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※紙面抜粋
※2022年7月13日 日刊ゲンダイ2面
【国民の半ばは驚愕】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) July 13, 2022
電光石火、安倍大勲位を後世の歴史はどう評価
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/DvAmvoRHuA
※文字起こし
自民党の安倍晋三元首相の葬儀が12日、東京・芝公園の増上寺で執り行われた。
喪主は妻の昭恵氏で、岸田文雄首相らが参列した。その後、安倍の棺を乗せた車は午後2時半ごろに寺を出発。国会議員や党関係者、支持者らが沿道で見守る中、永田町の党本部や衆参両議員会館、首相官邸などを10分ほどかけて回り、斎場に向かった。後日、地元の山口県と東京でお別れの会が開かれる予定だ。
家族葬として執り行われた11日夜の通夜には、麻生太郎副総裁や菅義偉前首相、石破茂元幹事長や財界関係者のほか、日米財務相会談のため来日したイエレン財務長官、米エマニュエル駐日大使ら約2500人が参列したという。下関市の事務所にも葬儀にあわせて祭壇が設けられ、警察官が金属探知機で手荷物検査をするなど物々しい雰囲気の中、弔問客が長蛇の列をつくった。
林芳正外相は12日の閣議後会見で、これまでに259カ国・地域・機関の1700人以上の首脳らから弔意のメッセージが届いたことを紹介。NHKや民放各局は、安倍の棺を乗せた車が走る様子を上空などから生中継。<永田町に最後の別れ><首相官邸に別れ>──などと盛んに報じていたが、メディアのこの“異様”ともいえる報道に対し、鼻白んでいる国民も少なくなかっただろう。まるで国葬級の扱いだったからだ。
安倍批判はダメで称賛はOKの摩訶不思議
参院選の応援のために訪れていた奈良市内で演説中に銃撃され、急逝した安倍。首相経験者が国政選挙の期間中に殺害されるという、戦後に例を見ない国内外に衝撃を与えた事件は連日、大新聞・テレビで取り上げられ、とりわけ、ワイドショー番組では、出演者が「安倍さんの功績は大きい」「安倍外交で日本が海外に存在感を示した」などと称賛したり、「安倍さんの言動を執拗に問題視した声が事件を招いた」などとトンチンカン発言したりする場面も増えた。
そうしたら政府は11日の持ち回り閣議で、安倍を従一位に叙するとともに、最高位の勲章である大勲位菊花章頸飾を贈ることを決定。併せて大勲位菊花大綬章も授与すると発表したから驚愕だ。
戦後、大勲位菊花章頸飾を受章するのは首相経験者の吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘に続いて4人目。松野博一官房長官は会見で、授与の理由について「多年にわたる経歴・功績に鑑みたものであり、首相として日米関係を基軸とした外交や経済、安全保障政策に力を尽くした功績、多年にわたる国会議員としての功績などが挙げられる」とかもっともらしく言っていたが、何もこのタイミングで慌てて決める必要はないだろう。
非業の死によって、「首相・政治家」としての安倍にまつわる話の全てが美談化され、安倍本人も英雄視されるような空気が出来上がりつつあるが、これは異常と言わざるを得ない。その政治的功罪については冷静な分析が必要だからだ。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。
「メディアの報道を見ていると、今は安倍元首相に対して哀悼の意を表する時であり、批判するのは絶対ダメだが称賛するのはOK──といった雰囲気を感じます。岸田政権が大勲位の授与を急いだのは、安倍元首相に近しい党内の右派議員の動きを意識したからでしょうが、安倍政権や安倍元首相の政治姿勢に対する評価が非常に歪んだ形で国民に定着しつつあることを危惧しています」
