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ロシアの戦略とプリゴジンの死/田中宇
http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/466.html
投稿者 仁王像 日時 2023 年 9 月 14 日 06:12:24: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

ロシアの戦略とプリゴジンの死/田中宇
https://tanakanews.com/

 【2023年9月13日】
 ロシア政府の上層部がワグネルを露軍の傘下に組み込もうとしたのに対し、プリゴジンがそれを拒否し続けたため殺し、露政府は予定通りワグネルを軍の傘下に組み込んだ。
 私は従来、プリゴジンはプーチンに対して強い忠誠心を持っているはずだから、プーチンがワグネルを露軍の傘下に組み込むならプリゴジンはそれに従うと考えていたが、実際はそうでなかった。  

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コメント
1. 2023年9月16日 22:52:37 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[16810] 報告
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中露と米国の対立を長期化する
2023年9月16日   田中 宇
米国のブリンケン国務長官が4月13日の講演で、世界は米国主導で比較的安定していた「冷戦後の時代」が終わり、米国が中露と対立し続ける時代(対立的な新世界秩序)に入ったと、時代の転換を宣言した。
この宣言は、先日のBRICS拡大など非米側の台頭を受け、米国自身が単独覇権体制の終わりを認めたことを意味する。同時に、米国が今後かなり長い期間にわたって中露(など非米側)と対立していくという表明でもある。
(Blinken Calls for New World Order to Counter Russia And China)

ブリンケンは、米国が主導していた冷戦後の世界体制が普遍的な価値観(人権、民主)と国際法を尊重する良いものだったと自賛した上で、中露は従来の世界体制を「米国による強圧的な支配だ」と批判つつ破壊し、替わりに中露など全体主義(非米側)諸大国による新たな支配体制を作ろうとしており、米国はNATOや日韓豪との同盟を率いて中露に勝たねばならない、と主張した。
(Blinken Remarks “The Power and Purpose of American Diplomacy in a New Era” )
(The Old World Order is over - Blinken)

ブリンケンは、国際秩序を壊したロシアを勝たせぬよう、ウクライナを支援してロシアを打ち負かさねばならないとか、中国は経済や軍事外交やハイテクの力を使って国際秩序を作り変えようとしているので長期的に最大の脅威だとも述べた。
ブリンケンは「時代の転換」という長期の話をしており、米国がこれからもずっと中露を敵視し続ける方針を打ち出している。ウクライナ戦争は、少なくとも今後2-3年は続くとロシアの議員も言っている。
またプーチン大統領は最近のウラジオ演説で「(来年の米大統領選挙で)トランプが返り咲いても、ロシア敵視やウクライナ戦争を終わらせることはない。トランプは対露制裁を続けると言っている」と述べ、米国は次期大統領が誰になろうがロシア敵視をやめないと予測している。
(Ukraine operation will last for a ‘few years’ - top Russian MP)
(Putin Says Trump Won't Change US Foreign Policy)

ブリンケンの必勝論と裏腹に、ウクライナの戦場ではロシアの勝利が確定しており、米NATOがいくらウクライナを支援しても挽回できなくなっている。
ウクライナを戦わせる代理戦争でなく、米NATOが直接ロシアと戦争するなら勝てるかもしれないが、それは米露核戦争になって人類を滅ぼし、ブリンケンが描く「米国が中露と対立し続けて勝つ」シナリオにならない。米政府は今後もロシアとの直接の戦争は考えておらず、代理戦争しかやらないことがうかがえる。
(Russia Is Winning The Industrial Warfare Race)

米国は従来方式のウクライナ国内での代理戦争で勝てないため、ウクライナが米NATOからもらったミサイルや無人機を散発的にロシア国内の奥深くまで撃ち込み、露軍が迎撃しきれなかった分がロシアの軍民の施設を破壊する新戦法を2-3か月前から採っている。
これまでは、ウクライナが米国の許可無く勝手に米国製兵器を露本土に撃ち込んでいることになっていたが、最近ブリンケンがこの撃ち込みについて、推奨しないが反対せず容認すると述べた。米国はウクライナに失地回復戦をやらせる代理戦争から、ロシアを戦場にする直接戦争に微妙に近づいている。
露政界では強硬派がプーチン大統領に「これまでのようにウクライナだけを相手にするのでなく、米国も敵とみなす戦争に入るべきだ」とせっついている。プーチンはまだ動いていない。のらりくらり。こちらも微妙だ。
(Russian hawks push Putin to escalate as US crosses more ‘red lines’)

