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自民党を支持しているのはどの階級?アンダークラスは「反自民」?…支持政党から見る「日本の階級社会」/現代ビジネス
橋本 健二
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%82%92%E6%94%AF%E6%8C%81%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%AE%E9%9A%8E%E7%B4%9A-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%81%AF-%E5%8F%8D%E8%87%AA%E6%B0%91-%E6%94%AF%E6%8C%81%E6%94%BF%E5%85%9A%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%8B%E3%82%8B-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%9A%8E%E7%B4%9A%E7%A4%BE%E4%BC%9A/ar-AA1HZQ0j?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=06223cffa5104374b06cdab85d72d63e&ei=53
「中流幻想」ははるか彼方の過去の夢。
1980年前後に始まった日本社会の格差拡大は、もはや後戻りができないまでに固定化され、いまや「新しい階級社会」が成立した。
講談社現代新書の新刊・橋本健二『新しい階級社会 最新データが明かす〈格差拡大の果て〉』では、2022年の新たな調査を元に「日本の現実」を提示している。
本記事では、〈日本で起こりつつある「命の格差」…必要なモノを買えない、病院に行けない、アンダークラスの知られざる「窮乏状態」〉に引き続き、各階級の支持政党や政治参加について詳しく見ていく。
支持政党と政治参加
図表3・19は、各階級の支持政党をみたものである。調査対象が三大都市圏住民であるため、大阪府およびその周辺の住民が回答者に占める比率が高くなっていること、また調査が実施された2022年1—2月は、日本維新の会の支持率が急上昇して、結成以来最高を記録した時期であることに注意が必要である。
資本家階級は自民党支持率が32.8%で、五つの階級のなかでずば抜けて高い。自民党は財界団体・業界団体などを支持基盤にしているが、個人の支持政党にもそのことがはっきりあらわれているといえる。しかし日本維新の会支持率も12.4%と高く、野党支持率も8.3%と低くないなど、支持する政党のある人の比率が55.4%と、五つの階級のなかでもっとも高くなっている。
新中間階級は、自民党支持率が20.6%とやや高く、日本維新の会支持率が9.9%、野党支持率が9.1%となっている。公明党支持率は、五つの階級のなかでもっとも低い。もっとも多いのは支持政党のない人で、58.6%を占めている。正規労働者階級は、新中間階級と傾向がよく似ている。
アンダークラスは、自民党支持率が11.8%で、五つの階級のなかでもっとも低い。しかし日本維新の会と野党の支持率も、五つの階級のなかでもっとも低い。公明党支持率も、五つの階級のなかではもっとも高いとはいえ3.0%にとどまっているため、全体の3分の2を超える68.8%までが支持政党なしとなっている。ただし自民党以外の政党支持率の合計は19.4%で、自民党支持率の1.6倍以上になっているところをみると、「反自民」色が強いとはいえるだろう。
旧中間階級の自民党支持率は20.0%である。低くはないが、かつてこの階級が、農協や商工会などに組織されて、自民党の強固な支持基盤だったことを考えると、隔世の感がある。野党支持率は11.1%で、五つの階級のなかでもっとも高い。日本維新の会の支持率も11.2%とやや高く、支持政党なしの比率は55.6%と資本家階級の次に低い。
図表3・20は、政治参加の状況をみたものである。
資本家階級は国政選挙への投票を「いつもしている」という人の比率が57.4%で、五つの階級のなかでもっとも高い。選挙の立候補者を支援する活動をしている人の比率も12.6%で、やはりもっとも高い。自民党の支持基盤であり、また実際に選挙運動にも関与する政治的にアクティブな階級であることがわかる。
資本家階級が有権者に占める比率自体は大きくないが、企業の経営者であり、また豊かな階級でもあるから、従業員に支援や投票を求めたり、献金をしたりするなど、その比率以上の影響力をもつと考えていいだろう。被雇用の三つの階級は、それぞれに特徴的である。
国政選挙の投票を「いつもしている」という人の比率は、新中間階級が51.9%と高く、正規労働者階級は42.1%と低くなり、アンダークラスは34.1%とさらに低い。これに対して選挙の候補者を支援する活動に参加している人の比率は、正規労働者階級が10.3%ともっとも高く、新中間階級も9.5%と低くない。
これに対してアンダークラスはというと、参加率は6.8%で、五つの階級のなかで最低だった。支持政党なしの比率が高いことを考えても、もっとも政治参加に消極的な、あるいは政党からの働きかけを受けることのない、政治から疎外された階級だといえるだろう。
旧中間階級は、国政選挙への投票を「いつもしている」という人の比率は55.7%と高いのだが、選挙の候補者を支援する活動をしている人の比率は7.9%と低い。候補者が商店街に事務所を構え、商店会の人々が応援に駆けつけるというのは、かつての地方選挙では見慣れた光景だったが、状況はかなり変わっている。かつて旧中間階級は、自民党から支持基盤として期待される存在だったが、すでに自民党支持率が新中間階級を下回っていることからもわかるように、その政治的性格がかなり変化しているようだ。
五つの階級の五つの世界
『新しい階級社会』第一章では各階級の基本的な特徴について、そしてこの章では、各階級に属する人々の生い立ちとこれまでのキャリア、そして日常生活についてみてきた。五つの階級にはそれぞれにはっきりした特徴があり、別の世界の住人といっていいほどの違いがある。簡単にまとめておこう。
資本家階級は、規模の大小を問わず企業の経営者であり、豊かで満ち足りた人々である。経済的に恵まれているだけではなく、経営者として裁量範囲の大きい仕事をしており、仕事への満足度が高い。自分が他の人々と比べて豊かであることを、十分自覚してもいる。親も同様に経営者で、世襲によってその地位を得たと考えられる人がかなりの比率に上るものの、新中間階級または正規労働者階級から出発して、昇進や独立を通じて現在の地位を得た人の方が多数派である。政治的には保守的で、単に自民党支持率が高いというだけではなく、選挙活動に参加する人、必ず投票するという人が多いなど、アクティブである点に特徴がある。
新中間階級は、資本家階級に次いで豊かな階級である。学歴は資本家階級を上回り、新中間階級の父親のもとで育ち、当たり前のように大学に進学して現在の地位を得た人が多い。自分の豊かさを自覚している人の比率も、資本家階級に次いで高い。雇用は安定しており、貧困に陥るリスクは、五つの階級のなかでもっとも小さい。消費活動では、インターネットや各種のメディアを活用した活動に特徴がある。しかし、あくまでも雇われ人であるから、労働疎外を免れない。専門職や管理職など、被雇用者としては裁量権のある仕事をしている人々が多いはずなのだが、自分の仕事の内容に満足している人の比率は、自分で事業を営む資本家階級や旧中間階級に遠く及ばず、仕事にストレスを感じる人も多い。選挙で必ず投票するという人が多く、被雇用者のなかでは政治的関心の高い階級である。
正規労働者階級は、販売・サービス・製造などの現場で働く人々である。資本主義社会の下層階級ではあるのだが、雇用は守られており、所得水準もそれなりに高い。しかし資本家階級や新中間階級の指示のもとで労働を統制されており、仕事の内容に満足する人は少なく、仕事にストレスを感じる人の比率は五つの階級でもっとも高い。ただし初職が正規労働者階級だった人の4分の1近くはのちに新中間階級へ移動しており、ある程度まで裁量権を獲得する道はあるといえる。選挙での投票には、積極的とはいえない。
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