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石破首相 退陣不可避に 針路欠いた迷走の帰結だ/毎日新聞
2025/7/25
https://mainichi.jp/articles/20250725/ddm/005/070/102000c
石破茂首相の退陣が避けられない情勢となった。衆参両院選挙で与党が大敗し、政権の求心力を失ったためだ。有権者から不信任を突きつけられた以上、当然の帰結である。
昨秋の衆院選に続き、今月の参院選でも、自民、公明両党が過半数を割り込んだ。6月の東京都議選を含めた大型選挙で、石破政権は3連敗を喫した。
ところが、首相はこの期に及んでも「大切なのは国政に停滞を招かないことだ」などと強調し、続投に固執している。
選挙結果の重みを無視するかのような発言は、党内外から猛反発を招いた。各地の自民県連から早期退陣の要求が噴出している。中堅・若手議員らが党総裁選の前倒し実施を求めるなど、「石破降ろし」の動きも加速した。
民意無視した続投宣言
参院選から一夜明け、自民党役員会に臨む石破茂首相(中央)ら党幹部=東京都千代田区で2025年7月21日午前11時52分、新宮巳美撮影
党内基盤の弱い首相が、過去の総裁選などで存在感を保ってきたのは、地方党員らの支持が厚かったことが大きい。度重なる選挙の大敗でそうした層にも見放され、進退窮まった。
「国難」だと訴えてきたトランプ米政権との関税交渉も決着し、続投を言い張る根拠も失った。自民が8月中にまとめる参院選大敗の総括を踏まえて、引責辞任を表明することが想定されている。
そもそも首相は、「自民政治」の抜本改革を期待されて就任したはずだった。長く党内野党の立場から、政権が国民感覚と乖離(かいり)していることに苦言を呈してきた。
しかし就任以降は、自民の旧来の論理にのみ込まれてしまったように映る。政治のあり方を根本的に変えることを望んだ国民の期待を裏切った。
その象徴が「政治とカネ」を巡る問題である。首相は、自民派閥裏金事件で批判を受けた金権体質を払拭(ふっしょく)することに消極的だった。衆院選大敗後もけじめをつけようとする姿勢は乏しく、政策をゆがめかねない企業・団体献金の温存を図った。
国のリーダーとして、明確な国家ビジョンも打ち出せなかった。外交・安全保障面での持論を封印し、肝いりの地方創生政策でも従来の焼き直しにとどまった。「石破カラー」は発揮されずじまいだった。
衆院で少数与党の状況に追い込まれると、与野党が互いの主張を吟味してより良い政策につなげる「熟議の国会」の実現を訴えた。
だが、過半数を確保するための数合わせを優先し、一部野党との密室協議で妥協を繰り返したのが実態だった。言行不一致というほかない。
自民はこれまで、批判を浴びるたびにトップの顔をすげ替えることでかわしてきた。石破内閣もそうした「疑似政権交代」の域を出ていないと国民に見透かされ、大きな失望を招いたのではないか。
政治の信頼取り戻す時
自民は多様な人々の声をすくい上げる国民政党として、戦後政治をけん引してきた。参院選で浮き彫りになったのは、その土台が溶解しつつあることだ。
支持団体が衰え、利益誘導型の施策の見返りとして「票とカネ」を集める旧来の手法が通用しなくなっている。
バブル経済崩壊後の「失われた30年」の間、暮らしの不安に正面から向き合ってきたとは言い難い。その結果、日本の活力が損われたと考える若い世代や無党派、中間層などの支持を新興政党に奪われる形となった。
多党化が進んだ参院選では、財源の裏付けが乏しい負担軽減策や外国人規制強化などの「アピール合戦」を、与野党が繰り広げた。しかし、安易な方向に流れるばかりでは、責任政党としての役割は果たせない。
人口減少時代における持続的な社会保障制度のあり方や、悪化する財政の再建、緊迫化する国際情勢への対応など、中長期の課題にも正面から対処する。そうした姿勢が、将来にわたる暮らしの安定をもたらし、政治への信頼を取り戻すことにもつながる。
今の自民が問われているのは、構造的問題を抱えた党の自己変革を実現し、新たな国民政党として生まれ変われるかどうかである。総裁という表紙だけを替え、刷新感を演出するようなやり方は通用しない。
野党に政権を明け渡すつもりがないのであれば、幅広く支持される新たな政権の枠組みと、あるべき国の針路を示すべきだ。
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