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アフガニスタン 女性の権利制限で孤立の懸念/宮内篤志・nhk
http://www.asyura2.com/22/kokusai32/msg/434.html
投稿者 仁王像 日時 2023 年 1 月 28 日 07:44:48: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

アフガニスタン 女性の権利制限で孤立の懸念/宮内篤志・nhk
2023年01月26日 (木)
宮内 篤志 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/478848.html

アフガニスタンで実権を握るイスラム主義勢力タリバンが、教育など女性の権利を相次いで制限したことに対し、強い非難の声が上がっています。
国際社会との溝が深まる中、アフガニスタンの孤立は避けられず、復興がいっそう遠のくことも懸念されます。
この国が直面する課題について考えます。

アフガニスタンのタリバン暫定政権は、先月(12月)、女性の権利を制限する措置を相次いで明らかにしました。

まず20日、それまで認めてきた大学での女性への教育を停止するとしました。決定は、最高指導者アクンザダ師によるものだとしています。
女性の教育について、タリバンはおととし再び政権を掌握して以降、日本の中学・高校にあたる中等教育でも通学を認めておらず、女子が通えるのは小学校のみとなりました。
理由として男女共学などを問題視していますが、だからといってタリバンが女性専用の教育施設を全国に拡充するような動きは見られず、一方的といわざるを得ません。

さらに、続いて24日には、国内で活動するNGOに対し、女性職員の出勤を停止するよう命じました。理由については、イスラム教徒の女性が人前で髪を隠すのに使うスカーフ「ヒジャブ」を正しく着用していなかったためだとしています。
女性の雇用が失われるだけでなく、海外からの支援物資はNGOを通じて分配されるケースが多いため、人々の暮らしにも影響を及ぼすおそれがあります。

これらに対し、アフガニスタンの女性たちからは抗議の声が上がったほか、欧米や日本も共同で外相声明を出し、「強い非難」や「深刻な懸念」を示すとともに、直ちに撤回するよう求めました。
しかし、タリバンと国際社会との溝は深まる一方で、アフガニスタンの孤立は避けられそうにありません。

タリバンが女性の権利を制限するのはなぜなのでしょうか。
ここで少し歴史をさかのぼり、タリバンが生まれた背景から紐解いてみたいと思います。

アフガニスタンに侵攻していた旧ソビエト軍が1989年に撤退した後、国内は内戦状態に陥りました。治安が悪化する中、94年ごろ台頭してきたのが、イスラム教の宗教指導者、オマル師が率いるタリバンです。
「イスラム教に基づく統治こそが安定をもたらす」と訴えて支持を広げ、隣国パキスタンの軍事的な支援も受けながら、急速に勢力を拡大しました。
そして2年後の96年には首都カブールを制圧し、政権を樹立したのです。
当初は、国内の混乱を収拾する「世直し」の要素が強かったものの、次第にイスラム教を極端に解釈した政策を実施し始めます。
女性に関するものでは、就労や教育の禁止、外出の制限、服装の厳格化などが代表的なもので、この時も国際社会から非難を浴びました。

その後、タリバンは、同時多発テロ事件をきっかけに駐留していたアメリカ軍の撤退と前の政権の崩壊を受け、おととし8月に復権しました。
実はこの時タリバンは、女性の就労や教育に前向きとも受け止められる考えを示唆していたのです。
かつての「負のイメージ」を払拭することで、国際社会に新しい政権を承認してもらおうという思惑もあったとみられます。

しかし、復権から1年半近くが経とうとする中でも、女性の権利などをめぐって各国とタリバンの歩み寄りは見られず、これまでに暫定政権を承認した国もありません。
海外からの投資も滞る中、国内経済は悪化、食料不足も深刻化し、政権運営は行き詰まりを見せ始めています。

こうした中で、タリバンは、かつてイスラム教を極端に解釈した頃に「原点回帰」するような動きを見せるようになります。

去年3月には女子の中等教育の再開も延期。
5月には、女性が家族以外の男性の前では目だけを出し、顔を覆うよう「ヒジャブ」の着用を義務化します。
さらに、先月(12月)には、犯罪被害者の「報復」を名目にした公開処刑を行います。これは、タリバンの独自の解釈では、イスラム法で認められているとして重視してきたものです。
女性の大学への通学停止やNGOでの出勤停止なども、これらの一環として位置づけられると考えられます。

