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原爆投下から80年、被爆国で変わりつつある意識 「核のタブー」足元で崩壊…主張が受け入れられる背景は/東京新聞 2025年8月1日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/425415?rct=politics
原爆投下から80年を迎えるタイミングで、核兵器に対する日本国内の意識の変化をうかがわせる動きが続いている。日米が核の使用を想定した机上訓練を行い、自衛隊が米軍に「核の脅し」を求めたことが報じられ、被爆者らが激しく反発している。また先月の参院選では日本の核武装に言及した候補者が当選した。唯一の戦争被爆国である日本の変化が持つ意味とは。(太田理英子、西田直晃)
◆アメリカに「核の脅し」要求との報道
「核に頼るだけでなく、自ら関わっていくことを具体的に計画している。大変なことだ」。7月28日夜、被爆者や市民団体でつくる一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」が開いた緊急オンライン記者会見で、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中熙巳(てるみ)代表委員(93)は抗議の声を上げた。和田征子事務局次長(81)も「こんなに信用できない政府があるか」と怒りを口にした。
「核兵器をなくす日本キャンペーン」による緊急オンライン記者会見の様子
NPO法人「ANT−Hiroshima」の渡部朋子理事長は「『核のタブー』の強化が、唯一の戦争被爆国・日本という足元で崩壊させられる」と危機感をあらわにした。
記者会見は同月26、27日に配信された共同通信の記事を受けて急きょ設定された。記事は、日米両政府が日本の防衛を話し合う定例協議の一環で机上演習を行い、米軍の核兵器を使用するシナリオを議論していると指摘。昨年12月には初めてガイドラインを策定し、核使用時の政府間調整の手順も定めたとしている。さらに、「台湾有事」を想定した昨年2月の日米机上演習で、中国が核兵器の使用を示唆する局面を想定し、防衛省制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長が「米国も核の脅しで対抗を」と何度も求めたと報じた。
◆「事実無根」中谷防衛相は否定も
中谷元・防衛相は7月29日の記者会見で「核の脅し」の要求について「事実無根。記事にあるようなやりとりは行われていない」。8月1日に退任する吉田氏も否定。防衛省は「こちら特報部」の取材に中谷、吉田両氏と同様に回答し、「これ以上の演習内容の詳細は差し控える」とした。ただ、記事の取り下げ要求は「考えていない」とした。
報道は核廃絶に取り組む市民団体などにも衝撃を持って受け止められた。
緊急会見で、NPO法人「ピースデポ」の鈴木達治郎代表は「『核の傘』の実態は、核兵器の使用と威嚇だと明らかになった。こういう演習をやること自体が地域の緊張を高める」と指摘。米国の方が核兵器の使用に抑制的だとし、「本来、日本は核使用のリスク削減を議論しなければいけないのに、核兵器をどう使うかを議論しているのは驚くべきこと」と非難した。
◆進む「日米軍事一体化」
会見では「政府は台湾有事を根拠に軍備増強をしようとしている。核を使わないといけないような状況だと、国民の不安、危機感をあおるために(報道を)使っているんじゃないか」といぶかしむ声も聞かれた。
日米同盟の問題に詳しいジャーナリスト吉田敏浩氏は、報道された「核の脅し」について「(防衛省の)自衛隊制服組の暴走ではないか」とみる。近年、省内で制服組の発言力が増している状況を指摘。自衛隊と米軍の間で部隊運用や作戦の連携強化など「日米軍事一体化」が進んでいることも背景にあるとする。
日本は「非核三原則」を掲げてきた立場だ。「公式な政府方針に沿わず国会の議論も経ていないにもかかわらず、制服組が文民統制や国民の目から離れて独自の国策づくりに走るのは、戦前に実質的な統帥権を握った軍部が暴走した状況と似ている。核戦争にエスカレートしかねないことを要求しているのであれば非常に憂慮すべき事態だ」
◆過去の惨禍より周辺国への不安
先の参院選で、核武装を「最も安上がりで、最も安全を強化する策の一つ」と言い放った参政党の塩入清香氏が当選した。神谷宗幣代表も核共有の必要性に言及している。
街頭演説する参政党の塩入清香氏=7月21日、東京都港区で(木戸佑撮影)
「国内外の情勢変化で、核武装・核共有の意見が昔よりも表明されやすくなっている」と話すのは、中京大の佐道明広教授(安全保障政策史)。「戦争の語り部が少なくなり、戦後長く続いてきた平和教育の機会が減った。海外ではロシアのウクライナ侵攻があり、プーチン大統領が核の使用を否定せず、中国の核増強も盛んに報じられている」と説明。「この状況下でSNSが普及し、一部の政治家や学者にとどまっていた核武装論が、論理的ではなく感情的におおっぴらに語られるようになった」と危機感を募らせる。
塩入氏と親交がある作家の古谷経衡氏は「核武装発言は本をただせば、元航空...
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