★阿修羅♪ > 国際32 > 885.html
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ ★阿修羅♪
かつて米国に従属、現在露国に接近しているエルドアンがトルコ大統領選で勝利(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/22/kokusai32/msg/885.html
投稿者 赤かぶ 日時 2023 年 5 月 30 日 14:40:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

かつて米国に従属、現在露国に接近しているエルドアンがトルコ大統領選で勝利
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202305300000/
2023.05.30 櫻井ジャーナル

 トルコで5月28日に大統領選挙の決選投票が行われ、レジェップ・タイイップ・エルドアンが再選された。ヨーロッパと中東の間にあるトルコは戦略的に重要な国であり、1952年からNATOに加盟しているが、現在はロシアとの連携を強めている。アメリカの言いなりにならないエルドアンをアメリカ政府は排除しようと試み、失敗した結果だ。

 2011年3月にアメリカは同盟関係あったイスラエルとサウジアラビアのほか、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、パイプラインの建設でシリアと対立したカタール、そしてオスマン帝国の再興を夢見るトルコと共同でシリアに対する侵略戦争を始めた。その手先になったのはムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を中心とする戦闘集団。ズビグネフ・ブレジンスキーが1970年代に始めた仕組みを使ったのだ。

 シリアより1カ月早く侵略戦争が始まったリビアでは2011年10月にムハンマド・アル・カダフィ体制が倒され、カダフィ自身は惨殺された。それ以降、アメリカなどは戦力をシリアに集中させるのだが、バシャール・アル・アサド政権は倒れない。そこでバラク・オバマ政権は2012年から支援を強化した。

 オバマは「穏健派」を支援しているだけだと弁明するが、アメリカ軍の情報機関DIAは2012年8月、シリアで政府軍と戦っている武装勢力はサラフィ主義者やムスリム同胞団であり、アル・カイダ系だとホワイトハウスに報告している。オバマ大統領が言うような穏健派は存在しないというわけだ。

 それだけでなく、DIAはオバマ政権の政策がシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告していた。その警告は2014年に入ってダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)という形で出現する。そうした中、2014年8月にフリンは解任された。

 そこでオバマ政権は政府を好戦的な布陣に変える。2015年2月に国防長官をチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ、9月には統合参謀本部議長をマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代させたのだ。ヘーゲル国防長官やデンプシー統合参謀本部議長は上院軍事委員会で直接的な軍事介入に慎重な姿勢を示し、のヒラリー・クリントン国務長官など好戦派と対立していた。

 オバマ大統領が主張する穏健派は存在しないとする報告を出したDIAの局長、マイケル・フリンは2014年8月に退役を強いられていたが、それだけでなくヘーゲルは2015年2月に解任、デンプシーは同年9月に再任を拒否されている。オバマ大統領は戦争体制を整えた。そこでロシアはシリア政府の要請で軍事介入、ダーイッシュを含むアル・カイダ系武装集団を敗走させた。シリアでの戦闘はロシア製兵器の優秀さとロシア軍の強さを知らしめすことになる。

 そうした中、2015年11月24日にトルコ軍のF-16がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜した。トルコ政府が独断で実行できる作戦ではない。オバマ政権はロシア軍をシリアから追い出したかったはずで、アメリカ軍の承認、あるいは命令があったと見られている。

 トルコ政府は「国籍不明機」を撃墜したと主張したが、ロシア軍は軍事衝突を避けるため、事前に攻撃計画をアメリカ側に通告していた。しかもアメリカは偵察衛星で監視しているはず。しかもギリシャを拠点とするアメリカ/NATOのAWACS(早期警戒管制)機、そしてサウジアラビアもAWACS機も飛行していた。11月24日から25日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問、トルコ軍幹部と会談していたことは興味深い事実だ。

 アメリカの​アシュトン・カーター国防長官は2016年1月22日、陸軍第101空挺師団に所属する1800名をイラクのモスルやシリアのラッカへ派遣すると語り、翌23日にはジョー・バイデン米副大統領が訪問先のトルコでアメリカとトルコはシリアで続いている戦闘を軍事的に解決する用意があると発言した​。バイデンの好戦的な姿勢は一貫している。

 しかし、アメリカが手先として使っていた武装集団は予想を上回るスピードで敗走し、アメリカの好戦派は戦闘態勢を立て直すことができない。そして2月3日にはヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談する。

 この会談はアメリカ大統領選挙の流れも変えた。それまでヒラリー・クリントンが次期大統領になると見られていたのだが、共和党のドナルド・トランプに目が向けられるようになり、民主党の候補者選びでバーニー・サンダースが勝つ可能性も出てきたのである。結局、大統領選挙ではトランプが勝利、サウジアラビアの権力バランスも崩した。そこでCIAやFBIはトランプやサンダースを倒すための工作を始め、「ロシアゲート」をでっち上げる。

 2016年6月下旬にトルコ政府はロシア政府にロシア軍機の撃墜を謝罪し、7月13日にトルコ首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆する。戦争が長引き、ロシアと経済的に結びついていたトルコは耐えられなくなっていた。

 そして7月15日、トルコで武装蜂起があった。トルコ政府は蜂起の背後にアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたと主張、また蜂起グループはCIAに雇われていたとも言われている。