この米露双方の微妙な動きは、すでに決着がついているウクライナ戦争を長期化していく。開戦当初から、プーチンと米政府中枢(ブリンケンやサリバンなど隠れ多極主義者たち)の両方が、超厳しい対露経済制裁によって米国側と非米側に世界経済を分断し、非米側が発展して米国側が自滅する世界体制の長期化・固定化を模索し続けてきた。
今回ブリンケンが発表した中露敵視の米長期戦略は、中露やBRICSなど非米側を結束させ、非米側の発展と米国側の自滅を引き起こす隠れ多極主義の戦略だ。プーチンは、怒ったふりをして実は大喜びでこの戦略に呼応する。
(ロシアでなく欧州を潰してる)
(プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類)

プーチンは先日のウラジオ演説で「非米側が台頭して世界を席巻したのに、米国側はうっかりそれを無視して自滅している」と述べた。米国は、2000年以来の中露の結束推進などによる多極化を無視・放置した。私が見るところ、この無視は「うっかり」でなく昔からの意図的なものだが。
米国は、中枢に巣食った隠れ多極派の意図に沿って自滅している。今回の、中露を倒そうとする米国の新戦略は自滅を加速する。
(US decline, Kiev’s warmongering, Russian economic successes: Key takeaways from Putin’s panel in Vladivostok)

米中枢のブリンケンやサリバンら(隠れ多極派)は最近、沿ドニエストル、シリア、アフリカのサヘル、ベネズエラなど、以前からロシアと対立していた地域での露敵視を強化することで、米露対立を世界的な規模で維持する策をとり始めている。
ウクライナの戦闘に決着がつき、米露対立を維持するには領域の拡大が必要だからだ。しかし、シリアでもサヘルでも、ロシアの優勢と米国側の不利が増すばかりで、米国の挽回はない。
(Hawks want Biden to take the fight with Russia global)
(アフリカの非米化とロシア)

ブリンケンは、今回の方針提起で中国と対立すると言いつつ、台湾に全く言及していない。米国が台湾独立を正式に支持すると、米中は核戦争を含む本格戦争になりうるし、台湾が戦場になって破滅する。
米国は、そこまでのやる気がなく、米中の経済関係を断絶して米国側の経済を自滅させていくだけの策だ。ブリンケンは就任直後から、その手の中国敵視を続けてきた。
(日米韓豪の中国敵視は茶番から自滅に)

中国は、米国側と経済を断絶しても、発展が続く非米側で食っていける。対照的に米国側は、中国や非米側との経済関係を断絶したら衰退するばかりだ。米側マスコミは中国経済が破綻しつつあると喧伝するが、経済の悪化は中国より米欧の方がひどい。
米欧は実体経済が悪化しているのに金融相場が粉飾によってバブルが維持されており、米国経済は良いという大ウソが喧伝されている。中国は金融が悪化しても覇権崩壊しないが、米国は金融が悪化すると覇権崩壊する。
(Kasandras Beware - China's Economy Will Not Hit A Wall)

米国が金融崩壊して覇権が大幅低下したら、今回ブリンケンが宣言した中露との対立も継続できなくなる。米国が中露と長期対立するには、米国が金融崩壊・ドル崩壊しないことが必要だ。
米国は今後もインフレが悪化し続けることがほぼ確実だ。インフレが悪化し続けると米連銀FRBが利上げし、長期金利が上がって金融バブルが崩壊する。それを引き起こさずバブルを延命させることが必要だ。
インフレがさらに悪化すると、すでに不況になっている米実体経済がもっと悪化するが、米側マスコミは歪曲的な経済報道を続け、金融相場の高値が維持され、人々がそれを軽信する状況が続く。
(The Middle Class Is Increasingly Becoming "The Impoverished Class", And The Poor Are Increasingly Being Pushed Into The Streets)

米政府が、バブル延命策を持たずに中露との長期対立を予定するとは考えにくい。あと2-3年ぐらいはバブルを延命させてドル崩壊を先延ばしし、中露など非米側との対立を続け、非米側が米国に全く頼らずに世界経済と国際社会(多極型覇権)を運営していけるようにするのでないか。
もしくはその前に、米国が威勢よく中露との対立を煽っているうちに、突然バブル崩壊して覇権が衰退し、非米側が世界を主導する状態へと転換するのか。
(ドル崩壊しそうでしないのはなぜ?)
(米覇権ゾンビの裏で非米側が新世界を構築)

