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民主主義、最も危険な宗教:パート2(耕助のブログ)
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投稿者 HIMAZIN 日時 2022 年 11 月 04 日 17:37:12: OVGN3lMPHO62U SElNQVpJTg
 

(回答先: 民主主義、最も危険な宗教:パート1(耕助のブログ) 投稿者 HIMAZIN 日時 2022 年 11 月 04 日 17:35:40)

https://kamogawakosuke.info/2022/11/04/no-1607%e3%80%80%e6%b0%91%e4%b8%bb%e4%b8%bb%e7%be%a9%e3%80%81%e6%9c%80%e3%82%82%e5%8d%b1%e9%99%ba%e3%81%aa%e5%ae%97%e6%95%99%ef%bc%9a%e3%83%91%e3%83%bc%e3%83%882/



No. 1607 民主主義、最も危険な宗教:パート2
投稿日時: 2022年11月4日

民主主義、最も危険な宗教:パート2

Democracy, the Most Dangerous Religion: Part 2

ゴム印議会

by Larry Romanoff

欧米の報道では、中国には「ゴム印(めくら判を押す)」議会があるとよく言われる。それは本当ではなく、あとで述べるが、もし私たちが本当のゴム印議会の例を知りたいのであれば、もっと身近なところ、カナダを見ればよい。

カナダでは、選挙に勝利した政党の党首が自動的に首相になる。そして、財務大臣、外務大臣、保健大臣などを含む内閣を選出し、この内閣がすべての法案の提案と成立を決定する。これらの人事はすべて一人の人間が、自分の意思で行い、閣僚は自由に任免される。首相は自分と同じ見方をしている人だけを内閣に任命することは明らかだろう。首相が求めるのは多様性や対立ではなく服従と協調である。全員が同じ台本を読まなければいけないのだ。

首相は現政権の性格や風景、「精神」を決定し、それが閣僚人事に反映される。首相の承認なくして、国会に提出される法案はない。実際、内閣内では、立法であれ何であれ、首相の明示的な許可なくして、いかなるテーマも議論されることはない。不要な話題を持ち込もうとする閣僚は締め出され、解任される。ジャスティン・トルドーの父、ピエール・トルドーがカナダの首相だった頃、自分の提案に疑問を持ったり反論したりする素朴な下級閣僚への対処法として、彼は注意深く話を聞いた上で、「他に何かバカなことを言いたい者はいないか」と述べるのが伝統的なやり方だった。一度でたいてい十分だった。閣僚は自分の立場をわきまえている。新しい法律や政府の構想が内閣で議論されるとき、細部については意見が対立し、公開討論が行われることもあるが、最終的にはどうしても首相の意向が反映された形になる。実際には、候補者を操る側近や首相就任のための費用を負担した人たちの意向が反映されるのだが、今はそこまで言う必要はないだろう。

ある法案が決まると、国会に提出され、審議されるが、これは現実にはその法案が通ることがすでに決まっているのだから、民主主義のふりをするためにやっていることにすぎない。野党は制限された範囲内で議論することができるが、政権党が過半数を占めているため法案は必ず通過する。現実の政治の世界では、国会審議は見せかけのものである。与党の議員は必ず賛成討論をし、野党の議員は必ず反対討論をする。野党の唯一の目的は、政府を遅らせ、妨害し、おそらくは困惑させ、次の選挙で価値のある政治的ポイントを獲得することである。野党の表向きの目的は、どの学校の子供も教わるように、政府を油断させず、正直で、代替案を提示し、欠点や危険を明らかにすることだ。しかし、政治システムはむしろこれよりも唐突で悪質なものである。どの民主主義国家でも、政府の政治はかなり汚い仕事であり、小学校の教科書で紹介されるような高邁で無私のシステムとは全く違う。

新しい法案が提出されると、政権与党の議員は必ず賛成票を投じ、選択の余地はない。自分の党の法案に反対すれば、党から追い出され、政治生命を絶たれる。実際そんなのはきいたことがない。もちろん、野党議員は全員反対票を投じるが、少数派である以上、なにも関係なく法案は必ず可決される。民主的な国会では、「良心に従って投票する」ことは許されない。首相が承認したもっとも些細な案件は別かもしれないが、そんなことはほとんどない。 実際、ニュースメディアは政府首脳が党員に対して、言われたとおりに投票するのではなく、好きなように投票する「自由」を与えることがあると大騒ぎして素晴らしいことのように紹介する。残念ながら、それはいつも、何らかのイデオロギーに乗っ取られることのない、些細な問題である。

