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軍事侵攻とクラスター弾〜問い直される禁止条約〜/鴨志田郷・nhk
http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/528.html
投稿者 仁王像 日時 2023 年 10 月 04 日 07:17:37: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

軍事侵攻とクラスター弾〜問い直される禁止条約〜/鴨志田郷・nhk
2023年10月02日 (月)
鴨志田 郷 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/488161.html

国際社会から「非人道的な兵器」とされ、日本も禁止条約を批准しているクラスター弾が、ロシアだけでなく、アメリカから供与を受けたウクライナによっても使用され、犠牲者を増やしています。軍事侵攻が長期化する中、いわば「禁じ手」とされてきた兵器もが公然と使われている現状は、国際社会にどのような波紋を広げ、世界の軍縮の歩みにどのような影響を及ぼすのか、考えます。

<クラスター弾とは>
クラスター弾は、古くは第2次世界大戦から、ベトナム、アフガニスタン、イラクなどの戦争で、アメリカや旧ソビエトなどの大国を中心に頻繁に使われてきた兵器です。空や陸から発射される大型の砲弾から最大で600もの小型の爆弾がまき散らされ、「点」ではなく「面」への攻撃を行い高い確度で標的を捉えることから、かつては「現代の戦争には欠かせない兵器」とも言われていました。一方で、軍事目標以外の一般市民や民間施設にも被害を与える可能性が高いうえ、小型爆弾の多くが不発弾として残り、戦闘が終結したあとも長年にわたり多くの犠牲者を出してきました。過去半世紀の死傷者は世界で2万人にのぼり、実にその95パーセント以上が一般市民とされてきたのです。

<禁止条約が生まれるまで>

そんなクラスター弾を禁止する機運が生まれたのは、2006年に中東でイスラエルが隣国のレバノンへの攻撃で使用し、夥しい数の不発弾を残したのがきっかけでした。アメリカやロシア、中国などがなお規制に消極的な中で、北欧のノルウェーなど一部の有志国や国際的なNGO、各国の被害者が連携して世界的なキャンペーンを展開し、賛同する国を増やしながら条約案をまとめていきました。当時、安全保障上の理由からクラスター弾を生産・保有していたイギリス、フランス、ドイツ、そして日本も、国内の世論に押されるかたちで交渉に参加していきました。その結果、2008年にクラスター弾の生産や貯蔵、使用を禁止し、被害者の支援も定めたいわゆる「オスロ条約」が採択され、その後112の国と地域が参加していったのです。
この間、アメリカを始め条約に参加しない国も、使用を控えたり自主規制を設けたりするようになり、クラスター弾は「ひとたび使えば国際社会から厳しい目が向けられる兵器」となっていきました。軍縮の歴史の中で、被害者に不要な苦痛を与えたり、無差別に被害を広げたりする兵器は「非人道的な兵器」といわれ、焼夷弾や対人地雷などが条約で禁止されてきましたが、クラスター弾もまた、国際社会から「禁じ手」の烙印を押されることになったのです。中東の被害の現場から条約が採択されるまでの過程を取材してきた私は、大国主導ではなく国際世論のうねりに押されて、軍縮の新たな一歩が踏み出されたのを感じました。

<再び使われるクラスター弾>
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻は、そんな状況を覆すことになりました。

▼もとよりロシアは禁止条約に参加しておらず、当初から「クラスター弾は正しい使い方をすれば非人道的な兵器ではない」と主張し、旧ソビエトやロシアで製造された10種類以上のクラスター弾を、頻繁に使用してきました。ことし7月にはプーチン大統領自ら、「ロシアにはまだ様々なクラスター弾の蓄えがあり、相手の出方によっては我々にそれを使う権利がある」と、ウクライナ側を威圧しています。
▼ウクライナも禁止条約には参加しておらず、「クラスター弾は領土奪還の反転攻勢に必要だ」として、たびたび使用してきました。使用は自国の領土内に限り市民や市街地に被害を及ばないよう配慮をするとしていますが、それでも将来にわたり自国民を危険にさらし復興の妨げになるという懸念もあります。
▼そしてアメリカはことし7月に続き先月にも、ウクライナへのクラスター弾の供与に踏み切りました。バイデン大統領は当初、「砲弾が不足するウクライナを支援するための非常に難しい決断だった」としていましたが、その後、ホワイトハウスの高官は「高い軍事的効果を上げた」と述べ、積極的に供与していく姿勢を見せています。アメリカが供与したのは、1発に80程度の小型爆弾が含まれる砲弾で、小型爆弾の不発率は2.5パーセント以内とされ、ロシア側の不発率が40パーセントにも上るとされるのに比べれば、はるかに精度が高いとしています。
また、目下アメリカがウクライナに供与するかどうかが焦点となっている、射程が最大300キロにも及ぶ長距離ミサイルATACMSにも、弾頭にクラスター弾が搭載される可能性が伝えられています。禁止条約の発効以降、世界的に使用が控えられてきたクラスター弾は、ウクライナの戦場で再び激しく使われるようになっているのです。
国際的なNGOによりますと、ウクライナでは去年1年間だけでおよそ900人がクラスター弾によって死傷し、世界8カ国で確認された死傷者の80%近くを占めたといいます。今後ロシアとウクライナ双方がクラスター弾の使用をエスカレートさせれば、不発弾などによる市民の犠牲がさらに増えることが懸念されています。