安倍の死でいよいよ正念場を迎える岸田政権
8年を超える長期政権を担った「安倍政治」は何をもたらしたのか。安倍シンパに言わせれば、その「功」とは安保法制やアベノミクス、教育改革らしい。だが第2次安倍政権以降の「罪」は枚挙にいとまがない。
何よりも問題だったのは、森友・加計・桜問題で明らかになった通り、政治を私物化し、行政をねじ曲げ、そのためには公文書改ざんや統計偽装もいとわなかったことだろう。
「現場の官僚がやっただけで、安倍さんは手を下していない」といった擁護する声もあるが、そういう空気を官僚組織に植え付けたのは安倍政権が内閣人事局をつくって人事を牛耳り、現場を萎縮させて言いなりに動くような仕組みにつくり変えたからではないか。
特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、戦争法……など、野党や国民がどれだけ反対の声を上げようとも、一切と言っていいほど耳を傾けず、審議もロクにしないまま数の力に任せて強行採決。中国、韓国といった近隣のアジア諸国を必要以上に敵視する一方、米国には揉み手ですり寄り、武器を言い値で爆買い。2度も消費税率を引き上げ、社会保障費や年金の負担額をそれぞれ増額しながら、海外には大盤振る舞いする。
社民党の福島瑞穂党首は国会で第2次安倍政権が海外でばらまいたカネが54兆円に上る──などと指摘していたが、これだけ配れば海外の首脳だって弔意のメッセージぐらい寄せるだろう。つまり、「安倍外交」の中身は空っぽ。経済協力を約束させられただけで、逆に状況が大幅に後退した「北方領土」の問題がいい例だ。
「国葬」に値しない2度の政権ぶん投げ
西日本豪雨の最中に同僚議員らと酒を飲み、新型コロナウイルス対策と称して打ち出したのは数百億円もかけて1世帯当たり役立たずの布マスクを2枚配るという愚挙。
「全国津々浦々に好景気の風をもたらす」などと言っていた看板政策のアベノミクスは結局、好景気をもたらすどころか、今や円安進行の元凶だ。おかげで食品や生活関連商品の急騰で庶民生活は青息吐息の状態。大量の国債を買い込むハメになった日銀は、もはや金融緩和を止めることも、利上げに踏み切ることもできず、右往左往している。
「責任を取る」と言うばかりで一度も取ったことはなく、挙げ句、国会では118回も虚偽答弁。新型コロナ対策でニッチもサッチもいかなくなると、体調不良を理由に2度目の政権ぶん投げ。辞める際には「球拾いする」などと言いながら、最大派閥の長に就いた途端、岸田政権を後ろから揺さぶり、「監督気取り」で台湾有事をあおって防衛費の増大と敵基地攻撃能力の保有の必要性まで言い出す。冷静に考えれば、誰がどう考えても「亡国の宰相」という言葉がふさわしい。安倍の「国葬」なんて声が一部であるが、値しないのは言うまでもない。
ワケが分からないのは、そんな安倍に電光石火で大勲位の授与を決めた岸田政権だ。銃撃された背景には、安倍がこれまで問題視されてきた宗教団体・旧統一教会の広告塔を務めたことが指摘されているワケで、二度と同様の悲劇を起こさないためにも、なぜ恨みを買ったのか、安倍以外にも広告塔になっている議員は他にいないのか──などを政府として徹底的に調べて対応するべきだろう。それなのに一体、岸田政権にはどんな思惑があるのか。
政治評論家の小林吉弥氏がこう言う。
「(大勲位授与は)欧米各国が安倍元首相の死を悼み、弔意を表していることに加え、国内世論の動きも見て判断したに過ぎないでしょう。ただ、政権のかじ取りはこれで難しくなったことは間違いない。発言力が強かった安倍元首相が亡くなり、党内世論が流動化する可能性が出てきたからです。参院選で勝ったとはいえ、自身の政策が評価されたわけではない。岸田政権にとっては、これからが正念場であり、経済対策やリーダーシップを問われることになると思います」
果たして安倍大勲位を後世の歴史はどう評価するのだろうか。
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