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「ニューズウィーク」記事に対する独白 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 20 日 00:06:40:

(回答先: ラムズフェルド氏(米国)とフセイン氏(イラク)の腐れ縁 [ニューズウィーク日本版9・25] 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 19 日 17:33:48)


国内・国際を問わず政治のみならず経済にまで謀略がはびこっているのは自明のことだから、その部分には触れない。


>アメリカの外交関係者が「昨日の友」の失脚を願うのは、別に珍しいことではない。
>あのソ連も第2次世界大戦中は、共にヒトラーと戦う盟友だった。
>それでも、ラムズフェルドとフセインの握手は、「今日の友」が明日は致命的な脅威
>になりかねないということを思い知らせられるエピソードだ。

第二次世界大戦では、タリバンに対する北部同盟のように、ソ連をナチスドイツにぶつけて米英の損失をできるだけ少なくするという戦術を採り、戦後は新たな世界構造をスムーズに築くためや肥大化した米国の軍事力を維持するためにソ連を封じ込めたことは事実だが、スターリンの失脚を願ったわけではないでしょ。
(ソ連に犠牲を強いた代償が東欧諸国に対するソ連支配の許容である)

イラクは、イラン革命を失敗に帰させたり、その拡大を防止するために使われたが、“明日”になっても「致命的な脅威になる」存在ではない。

攻撃された場合は別として、自らが米国に武力で刃向かうという決断を下すほど愚かな国家は、大日本帝国が最後であろう。
米国にとっては、イランのほうが相変わらず脅威であるはずだ。
(サウジアラビアとの価値観的対立性は経済権益で相殺されている)

第二次世界大戦によって生まれた新しい世界構造とは異なり、イラン−イラク戦争当時と現在で、中東の政治的枠組みに変動があるわけではない。
湾岸戦争を契機に、米国とイラクが敵対関係になったというだけである。
そして、湾岸戦争後の経済制裁と軍備管理により、イラクの軍事力は格段に劣化した。

中東の政治的枠組みに変化がなければ、イラクが“明日の脅威”になるという根拠もほとんどないと言えるだろう。
(米国は、同じ政治的枠組みのなかで、化学兵器攻撃や生物兵器開発への支援を行い、イランの油田を直接攻撃することまで行っている)

湾岸戦争は、イラクが、イランを対象とするのではなく英国に分捕られたとイラクが考えているクウェートに侵攻しただけである。(しかも、記事にもあるように、米国政権の黙認のもとで)


>ジョージ・W・ブッシュ大統領は、フセイン失脚後のイラク情勢について検討する以
>前に、よく考えてみるべきだ。過去3代の大統領はなぜこれほど長い間、権力の座に
>いるフセインをそのままにしておいたのかということを。

それはですね、イラク攻撃を突破口として中東の政治的枠組みを大きく変える軍事行動を起こすためのもっともらしい理由を残しておくためです。


>フセイン政権が崩壊すれば波紋は中東全体に広がり、新たな中東戦争の引き金になり
>かねないとの懸念から、イラクに手出しができなかったという面もある。
>現ブッシュ政権はようやく、そんな呪縛を断ち切ろうとしている。政権内の開戦派
>は、フセイン政権が崩壊すれば米軍は解放者として歓迎され、独裁政治に変わって民
>主主義が花開くと楽観的だ。だが、イラク攻撃が反米感情をあおり、親米的なアラブ
>諸国がイスラム過激派に倒されることを予想する向きもある。

呪術国家ではないのだから、現実的な根拠がないまま呪縛を断ち切るとは考えにくい。

イラクを含めて中東の政治的枠組みに変化がないのに、「フセイン政権が崩壊すれば波紋は中東全体に広がり、新たな中東戦争の引き金になりかねないとの懸念」がどうやって払拭できると言うのだろう。

イラク国民が米軍を迎える気持ちも、イラクで反フセイン政治行動が活発化しているわけでもないから、従来と変わったわけではない。
イラク国民の多くは、現在のような経済的苦境をもたらした責任は米国にあると考えている。

「ニューズウィーク」はストレートには認めていないが論理としては認めている「フセイン政権が崩壊すれば波紋は中東全体に広がり、新たな中東戦争の引き金になりかねない」軍事行動を米国政権は起こそうとしているのだ。


>父ブッシュの政権内にも議会にも、フセインは「扱いにくいが利用価値のある独裁
>者」だとみる向きは存在した。国務省は90年8月にフセインがクウェートに侵攻す
>る瞬間まで、あいまいな態度を取り続けた。

今回も、「扱いにくいが利用価値のある独裁者」としてせいぜい活用したいのでしょう。


>中東におけるアメリカの同盟国は、「フセイン後」のイラクが分裂し、中東を混乱に
>陥れることを恐れていた。イラク南部のシーア派とイランのシーア派が手を結んでサ
>ウジアラビアとの国境を脅かすかもしれないし、北部ではクルド人が分離独立をめざ
>していた。

今でも、中東におけるアメリカの同盟国は、ちゃんと恐れていますよ。

それがよくわかっているはずなのに、「フセイン政権が崩壊すれば波紋は中東全体に広がり、新たな中東戦争の引き金になりかねない」軍事行動を起こすのですね。


>政府高官が本誌に語ったところによると、ブッシュ政権にはフセイン後に別の独裁者
>を担ぐ気はない。ブッシュは新生イラクを、民主主義に基づく法治国家にしたいと明
>言している。
> もっとも、それを実現する道は誰にも見えていない。ブッシュの側近は、イラク国
>民自身が専制政治への逆戻りに抵抗することを期待している。だが別の当局者が言う
>ように、アメリカが本腰を入れて関与しないかぎりイラクの民主化は不可能だろう。
> イラクを生まれ変わらせるためのコストがどれくらいで、誰がそれを負担するの
>か。治安維持に必要な兵力も不明だし、駐留期間もわかっていない。

ここまでわかっていながら、イラク攻撃を実行するという本当の狙いは何なんでしょうか?

決まっていますよね、「フセイン政権が崩壊すれば波紋は中東全体に広がり、新たな中東戦争の引き金になりかねない」状況を生み出すことが第一段階の目的です。

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