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脱原発掲げる「会津電力」が福島の自然フル活用で再エネ拡大 太陽光、小水力、風力にバイオマスまで(東京新聞)
http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/212.html
投稿者 蒲田の富士山 日時 2023 年 3 月 12 日 14:01:33: OoIP2Z8mrhxx6 ipeTY4LMlXiObY5S
 

2023年3月12日 06時00分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/237536/1
https://www.tokyo-np.co.jp/article/237536/2

 東京電力福島第一原発事故後に脱原発を掲げ、市民らがつくった発電会社「会津電力」(福島県喜多方市)が、地元の森林を活用したバイオマス発電に乗り出す。同社はすでに太陽光や小水力で発電し、年内に風力発電も始める。バイオマスが将来加われば4種類の再生可能エネルギーが実現する。地域の発電会社がこれほど多様な方法で発電するのは珍しい。政府が原発推進にかじを切る中、地方の豊かな自然を生かせば再エネ拡大の余地が大きいことを示している。(池尾伸一)

◆木々も雪もエネルギーのかたまり
 1月下旬、田畑も山も真っ白な雪で覆われた喜多方市。会津電力の磯部英世社長が山を指さして言う。「木々も雪もエネルギーのかたまりです」
 同社は「原発に頼らない発電をしよう」との市民による議論を経て、2013年に発足した。初代社長に地元の造り酒屋当主の佐藤弥右衛門氏(現特別顧問)が就いた。現在、88カ所の太陽光発電所と1カ所の小水力発電所を運営し、風車3基による風力発電の年内始動も決まっている。
 バイオマス発電は、木材を砕いたチップを燃やして蒸気やガスを発生させ、タービンを回し発電する。発電時に出る二酸化炭素(CO2)を、会津の山に植林して吸収させるため、CO2排出が将来差し引きゼロになる。会津電力の計画に東北電力は送配電線に受け入れ余地がないとしてきたが、昨年、接続できるめどがたった。
 4000世帯分の電気に相当する出力2メガワットの発電設備を設置。固定価格買い取り制度を利用して東北電力などに売電する。チップ燃焼時の熱を企業の暖房などに供給する事業も行う。発電は27年度までに、熱供給は23年度から始める。
 磯部社長は「地元に雇用を生み、山林も再生する持続可能なビジネスモデルをつくる」と話す。職員は関連会社を含め約20人いるが、新たに約15人を雇う予定。市町村や個人が持つ山林の管理を引き受ける。樹木を伐採して苗木を植えれば、森林が若返って光合成は活発化し、山全体のCO2吸収も増える。

◆山が生む林や水や風こそ地域の宝
 「わが国は山と深い海に囲まれ、再生エネ適地が限られる」。原発の建て替えや60年超の運転容認を盛り込んだ新方針を2月10日に閣議決定した岸田文雄首相は、日本での再エネ開発の難点を強調する。
 だが、磯部社長は「山が生む林や水や風こそ地域の宝。それらを生かせば、エネルギーの自給自足は十分可能」と指摘。エネルギー問題に詳しい三浦秀一東北芸術工科大教授も「政府は大企業や中央主導でなく、エネルギーを地産地消する地域発の取り組みの支援を抜本強化すべきだ」と話す。


 会津電力 福島県民による勉強会などでの議論を経て、「原発に依存しない持続可能な社会を子供たちに引き継ぐ」の理念のもと、2013年に発足。喜多方市、猪苗代町など会津地方の8市町村のほか地元企業、個人などが出資。現在、太陽光と小水力計89カ所の再生可能エネルギー発電所を運営する。


◆ご当地エネルギー 送電線利用に大手の壁
 福島第一原発事故をきっかけに、再生可能エネルギー(再エネ)を地域の市民や地元企業主導で発電しようという動きは、福島県だけでなく全国で広がった。だが、原発依存を強める政府は支援策をあまり講じてこなかった。ロシアのウクライナ侵攻や円安による化石燃料高騰で電気料金も跳ね上がる中、エネルギーの自給自足に直結する地域電力の支援は、消費者の負担を減らすためにも急務だ。(池尾伸一)
 地域の市民、企業、自治体が出資する地域電力会社は「ご当地エネルギー」とも呼ばれ、原発事故後、全国各地に誕生した。その多くは小規模な太陽光発電を建設した後、新たな展開が乏しいままになっている。
 主な原因は、送配電線を所有・管理する大手電力会社が自社の火力や原発を優先し、送配電網に再エネ電力を受け入れることを制限していることだ。経済産業省もそれを容認している。
 会津電力も、出力1メガワットのメガソーラーを建設した後、太陽光発電はその20分の1の50キロワット以下の発電所しか認められていない。同社はバイオマス発電を4年ほど前から計画してきたが、東北電力が「送電線の空き容量が少ない」と受け入れを拒んだため、具体化が遅れていた。
 再エネは大手電力などが固定価格で長期に買い取る制度の対象。だが経産省は「消費者負担が重い」と買い取り価格を大幅に引き下げ、小さな再エネ発電は採算が取れなくなっている。