では、タリバンの「原点回帰」の目的はどこにあったのでしょうか。

アフガニスタンの社会では、農村部を中心に伝統的な家父長制が色濃く残り、「女性は家庭にとどまるべきだ」という保守的な考えがいまだに根強いのが実情です。
タリバンは、イスラム教に基づいた統治をアピールすることで、長年、こうした男性を中心とした保守層からの支持を政治的な基盤としてきました。
専門家や外交関係者は、国内が疲弊し、国民の不満もくすぶる中、政権基盤を固めるためにも、女性の社会進出を好ましくないと考える保守層からの支持をつなぎとめる狙いがあったのではないか、そしてタリバンの統治に反発する人たちの引き締めを図ったのではないかと指摘します。
しかし、だからといって、女性の「学びたい、働きたい」という願いを踏みにじることを正当化できるものではないと思います。

女性が教育の機会を奪われることによる影響も懸念されています。
例えば、将来的な人材の不足です。アフガニスタンの医療現場では、女性の医師や看護師が女性の患者に対応するのが一般的です。
女性がしっかりとした教育を受けることができなければ、医療の担い手も不足し、女性が適切な治療を受けられないという悪循環につながるおそれもあります。

さらに、もう1つ、タリバンの政権運営をめぐる懸念も指摘しておきたいと思います。
それは国内の異なる民族との共生です。
アフガニスタンは多民族国家で、タリバンは多数派のパシュトゥン人とよばれる民族で主に構成されるグループです。
多数派といっても全人口のおよそ4割程度ですが、暫定政権の主要ポストは、ほとんどがパシュトゥン人で占められ、ほかの少数派の民族の政治参加は事実上、排除された状態です。
こうした人たちの不満がくすぶれば、不安定要素となりかねないことから、国連などは「包括的な政権が望ましい」としていますが、この点についてもタリバン側の前向きな反応は見られません。

タリバンが復権した際、わずかながらも期待されていたのは、長年の戦闘で疲弊した国内の立て直しや国民どうしの融和だったはずです。
女性や少数派を含む多様な人材を活用できないままでは、復興はいっそう遠のくのではないでしょうか。
しかし、今のタリバンにはこうした懸念に耳を傾け、歩み寄るといった余裕はないように見えます。

ウクライナ情勢や台湾をめぐる情勢に世界の強い関心が集まっていますが、アフガニスタンの国づくりを主導し、そして失敗したアメリカをはじめ、国際社会は今、改めてこの国の置かれた苦しい状況に目を向けてみる必要があると思います。

すぐに解決策を見出すことは難しいかもしれませんが、日本を含む各国は、タリバンの最高指導者に意思を伝えることができる人的なパイプを構築しつつ、国民の融和が安定や復興につながることを粘り強く説得し続けることが重要です。

学校への通学を禁止された少女や若い女性たちの中には、タリバンの監視の目を逃れるように、非正規の学習塾に隠れて通う人もいると伝えられています。

アフガニスタンで、女性たちが再び安心して学ぶことができる日が来ることを願わずにはいられません。  

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コメント
1. 2023年1月29日 09:13:04 : 0Fb5iu1dz2 : ck1jTUJzQ3c0TGs=[79] 報告
アフガンで歴史上女性が最も自由で服装にも何の制限もなかったのはアフガン革命で王制が倒れた後から親ソの人民民主党政権が倒されるまで。左派政権を倒すために米帝は反政府のイスラム諸派を援助し親ソ政権を倒すことには成功したがイスラム諸派の内戦は放置し結果タリバンが政権を掌握した。今回のタリバンの復権も米帝が無責任にアフガンを見捨てたため。米帝は何の責任もとらない。日本のファシストの中にはエセイスラムのタリバンを支持する人達もいるが所詮他人事。イスラエルの極右政権も米帝の支持のもとやりたい放題だが。

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