 このクーデター計画の情報を最初につかんだのはシリアの北部に駐留しているロシア軍の通信傍受部隊で、いち早くエルドアン側へ情報を伝えたと言われている。

 このクーデターに関係していたと言われているひとりがサウジアラビアの副皇太子だったモハンマド・ビン・サルマンだが、今ではアメリカから離れ、ロシアへ接近している。

 トルコでのクーデターは失敗に終わるが、エルドアン政権はその首謀者をアメリカへ亡命中でCIAの保護下にあると言われているフェトフッラー・ギュレンだと主張、そのギュレンを引き渡すように要求したが、拒否されている。

 ギュレンはイスラム法による支配を主張、「ギュレン運動」を展開している。その目的を達成するため、学校を中心とするネットワークを組織、男子だけで寄宿生活を送らせ、ギュレンの思想を叩き込んでギュレンに服従する人間を作り上げているという。この運動の中心はアメリカのペンシルベニア州にある。

 CIAがギュレンを守る理由のひとつは、ギュレン運動がCIAの中央アジアやカフカスにおける工作で重要な役割を演じているからだ。CIAの中で特にギュレンと近い関係にある人物がグラハム・フラー。ジョージ・H・W・ブッシュと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーのアフガニスタンにおける秘密工作でジハード傭兵の仕組みを作り上げた人物でもある。

 フラーの娘であるサマンサが結婚していたルスラン・ツァルナエフは1992年からUSAIDの「顧問」としてカザフスタンで働いていたと言われ、CIAと関係がある可能性は高い。フラーは2013年4月にボストン・マラソンのゴールライン近くで引き起こされた爆破事件の容疑者、タメルラン・ツァルナエフとジョハル・ツァルナエフのオジでもある。

 アル・カイダ系武装集団やダーイッシュなどが敗走したことからアメリカ政府はクルドを手先として使い始めるが、エルドアンはクルドを敵視している。これもトルコとアメリカとの関係を悪化させる原因になった。

 エルドアンを民主主義的な人物だということはできないが、そのエルドアンを排除しようとしているアメリカの支配層はエルドアンを上回る反民主主義的な集団、つまり帝国主義者だ。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 赤かぶ[192116] kNSCqYLU 2023年5月30日 14:40:36 : lruAK6kqcg : ekM1Y2YzWHdmbUE=[3345] 報告

2. 2023年5月30日 15:51:45 : 5GlQFCaK2c : OFczb3hWbnlZaXM=[14] 報告
>そのエルドアンを排除しようとしているアメリカの支配層はエルドアンを上回る反民主主義的な集団、つまり帝国主義者だ。

この手の民主主義の皮を被った帝国主義に付ける名前は無いものか
リベラルホークじゃ全然足りない
もっと強欲で嘘だらけの汚い何かだ

3. 2023年5月30日 19:08:03 : r2bgcpPGYg : MXNTWEp1QVJHTjY=[56] 報告
●≪トルコ大統領選エルドアン勝利≫ プーチン大統領の「エルドアーン(^▽^)/」がまた見られるカモ
https://twitter.com/Kumi_japonesa/status/1662991354891472896
4. 2023年5月30日 23:54:23 : 8Zznqf7vYE : Q2xyMjNOdUZEQjI=[2] 報告
他国の選挙とはいえ、露骨な野党候補押しだったNHK
選挙前の世論調査の結果に狂喜乱舞して”これで民主主義が守れます、ロシア叩きのお仲間が増えます”と野党候補劇押し、野党候補を推す市民インタビューをこれ見よがしに賛辞をいれて流していたNHK、、、
決選投票時でも、まだ”市民の間では強権的なエルドアン候補に反対する市民が、、、”という放送をしていたが、決選投票でもエルドアン勝利でお通夜放送。
それでも、”ロシアに協力的な態度は市民に不安を、、、”などと嫌味を言わずにはいられないNHK、、、
5. 2023年5月31日 21:40:44 : X8dgNEPYiQ : R0dta0ZhTmF3bUE=[82] 報告
原口一博の発言によると、最近ボルトンが日本政府にイランと手を切れと要求しているようだ。
で、先ほどYouTubeを見ていたらCIAエージェントのエセ中東研究者飯山陽がイランは親中国だのなんだのとデマを煽ってた。
エルドアンが勝利したことで近いうちに、メディアでのトルコ叩きキャンペーンも始まるだろうな。
ネオコンのデマにころっと騙され先人の築いてきた中東での関係性を失う日本人、この国末期だろ。
6. 2023年5月31日 23:36:22 : qMxOFeQfo6 : MFJocjBsZU9QMy4=[430] 報告
支配者が平民に考える余裕を与えなかったら、平民は嘘でも信じるようになるだろうな。
平民が嘘でも簡単に信じるようにさせるのは支配者さ。
7. 2023年6月01日 15:53:01 : wHz0tjbCVA : eE4wUmhpbldOcEk=[1238] 報告
>>4
週刊あかだらけが廃刊となりてめえらにも
旧国鉄のように「分割民営化」がひたひたと迫ってきているから
犬HK穴からスタッフから記者、管理職から上層部まで
全員集団発狂
特にひどいのが女子穴
朝から晩まで狂いまくり
よく磐田の話題が出るが
あんあものまだまし
もっともTV朝日にも大下というきちがいネトウヨ女がいるが
8. 2023年6月04日 02:05:00 : pNlPCkSbrE : UHFWeXlvcDg5aEk=[2569] 報告
>>2

民主主義国って古代ギリシャの昔から帝国主義だったよ。

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際32掲示板 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
最新投稿・コメント全文リスト  コメント投稿はメルマガで即時配信  スレ建て依頼スレ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際32掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
国際32掲示板  
次へ