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※紙面抜粋
※文字起こし
正体を見抜かれた(同誌提供・共同)
岡目八目ということか。米誌「タイム」(電子版)のタイトル変更が物議をかもしている。
岸田首相の写真を表紙に使ったタイム誌は、当初、<岸田首相は長年の平和主義を捨て去り、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる>との表題をつけ、記事の冒頭に<岸田首相が平和主義だった日本を軍事大国に変える>とのタイトルをつけていた。「表題」も「タイトル」も正鵠を射たものだった。
ところが、海外メディアに痛いところを突かれたからか、外務省が「見出しと中身が異なっている」と抗議すると、タイトルが<平和主義だった日本に、国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている>に差し替えられてしまったのだ。
しかし、誰がどうみたって、当初のタイトルの方が、岸田の本質を正確に表していたのではないか。さすがに表題は変えなかったが、なぜ「タイム」は、タイトルを変えてしまったのか。よほど外務省は強硬に抗議したのだろう。
タイム誌の記事は、実に詳細なものだ。岸田のことを的確に分析している。4月28日、首相公邸で行った単独インタビューを基にしている。
岸田を、アメリカに後押しされ「世界第3位の経済大国を、それに見合うだけの軍事的影響力のある大国に戻そうとしている」と分析。さらに、日本の軍事力増強が、地域の安全保障状況を悪化させかねないとの見方があることや、「核兵器のない世界」を目指す岸田の理念と軍事力強化は、矛盾するとの意見があると指摘している。
まさに、その通りだろう。きっとタイム誌は、岸田がホワイトハウスに追従していることも、「核兵器禁止条約」に見向きもしないことも、すべて知っているのだろう。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「海外メディアなのに、タイム誌は岸田首相の本質をよく分かっていると思う。岸田首相が『平和主義を捨て去り、日本の軍事大国化を望んでいる』のは、もはや隠しようのない事実です。決定的だったのは、昨年末に『安保関連3文書』を改定したことです。戦後の日本が守ってきた“専守防衛”を捨てることになる敵基地攻撃能力の保有を決め、さらに防衛費をGDP比2%まで増額する方針を打ち出した。日本のメディアは深刻に受け止めていませんが、“防衛費拡大”と“敵基地攻撃”は、戦後日本の安全保障政策を大転換させるもの。海外から見たら、日本は姿を変えようとしているように映るはずです」
増税までして「軍拡」の狂気
なりふり構わず軍事大国化を進める岸田政権の乱暴さを象徴しているのが、防衛費確保のための「財源確保特別措置法案」だ。
岸田政権は、2027年までの5年間で防衛費を約17兆円増やし、総額43兆円とする方針。「財源確保特別措置法案」は、岸田政権の防衛費増額の方針決定を受けて2月に閣議決定されている。
「防衛力強化資金」を新設し、国有財産売却など、税外収入を財源の一部として活用することが柱だ。
だが、ただでさえ借金漬けの日本には、絞り出したカネを軍拡に投入する余裕などないはずだ。「少子化対策」に回す方が有効なのは間違いないだろう。
国会審議の進め方も最悪だ。岸田政権は、東日本大震災の復興費に充てる「復興特別所得税」の半分を防衛費に使う方針を掲げているが、これに被災地からは「NO」の声が上がっている。昨年12月の福島民報などによる世論調査では62%が「納得できない」と回答した。そのため、立憲民主党と共産党が被災地での地方公聴会の開催を要求。しかし、岸田自民は開催を拒否し、法案を強行採決しようとしている。
さすがに、立憲と共産は、審議が行われている衆院財務金融委員会の塚田一郎委員長(自民党)の解任決議案を提出。
ところが、12日の衆院本会議で解任決議案は与党などの反対で否決され、麻生副総裁に至っては「“立憲共産党”による演出。単なる時間稼ぎだ」と野党をあざ笑う始末だ。
政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「国有財産を売り払い、さらに増税してまで、日本は軍拡しないといけないのでしょうか。岸田政権は自衛隊の艦船の建造費まで建設国債を発行してまかなうことを決めてしまった。しかも、『防衛力強化は待ったなしの課題だ』と訴えるだけで、なぜ、防衛費を倍増させなければならないのか、国民に説明しようともしない。これでは、タイム誌が〈岸田首相は、長年の平和主義を捨て、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる〉と分析するのも当然でしょう。いまだって日本の防衛費は世界9位ですよ。防衛費をGDP比2%にすると世界3位の軍事大国になってしまう。本当に国民は、そこまでの軍拡を望んでいるのでしょうか」
安保政策の大転換に高揚の不気味
それにしても、情けないのは日本の大マスコミだ。「財源確保特別措置法案」はデタラメだらけなのに、安倍政権以降の10年間ですっかり牙を抜かれてしまったのか、問題を詳細に報じているメディアはほとんど見当たらない。それこそ、タイム誌を見習った方がいいだろう。
タイム誌は岸田を「タカ派的だった安倍元首相が国論を二分した一方、岸田首相が持つハト派の顔が大きな抵抗なしに安保改革を可能にした」と評していた。このまま、ハト派の仮面をかぶった岸田に任せていたら日本は本当に軍事大国にまっしぐらである。
恐ろしいのは、戦後日本の安全保障政策を大転換させていることに、胸を高鳴らせているフシがあることだ。5月4日付の朝日新聞によると、昨年末、安保関連3文書を改定し、敵基地攻撃能力の保有を決めた際、「俺は安倍さんもやれなかったことをやったんだ」と、高揚感を隠し切れない様子で周囲に語ったという。
それでいて、「(出身派閥・宏池会の)平和主義は変わらないが、状況が変わったからしょうがない」と無責任なことも口にしている。
東大名誉教授の御厨貴氏は、岸田のことを〈変化に応じて「状況追従主義」で対応する〉〈状況追従主義は、ものを深く考えないから早く結論が出せる〉と評していた。こういう「状況追従主義者」ほど怖いものはないのではないか。
「以前、岸田首相は総理大臣になった理由を子どもに質問された際、『一番権限が大きい人だから』と答えていました。首相として特にやりたいことがあるわけではないのでしょう。空っぽの岸田首相は、周囲に影響され、さらなる軍拡を進めてもおかしくありません。宏池会出身ながら、ハト派の仮面をかぶった岸田首相にだまされてはいけない。野党やメディアはもっと危機感を持って対峙すべきでしょう」(本澤二郎氏=前出)
月刊誌「選択」(3月号)は、〈岸田の本性は「タカ派の軍事好き」〉と報じていた。岸田にやらせていると、日本の軍事大国化は止まらない。気づけば「新しい戦前」になっていてもおかしくない。
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