実際は、現実の民主政治の世界では、野党は何の役にも立たず、何も成し遂げず、単に時間とお金の膨大な浪費に過ぎない。野党には与党政府の軌道を左右する力はない。遅らせることはできても、政権党のいかなる法案や行動にも影響を与えることはできないし、阻止することもできない。野党は完全に無力なのだ。現実には、このように役に立たない組織なので、メンバーは家に帰って、4年後の次の選挙に備えた方がよいだろう。

政権与党が議会の議席の過半数を持たず、いずれかの少数政党と連立を組むことを余儀なくされた場合も状況はあまり変わらない。多少のギブアンドテイクはあるだろうが、連立協定には、議会のすべての議決において少数政党が政府を支持することが明記され、それによって過半数が維持されることになる。連立を組む政党のイデオロギーによって特定の法案が国会に提出されないことがあるのは事実だが、それ以外は基本的に同じである。

これが真の意味での「ゴム印」議会であるだけでなく、民主主義システムの現実世界における4年間のワンマン独裁の性質である。少なくともカナダではこれが現実であり、入手可能な情報では、西洋であろうとなかろうと、すべての民主主義国家で状況は本質的に同じである。米国は構造が違うので例外だが、結果は多くの点で同等である。

この物語が困難に直面するのは、時々起こるように、弱い首相や無能な首相がいて、内閣と国会のメンバーの過半数がそのリーダーへの信頼を失い、交代を余儀なくされる場合だけである。しかし首相が交代すると、状況は元に戻る、つまりワンマン独裁政権とそのゴム印を押す国会に戻るのである。

要約すると、カナダのような欧米の「民主主義」では、党首である首相が内閣を100%コントロールし、内閣は議会に提出されるすべての議決事項を100%コントロールすることができる。首相はまた、党に入るか離党するかの党員の投票も100%コントロールし、党全体が首相の意向と決定を「ゴム印」で押すか、政治的に実行されるかのどちらかになるということだ。自分の「チーム」のために投票しなければならない。そうしないことは、異端であり自殺行為である。こうして現実には、ワンマン独裁が行われている。本当は、「儀礼的」「ゴム印的」な議会を持つのは、中国ではなく、カナダのような欧米諸国であり、それは「権威主義的独裁国家」なのである。

中国の国会

以下は、2010年にロンドンのSunday Timesに掲載された記事の抜粋である。

人民大会堂の豪華な会議室に集まった議員たちは、住宅、インフレ、雇用機会など、その時々のホットな問題について厳しい議論を展開する意欲をほとんど示さない。全国人民代表大会が「ゴム印」や「儀式的」という言葉で表現されるだけのことはある。

これは冗談だと思わざるを得ないだろうが、Timesはさらに、中国の国会が「ほとんど議論する意欲がない」ことを示した「今日のホットな問題」について伝えている。

ある女性は、個人経営のインターネットカフェをすべて禁止する案を提出した。その他にも、携帯電話の着信音に国歌を使うことを禁止する案や、夫が妻に家事の対価として給料を支払うことを要求する法律を提案するものなどもあった。

何と言えばいいのだろうか?このようなホットな問題に対して「厳しい議論」をしようとしない中国の国会を恥じるべきだろう。

欧米人はそれぞれの議会で行われている、尊大で喧嘩腰で、しばしば幼稚な姿勢の討論に慣れている。オーストラリアや韓国では、選出された議員たちがしばしば殴り合いになったり、本や家具を投げつけたりするので、「厳しい議論」とは文字通りそのようなものである。他の欧米の議会もそれほど良いとは言えない。米国ではある上院議員が野党議員のことを「ただのチキン野郎の泥棒」と言った。おそらく彼は「今日の熱い話題」の一つに魅了されたのだろう。欧米人は不思議とこれを普通のこととして受け入れ、様々な、そして空虚な言い訳をする。しかし一国の最高指導者や高官がこのような感情的に幼稚な行動に出ることは許されないはずである。中国の国会にはこのような未熟な愚かさがないというだけで、それが儀礼的でゴム印のようなものだという証拠として使われる。どうやら愚かでなければ権力は存在しないと言いたいようだ。

中国は1億人近い党員を擁する門戸開放の実力主義で運営され、国会はその延長線上にある。中国の全国人民代表大会(NPC)は、実在しない共産主義独裁者のためのゴム印ではない。中国の国会は毎年北京で開催され、中国の14億人を代表する約3,000人の代議員や顧問が集まる。重要な問題が取り上げられないと言うのはナンセンスだ。中国の制度は欧米諸国の制度と異なるだけで、その違いは間違いなくはるかに優れている。繰り返しになるが、中国は米国や西欧の大半の国とは全く異なり、多元的な社会である。中国人は誰よりも議論し、討論するが、目的は国家全体の長期的な利益になることについて意見を一致させることである。

