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インタゲ政策の達成手段以外に日銀が打てる政策がない現状では基本的に従来通り
http://www.asyura.com/2003/hasan22/msg/483.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 24 日 18:54:44:

(回答先: Re: あっしらさんの解説を希望します 投稿者 キャプテン 日時 2003 年 2 月 24 日 16:28:39)


キャプテンさん、こんにちわ。

まず、日本経済の現状は、財政政策でなら可能性がありますが、中央銀行の金融政策で解決できるものではありません。(赤字(借金)財政支出拡大には反対です)

福井氏はインフレターゲット論者ではないのでそれに向かった政策は実施しないと予測していますが、デフレ下におけるインフレターゲット政策の実施は、資産価格の上昇などを通じて一時的に経済活動を活発化させることがないとは言いませんが、80年代後半以上のバブル形成を意味しますから、中長期的には、激越なバブル崩壊で幕を閉じるか、「産業・金融の国有化」で終わることになります。

日銀ができる政策との関係で今後を予測すると...


● 利子率

昨今の経済状況が続く限り、長期・短期ともに低位安定以外の選択肢はありません。

低金利で発行した国債の残高が既に膨大になっているので、銀行が国債売りに動くような金利上昇の兆しさえ見せることはできません。
長期金利が実際に上昇すれば、銀行は不良債権処理の原資を稼ぐことさえできなくなり、新規に増加している不良債権もあり破綻に追い込まれます。

政府=財務省にしても、景気回復と物価上昇を起因とする利子率上昇ならば、実質金利が低下し税収も増大するのでやむなく認めることもあるでしょうが、福井氏が「低い長期金利は公的部門のモラルハザードを助長し、将来の金利反転時にシステミックリスクをもたらす」との考え方に基づき長期金利の緩やかかつ持続的な上昇を志向したとしても、それは潰されると予測します。


● 金融の量的緩和

これは将来的な通貨価値の下落につながる問題をはらんだ政策ですが、「国債サイクル」の維持は国家の至上命題ですから、日銀は国債発行高に見合った日銀券の供給をせざるを得ません。

銀行も、資金運用難と不良債権という大問題を抱えているので、わずかばかりの利鞘であっても、安全でかつ量効果で得られる利息絶対額から日銀から資金を借り入れ国債を引き受けます。


● 非正統的資産の買い入れ

速水総裁時代に始まった銀行保有株の買い入れは継続されるはずです。

しかし、福井氏が総裁になっても、買い入れ対象株式を積極的に広げることはないと思っています。銀行の株式評価損が拡大していけば政府の要望に折れるかたちで買い入れ対象の株式範囲を広げる事態になるかもしれません。

福井氏は通貨価値安定志向であってインフレターゲット論者ではないので、福井氏が日銀総裁に就任しても、インフレターゲット論者が提唱しているETFの買い入れを行うことはないと予測しています。
(福井氏をはじめとした日銀幹部は、ETFに較べれば国債の方が資産価値の保全性が高いと判断しているはずです。日本経済の先行きに明るさを持っていないということです)

ただし、日銀のバランスシートを健全化するという名目で、外債(米国財務省証券)の買い入れは行うと思っています。
これは、今後重要な問題となる“ドル防衛”と“赤字ファイナンス”という米国政権&FRBの意向にも叶うものです。(“ドル防衛”=ドル下落防止とはすなわち円高抑制ですから、ほとんど非難されないはずです)

● その他

福井氏は通貨価値安定と「構造改革」が好ましいものと考えているようですから、財政規律や産業政策に物申すかもしれませんが、「国債サイクル」維持を危機に陥れたり、「民主制福祉国家」がもたらす政治的要求に抗う政策を実行することはできないはずです。

どちらにしても、バブル形成の“共同正犯”である福井氏が、国民経済の再生という観点で政策を打ち出していくことはないと考えています。

福井氏が日銀総裁としての適格性を声高に問われるようになるとしたら、それは、国民経済の破壊につながる政策を提唱し始めたときでしょう。


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