

>国対国の関係ではないのですが、アメリカには600万のムスリムがおり、ヨーロッ
>パの場合は1100万のムスリムがいるそうです。つい最近のフランスの大統領選で
>のFNや、ドイツでの保守の躍進に見られるように、国内での価値観の対立もかなり
>深刻になっているようですね。

欧米に移住したムスリムは“近代ムスリム”です。
イスラムは法規範を含む宗教ですから、ムスリムがイスラム法が施行されていない土地に移住することは不信心とも言えます。


「反テロ戦争」が「反イスラム戦争」であることが目に見えるものになれば、近代ムスリムもムスリム回帰に動くと考えています。
(欧州ではそのような兆候も見られますが、まだ大きな動きではありません。欧米在住のムスリムの多くが日々の生活に追われているということもありますが)

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