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ヴィルヘルム・ステーンハンマル(Carl Wilhelm Eugen Stenhammar, 1871 - 1927)
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投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 04 日 08:08:21: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: ホアキン・ロドリーゴ ギターと管弦楽のための《アランフェス協奏曲》 投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 02 日 19:18:58)

ヴィルヘルム・ステーンハンマル(Carl Wilhelm Eugen Stenhammar, 1871 - 1927)

北欧の作曲家として、グリーグとシベリウスに次ぐ存在だそうだ。自分はまだほとんど聞けていないが、イメージはバランスの良い実力派という感じである。


管弦楽曲

交響曲 第1番 ヘ長調 (1902年 - 1903年)
4.0点
馥郁とした豊かで柔らかい響きの巨匠的な品格ただよう1楽章はなかなかの名品。3楽章もロマン派交響曲の屈指の中間楽章と呼びたいほどの美旋律と自然を感じさせる豊穣な音楽世界が大変に秀逸である。オーケストレーションがかなり良いように聴こえる。ロマン派の発見した良さを交響曲の楽章として最高度に結晶させている。他の楽章もなかなかの力作で十分に曲の価値をキープして楽しませてくれる。感動的なフィナーレは見事な盛り上げ方であり、いいものを聴いたと胸が一杯になる。作曲家の独自性は2番の方があるが、1番も大変な傑作である。

交響曲 第2番 ト短調 作品34(1911年 - 1915年)
4.0点
北欧の厳しさを伴った大自然を感じさせるところはシベリウスに似ていて、ゾクゾクする素晴らしさがある。音使いが室内楽のように簡素でポリフォニックな印象が強いが、それでもオケとしての十分な演奏効果を上げている。壮大な世界の広がりと凍てつく空気と氷の大地を感じさせる1楽章はかなり良い。他の楽章も素晴らしい。没入感があり良い音楽を堪能させてもらえて幸せな時間を過ごせる名作である。時々音の密度感の不足に物足りなさを感じるときがあるものの、全体としてはこれは難解で晦渋なシベリウスの交響曲よりも優れているかもしれない。マイナーなのが驚きの名曲。

交響曲 第3番 ハ長調(1918年か1919年、断片的なスケッチ)

セレナード ヘ長調 作品31(1908年 - 1913年、1919年 改訂)
4.0点
見事な管弦楽法でセレナーデらしい愉しませつつ、高度で密度が高く品位も高い音楽を実現している。この曲にはマイナー曲に何かしらある物足りなさがほとんど感じられない。まさに大作曲家の作品らしい隙のなさと磨き上げられた完成度である。完成度で比較するなら交響曲よりも上であろう。もし人口に膾炙するようなメロディーを一つでも産み出して取り込めていたら、有名曲になれた作品である。北欧らしさがありつつも交響曲より色は薄めであり、かなりドイツ的である。ドイツならではの重厚などっしりとした手ごたえ感があるが、しかし北欧らしい情景の要素や、品のよい遊び心のあるセンスとふわっとした軽やかさがあるのが楽しい。


演奏会序曲「高みを目ざして(Excelsior!)」作品13(1896年)


ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品1(1893年)
2.8点
1楽章はたいした特徴もなく地味で面白くない。2楽章は軽やかな詩情が楽しめる。楽しい気分で最後まで聴ける。3楽章は天才的な場面がごく短い間だけ存在するが他は凡庸である。4楽章も凡庸である。全体として2楽章だけがオススメできるが他はあまり面白くないのと、4楽章通すと長すぎるため我慢の時間が長すぎてあまり評価できない。作曲者がピアノ協奏曲に向いていない印象である。

ピアノ協奏曲 第2番 ニ短調 作品23(1904年 - 1907年)
3.0点
それなりに立派に書かれた曲である。しかし、ピアノ協奏曲というフォーマットを使って独自の表現世界を作ろうとするアイデアが足りないように思えてしまう。なんともしっくりこない。独奏の場面が多いのは特徴と思う。オケにピアノの伴奏をさせて、ピアノを活躍させて、逆にピアノにオケの伴奏をさせることによって産まれる美や情感や情景に入り込めない。しかしこの不満が2楽章の後半から改善して良くなる。3楽章と華やかで高揚感があり愉しませるものがある。

