★阿修羅♪ > 戦争b24 > 853.html
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ ★阿修羅♪
ウクライナで露国に敗れた米英は核戦争に向かうのか、東アジアで戦争開始か(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/853.html
投稿者 赤かぶ 日時 2023 年 10 月 08 日 06:50:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ウクライナで露国に敗れた米英は核戦争に向かうのか、東アジアで戦争開始か
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310080000/
2023.10.08 櫻井ジャーナル

 ウクライナでロシア軍を壊滅させることにアメリカとイギリスの支配層は失敗、ウクライナの軍や親衛隊は壊滅した。その軍や親衛隊を使ってロシアを攻撃してきたアメリカ/NATO軍の兵器庫は空になりつつあるようだ。ウクライナやカナダでナチズムが社会に入り込んでいる実態が明らかになってきたのもウクライナでの戦況が影響しているだろう。

 アメリカのジョー・バイデン政権を支えてきたネオコンはすでに「ルビコン」を渡ってしまった。撤退はできない。残された道は和平を選んで自分たちが破滅するか、核戦争を覚悟してロシア軍と直接戦うのか、東アジアで新たな戦争を始めるのか、いずれかだろう。和平への道を選ぶ可能性は最も小さい。

 ジョー・バイデンはアメリカ大統領に就任して間もない2021年3月16日、ABCニュースの番組に登場し、ジョージ・ステファノプロスからウラジミル・プーチン露大統領は人殺しだと考えるかと問われ、バイデンは「その通り」と答えた。証拠もなく核保有国の大統領を殺人者呼ばわりする意味をバイデンは理解できなかったのか、軍事的な緊張を高めるためなのか、いずれにしろ正気ではない。

 ちなみに、ステファノプロスはコロンビア大学時代にローズ奨学生としてイギリスのオックスフォード大学へ留学、ビル・クリントン政権で大統領補佐官を務めている。

 バイデンはその後、ロシアの「縄張り」とも言うべき黒海へ軍艦を入れ、軍用機を飛行させて恫喝、あるいは挑発した。国境近くに数万人規模の部隊を集結させたこともある。アメリカ/NATOに操られたウクライナのネオ・ナチ体制は2014年から22年にかけてドンバスの市民に対する攻撃を続け、約1万5000人が殺されたと言われている。この人殺し行為が西側では問題にされなかった。

 そして2022年2月24日にロシア軍はウクライナに対するミサイル攻撃を開始する。航空基地、レーダー施設、生物化学兵器の研究開発施設などを破壊したほか、ドンバスに対する大規模な攻撃を始めるために集結していたウクライナの軍や親衛隊などを壊滅させた。

 その攻撃の際にロシア軍が回収したウクライナ側の文書によると、その年の3月からドンバスに対する攻撃を開始することになっていた。住民を虐殺し、ロシア軍を引っ張り込もうとしていたとも言われている。アフガニスタンの時を同じ手口だ。

 ウクライナ政府はイスラエルやトルコを仲介役としてロシア政府と停戦交渉に入り、ほぼ停戦で合意、仮調印までしているのだが、それをイギリスとアメリカが潰した。

 2022年4月9日にイギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフへ乗り込んで停戦交渉の中止と戦争の継続を命令、4月21日にはウクライナ南部のミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と国民を脅し、4月30日になるとナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めたのだ。

 ​その戦争でウクラナ兵の戦死者は約50万人に達するとアメリカの有力メディアも伝えている​。常識的な見方だ。ちなみに、ロシア側の推計戦死者はその1割、つまり5万人程度である。その結果、ウクライナの若者は減少していく。

 イギリスの​ベン・ウォレス前国防相はウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えているとテレグラフ紙に寄稿した論説の中で指摘、ウクライナ政府に対し、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求している​。「学徒動員」や「少年兵」を求めていると言えるだろう。