このことは、欧米人には容易に理解できるはずだが、おそらくそうではないかもしれない。大きな違いは、政党が1つしかないため、全員が同じチームに属し、国家全体にとって長期的に最善の解決策を模索していることである。中国には次の選挙で政権を取ることを第一義とする「チーム」が2つも3つも存在しない。したがって、中国の政府関係者は、イデオロギーで競争する「政治家」ではなく、解決策を模索する「政府管理官」なのである。このような大規模な議会集団には、社会のあらゆる角度からの視点が含まれることは自明であろう。中国の国会議員たちは、国の再興に関しては絶対に同じ台本を読んでいるが、グループの中の人々は、ありとあらゆる種類の意見、立場を反映している。

これは企業でも同じで、経営者や役員は会社の将来について初めは様々な意見を持っているかもしれないが、彼らの仕事はそれらの立場を統合し、一貫した将来への道筋を作ることである。対立する意見をまとめ、全会一致の合意に至るまで長時間に及ぶ激しい議論が行われることもあるが、その間全員が「同じチーム」に属し、会社全体にとって最も受け入れやすい結果を求めているのである。

それとは対照的に、すべての「民主主義国家」には国家の利益や国民の福利ではなく、次の選挙に勝って政権をとることを第一の目標とする政党が二つ以上ある。したがって国家の統治よりも「自分たちのチーム」の勝利が最も重要な考慮事項となる一種のチームスポーツとなるのだ。このようなやり方で運営されている企業は倒産に向かうという伝説があるが、政府も同じであることは避けられない事実である。これは、小学校の教科書から省かれている欠陥の一つである。

しかしそれだけではない。中国の文化は西洋のそれとは異なる。中国の国会議員が新しい法案や新しい5カ年計画を議論しているとき、彼らは「テレビの機会」を作ったり、他の人を犠牲にして票を集めたりするためにそこにいるのではない。これは欧米の政府とはまったく異なる。アジア諸国で仕事をしている人なら、合意が形成されるまえにオフラインで多くの議論が行われていること、問題のあらゆる側面を批判的に検討する議論が、多くのグループの多くの人々によってあらかじめ行われていることを知っているだろう。しかし、アメリカやカナダ、欧米と違って、中国人はヒステリックに汚いものを世間に晒すようなことはしない。家庭内の議論は家庭内にとどめ、外国人である隣人には統一された顔を見せている。その点では、中国を非難することはできない。むしろ、中国国家主席は、欧米の政治システムのような幼稚な姿勢や言い争いをすることなく、大人がどのように意思決定しているかを示す例といえる。もちろんこれは政党が一つしか存在していないことに助けられている。対立を生み出すようなイデオロギー的な「チーム」が存在しないので、メンバーは単純にビジネスに没頭できる。余計な政党など必要ないことは明白なはずだが、盲目的な愛国主義者は他の観点から考えることができない。彼らにとって複数の政党は神学的なものなのだ。

中国の主要な議会は通常、最終的な合意を発表する場である。中国の国会に問題が提示されるまでに、あらゆる規模の可変混合グループで、すべての個人がすべての選択肢を検討し、不適切なものや実行不可能なものを排除し、全員が同じページに立つまで、数ヶ月の議論が行われている可能性がある。彼らは皆、評価や議論に参加し、すでに求めているコンセンサスを得ている。その時点で異論を唱えるのは、ある意味、すでに遅すぎる。そこで、自分たちが決めたことを確認するために、正式な投票が行われる。こうして最終的に議決に至るわけだが、なぜか圧倒的な賛成を得るのが普通である。時々、極めて強固な信念を持つ少数の異常者が妥協を拒んで反対票を投じることがあるが、このような人たちはたいてい妨害者であり、「チームプレーヤー」としてはあまり優れておらず、おそらく政府の世界には向かないだろう。中国のプロセスが権力も発言力もない人たちによる「ゴム印」承認だと言うのは実に陰険な話だ。特に西側の民主主義諸国は、自分たちが非難しているものに最もよく似ているのだから、とくに偽善的である。

中国にも「野党」という組織があるが、この組織には欧米の政府と大きく異なる点が2つある。また、賢明に機能している点も含めれば、3つの大きな違いがあるとしよう。まず、「反対」するのではなく、「協議」する機能を持っている。この機関には政府の方向性や政策を検討するだけでなく、代替案を考案し、勧告する責任が課せられている。そして、政府は法律により、これらの協議のすべてを検討し、それに応じなければならないし、実際、そうしている。2つ目はこの野党グループは、欧米のシステムのように疎外された「敗者」ではなく、トップ・ガバメントのポジションに選ばれなかった極めて有能な人々の第二層であるということである。そして、このような専門知識をすべて失うのではなく、自国の発展に貢献するために、この第二のグループは作られたのである。

https://www.unz.com/lromanoff/democracy-the-most-dangerous-religion-part-2-rubber-stamp-parliaments/  

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