米国の中露敵視は、それ自体を見ると不必要で不合理な策だ。米国側が中露を敵視する必要は全くない。中国もロシアも、米国側に何の脅威も与えていない。ウクライナ戦争は、米国がウクライナを傀儡化してロシア系住民を殺させたことが悪の根源であり、ロシアは被害者だ。
(The Russian invasion was a rational act)

中露は、米国側を敵視していない。米国側が中露を敵視するから、中露は対応を余儀なくされている。米国が中露敵視をやめれば世界は平和になる。
中露が全体主義だと言うなら、バイデン政権の米国の方が全体主義だ。米民主党は、選挙不正を連発し、多くの愚劣なリベラル策で米国を自滅させている。独仏はポピュリストを不当に抑圧するエリート独裁だし、日本は官僚独裁体制だ。中国は1党独裁だが、ロシアは民主主義国だ。
(Russia 'doesn’t need' Western-promoted pride agenda, says Lavrov)
(Russian election official reveals number of online votes cast so far)

米国の中露敵視は、敵対構造を長期化し、中露が非米諸国を率いて米国抜きの世界体制を作るように仕向け、世界を多極型の覇権構造に転換させるための隠れ多極派の策である。
強くて善良な米国が覇権を持っている限り、中露など全世界が米覇権体制に満足している。だが、それでは米欧が新興諸国や途上諸国からピンはねして世界経済の成長を抑圧する体制が続いてしまう。
もともとの米国は善良だが、米国の覇権を裏で牛耳っている英国はピンはねで生きており、米国の軍産などを巻き込んで世界を搾取してきた。
(多極化と米覇権低下を示した印G20サミット)

この隷属状態を覆すため、米国は911以降、過激で稚拙で理不尽な政権転覆策や中露敵視策を20年以上も続け、中露が米国を無視して新たな多極型の世界を作るように仕向けている。
この偽悪的な米国の隠れ多極主義の戦略があと何年続くと、世界の転換が完了するのか。あと3-5年ぐらいかとも思うが、「一つの時代」というなら10年ぐらいは続く必要がある。予測が難しい。
https://tanakanews.com/230916order.htm

2. 2023年10月01日 10:52:27 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[16890] 報告
2023.9.30〖米国〗タッカー・カールソンはプーチンへのインタビューを米政府に阻止された〖及川幸久−BREAKING−〗
及川幸久THE WISDOM CHANNEL
2023/09/30
https://www.youtube.com/watch?v=HobU0Gh0XPg
3. 2023年10月01日 21:09:42 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[16891] 報告
<■194行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ナゴルノカラバフ紛争の終わり
2023年10月1日   田中 宇
ロシアとトルコにはさまれたコーカサス地域で、アルメニアとアゼルバイジャン(アゼリ)の領土紛争であるナゴルノカラバフ紛争が、25年ぶりに終わった。
9月19日にアゼリ軍がカラバフに侵攻し、カラバフを占領していたアルメニア人勢力(アルツァフ共和国政府)はロシアの仲裁で敗北を認め、9月28日にはアルツァフ政府が解散を決めた。
この紛争は、ソ連が崩壊してアルメニアとアゼリが独立国になった当初から、アゼリ領だがアルメニア人が多いナゴルノカラバフ地方を、アルメニアが占領して起きた。
アルメニア人は欧米露など世界に離散した民族(ディアスポラ)で、アルメニア本国には全体の3分の1(約300万人)しか住んでいない。隣国アゼリから領土を奪い、在外アルメニア人が本国に移住できるよう国土を拡張する武力闘争が、アルメニアにとってのカラバフ紛争の動機だった。
(Who is Nikol Pashinyan, embattled prime minister of Armenia?)

