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カール・ライネッケ(Carl Heinrich Carsten Reinecke, 1824 - 1910)
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投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 07 日 00:06:21: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: マイナーな作曲家が書いた名曲 投稿者 中川隆 日時 2021 年 9 月 27 日 23:33:40)

カール・ライネッケ(Carl Heinrich Carsten Reinecke, 1824 - 1910)

交響曲

交響曲第1番 イ長調 Op.79 (1858年)
3.5点
1楽章は平凡なよくあるロマン派ドイツ交響曲の域を出ていない。2楽章はしなやかな感傷的な叙情で感情のうねりを重ねて徐々に大波を作っていくような音楽でかなりよい。慈愛の音楽はベートーヴェンの傑作緩徐楽章の出来に迫っており、深く音楽の感動的世界に入り込める。3楽章はベートーヴェンを引き継いだ正統派であり悪くない。最後の終わり方は気に入った。4楽章は軽妙で控え目であり、もっと愉しませて欲しいという欲求不満が残った。全体に2楽章の素晴らしさ以外は、あともう一息の感があるものの、なかなかの作品である。

交響曲第2番 ハ短調 Op.134 (1874年)
3.5点
柔らかさと詩情に裏打ちされた骨組みのきちんとした音楽であり、シューマンやブラームスのように癖があってゴテゴテしておらず、スマートでベートーヴェンを受け継ぐ正統派のドイツのロマン派交響曲という点で存在価値が高いと思う。メンデルスゾーンのような標題音楽的に感じるところもない。成熟したよい曲であるが、旋律などやはり少し地味である。そして1番の2楽章のような強い魅力のある楽章がない。地味に感じるのは精神の健常なバランス感覚を保っている正常性からのような気がする。稠密に念入りに構築された音楽は何度も聴くと良さがよく見えてくる。どの場面もよく考えて効果をきちんと計算して書かれている。魂の破天荒さはない。

交響曲第3番 ト短調 Op.227 (1895年)
3.5点
どの楽章もなかなか立派で充実しており、感心して聴ける。しかし、どこかに才能の輝きが足らない地味さがある。その中で最終楽章の高揚感はなかなか心が躍る。ドイツ交響曲らしい音の作りによる盛り上がりは、畳み掛けて新しいパッセージを次々に産む音楽の奔流を作り出せている。正統派で成熟した交響曲として、骨格の立派さと丁寧に書かれた充実を楽しむ曲としてはよく出来ている。一つ一つの場面がしっかりと描かれている。ただ、隔絶した天才の輝きが足らないだけである。

協奏曲

ハープ協奏曲 ホ短調 Op.182 (1884年)

ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 Op.72 (1860年)
3.3点
ショパンやシューマンといかにも同時代の協奏曲であり、まだ形式感がしっかりとある。かなりお上品な曲と思う。その柔らかくて上品なところと、形式的な安心感を楽しむ曲と思う。なかなか楽しめるのだが、やはりこの後の歴史により切り開かれた音楽の可能性の世界と比べると、いかにも世界が狭い。しかしベートーヴェンを少しロマン派にしたような安心感に包まれながら協奏曲を聴く楽しみは、これがかなりおつなものであり、思いの外幸せな時間を過ごせたのは発見であった。

ピアノ協奏曲第2番 ホ短調 Op.120 (1872年)
3.3点
しなやかで柔らかくて優美。刺々しいとか爆発的のようなものはない。悪魔的だったり激しい熱情もない。壮大さもない。しかし、とても瑞々しい感情の表現をするピアノとそれをサポートするオケの素敵さには、なかなか心に染み渡るものがある。メロディーなどに決定的な名作性はないものの、メジャーどころの押しの強さは無いながらもなかなかいい世界を味わえる。

ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.144 (1877年)

ピアノ協奏曲第4番 ロ短調 Op.254 (1901年)
3.0点
きちんと丁寧に書かれた正統派の曲である。20世紀の作品としてはかなり古臭い。巨匠的な品格の高さは楽しい。教科書的なお行儀の良さがあり独自の価値には乏しいものの、ちゃんとした曲が好きな人には聴く価値が充分にあるとお勧めできる。