 ネオコンが進めている戦略は1992年2月に国防総省の「DPG(国防計画指針)草案」という形で作成された世界制覇プランに基づく。その当時の国防長官はディック・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツ。作成の中心がウォルフォウィッツだったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 旧ソ連圏を制圧するだけでなく、ドイツや日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に組み入れ、新たなライバルの出現を防ぐともしている。ネオコンはアメリカが「唯一の超大国」になったと認識、他国に配慮することなく単独で好き勝手に行動できる時代が来たと考えたが、潜在的なライバルは存在する。その中にはEUや東アジアが含まれていた。

 ネオコンは覇者としての地位を固めるため、NATOを東へ拡大させていく。ソ連の大統領だったミハイル・ゴルバチョフはNATOを東へ拡大させないという条件で東西ドイツの統一を認めたが、それをネオコンは無視したわけだ。

 ドイツのシュピーゲル誌によると、アメリカはNATOを東へ拡大させないとロシアに約束したとロシア駐在アメリカ大使だったジャック・マトロックが語っている。(“NATO’s Eastward Expansion,” Spiegel, November 26, 2009)

 また、ドイツの外相だったハンス-ディートリヒ・ゲンシャーは1990年2月、ロシアの外相だったエドゥアルド・シェワルナゼに「NATOは東へ拡大しない」と確約、シェワルナゼは無邪気にもゲンシャーの話を全て信じると応じたという。(前掲記事)

 1999年3月にアメリカ/NATOはユーゴスラビアを先制攻撃してた。この時のアメリカ大統領はクリントン。第1期目から有力メディアは戦争を始めるように煽っていたが、大統領はスキャンダル攻勢にあっていたものの、戦争に消極的。状況が変化するのは1997年に国務長官がウォーレン・クリストファーからマデリーン・オルブライトへ交代してからだ。オルブライトと親しいヒラリー・クリントンも夫にユーゴスラビアを攻撃するよう説得していたという。

 そしてネオコンはウクライナ制圧に乗り出す。ロシア革命後にロシアからウクライナへ割譲された東部や南部を支持基盤にするビクトル・ヤヌコビッチの大統領就任を阻止するため、ジョージ・W・ブッシュ政権は2004年から05年にかけて「オレンジ革命」を仕掛け、新自由主義者のビクトル・ユシチェンコを大統領に据えた。

 ユシチェンコの政策は大多数のウクライナ人を貧困化させ、反発が強まる。そこで2010年の大統領選挙でヤヌコビッチが勝利、その政権を倒すためにバラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけての時期にネオ・ナチを使ったクーデターを実行した。

 このクーデターをホワイトハウスで指揮していた人物は副大統領を務めていたジョー・バイデンであり、ウクライナで指揮していたのは国務次官補だったビクトリア・ヌランド。そしてバイデン副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていた人物がジェイク・サリバンだ。ウクライナを舞台としてロシアに戦争を仕掛けたのもこの3人だ。

 クーデター後のウクライナは「闇の銀行」とも呼ばれるブラックロック、そして巨大銀行のJPモルガン・チェース、石油会社のエクソンモービルとシェブロン、そして穀物を支配している会社はカーギル、デュポン、モンサントだ。すでにウクライナはこうした巨大資本の植民地と化しているのだが、それだけでなく、アメリカ国防総省は生物兵器の研究開発を行う施設をウクライナに建設してきた。ロシアの勝利はその利権を危うくする。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 赤かぶ[201029] kNSCqYLU 2023年10月08日 07:08:44 : 4N0585LJoM : NVJuNy91a3N6ZVE=[7164] 報告

2. 赤かぶ[201030] kNSCqYLU 2023年10月08日 07:13:54 : 4N0585LJoM : NVJuNy91a3N6ZVE=[7165] 報告

3. 2023年10月08日 12:23:37 : swgIsTASyA : dUhYWkhQcVNNbVk=[81] 報告
やれるわけがないじゃない。
戦争戦争と煽っているうちに、金融の方で、潰れるよ。
欧州はそれどころではなくなる。

   

