といっても、米国の属国である日本としては、「世界は米国を中心とした世界体制が維持されるべきである(その現状の強制的な変更を目論む中国・ロシアは悪だ)」という立場を、やはり捨てるわけにはいかないようで。

どうせロシアは、自分達が獲得しつつあるウ国東・南部４州（もう独立後、併合済み）を返す気なんてゼロです。あとは、ウ国のあらかたの戦力を片付けて、NATOの援軍もろとも掃討戦に移ろうかという段階に、戦況は達しています。本気で和平を望むのであれば、それらの条件を前提としなければいけないはずです。西側諸国としては、それを容認したくはないし、凍結し没収したロシアの資産も返す気がないのであれば、戦いはずるずると続くでしょう。ロシア有利のままで、中国が含み笑いを浮かべるだけですが。

早い話、米英を始めとする西側諸国の戦略は失敗したのです。まずはそれを"どう認めるか"、というのが現在の焦点ですかね。核の打ち合いをするのかどうかも含めて、現実的な出口戦略を構築しないと、世界から米ドルが見放されて、米国が欧州から吸い上げた儲けも、土台から吹き飛ぶでしょうね。ロシアと中東が組んで、自前の通貨で決済し始めたのなら、わざわざ米ドルなんて調達する必要はないですものね。米国の金融危機(最終的には金融崩落)まで、リミットは迫ってきていますが、どういう決断を下すでしょうね。

もし、今、アメリカ欧日が圧力をかけてそれらの１千万人の人々を残虐なゼレンスキーネオナチ政権の行政のもとに強制的に戻すとどういうことになるか？(プーチンがいるので出来ないが、仮定法でできたとすると)

すでに、この８＋１＝９年間で証明済のように、ロシア語を禁止され、ロシア語を話すと処罰され(先日も大臣クラスがうっかりロシア語を喋って罰を受けた)、プーシキン、トルストイを読むと投獄され、学校ではネオナチ賛美教育が行われ、ロシアと交戦状態になれば優先的に前線に送られる。

そもそも、なぜどの地域でも95％の住民がロシアに保護を求めたのかというと、2014のビクトリア・ファック・ジEU・ヌーランド女史によるクーデター政権がネオナチ剥き出しの残虐行為をアチコチで引き起こしたからだ。その一例が９年前のオデッサの虐殺だ。

戻す、返す、返還するなどと言っている人々は、まず第一に、自らを民主主義者と名乗るのであればそこに住んでいる住民の意思はどうなのか、ということを考えよ、と言いたい。借りた本を返すのとは訳が違うのだ。