チェロ協奏曲 ニ短調 Op.82 (1864年)

ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.141 (1876年)
3.3点
1楽章はいまいち志が感じられない、職人的に作られているだけで訴えかけるものが足りない曲である。2楽章はかなりの美旋律を切々と歌い続ける感動的な楽章。名曲と呼ぶに足る作品である。ブラームスの協奏曲の2楽章を上回るかもしれない。3楽章はおおいなるエンディングに向けて爆発しそうな力を貯めたまま延々とエネルギーを解放しないというテンションをキープし続ける曲。このようなキープの仕方は特殊だと思う。爆発しなすぎて欲求不満がたまってしまう。この曲は2楽章だけがずば抜けて素晴らしいといえよう。

フルート協奏曲 ニ長調 Op.283 (1908年)
3.8点
貴重なフルート協奏曲。1楽章はライネッケによくある形式の枠の制約が強すぎて心に訴えるものの少ない曲。この楽章は我慢が必要。一転して2楽章はロマンの限りを尽くしており、切々と訴える憂愁のメロディーは最高に美しい。モーツァルトが書いたうちの最高級の緩徐楽章に勝るとも劣らない。3楽章もなかなか優雅で移ろうニュアンスの変化も常に美しい。力を貯めて爆発させないライネッケ流がフルート協奏曲の場合は非常にマッチしている。1楽章はいまいちだが2楽章と3楽章はとても優れていると思う。

室内楽曲、器楽曲

フルートソナタ ホ短調 「ウンディーネ」 Op.167(1881年)

弦楽三重奏曲 ハ短調 Op.249

左手のためのピアノソナタ
3.0点
かなり本格志向のソナタである。美しい旋律はなくてそれほど面白くはないが、ピアニスティックで効果的なパッセージを積み重ねてソナタを作っている。感動するほどではないが、きちんと本格的に書かれている左手のためのソナタとしてロマン派ソナタらしさをしっかりと持っている本作は重要な価値がありそうだ。ただ、低音が薄すぎる気はする。もう少し重さもバランスとしてほしかった。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%281859%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29

カール・ライネッケ(カール・ハインリヒ・カーステン・ライネッケ Carl Heinrich Carsten Reinecke, 1824年6月23日 アルトナ - 1910年3月10日 ライプツィヒ)は、ドイツロマン派の作曲家、ピアニスト、指揮者、教育者[1]。


略歴
音楽理論や音楽教育書の著作を出していた高名な音楽教育者の父親ルドルフ(ヨハン・ペーター・ルドルフ・ライネッケ Johann Peter Rudolph Reinecke, 1795年11月22日 ハンブルク - 1883年8月14日 ゼーゲベルク(英語版))に学ぶ[1]。

7歳までに作曲を始め、12歳でピアニストとして初めて公開演奏を行う。
1843年(19歳) 北欧に演奏旅行を行い、引き続きライプツィヒでメンデルスゾーンやシューマンに師事[2]。
1846年(22歳) デンマークにて宮廷ピアニスト。
1851年(27歳) フランツ・リストの娘達、ブランディーネとコジマにピアノのレッスンをする。のち、作曲家のフェルディナント・ヒラーに乞われてケルン音楽院で教える[3]。
1860年(36歳) ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長、音楽院の教授に就任。
1869年 ブラームスの「ドイツ・レクイエム」を、この年の2月18日にライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を指揮して初演する。
1875年 王立プロイセン芸術アカデミーの会員となる[1]。
1897年 ライプツィヒ音楽院の院長に就任[1]。
1902年 公職から引退する[1]。

ライプツィヒ音楽院での門下生に、ブルッフ、グリーグ、スヴェンセン、シンディング、サリヴァン、ヤナーチェク、アルベニス、ワインガルトナー、リーマンらがいる[1]。

19世紀の音楽家としては長寿に恵まれたため、晩年になってピアノロールに自作自演を含む吹込みを残した。特に、モーツァルトの「戴冠式」の第2楽章が有名である。現在ではCD化もされている(Archiphon ARC-106など)。