4. 2023年10月08日 13:39:36 : Nf2PcZ7ZZc : Z2E4eW1QcUxVaFU=[1029] 報告
その前に、米国が分裂する方が先でしょうね。
米国内の"まともな軍人達"は、トランプに忠誠を誓っており、米国の外で戦争をする気はさらさらない。

逆に、バイデンを操っているディープステイト達の方には人材がおらず、仕方がないから、能力さえあれば、多少人格に問題があっても採用されている。だからLGBTQ+の変態達が、バイデン政権下ではやりたい放題している。我々の時代が来た、と思っているのかもしれないが、そんな時代は長続きしない。まともな保守派の人間は眉をひそめている。

米国は恐らく、メディアを駆使して子分達(日本、韓国)を中国にけしかけようとするだろうが、中国に大きく世界の流通を押さえられて、そのうち手も足も出ないようにさせられる未来が見える。米国の金融も破綻し、日本の対米債権が全部吹き飛び、米国教に心酔している日本の支配層のジジイ共が軒並みショック死して初めて、日本は自由になれるだろう。

ここ数年、新型コロナワクチンやらウクライナ戦争やらで、日本人ってのはこんなに騙されやすい生き物なのかと失望させられてばかりだが、夜明けはそんなに遠くないようだ。

5. 2023年10月08日 16:11:26 : swgIsTASyA : dUhYWkhQcVNNbVk=[92] 報告
ポンペイオとかペンスとか、ブリンケンとか、オースティンとか、
米国政権には碌なものがいなかったな。
全てネオコンの仲間だ。

米国の市民が覚醒するのが待たれる。

6. 2023年10月08日 16:51:33 : 1XkaGuQHqo : Z2dxLmU5VEY3aWc=[503] 報告
<ICCが人身売買に逮捕状を出した理由がこれ>

https://twitter.com/Reloaded7701/status/1710869588995699119

英国の民間軍事会社が関わっている。
ICCも組織でこれに関わっている。
ロシア軍は、幼児人身売買の証拠を持っている。

7. 2023年10月10日 17:12:15 : ZVfystqlsM : ZUY2UVpNd2t4eHc=[320] 報告
いつも核兵器使用を脅しに使っているのはロシアの前大統領とプーチンではないでしょうか。

ウクライナは既に負けた。
何度も聞いていますが・・・

8. 2023年10月11日 03:58:30 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[26] 報告
<■247行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
露、国連人権理復帰に失敗 理事国選で落選
2023/10/11 1:19
https://www.sankei.com/article/20231011-2BOPPKFROJJ5HMHKAYGV6MZ4MA/
国連総会(193カ国)は2023年10月10日、スイス・ジュネーブの人権理事会で2024年1月から3年間の任期を務める新理事国の選挙を行った。
ウクライナでの民間人虐殺などを理由に2022年、人権理を追放されたロシアが立候補していたが、落選した。
ロシアが当選を目指していたのは2023年末に任期が切れるウクライナとチェコの枠。
競合していたブルガリアとアルバニアが当選した。
当選には全加盟国の過半数97票を獲得した上で、上位2カ国に入る必要があった。
ロシアの得票は83票にとどまった。
人権理を追放された後もウクライナでの人権侵害を重ねるロシアに対し、国際社会が批判的な態度を維持していることが確認された。

戦争を長引かせる「早期停戦論」の罪
正論2023年11月号 国際政治学者 グレンコ・アンドリー
ロシアによるウクライナ全面侵略が始まってから、1年7カ月経った。
ハイブリッド戦争、局地戦の期間を含めれば、あと5カ月でロシアによるウクライナ侵略開始から10年経つ。
ロシアによる侵略が10年も続いている理由はいくつかあるが、その中で際立つのは国際社会の不十分な対応だ。
2014年に、ロシアがウクライナに侵略し、南部のクリミア半島と東部2州の一部を占領したが、この蛮行に対する国際社会の反応は非常に弱かった。
国際社会は対露批判や形式的な制裁に止まり、ロシアの経済や軍事産業に打撃を与えるような行動を取らなかった。
また、ウクライナには、自分で自国を守れる武器を提供しなかった。
その代わりに、国際社会がお経のように繰り返しいた言葉は
「問題の平和的な解決」