(ヴァイオリンと管弦楽のための)2つの感傷的なロマンス 作品28(1910年)

室内楽曲

弦楽四重奏曲 第1番 ハ長調 作品2(1894年)
3.5点
音が薄めの管弦楽曲で個人的に想像していたとおり、とても弦楽四重奏はマッチしているようだ。この曲は多くの素材により複雑に作り込まれた充実感が素晴らしい。巨匠的な響きや音使いの品格と隙のない充実感がある。これで、パッと分かるよいメロディーや雰囲気作りがあれば完璧なのだが、4楽章はそれに近いものがある耳に残る憂いのあるメロディーを持っている。達人ドヴォルザークのセンスには負けるかもしれないが、かなりのレベルで弦楽四重奏をマスターしている。

弦楽四重奏曲 第2番 ハ短調 作品14(1896年)

弦楽四重奏曲 第3番 ヘ長調 作品18(1900年)

弦楽四重奏曲 第4番 イ短調 作品25(1909年)
3.3点
短調の曲である。特に陰鬱さが強調されているわけでもないのに、全体にやたらと浮かない気分にさせられるのは何故だろう。密度感や構成や素材の充実感はあるのだが、聴いていて暗い気分になるせいでなんだか楽しめない。おそらくは非力になり重力に負けて身体を横たえながら魂が抜けながら脱力していく感じが気力の喪失を感じさせて、それが精神にダメージを与えるのだろう。あまり記憶のない不思議な感覚だと思った。また、充実感があるにも関わらず「これは良い」とすぐ分かる明快なメロディーやフレーズの良さに欠けるのも欠点である。

弦楽四重奏曲 第5番 ハ長調 作品29(1910年)
3.5点
わりと短い曲なのだが、非常に多くのものを内包した作品である。深淵にして自由闊達なところは、ベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲をかなり連想させる。あれほどの高みと深淵は全然ないにしても、通常では到底到達しないかなりの独自の境地に居る音楽と感じる。達観したような感じだろうか。音が薄いのだが、不思議なバランスと自由さで駆け回っていき、それが妙に多くのものを限界も自由さの臨界点も裏も表も全て見切ったか心境に感じるのだ。不思議な作品である。

弦楽四重奏曲 第6番 ニ短調 作品35(1916年)
3.5点
人生の終焉に向かって総決算をしていくような心境がやりすぎな位に赤裸々に描かれている。晩年らしい作品に作品である。祈りの気持ちが前面に出たり感傷的になる場面もある。かなり感動的な曲なのだが、それまでの作品と比較して、あまりに曲のトーンが一面的に偏っている気はする。感動的な場面が多数の赤裸々なこの曲は、ベートーヴェンやブラームス後期に匹敵すると感激する人も居るだろう。


ヴァイオリン・ソナタ イ短調 作品19(1899年または1900年)

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E5%8C%97%E6%AC%A7


カール・ヴィルヘルム・エウフェーン・ステーンハンマル(ステンハンマルとも、Carl Wilhelm Eugen Stenhammar, 1871年2月7日 - 1927年11月20日)は スウェーデンの作曲家、ピアニスト、指揮者。


生涯
1887年から1892年までストックホルムでピアノ・オルガン・作曲を学び、1892年春にピアニストとしてデビュー。同年秋から翌年まで、ベルリンにピアノ留学。この頃からステーンハンマルは、コンサート・ピアニストとして、熱心かつ積極的に活動を行う。とりわけ、作曲家・ヴァイオリニストトール・アウリンとのデュオや、アウリン弦楽四重奏団との共演に熱意を寄せた。