作品
初期にはメンデルスゾーンやシューマン、ショパンの影響が顕著であったが、のちにはブラームス作品のもつ綿密さや堅固な構成力が加わった[注 1]。公職から引退後も死の間際まで作曲活動を続けていたため、創作数は出版作品だけで300曲を超え、未出版の作品を数えると千曲以上ともいわれる。様々な分野の曲を書いているが、魅力的な旋律と創意に富む数多くのピアノ曲で殊に有名であった。また、室内楽曲も優れており、フルートソナタ「ウンディーネ」は彼の作品中最も頻繁に演奏される曲である。一方で、「マンフレッド王 (König Manfred)」などのオペラでは成功しなかった[1]。

保守的な音楽観を持ち[1]、名人芸もほとんど用いなかった為、死後は多くの作品が演奏家のレパートリーから消えることとなった。

教育目的で書かれた作品には「ミニチュアソナタ」や「左手の為のピアノソナタ」、「バッハの主題による変奏曲」など創意工夫に富んだ物が多く、今日の教育に於いても使用可能である。

彼が師事したシューマンの作品で合唱曲として名高い「流浪の民」のフルオーケストラ版編曲も手がけた。こちらも長らく埋もれていたが、2010年10月13日、ライプツィヒ大学入学式に於いて同大学管弦楽団・合唱団によって現ゲヴァントハウス大ホールにて蘇演がなされた。


交響曲
交響曲第1番 イ長調 Op.79 (1858年)
交響曲第2番 ハ短調 Op.134 (1874年)
交響曲第3番 ト短調 Op.227 (1895年)
子どもの交響曲(おもちゃの交響曲)ハ長調 Op.239 (1895年)

協奏曲
ハープ協奏曲 ホ短調 Op.182 (1884年)
ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 Op.72 (1860年)
ピアノ協奏曲第2番 ホ短調 Op.120 (1872年)
ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.144 (1877年)
ピアノ協奏曲第4番 ロ短調 Op.254 (1901年)
チェロ協奏曲 ニ短調 Op.82 (1864年)
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.141 (1876年)
フルート協奏曲 ニ長調 Op.283 (1908年)

その他管弦楽曲
弦楽セレナーデ ト短調 Op.242

室内楽曲
3つの易しいピアノ三重奏曲(ハ長調、ホ短調、ヘ長調) Op.159
フルートソナタ ホ短調 「ウンディーネ」 Op.167(1881年)
オーボエ、ホルンとピアノのための三重奏曲 イ短調 Op.188
弦楽三重奏曲 ハ短調 Op.249

ピアノ曲
アンダンテと変奏曲(2台) 変ホ長調 Op.6 (1844年)
3つのソナチネ Op.47 (1854年)
ゆりかごから墓場まで Op.202 (1888年)
左手のためのピアノソナタ ハ短調 Op.179 (1884年)


著作
Was sollen wir spielen? - Briefe an eine Freundin, Leipzig 1886
Zur Wiederbelebung der Mozart’schen Clavier-Concerte – Ein Wort der Anregung an die clavierspielende Welt., Leipzig 1891
Die Beethoven’schen Clavier-Sonaten – Briefe an eine Freundin. 1895, 3. stark vermehrte Auflg. Leipzig 1897
(日本語訳:『ベートーフェンのピアノ・ソナタその解釈と演奏法』馬場二郎訳、中央美術社、1923年5月刊)

Und manche liebe Schatten steigen auf, Leipzig 1900
Meister der Tonkunst, Berlin/Stuttgart 1903
Aus dem Reich der Töne – Worte der Meister, Leipzig 1907
Erlebnisse und Bekenntnisse – Autobiographie eines Gewandhauskapellmeisters, Doris Mundus (編集), 2005


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%B1  

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