「停戦」
だった。
しかし、平和的な解決も停戦もないまま、戦争は8年間も続いてしまった。
そして、局地戦が全面戦争に発展してしまった。
もしロシアへの実態のある制裁やウクライナへの武器提供が2014年から始まっていれば、2022年の全面戦争は起きなかった可能性が非常に高い。
2014年から2022年までの姿勢は完全に間違っていたことに気付いた自由民主主義諸国は、実態のある対露制裁とウクライナへの武器提供に踏み切った。
それでも、対露制裁や対ウクライナ支援はやはり段階的に行われている。
ウクライナへの戦車提供は、全面戦争が始まって1年が経った頃にやっと行われた。
戦闘機の提供は未だに実施されず、2025年の春、全面戦争開始から2年が過ぎる頃にようやく行われる予定である。
しかし、武器提供の必要性に対する理解が進むには時間がかかるとはいえ、理解が進んでいるのは事実である。
自由民主主義諸国の首脳では、提供される武器の種類については温度差があるものの、武器提供の必要性自体を否定する人はいない。
そして、ウクライナに対して、
「平和的な解決を目指せ」

「停戦しろ」
などのような要求もない。
口では認めないが、2014年の対応が失敗だったことを各国の首脳は理解しつつある。
同時に、驚くことに、各国で未だに早期停戦と武器提供停止・縮小を求める著名人やメディアもある。
例えば、アメリカのトランプ前大統領は、自身が大統領になればウクライナへの支援を停止し、停戦を実現すると公言している。
似たような論調を、欧州各国のポピュリスト系政治家や言論人が繰り返している。
つまり、対露宥和が失敗していることはこの10年で実証されたにもかかわらず未だに現実を無視してもう1度、間違いなく失敗する政策を繰り返そうとする勢力がある。
まことに残念ながら、日本も例外ではない。
日本は昔のしがらみが残っており、現時点でまだ武器提供には踏み切っていないが、日本政界における理解は着実に進んでおり、いずれ武器提供を認める制度が作られる可能性もある。
また武器以外、日本では既に多くの対ウクライナ支援を行っている。
同時に、日本にもウクライナ支援に反対し、
「停戦論」
を提唱する勢力は存在する。
日本のポピュリスト系政治家や陰謀論系の発信者、または反戦平和を掲げる左派系メディアなどが武器提供に反対し、早期停戦を呼び掛けている。
8年間、自由民主主義諸国は武器提供せずに停戦を呼び掛けていたにもかかわらず、戦争を止めることが出来なかった。
では何故、今の停戦論者は戦争を終わらせることが出来ると思っているのだろうか。
各国の首脳は自身の失敗から学んでいるが、停戦論者は現実を見ようとしない。
■ロシア人の信念
それでは、何故停戦が不可能なのか。
それを理解するには、ロシアがこの戦争を起こした目的を知る必要がある。
もし、ロシアがこの戦争を、利益を得るために起こしたのなら、理論的に停戦があり得る。
損得勘定で動く国なら、戦争継続より停戦の方が利益に繋がると思わせることが出来れば、停戦交渉は可能だ。
しかし、ロシアはこの戦争を利益のためではなく、信念のために起こしたのだ。
ロシアの歪んだ世界観では、ウクライナの国土はロシアの領土であり、ウクライナに住んでいる人たちはロシア人だということになっている。
ウクライナ国家とウクライナ民族の存在をロシアは認めていない。
これはロシア人の世界観だ。
ロシア人にとって今の戦争は
「祖国を取り戻す戦い」
だ。
間違っているとはいえ、これはロシアの強い信念だ。
ロシア人は、ウクライナを必ずロシアの領土にしなければならないという使命感を持っている。
信念を実現するための戦争だからロシア人は利益を求めていないし、損得勘定で考えない。
どんなに犠牲を払ってでも、ウクライナを必ずロシアの一部にしなければならないという強い信念は、揺るがない。
だから、ロシア人は停戦に応じない。
ロシア人にとって停戦に応じるというのは、崇高な理念、祖国を取り戻す戦いを諦めることを意味するからだ。
国際社会、諸外国はどんなにロシアに対して
「停戦せよ」
と呼び掛けたとしても、ロシア人にとってそれは自身のアイデンティティを諦めることを意味するので、ロシアはこのような呼び掛けを拒否する。
唯一にあり得るのは、停戦ではなく一時休戦だ。
つまり、ロシアにとって戦況が悪くなれば、追加動員や兵器製造、戦略の練り直しなどのためにロシアが一時休戦に応じる可能性は、理論的にある。
