ところが米ドルは、これまで強いままだ。

他にもいるが、偏ったブロガーや評論家ばかり
を出しているとパッとしないと思う。
もっと幅広く見て欲しい。

米欧が逐次投入しているために、ホットスポット、バフムトはロシア軍の運営する「工場」になってしまった。ロシア軍は、米欧の兵器の射程外から、自走砲、ミサイル、空爆などの火力によって、自軍の兵員を消耗せずに、逐次投入された敵の兵員、武器を破壊し続ける。

つまり、米欧ウクは、毎日一定量の兵員、武器をバフムトで消耗し、ロシアは(兵員は消耗せず)十倍の砲弾、ミサイルを消耗する。

ところが、ロシアの砲弾ミサイルの原料はガスや石油やミネラル、鉄などで枯渇しない。溶鉱炉も十分能力がある。ミサイルのチップもどこから手に入れているのか半導体不足と言われても問題ないらしい。一方、この数ヶ月、米欧の弾薬製造キャパは低くて、すでにアメリカでさえ在庫が不足している。

一年でこうなった。あとはドーナル？

そして、「米欧の兵器処分工場」と化したバフムトでの作戦はかなりうまく行っている。昨日、ワグナーのプリゴジンはバフムトを「キャプチャ」したと言った。

「その」ため、と言う意味がどのためなのか、日本をロシアに本気で対抗させるため、と言う意味なのか不明ではあるが、日本は軍事予算はロシアの８０％くらい(為替による、今後倍増させるのでロシアを超える)とは言え、日本にはそんな実力はない。アメリカもその程度のことは認識している。日本がアメリカから与えられた使命は、「ワラ一本でもいいからロシア経済を弱体化させること」だ。ロシア経済に１兆円の損害を与えるためであれば、日本は100兆円損しても良い。日本のことはどうでもいい、ロシアのためだ。それがアメリカの思し召しだ。しかし、日本一国だけではロシア経済に与えられる打撃は微々たるものだ。それで、世界中から国々を集めてそのΣ、積分値でそれを補おうとした。

しかし、そのΣは地球上の50カ国にも満たない。そしてロシアはそれら50国との貿易・取引を残りの150国に振り向けることで失うはずだったものを補った。

そして、アメリカにとって大変なことが起きた。つまり、ロシアに経済的打撃を与えるために、必然的にドルの使用禁止、SWIFTによる決済禁止、海外資産の没収、をしたのだが、これらは全てブレトンウッズ体制の大前提、資本主義の原理原則、絶対にやってはいけないことだったのにそれをやってしまったものだから、世界中の独立国(日本のような従属国は除く)は、自分たちが非常に危険な状況にいることを昨年強く認識してしまった。つまり、その危険な状態から脱却しなければならない、と自覚し始めた。

これが、インドネシア、ブラジル、アルゼンチン、サウジ、UAE、アフリカ諸国などで今顕在化してきているアメリカ離れ、ドル離れの兆候だ。ニュースになっていない国はもっと多いだろう。つまり、ドゴールがエグゾービタント・プレビレッジと呼んだ、アメリカの軍事力の源泉である経済力の源泉、つまり、ブレトンウッズ体制、ドル基軸体制が崩壊する、と言う意味だ。それがバフムトからブレトンウッズに直線で繋がっている。

このことは「(アメリカが)心中する覚悟が出来ているわけでもない」などと鼻毛を伸ばしていられるほど小さな問題ではない。プーチンが「もう戻らない」と言ったことが実現・進行しつつある、と言うことだ。

そういうことじゃないだろ。知性が問われる。

2014以来、プーチンのやっていることはフセイン、カダフィより悪質だ。大人しく黙ってレイプされていれば良いものを、SWIFT対抗システム(SPFS)を作ったり、中国をそそのかして中国にも作らせたり、ドルによる媒介決済を排除して、直接ルーブル-RMB取引をしたり、アメリカが制裁しているイランやベネズエラが世界貿易できるように幇助したり、、、ロシアの罪状をあげればキリがない。

これは2014以降、つまり、CIA国務省ビクトリア・ファックジEU・ヌランドによるウクライナのクーデター成功以来、酷くなった。いくら制裁してもすり抜けてしまう、悪賢いやつだ。しかも、2015には子飼いのISIS、アルヌスラを使って、もう一歩でアサド政権を崩壊させ(ウクライナのヤッツェ、ポロ、ゼレ政権のような)ISIS政権を樹立できるところだったのに、国連演説の翌日突然オバマに会いに来やがって、一方的に、「ISISを爆撃するからな」と言い放って、翌日から実行しやがった。オバマは「ISISは我々の仲間だからそれはやめてくれ」とはいえず、黙認した形になった。

カダフィ、サダムでさえ許せなかったのだから、プーチンが許せるはずはない。しかし、プーチンの場合、サダム達と違って問題がある。それは強いことだ。そこで、(ネオコンが)考えたのが、できるだけ近くまで近寄って撃つ、と言うことだ。ドイツからでは遠い、ポーランドからでもまだ遠い、ウクライナからだと、かなり近くなる。ここから撃てば数分でモスクワを蒸発させることができる。他の核基地も先制攻撃でミサイルを破壊すればロシアは報復できなくなる。とネオコンは考えたらしい。SLBMが残るのだが、それをどうしようとしていたのかは不明。

てなことを考えていることがプーチンに知られてしまった。早くやらねばいけない、ドタバタ、となって昨年の2/24を迎えることになった。

アメリカにとってウクライナは些細なことなどではない。存亡をかけた戦いなのだ。もちろん、プーチンにとってもだが。