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※2022年2月28日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年2月28日 日刊ゲンダイ2面
【避けられない恐慌と分断】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) February 28, 2022
キエフ陥落寸前 その先が地獄の本番
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/raDr3Yt6IB
※文字起こし
独裁者・プーチン大統領の暴走を止める術はないのか。ここ数日間、世界は不安と焦燥に覆われている。
日本時間の26日、国連安全保障理事会はロシアによるウクライナ侵攻を非難し、即時撤退を求める決議案を採決。しかし、常任理事国のロシアが拒否権を行使し、否決された。中国、インド、アラブ首長国連邦は棄権した。
もちろん、当初からロシアの拒否権発動は織り込み済みで、国際社会でロシアの孤立を印象付けることが狙いだが、どこまで効果があるのか疑問だ。
安保理は2014年にも、クリミア半島のロシア併合をめぐる住民投票を無効にする決議案採択を目指したものの、ロシアが拒否権を行使して否決。そのまま現状追認で今に至ることを考えれば、国連の機能不全が際立っただけだった。
28日、国連緊急特別総会の開催が採決される。賛成多数で開催が決まり、24時間以内に招集される見込みだ。数日間にわたって各国代表が平和を訴える演説を行った後、どの国も拒否権を持たない総会で非難決議を採決するのだが、総会決議に法的拘束力はない。
決議に政治的な重みはあるとしても、プーチンは国際秩序に挑戦するならず者なのである。マトモな議論が通じる相手ではない。それに、この緊迫した状況下で、悠長に演説をぶっている場合なのかという気もしてくる。ロシア人の多くも戦争を望んではいないだろうが、プーチンだって、もはや引くに引けないだろう。
無力な国連決議に比べれば、厳しい経済制裁の方がまだ効力はありそうだ。
欧米各国などは国際的な決済ネットワーク「SWIFT」からロシアの特定の銀行を締め出す措置を実行することで合意した。
「G7と連携」しか言えない日本の首脳
これを受けて、日本の岸田首相も27日、「欧米諸国から声明への参加要請があり、日本も取り組みに加わる。他のG7諸国からも歓迎する意向が示されている」と表明した。「ロシアとの関係をこれまで通りにしていくということは、もはやできない」と、煮え切らない岸田にしては踏み込んだ発言も出たが、ことごとく決定に後れを取り、「G7と連携」しか言えない首脳ではどうしようもない。
それにしても、誰も落としどころを描けないまま、制裁を重ねていった先に何があるのか。世界経済はどうなってしまうのか。
「SWIFTは世界の金融機関が国をまたぐ取引の決済や送金に使うシステムで、排除されればロシアはドルやユーロを受け取れなくなる。つまり、資源などを他国に売った収入を得ることができなくなります。『金融上の核兵器』といわれるほどの厳しい措置で、副作用も大きく、返り血を覚悟しなければなりません。だからドイツやオランダなど、ロシアとの取引が多い国は反対していた。制裁が長期化すれば、世界全体に悪影響が出てきます」(経済評論家・斎藤満氏)
日本もエネルギーの一部をロシアから輸入している。ロシアは小麦など穀物の世界的な輸出国でもある。原油価格の高騰、食料品の一層の値上げは庶民生活にとって大きな痛手だ。その代償によって戦争を終わらせることができるなら我慢もできるが、問題は先がまったく見通せないことにある。
ただでさえコロナ禍で景気が低迷するタイミングで、ロシアへの厳しい経済制裁が大恐慌の引き金になる可能性があるのだ。
軍事同盟を頼って軍事侵攻を招いたパラドックス |
「今回のSWIFT排除はロシアの特定の銀行などが対象です。部分的な排除であり、効果がなければ一段と厳しい制裁を科すことになるのでしょう。もっとも、すでに原油や穀物の相場は上昇していて、国際的にインフレ懸念が高まっています。ロシアのSWIFT排除で人やモノ、カネの流れが滞れば、各国の金融機関もダメージを受けるし、景気減速で世界経済はスタグフレーションに直面する。それでもロシアが軍事攻撃を止めなかったら、SWIFT完全排除に踏み切るのか。忘れてはいけないのは、ロシアは核大国ということです。追い込み過ぎると、常軌を逸したプーチン大統領は何をしでかすか分からない。西側がSWIFT完全排除という『金融の核爆弾』を使えば、破れかぶれで現実の核爆弾を使用しかねない。ロシアの横暴は決して許すことができませんが、とどめを刺すに刺せないというジレンマがあるのです」(斎藤満氏=前出)