しかし、ロシアに戦争継続の準備が出来た時、このような一時休戦はすぐ破られ、ロシアは以前より大きな勢いでウクライナへの攻撃を続ける。
言うまでもないが、ロシアの攻撃がより強くなるためだけの一時休戦は絶対に認めてはいけない。
実際にロシアが停戦に応じる唯一の条件とは、戦争を継続する能力を失うことだ。
つまり、ロシア軍が戦場において壊滅し、戦えない状態になることだ。
その場合は、ロシアが停戦に応じる可能性はある。
ちなみに、この場合でさえ、あくまで可能性であって、確定ではない。
ロシア軍が再起不能まで陥り、戦えない状態になっても、ロシアは停戦に応じない可能性さえある。
地上兵力を失ったとしても、ロシアは国内からウクライナをミサイルや無人機で攻撃し続けるという展開もあり得る。
だから、ロシア軍が壊滅しても停戦にならない可能性さえあるので、ロシア軍が壊滅しない間は、停戦は100%あり得ない。
いずれにしても、停戦や戦争規模の縮小を実現するには、ウクライナにより多くの武器を提供し、早くロシア軍を壊滅させなければならない。
しかし、早期停戦論者がそれを妨害している。
意図的かどうかは別にして、早期停戦を呼び掛けている人たちは、戦争を長引かせ、間接的に多くの人の命を奪っているのだ。
もし停戦論者が
「ロシアが停戦に応じるまでウクライナ支援を続ける」
という姿勢を取るのであれば、問題はない。
しかし、そういう論者の多くは、ウクライナへの武器支援をやめて、その状態で停戦させるべきだという姿勢だ。
この姿勢が人を殺している。
武器提供が止まっても、停戦にはならない。
ウクライナが武器不足に陥ったら、ロシアはすぐ攻勢に出て、占領地を拡大していく。
ロシアはウクライナ全土を制圧するまで止まらないので、ウクライナへの武器支援の妨害は、ロシアの侵略戦争に加担することだ。
早期停戦論者にはそれを理解する人も理解しない人もいる。
しかし、理解せずに、武器提供を止めれば停戦が実現すると思い込んでいる人でも、客観的に見れば、無意識にロシアの侵略戦争に加担しているのが事実である。
停戦論者は何故か、ウクライナが停戦に応じれば停戦が出来ると思い込んでいる。
しかし、実際にはウクライナが停戦を望んでも、ロシアは絶対に停戦に応じない。
だからウクライナの意思では停戦を実現出来ない。
ロシアの意思が必要だが、ロシアにその意思は全くない。
もし停戦論者の主張通り、ウクライナへの武器提供が止まれば停戦が実現するのではなく、ロシアがウクライナに更なる攻撃を加え、占領地を拡大し、全土制圧を目指す。
つまり、破壊と殺戮、そしていつまでも終わらない戦争が続くのだ。
もしロシアがウクライナ全土を制圧出来れば、今度はウクライナ人の民族浄化が始まる。
ロシアの目的はウクライナ民族をなくすことだから、それを実現するまで殺戮は止まらない。
以上のように、停戦が不可能であり、早期停戦論は間接的に人命を奪っているだけだ。
それでは、今度はあり得ない設定をしてみよう。
現実では起きないが仮にロシアが停戦に応じた場合、どうなるのか。
もし、何らかの理由でロシアが停戦に応じれば、現在ロシアが占領しているウクライナの領土において、ロシアの支配が固定化する。
1度停戦してしまうと、ウクライナは事実上、その領土を武力で奪還する機会を失ってしまう。
国際社会では、非常に理不尽で間違っている決まりが存在する。
自国の領土であっても、1度停戦協定を結べば、自国の領土を占領者から武力で奪還してはいけないというルールだ。
筆者の意見では、このルールは完全に間違っているし、完全に理不尽だ。
このルールは侵略国家を利するだけで、善良な国の手を縛っている。
しかし、残念ながら、今の国際社会においては、このような考え方が主流だ。
だから、例えば、もし1度停戦した後、ウクライナが武力で占領地を奪還するために戦いを再開すれば、国際社会はウクライナを支持しない。
もちろん、その場合、ウクライナの行動は自国内なので侵略に当たらず、非難され、制裁を受けることはないだろう。
しかし、今のような積極的な支援は行われない。
資源が限られているウクライナは外国の支援なしでロシア軍に打ち勝って、領土を奪還出来ない。
だから、国際支援を望めない状態でウクライナは奪還作戦を行わない。
このような事情によって、1度停戦すれば、ロシア自身が戦争を再開しない限り、ウクライナは事実上、占領地を半永久的に失うことになる。
ロシアが交渉で占領した領土を返すことは絶対にあり得ない。