もともとカラバフにはアゼリ人なども住んでいたが、アルメニアは他の民族を追い出す民族浄化を進め、カラバフの人口の95%をアルメニア人にした。アルメニアは、カラバフ周辺のアゼリ領土も奪っていった。
カラバフ紛争を積極的に推進したのは米国のアルメニア人(アルメニア系米国人)の組織で、彼らは似たような離散民族であるユダヤ人から策略や諜報の技能をもらい(見返りに米諜報界に入り込まれつつ)資金や武器や民族活動家をカラバフに送り込み、イスラエルがヨルダン川西岸からパレスチナ人を追い出したのと同じやり方でカラバフと周辺地域を占領・民族浄化していった。
カラバフのアルメニア人は、資力と諜報力を持つ在米離散勢力と結託し、アルメニア本土の政治を牛耳って過激化した。米諜報界(軍産複合体)は、ロシア周辺の地域を永久に不安定化しておきたいので、カラバフ紛争の恒久化は好都合だった。
(Controversial social media posts by US Armenian lobby spark concerns over Premier Pashinyan's safety)
(Turkey’s Erdogan meets Azerbaijan’s Aliyev as Armenians flee Nagorno-Karabakh)

カラバフ紛争の恒久化は米国の露敵視策の一つだったが、同時に、在米アルメニア人勢力は、オスマントルコ帝国によるアルメニア人虐殺の話を誇張して、トルコに対する敵視策も展開していた。アゼリ人はトルコ系民族で、トルコはアゼリを支援してきた。カラバフ紛争は、アルメニアのトルコ敵視策でもあった。
トルコはアルメニアに隣接しており、国境を守るため、アルメニアはロシア軍に駐屯してもらっていた。アルメニアは、国の安全保障をロシアに依存していた。それなのに、カラバフ紛争の恒久化は米国の露敵視策にもなっているという複雑さだった。
(Pashinyan: Russia itself leaves the region)

加えて、トルコはNATOの一員で米同盟国だが、米諜報界が在米アルメニア勢力を通じて支援していたカラバフ紛争はトルコ敵視の策だという複雑さもあった。
イスラム主義化したトルコは、911以来テロ戦争で米国から敵視される傾向を強めたが、にもかかわらずトルコはNATO加盟国で、この点も複雑だ。トルコはアルカイダを擁立してシリア政府と戦わせ、米国に貢献していた。米国は、アルカイダを敵視しているが、育ての親でもある。
(How is the US involved in Armenia?)

冷戦中からトルコとロシアは仲が悪かったので、上記の複雑な敵味方関係が維持されていた。だが、2015年にロシアが米オバマの依頼でシリア内戦に参加してアサド政権を勝たせていく流れが始まり、勝てなくなったトルコがロシアと和解した。
これにより、アルメニアが露トルコ間の敵対を使ってロシア軍に駐留してもらい安全保障してもらう構図が崩れ始めた。アルメニアがトルコを敵視し続けていると国際的に孤立する。アルメニアは、露軍駐留の必要が低下し、トルコとの和解も必要になった。
(Azerbaijan Seizes Control of Nagorno-Karabakh)
(欧米からロシアに寝返るトルコ)

アルメニア政界は依然として、在米離散勢力と米諜報界に支援されたカラバフの勢力に牛耳られ、トルコ敵視と、カラバフ紛争の恒久化が推進されていた。カラバフ勢力の支配を打ち破ろうと、初代大統領のテルペトロシャンらアルメニア本体の政治勢力が2008年ごろから動いていたが負けていた。
2015年にロシアとトルコが和解して、カラバフ勢力の紛争恒久化策が時代遅れになった後、アルメニアではカラバフ勢力を追い出す政治運動が、腐敗した政府を転覆する表向きの名目を持った2018年の「ベルベット革命」に発展した。カラバフ勢力のセルジ・サルキシャン首相が辞任に追い込まれ、替わりに現首相であるニコル・パシニャンが就任した。
(Russia's reluctance to secure an indecisive Armenia will weaken both)

パシニャンは、目くらましが上手なポピュリスト政治家だ。彼が政権についた2018年の「ベルベット革命」は、米諜報界が2000年ごろからウクライナやグルジアなどロシア周辺の諸国で誘発した政権転覆策「カラー革命」の一つに分類されている。
カラー革命で樹立された政権の多くは、米諜報界の傀儡だ。パシニャンも表向きは親米反露で、米傀儡であるかのように見せている。だが実のところベルベット革命では、パシニャンが「腐敗勢力を追い出す」という口実で倒したセルジ・サルキシャンらカラバフ勢力の方が米傀儡だった。パシニャンは、自分を米傀儡に見せかけつつ対米自立策をやってきた。
(Russian political analyst: Peacekeepers will not stay in Azerbaijani territories)