<国際社会に広がる波紋>
こうした状況を前に国際社会には動揺が広がり、様々な反応を引き起こしています。

▼国連や人権団体などは強い懸念を示してきたほか、かつてクラスター弾による被害を受けた国などからは、ロシアだけでなくウクライナによる使用やアメリカによる供与も、厳しく非難する声があがりました。
▼一方で、ほとんどのNATO加盟国や日本を含むアメリカの同盟国などからは、アメリカやウクライナに対する強い非難は聞かれません。クラスター弾の使用には懸念を示しながらも、ウクライナを支援するアメリカは声高に批判できない、歯切れの悪い反応が目立ちました。
先月スイスで開かれた禁止条約の締約国会議でまとめられた報告書も、ロシアやアメリカを名指しすることはなく、「ウクライナ国内での使用に重大な懸念を示す」という、表現に止められました。
▼さらに禁止条約に参加している国のうちロシアと国境を接するリトアニアでは、「もはや国防にはクラスター弾が必要で、禁止条約から離脱すべきだ」という条約離脱論も浮上しています。地元のメディアによりますと、アメリカがウクライナへの供与を発表した後、国防省が政府に条約離脱を進言する意見書を提出し、議論が続いているということです。仮にリトアニアが条約からの離脱に踏み切れば、増え続けてきた条約の締約国が初めて減少する事態となります。これまで大国といえども無視することのできないいわば「国際規範」となりつつあった禁止条約は、その権威が揺らいでいるのです。

<問われる国際社会の責任>
国際社会を無視してクラスター弾を使い続けるロシアと、国民や領土を守るためとしてクラスター弾を使うウクライナの応酬を止めることは、もはや困難かも知れません。アメリカによるクラスター弾の供与がウクライナの反転攻勢に大きな成果をもたらすのか、それ以上にウクライナ国民に過酷な犠牲を強いていくのか、いま推し量ることもできません。しかし、こうした現実を前にしても、禁止条約に参加してきた国々には、現状への危機感を共有し警鐘を鳴らし続ける、重い責任があるのではないでしょうか。「クラスター弾を使わない」という国際社会のコンセンサスがなし崩しにされ、世界各地の紛争で再び使われるような事態は、なんとしても避けなければならないからです。

国連で地雷対策や不発弾処理の責任者を務めるアイリーン・コーン氏は、先月日本を訪れた際に私たちの取材に応じ、
「ウクライナでの戦争をきっかけに、これまで禁止されてきた非人道兵器が軍事的に有効で使用しても責任を問われないという考えが、世界に広がることを恐れている」、と危機感を訴えていました。
ロシアによる核の脅威が世界の核軍縮の取り組みを停滞させているように、クラスター弾の使用もまた、世界の軍縮の歩みに暗い影を落としています。軍事侵攻が長期化し、「戦争の現実」と「軍縮の理想」がかけ離れていく中にあっても、国際社会が長い年月をかけて積み上げてきた軍縮の成果を守り続けていくことが出来るのか、いま問われているのだと思います。  

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コメント
1. 港区 白白庵[1] jWCL5iCUkpSSiME 2023年10月08日 12:06:49 : 0fM7Ld83OM : SHJRR1BzVkxibWs=[1] 報告
 港区南青山にある白白庵という美術、工芸作家の作品を扱う店舗がレイプの資金源になっているという話だ。
ことの発端は2023年9月に埼玉県東松山市在住の造形家 加藤 渉 容疑者(38)が未成年に対する強制性交容疑で逮捕された。
加藤容疑者の資金提供していたのが白白庵というわけだ。白白庵では加藤容疑者の作品を大々的に扱っており、
加藤容疑者がレイプを行う際に資金的に大いに助けられていた。
白白庵とレイプ犯、加藤渉 容疑者の関係性を徹底的に追及するべきだ。


(レイプと関連の深い)白白庵
〒107-0062 東京都港区南青山二丁目17-14

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