仮にプーチン体制が崩壊したとしても、占領地を返さない。
ロシア人の領土への執着は想像を絶するものだから、ロシア国内の世論は占領地返還を許さない。
■占領地で始まる民族浄化
それでは、ロシアの支配が固定化された占領地で何が起きるのか。
端的に言うとその土地の
「ロシア化」
が進む。
ロシアが新たに獲得した領土のロシア化のためにありとあらゆる非道を行う。
ロシアから見ると、ウクライナ人というアイデンティティは脅威だ。
これが存在する限り、ウクライナ人はまたロシアに刃向かうから、このアイデンティティをなくさなければならない。
だから支配地域において、自分のことを
「ウクライナ人」
と認識する人が1人もいなくなるような政策を取る。
つまり、民族浄化が起きるのだ。
民族浄化の手段は、多岐に渡る。
まずは、単純な殺害だ。
ロシアの支配に反発する姿勢を隠していない人が殺害されるケースが多い。
ロシア軍に占領された後、解放された土地の状況は全てを物語っている。
比較的占領期間の短いウクライナの北部において、証拠隠滅がされないままロシア軍が去った。
今は世界的に有名になったブチャの虐殺は、ロシア軍によって無差別に行われた民間人の大量殺害だ。
また、占領期間が約半年間だったハルキウ州の東部においても似たような大量虐殺の痕跡がある。
他の地域は、占領の期間が長かったので大量殺害を確認するのは難しいが、全ての占領地においてロシア軍が似たような大量殺害を起こしていると思われる。
次は、拷問だ。
占領地域において、住民を捕まえて拷問するのは一般的で、解放された地域では拷問室が各地で発見されている。
拷問の目的は、ロシアの支配に反発しているかどうかを確認することが多い。
本人もしくは親戚や知り合いに反露思想を持っている人がいるかどうかを知るために、住民は大量に拷問を受ける。
歯や爪を抜き、殴り、電気をかけ、性的拷問をするのはロシアの当局の一般的なやり方だ。
また、ロシアは占領地に住んでいるウクライナ人をロシア軍に動員し、戦争に捨て駒として使うケースも多い。
占領地の住民を軍に動員するのは国際法違反だが、ロシアはそれを無視して、ウクライナ人を動員する。
支配している民族を大量に動員し、戦争に使うのはロシアの昔からのやり方だ。
ロシアがウクライナを支配していた時代、ロシア帝国やソ連の軍隊にウクライナ人が大量に徴兵・動員され、数え切れない数の戦争に行かされた。
現在でも、ロシア連邦が支配している諸民族、例えばブリャート人は大量にロシア軍に動員され、ウクライナとの戦争に行かされている。
もし占領地におけるロシアの支配が確定すれば、その住民の強制的な徴兵や動員はより効率よく、組織的に行われ、ロシアが起こしている戦争に捨て駒として行かざるを得なくなる。
また、占領地では、誘拐や強制移住が大量に起きている。
占領地でウクライナ人のアイデンティティを持つ人がいなくなるように、ロシア当局は住民を強制的にロシアに移住させる。
当然、同じ場所に集中するのではなく、巨大なロシアの各地に散らばるようにするのだ。
強制移住させられた人がロシアの社会に溶け込み、いずれ意識はロシア人になることを狙う。
その代わりに、占領地にロシアからのロシア人を移住させる。
■永続化される被害
その中で特に注意すべき問題は、子供の拉致だ。
つまり、占領地にいた子供をロシアに連れ去り、ロシアで児童施設に入れるかロシア人の家庭に養子として入れる。
その子供にロシアの教育を受けさせ、ロシア人として育てるのが目的だ。
ウクライナ当局が把握している範囲だけでも、約2万人のウクライナ人の子供がロシアに連れ去られて。
ロシア自身は
「70万人の子供を戦地から救い出した」
と言っているので連れ去りを認めている。
70万人という数字は恐らく誇張だが、占領地から子供が大量にロシアに連れ去られているのは紛れもない事実だ。
ちなみに、プーチンが国際司法裁判所から指名手配を受けたのは、連れ去りを指示したからだ。
そして、ロシアは占領地で必ず洗脳教育を行う。
学校教育やメディアを通して、占領地の住民を洗脳する。
住民は自分たちがウクライナ人であることを忘れ、ロシア人のアイデンティティを持つようにする。
占領地には既にロシアのメディアしかなく、学校教育もロシアと同じになっている。
多くの教員はロシアから占領地に派遣されている。
最近は、ロシアの新しい歴史の教科書が話題になっている。
学校10年生、11年生(高校1、2年生に相当)向けの
「ロシア史」