またパシニャンは、表向きカラバフ占領を支持するそぶりを見せつつも、2020年にアゼリ軍がカラバフ周辺に侵攻してきて戦争になると、1か月あまりの戦闘の後に敗北を認めて停戦した。
アゼリの勝利は、アゼリが石油収入を使って兵器を積極購入して軍を強くした結果だった。パシニャンは、アゼリ軍の結集を知りながらアルメニア軍を大規模動員せず、負けるとわかっている戦争を展開し、半ば意図的に負けた。
(わざと負けて敵と和解して自国の安保につなげる策は、第4次中東戦争でイスラエルのゴルダ・メイア首相がやった策略でもある。イスラエルとアルメニアはいろんな点で似ている)
アルメニア政界のカラバフ派は、敗北に導いたパシニャンのやり方に激怒して辞任要求デモを繰り広げ、2021年に解散総選挙の実施になったが、パシニャンの党が勝ってしまい、続投になった。アルメニア国民の多くは、カラバフ紛争の長期化で疲弊しており、好戦的なカラバフ派でなく和解を進めるパシニャンの党を支持した。
(Nikol Pashinyan Wikipedia)

その後もアゼリ軍はアルメニア側に攻撃を仕掛け続けた。パシニャンは自国の劣勢への対策として、カラバフをアゼリに返還してアゼリと和解する策を打ち出し、2022年からアゼリとの交渉を進めた。アルメニア政府軍は2021年8月にカラバフから完全撤退した。
パシニャンは同時に、アゼリとの和解と抱き合わせる形でトルコとの和解交渉も開始した。
アルメニア政界のカラバフ勢力は、アゼリやトルコとの和解に猛反対し続けたが、彼らはすでに2021年の選挙で負けて野党になっていた。
(コーカサスで和平が進む意味)

アルメニア周辺には地域大国としてロシア、トルコ、イランがあるが、いずれも米国から敵視または疎外された非米諸国どうしで和解結束する傾向を強めており、カラバフ勢力の後ろ盾だった米国の離散勢力や諜報界は手を出せなくなった。
カラバフ勢力や米国が手を出せない中で、パシニャンのアルメニア政府はアゼリやトルコとの和解を進めた。そして今年5月、ロシアの仲裁でアルメニアとアゼリは正式に和解し、カラバフをアゼリに返還して国交を正常化することが決まった。
(世界の運営を米国でなく中露に任せる)

今年5月にアルメニアがアゼリと和解してカラバフを返還する話が決まり、カラバフのアルメニア人は、自前のアルツァフ共和国の政府や軍隊(民兵団)の解散を命じられ、アゼリ人としてカラバフで生きていくか、アルメニア本土に移住する選択肢を与えられた。
カラバフ勢力はそれらを拒否し、アルツァフ共和国の政府や民兵団を維持し続けた。対抗策としてアゼリ軍は、カラバフとアルメニア本土をつなぐ唯一の道であるラチン回廊を2022年末から封鎖し、兵糧攻めにした。アルメニア本土からの物資補給が断たれ、食糧難や物資不足のなか、カラバフ勢力の戦闘能力は大幅に低下した。
カラバフ勢力と敵対するパシニャン首相の傘下にあるアルメニア政府軍は、カラバフの窮状を無視して動かなかった。平和維持軍として駐留していたロシア軍も、アゼリ軍によるラチン回廊封鎖を黙認した。
(Artsakh is lost after being abandoned by Armenia, Russia and the West)

兵糧攻めの開始から9か月、今年5月のカラバフ返還決定から3か月経った9月初め、ロシアのプーチンとトルコのエルドアンがソチで会談した。
この会談で、アゼリ軍が最終的にカラバフに侵攻して奪還することが、アルメニアやアゼリも話に入る形で秘密裏に合意されたらしく、2週間後の9月19日、アゼリ軍がカラバフに侵攻し、1日の戦闘でカラバフ勢力の民兵団が無力化されて降参した。
その後、カラバフ勢力とアゼリ、アルメニア、露トルコの全体で協議が進み、9月28日にはカラバフ勢力のアルツァフ共和国が来年元旦付けで解散することが決まった。カラバフに住むアルメニア人の8割が、アルメニア本土に移住することになった。
アゼリ政府は、カラバフに残るアルメニア人にアゼリ国籍を与えて権利を保障すると言っている。カラバフ勢力を傀儡化した米諜報界は傘下のマスコミに「アゼリは信用できない。アゼリはアルメニア人を虐殺する」と喧伝させているがプロパガンダだ。アゼリは意外に信用できる。
(Kremlin stresses importance of developing transport links for Russia, Armenia, Azerbaijan)
(Armenia protesters demand PM resign after Nagorno-Karabakh ceasefire)

