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生ビールの“叩き売り”が都内飲食店に広がる 4回目緊急事態宣言まで「残り二夜」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/291749
2021/07/10 日刊ゲンダイ
ラストスパート（Ｃ）日刊ゲンダイ
まん延防止等重点措置の延長から一転、４回目の緊急事態宣言が12日に発令される東京都内の飲食店はテンヤワンヤだ。
わずか３週間で“禁酒令”が復活。その上、新型コロナウイルス担当の西村経済再生相が酒類の提供停止に応じない飲食店に対し、取引金融機関から圧力をかける方針を打ち出し、猛批判を浴びて撤回に追い込まれた。菅政権の場当たりに、飲食業界からは怒号の嵐だ。要請に応じる店、拒否する店。対応はさまざまだが、少しでもロスを回避しようと知恵を絞っている。
〈生ビール「半額」です 口開け樽が空いたら終わり〉
〈90分飲み放題1500円 開封済みの日本酒、生ビールがなくなり次第終了〉
〈生ビールも飲めて2000円飲み放題〉
SNSにはこうした告知が飛び交っている。樽生ビールは賞味期限は２週間ほど。開封してしまったら、飲み切るしかない。宣言発令決定から残された時間はあとわずか。生ビールの叩き売りは、廃棄するよりはマシという苦肉の策だ。
「ウチも９日から、セット料金にプラス500円で生ビール飲み放題をやってます。４月に３回目の宣言が出て、お酒の提供が禁止された時は18リットル樽を開けちゃった直後。仕方なく、余った生ビールをすべて廃棄したんです。今回も樽を開けたばっかりなので、赤字覚悟で大放出することにしました。捨てるのはもったいないので。生ビール目当てで、お客さんが少しでも顔を出してくれると助かるんだけど」（新宿のスナック店主）
「ミライザカ」「三代目鳥メロ」を運営するワタミは70店規模で休業。都内には運営店の約４割が集中しているため、追加で４億円の損失が生じる見込みだという。「甘太郎」などを展開するコロワイドも休業を検討中だ。一方、「カフェ ラ・ボエム」などを運営するグローバルダイニングは通常通りに深夜営業を続ける。
第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストの試算によると、４回目の宣言の影響で個人消費は１兆2000億円下押し。失業者は5.5万人増えるという。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストの試算でも、経済損失は１兆260億円に上り、失業者は4.1万人増えるとしている。
ひょっとしたら、この夏の飲み納めになるかもしれない週末。そう考えるヤカラで夜の街はにぎわっている。
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