実際、プーチンは「核戦力」をチラつかせ始めている。27日に国防相や軍参謀総長らと協議し、核戦力を含む「核抑止部隊」を特別態勢に置くよう命令。国営テレビで「西側諸国は経済分野で非友好的な手段を取るだけでなく、NATO主要国の首脳らはわが国に攻撃的な声明を出した」などと語った。
この戦争の発端は、ロシアと国境を接するウクライナが、米国主導の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)に加盟しようとしたことだった。
ロシアの脅威に対抗するために軍事同盟を頼った結果、自国への軍事侵攻を招いてしまったことは悲劇的なパラドックスだ。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏が言う。
「ウクライナはこれまで黒海でNATOと軍事演習を行ってきて、それがロシアを刺激していた。ウクライナがNATO加盟を先送りすれば今回の戦火は防げたかもしれませんが、ロシアの懸念を無視して加盟強行に動いたのは、一緒に軍事演習もやっているNATOが万が一の時には助けてくれるという思い込みがあったのでしょう。その期待に基づいて対ロ政策を考えてきた。しかし、いざ戦争になった今、NATOはウクライナに派兵しない。ロシアを牽制するために、ウクライナは利用されただけのようにも見えます」
軍事一辺倒ではウクライナと同じ運命
ロシア軍の大半は首都キエフ付近に進駐し、陥落寸前だ。もともとは同じ国なのに、なぜこうなってしまうのか。誰も望んでいない戦争。あまりに悲惨でやるせない。戦争回避の手段は本当になかったのか。地獄の本番はここからだ。
非常時には過激な論調、「祖国を守る」というような勇ましく美しい言葉に国民は引き付けられるものだ。日本でも、「ウクライナ危機は対岸の火事ではない」「次は台湾、日本がやられる」「自国を守る軍事力を持つべきだ」という声が大きくなっている。敵基地攻撃能力などの議論である。
プーチンと27回の首脳会談を行った安倍元首相も27日のフジテレビ番組で、NATOの一部が採用している米国との「核共有」について議論すべきだと言っていた。「世界の安全がどう守られているかという現実についての議論をタブー視してはならない」というのだ。だが、核兵器を公然と保有すれば自国の安全を守れるのか?
「いま中国はロシアと西側の動向をじっと見ている。台湾は中国の一部との見解は一貫しており、“台湾有事”はあり得ます。しかし、台湾有事でも尖閣有事でも、米国は前面に出てきません。台湾有事を想定したシミュレーションで中国に勝てないという結果が出ているからです。日米同盟の強化や軍事力拡充に邁進すれば、NATOの支援に期待したウクライナと同じ運命をたどりかねない。これこそが今回の貴重な教訓であり、周辺国と友好的な互恵関係を築くことが戦争回避のためには最大の有効策です。軍拡路線でいたずらに周辺国との緊張を高めれば、自国を危険にさらすだけです」(孫崎享氏=前出)
安倍はこの番組で「プーチン氏は力の信奉者」とも言っていたが、核共有を提唱して軍事力の拡充を訴える安倍もまた「力の信奉者」ではないのか。プーチンと同じだ。民主主義と権威主義の戦いという分断の先には、悲劇的結末以外に何があるのか。行き着くところまで行きかねない。
ひとつ言えるのは、何があっても戦争を招き入れない、自国民を戦争に駆り出さないことが為政者の務めということだ。国家のメンツ最優先で核武装とか言う輩を支持していれば、国民は混乱に巻き込まれるだけなのである。
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- ウクライナに思わぬ苦戦でプーチン大統領イライラ! 誤算続きで短期攻略のシナリオ崩壊(日刊ゲンダイ) :戦争板リンク 赤かぶ 2022/3/01 18:20:19
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