カラバフ勢力はパシニャン首相に引責辞任を求める反政府デモを首都エレバンで展開している。だが、カラバフ勢力はすでに弱い。2020年の敗戦後の選挙を勝ち抜いたパシニャンは、今回も負けずに続投する。パシニャンが続投する限り、アルメニアとアゼリはもう対立しない。25年間続いたナゴルノカラバフ紛争が終わった。
パシニャンは、アゼリと和解してカラバフ紛争を終わらせただけでなく、トルコとの和解も達成し、アルメニアを大きく安定させた。
(Pashinyan is unpopular but the opposition looks too weak to oust him)
(Armenia’s Pashinyan gives up Karabakh, abandons Russia-led CSTO)

これまでアルメニアは隣接するアゼリとトルコと対立し続け、アゼリやトルコとの国境を守るためにロシア軍の駐留が必須だった。だが今回アルメニアはアゼリともトルコとも和解したため、隣接諸国との国境近くにロシア軍の駐留が要らなくなった。だからパシニャンは最近、国内のロシア軍に対して撤退を求め始めている。
パシニャンはそのやり方も、目くらましだらけのポピュリストらしく、ウクライナ戦争での米欧とロシアとの対立の中で、ロシアは悪い奴だから露軍に撤退してもらって米欧にくっつく、という演技をしている。
米国もパシニャンの演技に呼応して、9月初めに米軍がアルメニア軍との合同軍事演習をやる茶番劇を展開している。
(Russia does not support Armenia’s intent to sign Rome Statute)
(Nikol Pashinyan is wrong: Armenia would benefit from Russia’s defeat)

アルメニア政府は、プーチンを濡れ義務の人道犯罪容疑で起訴したICC(国際刑事裁判所)に加入したり、パシニャンの家族が支援物資を持ってウクライナに行くなど、これみよがしな露敵視の演技をしている。
パシニャンは、最初にカラー革命で政権をとった時から、最大の目標だったカラバフ紛争終結を実現した今回まで、米国の傀儡を演じつつ、実際は対米自立を実現している。アルメニアは周辺のすべての勢力と和解し、もう米国が介入するすきがない。
(Washington using ‘traitor’ Armenian PM to strike at Moscow)
(Tensions rise between Armenia, Russia)

露軍の撤退を求められたロシア政府は怒り、パシニャンを米国の傀儡だと言って非難している。だが、パシニャンの目くらまし戦法を露政府はよく知っている。プーチンのロシアは、パシニャンの策略に協力してカラバフ紛争を終結させた。
露軍はそのうちアルメニアから撤退していくのでないか。最近のロシアは、中東アフリカなどで軍事安保的に関与せねばならない影響圏が急拡大した。、安定を達成したアルメニアに無駄に駐留し続けるのでなく、中東アフリカへの関与を増やさねばならない。アルメニア撤兵は多分ロシアがこっそり望んでいる策でもある。
(Armenia's Pashinyan: from revolutionary to embattled war-time leader)
(We can’t rely on Russia to protect us anymore, Armenian PM says)

アルメニアとアゼリが和解したことで、アゼリで採れる天然ガスをアルメニアを通ってトルコから欧州に送れる「ウードゥル・ナヒチェヴァン・ガスパイプライン」の建設が進みそうだ。9月25日にはタイミング良く、トルコとアゼリの大統領が出席してパイプライン工事の竣工式が行われた。
平和は経済発展につながる。欧州は、ロシアからガスを輸入できないので替わりのガスがとてもほしい。トルコは、これまでいじめられてきたEUに「いい子にするならガス売ってやるよ」と言い返せる。うしろでプーチンが含み笑いしてる。
(Igdir-Nakhchivan gas pipeline will contribute to Europe's energy supply)
(Igdır-Nakhchivan Gas Pipeline)
https://tanakanews.com/231001armenia.htm

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