1897年秋に、初めて指揮者として公開演奏に乗り出し、これ以降、作曲活動を別とすれば、指揮が生涯の長きにわたって活動の中心を占めた。1900年か1901年にストックホルム王室歌劇場の楽長に就任。1906年または1907年から 1922年までの間、エーテボリ交響楽団(スウェーデン初のプロの常勤オーケストラ)の首席指揮者を務め、多くの同時代のスカンジナヴィアの音楽を上演した。1923年から1925年まで、再びストックホルム王室歌劇場の楽長に復帰。

1909年に短期間、ウプサラ大学の音楽監督を務めたが、翌年この職務をアルヴェーンに引き継いでいる。

ステーンハンマルは生涯を通して、スカンジナヴィアの音楽界で高い尊敬を勝ち得、多くの名声ある同僚たちと親交を保った。1916年にイェーテボリ大学より名誉博士の学位を受けた。


作風
ステーンハンマルは、スウェーデンの最も重要な作曲家の一人である。同世代のアルヴェーンとともに、ベルワルド以降の最も重要な交響曲作家でもある。

ステーンハンマルは、様式的に見て後期ロマン派音楽の作曲家である。当初は、完全にベートーヴェン、ワーグナー、ブルックナー、ブラームスらに影響されて、力強さと激しい情感を伝える重厚な作品を書いた。しかしながら、友人のニールセンやシベリウスの手引きで、そのような美学を疑うようになり、新ドイツ楽派から徐々に背を向けた。

1910年を境にステーンハンマルは、新しい理想を成熟させ、それ以降は、「北欧風」の抑揚を目標に掲げ、効果なしでも成り立つような、「透明で飾り気ない」音楽を作曲しようとした。この頃からステーンハンマルの作品は、民謡の旋律法にしたがって形成され、教会旋法の活用や、ある種の真に簡潔な表現によって、紛うことなき「スカンジナヴィア風」の抑揚が展開されている。それにもかかわらず、高度な作曲技法は、わけても明白なポリフォニーが表現に加味されることによっても明らかである。この新しい様式の典型的な作品が、ドーリア旋法を用いた『交響曲第2番』にほかならない。

作品

歌劇
『ソールハウグの宴』 作品6(1893年)
『ティルフィング』 作品15(1898年)

管弦楽曲
交響曲第1番ヘ長調 (1902年 - 1903年、撤回)
交響曲第2番ト短調作品34(1911年 - 1915年)
交響曲第3番ハ長調(1918年か1919年、断片的なスケッチ)
セレナード ヘ長調 作品31(1908年 - 1913年、1919年 改訂)
演奏会用序曲『エクセルシオール!』[注 1]作品13(1896年)
ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品1(1893年)
ピアノ協奏曲第2番ニ短調作品23(1904年 - 1907年)
(ヴァイオリンと管弦楽のための)2つの感傷的なロマンス 作品28(1910年)

声楽曲
カンタータ『一つの民族』 作品22(1905年)
カンタータ『歌』 op.44(1921年)
合唱曲、約60曲の歌曲

室内楽曲
弦楽四重奏曲第1番ハ長調 作品2(1894年)
弦楽四重奏曲第2番ハ短調 作品14(1896年)
弦楽四重奏曲第3番ヘ長調 作品18(1900年)
弦楽四重奏曲第4番イ短調 作品25(1909年)
弦楽四重奏曲第5番ハ長調 作品29(1910年)
弦楽四重奏曲第6番ニ短調 作品35(1916年)
ヴァイオリンソナタイ短調 作品19(1899年または1900年)

ピアノ曲
ピアノソナタ ハ長調(第1番)(1880年)
ピアノソナタ ハ短調(第2番)(1881年)
ピアノソナタ 変イ長調(第3番)(1885年)
ピアノソナタ ト短調(第4番)(1890年)
ピアノソナタ 変イ長調 作品12 (1895年)
3つの幻想的小曲集 作品11 (1895年)
5つの小品『晩夏の夜』作品33 (1914年)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%AB
 

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