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ヒズボラ指導者の殺害でイスラエルや米国に対する攻撃は激化へ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202409290000/
2024.09.29 櫻井ジャーナル
ヒズボラは9月28日、指導者のハッサン・ナスララが死亡したことを公式に確認した。イスラエル軍は27日から南レバノンに対して激しい空爆を開始、ナスララがいることを確認した上でヒズボラの本部を爆撃したとされている。
地上戦でイスラエル軍はヒズボラに勝てないため、アメリカ軍と同じように空爆で地上を破壊しようとしているのだろうが、これは住民の皆殺しにする作戦だ。ガザでも同じ戦法を使っているが、いまだにハマスを屈服させられていない。様々な人に指摘されているが、ヒズボラやハマスは特定のキーパーソンやグループに依存していないため、幹部を殺害しても抵抗は続く。
ヒズボラは9月25日、ハイファ南部の海軍基地にドローン攻撃を仕掛け、テル・アビブ郊外のモサド本部に向かってカデル 1弾道ミサイルを発射したと言われている。イスラエルでは報道管制が敷かれているため被害状況は不明だが、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は国連総会への出発を延期、そしてヒズボラ本部への攻撃を行なったことを考えると、イスラエル側に大きな損害があったのかもしれない。
ナスララ殺害でヒズボラのイスラエル国内に対する攻撃は激しくなることが予想されるが、それだけでなくイエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)は勿論、イラクやシリアの反シオニスト・グループもイスラエルに対する攻撃を本格化させることが予想できる。
アメリカはソ連消滅直後の1992年2月、国防総省のDPG(国防計画指針)草案として世界制覇プロジェクトを作成した。その当時の大統領はジョージ・H・W・ブッシュ、プロジェクトの最高責任者は国防長官だったリチャード・チェイニー、執筆の中心人物はポール・ウォルフォウィッツ国防次官。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。
そのドクトリンの基盤を考え出したのは国防総省内部のシンクタンクONA(ネット評価室)で室長を務めていたアンドリュー・マーシャルだとされている。いずれもシオニストの一派であるネオコンだ。その背後にはシティやウォール街を拠点とする私的権力が存在する。
その戦略に基づき、ネオコンは21世紀に入ってからウクライナの制圧に乗り出し、2013年11月から24年2月にかけてネオ・ナチを手先として使ったクーデターを成功させた。そのクーデターを推進したのは副大統領だったジョー・バイデン、国務次官補だったビクトリア・ヌランド、副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていたジェイク・サリバン。
バイデンが大統領に就任してから国務長官になったトニー・ブリンケンもヌランドやサリバンと同様、ロシアとの戦争を推進している。彼らはロシアを過小評価し、簡単に勝てると信じて戦争に突入した。ルビコンを渡ったのだが、ロシアは強かった。致命的な計算間違いだ。
こうしたアメリカの好戦派が存在しなければイスラエルはガザやレバノンで住民を虐殺できない。SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)によると、イスラエルの武器輸入の69%はアメリカが占め、その次がドイツで30%。この2カ国で大半を占める。
ナスララ殺害でイスラエルに対する攻撃は激しくなることが予想されている。イスラエル政府としては、状況を悪化させ、アメリカ軍に介入させようとしているのだろうが、イスラエルにとって戦況が好転するとは思えない。
さらにネオコンは東アジアでも軍事的な緊張を高めている。1992年に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンの目的は新たなライバルの出現を防ぐことで、その対象には旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジア、西南アジアも含まれる。ドイツと日本の場合、アメリカ主導の集団安全保障体制、つまり戦争マシーンに組み入れて「民主的な平和地域」を創設するともされている。日本が中国やロシアとの戦争に向かっているのはそのためだ。
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