彼は自分が死んだ状態を想像しろと強烈な表現だったのでさすがに表現を落とさせてもらったが、主眼がそれ位に自我を消せという事だと理解したが、以前の私だったらこいつは何を言っているのだとなったと思うが、しつこく深呼吸をして一年経った今、真我と呼んでいいのか分からないが自我を消すのに反比例して顔を出す魂とやらの意向に沿って生活する快適さは格別で、彼の言いたいところもそれだと思うが、我々の努力の結晶とも言うべき自我というものが残念ながら随分と低級で、私もこれは捨ててもいいと思うがこの考え方は捨てるべきではないという葛藤の一年だったが、自分の自信の源と思われる考え方も含めて総じて低俗な考え方に過ぎないと認めるのに一年かかったが、一言で言えば一切の執着を捨てるという事で、例外を作りたくなるのが我々凡人だが、一時私の脳に浮かんで離れなかった全部どうだっていいという、やけくそでも投げやりでも開き直りでもない感覚が例外すらも捨てる儀式だったように思うが、そこまでやらないと喜怒哀楽に振り回され、生老病死やら四苦八苦への不安や恐怖から解放されないのだろうという感じである。 　

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