「世界史」
の教科書では、ソ連の帝国主義は全て正当化され、反米、反自由主義の陰謀論が事実として書かれている。
また、現在続いている対ウクライナ侵略も絶賛されている。
これは全国統一の教科書として指定されているので、当然、占領地でも導入される。
つまり、占領地に残るウクライナ人はロシアの狂信的な帝国主義者が書いた教科書で学ぶことになる。
以上のように、ロシアに占領されている地域では、既に民族浄化が行われている。
もし仮に
「停戦」
になれば、ロシアによる占領地の支配が恒久化するので、民族浄化が完成される。
殺害、拷問、脅迫、強制移住、洗脳教育などの手段で地域のロシア化が行われる。
抵抗する意思のあるウクライナ人が殺され、抵抗する意思のないウクライナ人はロシアに移住させられるか、洗脳教育によって意識はロシア人になる。
つまり、占領地からウクライナ人がいなくなり、地域は完全にロシア化する。
だから、
「停戦」
すれば、ウクライナの正当な国土を事実上ロシアに渡し、侵略による領土強奪を認めることになるだけではなく、占領地に住んでいる住民を見捨て見殺しにすることにもなる。
これは国際法の観点、そして基本的人権尊重の観点から絶対にあってはならないことだ。
もしウクライナが国際法や人権を気にしない非民主的な国家なら、この領土放棄の選択肢もあったかもしれないが、ウクライナは自由民主主義国家だ。
自由民主主義国家として、国際法と基本的人権が踏みにじられるような状況を容認することは出来ない。
だから、国際法が回復し、占領地の住民が再び安全で自由な暮らしが出来るようにする義務がある。
各国にいる、いわゆる
「早期停戦論者」
には、少しでも人権意識を持って頂きたいものだ。

[18初期非表示理由]:担当:スレ違いの長文多数のため全部処理

▲上へ      ★阿修羅♪ > 戦争b24掲示板 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
最新投稿・コメント全文リスト  コメント投稿はメルマガで即時配信  スレ建て依頼スレ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 戦争b24掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
戦争b24掲示板  
次へ