昨年１２月に習近平がサウジやアラブの王様と会っただけで、アメリカの中東から中露の中東にパタンと裏返ってしまった。シリアの政治スタンスは何も変わっていないのに、サウジ、アラブ諸国のスタンスがパタンと変わり、シリアは堂々とアラブリーグに復帰した。しかも、アラブリーグが、シリアに駐留する国際法違反のアメリカ軍に出て行けという声明を出すというオマケつきだ。

CIAが仰天するのも無理はない。このままゆくと、シリアの米軍は、一昨年のアフガン撤退をリプレイすることになりかねない。もしそうなれば、その時のアメリカのダメージはアフガンよりももっと強力なものになる。なぜなら、アフガンの米軍は、傀儡政権とはいえ、ホスト国の承認のもとに駐留していたから国際法上の問題は生じなかったが、シリアの場合は、どこの誰が見ても、アメリカ国内の国民から見てさえ、明々々々々白々々々々だからだ。

ただ、ネオコンというのは自分の立場をバードビュウで客観的にみることができないから、如何に危険な状況に自分たちが位置しているかということに気がつかないようだ。