◆欧米は発電会社の送配電会社運営を認めず
 欧米では、大手電力が送配電線を独占すると、小さな発電会社が排除され再エネ発電拡大の壁にもなるとして、発電会社が送配電会社を運営することを認めていない。だが、日本では送配電会社は大手電力の子会社で、事実上は一体。最近も大手各社が、傘下の送配電会社が持つ、競争相手となる新電力の契約者情報を不正に閲覧、営業に利用していたことが明るみに出た。
 さらに欧州では、送配電会社が再エネを優先的に接続しなければならないルールも確立されている。
 民間シンクタンク「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長は「原発は廃棄物処理まで含めるとコストは高く、燃料価格の高騰を理由に原発に回帰するのは誤り」と指摘。「送電線への再エネの優先接続の義務化や、発電会社と送配電会社の切り離しを急ぎ、地域の発電会社を支援することこそ本筋の政策だ」と話す。  

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コメント
1. 蒲田の富士山[1528] ipeTY4LMlXiObY5S 2023年3月21日 04:52:45 : 34sTGVnQ8c : eGpTSGtzRmhwaUE=[8] 報告
「不可能」と言われた送電網の所有分離 有識者が国の会議で示した解決策とは…(東京新聞)
2023年3月12日 16時00分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/237522?rct=tokuhou

 大手電力各社が送配電子会社を通じてライバルの顧客情報を不正閲覧していた問題で、政府の有識者会議は、中立性・公平性を確保するために大手傘下の送配電網を完全に独立させる「所有権分離」を迫る提言をした。その肝は、財産権の観点から「分離は不可能」と言われた送配電網を合法的に切り離すアイデアにある。提言者の一人、都留文科大の高橋洋教授(エネルギー政策)に意義と狙いを聞いた。(岸本拓也)

【関連記事】大手電力会社に相次ぐ不正閲覧 新電力の顧客情報盗み見て営業 自由化から7年、公正な競争にはほど遠く…

◆親会社が盗み見「健全な競争にならない」
 「送配電がきちんと分離されていないことで、健全な競争にならないことが今回の不正ではっきりした」。高橋氏は、きっぱりとした口調でこう語る。2011年の東京電力福島第一原発事故を機に進んだ電力制度改革の議論に参画した電力システムの専門家だ。
 高橋氏ら4人は今年3月、政府の規制改革推進会議の作業部会で提言を公表した。昨年末から相次いで発覚した大手電力による新規参入事業者(新電力)の顧客情報の不正閲覧がきっかけだ。大手各社は、送配電子会社が持つ情報を盗み見。特に関西電力の不正は判明分だけで15万件超に上り、顧客を奪い返す営業にも利用していた。
 高橋氏は、回転ずし会社の幹部が、競合他社に引き抜かれた際に食材原価などの営業秘密を持ち出した事件を例に、「不正閲覧が許されないことは明らか」と指摘した上で続ける。「2000年から小売り自由化が段階的に進んだが、この間、不正閲覧で不利な競争に置かれた新電力が不当に撤退を余儀なくされたり、料金が高騰したりした可能性も否定できない」
 大手も新電力も同じ送配電網を使って顧客に電気を届けている。送配電網はいわば「公共財」で、中立で公平な運用が自由競争の大前提となる。公平性を担保するには所有権分離が理想で、欧州では一般的だ。
 日本でも原発事故後に検討されたが、私企業に送配電網の分離を強制することは、憲法が保障する財産権を侵害する可能性が高く、電力各社が猛反対。13年2月の報告書では、大手電力の送配電網を子会社にする「法的分離」で落ち着き、20年に実施された。
 だが、高橋氏は「日本は法的分離という妥協策を選んだ上、行為規制が緩くて違反時の罰則も甘かった。日常的に不正閲覧があったのは明白で、所有権分離が絶対必要だと確信した」と提言に至った理由を語る。

◆すでに欧州では実現 政府は提言に向き合って
 とはいえ、財産権の問題は残る。そこで提言は、送配電会社が法に違反し、公共の利益を阻害した場合には「許可の取り消しができる」という電気事業法の規定があることを指摘。情報漏えいをした送配電会社の許可を取り消した上で、送配電網の引受先に即日許可を出すことで、「実質的に所有権分離への道が開ける」と提案した。
 「会社分割による新会社を引受先とするか、投資会社など他社への売却が考えられる。2年ほどの準備期間を置いて移行すれば電力供給にも支障はない。それまでは、行為規制を強めて中立性を確保する」と高橋氏。同じ法的分離のドイツでは、電力会社への規制を強化した結果、規制を守る負担が重いと判断した親会社が送電網を自主的に売却。電力4社のうち3社で所有権分離が実現した。
 今後の焦点は、政府の規制改革案に提言が盛り込まれるかどうかだ。高橋氏は言う。「送配電が独立すると、今は地域でばらばらな送配電会社が合従連衡し、本当の意味で広域運用が実現して電力の安定供給につながる。再生可能エネルギー導入に寄与する送電網への投資も進む。すでに欧州は実現している。再エネを軸とした脱炭素を社会全体で実現するために、今回の提言に向き合ってほしい」

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